彼はポケットの中から、新館の煙筒から取ってきたブリュジョンの綱の切れを引き出して、それを板塀の囲いの中に投げおろした。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
「松の枝は折れて、板塀の上にも泥が附いてゐる。曲者はあの松を傳はつて、隣り屋敷の空地から忍び込んだに相違あるまい」
銭形平次捕物控:195 若党の恋 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あッ、あそこの板塀が……」板塀に、今しもポカリと穴が明いている。フットボールぐらいの大きさだ。その穴が、どうしたというのだろう、見る見るうちに大きく拡がってゆくのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがたとえ板塀の中であったり、他の家の裏側に向かい合っていたりして、当人たちはどこからも見えぬつもりで、まさかそんな遠くの山の上から望遠鏡で覗かれていようとは気づくはずもなく
彼は静かに板塀の戸を少し開いて、街路にはだれもいないのを見定め、用心してぬけ出し、後ろに戸を引きしめ、バスティーユの方へ駆けて行った。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)