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板塀
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いたべい
ふりがな文庫
“
板塀
(
いたべい
)” の例文
「……やっぱり闇料理屋だったのか、そうだろうな」信三は眼をあげた、話しごえはすぐ向こうにある
板塀
(
いたべい
)
の中から聞こえるのだった。
四年間
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼はポケットの中から、新館の煙筒から取ってきたブリュジョンの綱の切れを引き出して、それを
板塀
(
いたべい
)
の囲いの中に投げおろした。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
とうとう車道から人道へ乗り上げそれでも止まらないで
板塀
(
いたべい
)
へぶつかって逆戻をする事一間半、危くも巡査を去る三尺の距離でとまった。
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その家というのもほんの名ばかりのような小屋から、もと私達の住んでいた
母屋
(
おもや
)
とその庭は、高い
板塀
(
いたべい
)
に
遮
(
さえぎ
)
られて殆ど何も見えなかった。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「松の枝は折れて、
板塀
(
いたべい
)
の上にも泥が附いてゐる。曲者はあの松を傳はつて、隣り屋敷の空地から忍び込んだに相違あるまい」
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
荒れ果てた家でどの
硝子
(
ガラス
)
にも細いテープでつぎたしてあつた。夜来の雨で洗はれた矢竹が、
箒
(
はうき
)
のやうに、こはれた
板塀
(
いたべい
)
に
凭
(
もた
)
れかゝつてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
格子から予がのぞくとたんに、
板塀
(
いたべい
)
に取り付けてある郵便受け箱にカサリという音がした。予は早くも郵便を配達して来たのじゃなと気づく。
水籠
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ホールの庭には
桐
(
きり
)
の木が
生
(
は
)
え、落葉が地面に散らばつて居た。その
板塀
(
いたべい
)
で囲まれた庭の
彼方
(
かなた
)
、倉庫の並ぶ
空地
(
あきち
)
の前を、黒い人影が通つて行く。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
美吉屋
(
みよしや
)
の家には、
坤
(
ひつじさる
)
の
隅
(
すみ
)
に
離座敷
(
はなれざしき
)
がある。
周囲
(
まはり
)
は
小庭
(
こには
)
になつてゐて、
母屋
(
おもや
)
との間には、小さい戸口の附いた
板塀
(
いたべい
)
がある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さして立去たり
跡
(
あと
)
に殘りし男は
猶
(
なほ
)
内の樣子を
窺
(
うかゞ
)
ひ居る故
旅僧
(
たびそう
)
は見付られなば殺されもやせんと
息
(
いき
)
を
堪
(
こら
)
へて車の
蔭
(
かげ
)
に
屈
(
かゞ
)
み居る中此方の
板塀
(
いたべい
)
の戸を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
妙にぐしゃぐしゃという音をたてて口の中を
泡
(
あわ
)
だらけにして、そうしてあの
板塀
(
いたべい
)
や下見などに塗る渋のような臭気を
部屋
(
へや
)
じゅうに発散しながら
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
指
(
さ
)
す
方
(
かた
)
へ、
煉瓦塀
(
れんぐわべい
)
板塀
(
いたべい
)
續
(
つゞ
)
きの
細
(
ほそ
)
い
路
(
みち
)
を
通
(
とほ
)
る、とやがて
其
(
そ
)
の
會場
(
くわいぢやう
)
に
當
(
あた
)
る
家
(
いへ
)
の
生垣
(
いけがき
)
で、
其處
(
そこ
)
で
三
(
み
)
つの
外圍
(
そとがこひ
)
が
三方
(
さんぱう
)
へ
岐
(
わか
)
れて
三辻
(
みつつじ
)
に
成
(
な
)
る……
曲角
(
まがりかど
)
の
窪地
(
くぼち
)
で
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その一つからは、小高い
石垣
(
いしがき
)
と
板塀
(
いたべい
)
とを境に、北隣の家の茶の間の白い小障子まで見える。三郎はよくその窓へ行った。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
金網の
垣根
(
かきね
)
とは違う別の
板塀
(
いたべい
)
で、全く
覗
(
のぞ
)
かれないように囲ってあるけれども、距離的には一番裏の家に近いので、もとシュトルツ一家がいた頃には
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
其は他の下級将校官舎の如く、
板塀
(
いたべい
)
に囲われた見すぼらしい
板葺
(
いたぶき
)
の家で、
垣
(
かき
)
の内には柳が一本長々と
枝
(
えだ
)
を
垂
(
た
)
れて居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と云いながら、お庭をぶら/″\歩いていると、
板塀
(
いたべい
)
の三
尺
(
じゃく
)
の
開
(
ひら
)
きがバタリ/\と風にあおられているのを見て
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小さい
前栽
(
せんざい
)
と玄関口の方の庭とを仕切った
板塀
(
いたべい
)
の上越しに人の帰るのを見ると、
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
を
翳
(
かざ
)
して新しい
麦藁
(
むぎわら
)
帽子を
冠
(
かぶ
)
り、薄い
鼠色
(
ねずみいろ
)
のセルの
夏外套
(
なつがいとう
)
を着た後姿が
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
近所の
板塀
(
いたべい
)
やいけ
垣
(
がき
)
には、麦わらが立てかけてほしてある。めんどりが
鶏小舎
(
とりごや
)
でひくく鳴いている。村ははしからはしまで静かだ。そこで正九郎は何もすることがない。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
出入りの八百屋の
御用聞
(
ごようき
)
き
春公
(
はるこう
)
と、
家
(
うち
)
の
仲働
(
なかばたらき
)
お
玉
(
たま
)
と云うのが
何時
(
いつ
)
か知ら
密通
(
みっつう
)
して居て、
或夜
(
あるよ
)
、衣類を
脊負
(
せお
)
い、男女手を取って、裏門の
板塀
(
いたべい
)
を越して
馳落
(
かけお
)
ちしようとした処を
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ふと物の
摺
(
す
)
れる音がして、
柘榴
(
ざくろ
)
の枝葉の
繁
(
しげ
)
っている地境の
板塀
(
いたべい
)
のうえに、隣家の人の顔が一つ見え二つ見えして来た。そこからは庸三の坐っている部屋のなかも丸見えであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そのうちに、あっ、という
勇
(
ゆう
)
ちゃんの
声
(
こえ
)
がしたかと
思
(
おも
)
うと、
球
(
たま
)
はねらいをはずれて、ドシンと
大
(
おお
)
きな
音
(
おと
)
をして、
板塀
(
いたべい
)
にうちあたったのです。
二人
(
ふたり
)
は、いっしょにくびをすくめました。
日の当たる門
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あッ、あそこの
板塀
(
いたべい
)
が……」板塀に、今しもポカリと穴が明いている。フットボールぐらいの大きさだ。その穴が、どうしたというのだろう、見る見るうちに大きく拡がってゆくのである。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
黒い
板塀
(
いたべい
)
の
周
(
まわ
)
りを巡ってみると、十年も
主
(
あるじ
)
がいなかった甲賀
宗家
(
そうけ
)
。この附近の墨屋敷の中では、最も宏壮な構えだが、広いだけに荒れ方も甚だしく、雑草
離々
(
りり
)
として
古社
(
ふるやしろ
)
ででもあるような
相
(
すがた
)
だ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それがたとえ
板塀
(
いたべい
)
の中であったり、他の家の裏側に向かい合っていたりして、当人たちはどこからも見えぬつもりで、まさかそんな遠くの山の上から望遠鏡で覗かれていようとは気づくはずもなく
鏡地獄
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
家の黒い
板塀
(
いたべい
)
が見えた。
薄明
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
廊下のほうの障子をあければ、廻り縁の向うに狭い中庭の植込があり、その先には、やはり同じような茶屋の
板塀
(
いたべい
)
が立っていた。
雪と泥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
見覚えある
板塀
(
いたべい
)
のあたりに来て、日のややくれかかる時、
老夫
(
おじ
)
はわれを
抱
(
いだ
)
き
下
(
おろ
)
して、溝のふちに立たせ、ほくほく
打
(
うち
)
ゑみつゝ、
慇懃
(
いんぎん
)
に
会釈
(
えしやく
)
したり。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は静かに
板塀
(
いたべい
)
の戸を少し開いて、街路にはだれもいないのを見定め、用心してぬけ出し、後ろに戸を引きしめ、バスティーユの方へ駆けて行った。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そう云う同じ間取りの家が右にも左にも並んでいたので、二階に上ると、
板塀
(
いたべい
)
の忍び返しの向うに、隣りの家の中庭が見え、離れ座敷の縁側が見えた。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
平次は併しそれに見向きもせず、門から出ると、いきなり生垣の向う、
板塀
(
いたべい
)
繞
(
めぐ
)
らした隣の家へやつて行きました。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その室に
坐
(
すわ
)
っていると、庭に植えた松の枝と、
手斧目
(
ちょうなめ
)
の付いた
板塀
(
いたべい
)
の上の方と、それから忍び返しが見えた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
このあいだじゅう
板塀
(
いたべい
)
の土台を塗るために使った防腐塗料をバケツに入れたのが物置きの窓の下においてあった。その中に子猫を取り落としたものと思われた。
子猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
さて
此
(
この
)
世辞屋
(
せじや
)
は
角店
(
かどみせ
)
にして
横手
(
よこて
)
の
方
(
はう
)
を
板塀
(
いたべい
)
に
致
(
いた
)
し、
赤松
(
あかまつ
)
のヒヨロに
紅葉
(
もみぢ
)
を
植込
(
うゑこ
)
み、
石燈籠
(
いしどうろう
)
の
頭
(
あたま
)
が少し見えると
云
(
い
)
ふ
拵
(
こしらへ
)
にして、
其此方
(
そのこなた
)
へ
暖簾
(
のれん
)
を
懸
(
か
)
け
之
(
これ
)
を
潜
(
くゞ
)
つて
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
ると
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこには立派な
門松
(
かどまつ
)
が立ててあり、門の片方の柱には、
味噌
(
みそ
)
溜
(
たまり
)
と大きく書かれた木の
札
(
ふだ
)
がかかっていた。黒い
板塀
(
いたべい
)
で囲まれた屋敷は広くて、倉のようなものが三つもあった。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
赤く
塗
(
ぬ
)
つた
板塀
(
いたべい
)
に沿うて、
妙見寺
(
めうけんじ
)
の門前に
葭簀
(
よしず
)
を張つた
休茶屋
(
やすみぢやゝ
)
へと、
蘿月
(
らげつ
)
は
先
(
さき
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
心の中に
小躍
(
こおど
)
りしながら、そこの廻り角のところでどっちに行くであろうかと、ほかに人通りのない寂しい裏町なのでこちらの
板塀
(
いたべい
)
の
蔭
(
かげ
)
にそっと身を忍ばせて、待っていると
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
二階は板戸が締まっていて、電燈の明りも差していなかったが、すぐ
板塀
(
いたべい
)
の内にある下の六畳から、母と何か話している彼女の声が洩れた。庸三はほっとした気持で
格子戸
(
こうしど
)
を開けた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
食堂を出て
動坂
(
どうざか
)
の講談社に行く。おんぼろぼろの
板塀
(
いたべい
)
のなかにひしめく人の群をみていると、妙にはいりそびれてしまう。講談社と云うところはのみの巣のようだと思う。文明も何もない。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
顔
(
がん
)
の身体は、まるで目に見えない
板塀
(
いたべい
)
に突き当ったように、急に後へ突き戻された。とたんに彼は両手をあげて、自分の頸をおさえた。が、そのとき、彼の肩の上には、もはや首がなかった。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
表口
(
おもてぐち
)
の内側にゐた菊地鉄平は、美吉屋の女房小供や奉公人の
立
(
た
)
ち
退
(
の
)
いた
跡
(
あと
)
で
暫
(
しばら
)
く待つてゐたが、
板塀
(
いたべい
)
の戸口で手間の取れる様子を見て、
鍵形
(
かぎがた
)
になつてゐる表の庭を、縁側の
角
(
すみ
)
に附いて廻つて
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
板塀
(
いたべい
)
越しに屋敷の外で聞いた井戸の水
酌
(
く
)
みの音まで威勢が好かった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
吐
(
つき
)
夫に付て
種々
(
いろ/\
)
談話度事
(
はなしたきこと
)
あるにより御迎へ申したり今は
間合
(
まあひ
)
も惡ければ
何卒
(
なにとぞ
)
翌
(
あす
)
の夜此處まで忍び來り給へ
緩々
(
ゆる/\
)
とお
話
(
はなし
)
申さんと
呉々
(
くれ/″\
)
も吉三郎に
約束
(
やくそく
)
なして歸しける
偖
(
さて
)
翌日
(
よくじつ
)
の夜吉三郎は彼の
板塀
(
いたべい
)
の處へ來りしに内よりお竹
出迎
(
いでむか
)
へて吉三郎が手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
南西へひらけた千坪ばかりの広さで、周囲に高い生垣をまわし、表側だけは黒く塗った
板塀
(
いたべい
)
で、あまり大きくはないが両開きの門が付いていた。
追いついた夢
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ハタと
板塀
(
いたべい
)
に
突当
(
つきあた
)
つたやうに、
棒立
(
ぼうだ
)
ちに
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
唐突
(
だしぬけ
)
に、
片手
(
かたて
)
の
掌
(
てのひら
)
を
開
(
あ
)
けて、ぬい、と
渠等
(
かれら
)
の
前
(
まへ
)
へ
突出
(
つきだ
)
した。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ちょっと
妾宅
(
しょうたく
)
と云った風の、見越しの松に
板塀
(
いたべい
)
の小ざっぱりした造りの二階家が三四軒並んでいるうちの一軒で
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夜中郵便
(
やちゅうゆうびん
)
と書いて
板塀
(
いたべい
)
に穴があいているところを見ると夜は
締
(
しま
)
りをするらしい。正面に
芝生
(
しばふ
)
を
土饅頭
(
どまんじゅう
)
に盛り上げて
市
(
いち
)
を
遮
(
さえ
)
ぎる
翠
(
みどり
)
を
傘
(
からかさ
)
と張る松を
格
(
かた
)
のごとく植える。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
西ごうたかもりはその声に応じて
板塀
(
いたべい
)
の下をくぐり、
紫苑
(
しおん
)
をかきわけて
姿
(
すがた
)
をあらわしました。
決闘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
寝静まった細長い小路を通って、右へ曲がって、わが家の
板塀
(
いたべい
)
にたどりつき、闇夜の空に
朧
(
おぼろ
)
な多角形を劃するわが家の屋根を見上げる時に、ふと妙な事を考えることがある。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
真直
(
まっすぐ
)
な
往来
(
おうらい
)
の両側には、意気な
格子戸
(
こうしど
)
、
板塀
(
いたべい
)
つづき、
磨
(
すり
)
がらすの
軒燈
(
けんとう
)
さてはまた霜よけした松の枝越し、二階の
欄干
(
てすり
)
に
黄八丈
(
きはちじょう
)
に
手拭地
(
てぬぐいじ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
をかさねた
褞袍
(
どてら
)
を干した家もある。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ガヴローシュは彼らの話の間、
板塀
(
いたべい
)
の標石の一つに腰掛けて、しばらくじっとしていた。おそらく
親父
(
おやじ
)
がふり向いてくれるのを待っていたのであろう。それから彼は
靴
(
くつ
)
をはいて言った。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
板
常用漢字
小3
部首:⽊
8画
塀
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
“板塀”で始まる語句
板塀囲
板塀繞
板塀越