成功せいこう)” の例文
「これが成功せいこうしたら、まったく、なかわってしまうだろう。いったい、このさき、どこまで科学かがくちから進歩しんぽするものだろうか?」
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
が、まけきらひでもあつたし、またさうなると、今までの力の報いられなかつた悔しさから、成功せいこうへの要求ようきうぎやくつよくなつた。
もしこれが成功せいこうするならば、飛行船用ひかうせんようなどとしてきはめて有益ゆうえきであり、火山かざん利用りようがこのてんおいても實現じつげんすることになるのであらう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
さうして、もしこの冒險ばうけん成功せいこうすれば、いま不安ふあん不定ふてい弱々よわ/\しい自分じぶんすくこと出來できはしまいかと、果敢はかないのぞみいだいたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
木戸銭きどせんをだしていない大道芸だいどうげいのせいでもあろうが、とかく人間は、かれの成功せいこうよりもかれの失敗しっぱいをよろこぶ傾向けいこうをたぶんにもっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれはナポリ、ローマ、ミラノ、ヴェネチア、フィレンツェ、ロンドン、それからパリでも歌いました。どこの大劇場だいげきじょうもたいした成功せいこうでした。
そのほかには事業じぎょう成功せいこう祈願きがん災難さいなんけの祈願等きがんとういろいろございます。これはいずれの神社じんじゃでもおそらく同様どうようかとぞんじます。
それから五ねん星霜せいさう※去すぎさつたが、かれ消息せうそくすこしもきこえません、其間そのあひだわたくし一日いちにちでもかれ健康けんこうと、かれ大事業だいじげふ成功せいこうとをいのらぬときはないのです。
このひとたちはおもひ/\にだてをめぐらしてひめれようとしましたが、たれ成功せいこうしませんでした。おきなもあまりのことにおもつて、あるときひめむかつて
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
じぶんで決心けっしんしてやったことだが、こうして成功せいこうして全身ぜんしん透明とうめいになってしまうと、さすがのぼくも、たいへんなことをやったなと、心おだやかでなかった。
成功せいこうした其時そのときうれしさも思出おもひいでるが、しかおほくは其時そのとき一處いつしよつたともの、んだのや、とほざかつたのや、いろ/\それを懷出おもひいだして、時々とき/″\へん感情かんじやうたれもする。
エゾヤマドリたちは、こうしてエゾマツドリがみごとに成功せいこうしたのを見ますと、じっとしてはいられなくなりました。ところが、もうとまる木は一本もありません。
近時理想ということが一つの流行語になり、成功せいこうはいうにおよばず失敗をも理想にする傾向がある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ういふ同志どうしへのこんな惡戲いたづら何處どこでも反覆くりかへされるのであつた。さうして成功せいこうした惡戲者いたづらもの
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
だれかゞつたわ』とあいちやんはさゝやいて、『自分じぶん稼業しやうばい忠實ちゆうじつなものはだれでも成功せいこうする!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
だからわたくしはらそこ依然いぜんとしてけはしい感情かんじやうたくはへながら、あの霜燒しもやけの硝子戸ガラスどもたげようとして惡戰苦鬪あくせんくとうする容子ようすを、まるでそれが永久えいきう成功せいこうしないことでもいのるやうな冷酷れいこくながめてゐた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
やあ 成功せいこう! 成功‼
だれでも得手えてというものがあるから、それをのばせば、成功せいこうすると先生せんせいがいったので、ぼく、元気げんきて、うれしくなったよ。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしもむろんいい先生ではなかったし、マチアもあまりいい生徒せいとであるはずがなかった。この課業は成功せいこうではなかった。
夫婦ふうふ和合わがふ同棲どうせいといふてんおいて、人並ひとなみ以上いじやう成功せいこうしたと同時どうじに、子供こどもにかけては、一般いつぱん隣人りんじんよりも不幸ふかうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
田舎いなかの大学で頭のさえない学生をあいてに心にそまない授業じゅぎょうをして、毎日をみじめにすごしてきたぼくが、これはどの成功せいこうをしようとは、だれも考えなかったろう。
人間たちは、じぶんをおとりに使おうと思って、たすけたのです。しかも、それはみごとに成功せいこうしたのです。野ガモが三羽も、じぶんのために殺されたではありませんか。
さてそれよりは、紀元節きげんせつ祝賀しゆくがと、このおほいなる成功せいこういわひとでくがごとさわぎ、よるになると、かねまうけられたる海岸かいがん陣屋ぢんや大祝賀會だいしゆくがくわいはじまつた。其塲そのば盛况せいけうふでにも言葉ことばにもつくされない。
それから、いくたびも失敗しっぱいして、ながあいだかかって、やっと、かれは、てつぎんとを混合こんごうすることによって、ついに、愉快ゆかい音色ねいろすことに成功せいこうしました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
仲間なかまの声はかすかなつぶやきのように聞こえていた。わたしは深い息をいこんで、またとびこんだが、やはり成功せいこうしなかった。レールはなかった。
冒險者アドヹンチユアラー」とふたゝ先刻さつき言葉ことば力強ちからづよかへした。「なにをしてゐるかわからない。わたくしには、牧畜ぼくちくをやつてゐます。しかも成功せいこうしてゐますとふんですがね、一向いつかうあてにはなりません。 ...
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
鍛冶屋かじや主人しゅじんは、それは、あまりに無謀むぼうなことだとおもったが、すべて、成功せいこうをするには、これほどの冒険ぼうけん勇気ゆうきが、なければならぬともかんがえられたのでした。
般若の面 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もし、わたしが、成功せいこうをして大金持おおがねもちになったら、きっとあなたのまちへたずねてゆきます。そして、あなたを、おたすけいたします。どうか、お達者たっしゃでいてください。」
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なにごとによらず、こうありたいと、熱心ねっしん仕事しごとをすれば、いつか、かならず成功せいこうするものです。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
りんごのは、最初さいしょは、びっくりしましたが、のちには、こころから、その旅行りょこうしゅくして、その成功せいこういのったのです。そして、たちにかって、北海ほっかいわた時分じぶん注意ちゅういをして
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんの息子むすこが、田舎いなか成功せいこうをして、はるばるおじいさんをむかえにきたのでありました。
なつかしまれた人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この若者わかものも、これから、なにかしら仕事しごとをして、成功せいこうしようという希望きぼういだいていました。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、息子むすこ成功せいこうをしたというのをいて、どんなによろこばしくおもったかしれません。どんなに、ひさしぶりで、子供こどもや、まごたちにあわれるのをうれしくおもったかしれません。
なつかしまれた人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ねずみは、おどろくべき注意力ちゅういりょくをもって、とうとうわたりおわって、あちらのあか屋根やねへつきました。このとき、おもわず、二人ふたりは、をたたいて、ねずみのために、成功せいこうしゅくしたのであります。
ねずみの冒険 (新字新仮名) / 小川未明(著)