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君子
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くんし
ふりがな文庫
“
君子
(
くんし
)” の例文
先哲
(
せんてつ
)
いはく……
君子
(
くんし
)
はあやふきに
近
(
ちか
)
よらず、いや
頬杖
(
ほゝづゑ
)
で
讀
(
よ
)
むに
限
(
かぎ
)
る。……
垣
(
かき
)
の
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
、さみだれの、ふる
屋
(
や
)
の
軒
(
のき
)
におとづれて……か。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けだし
聖人
(
せいじん
)
君子
(
くんし
)
高僧
(
こうそう
)
等より見れば、普通にわれわれの賞賛する武勇は
猛獣
(
もうじゅう
)
の勇気に類したもので、
孟子
(
もうし
)
のいうところの
匹夫
(
ひっぷ
)
の勇に過ぎぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
斯くてお隣りへ入った泥棒は一
物
(
もつ
)
も得なかったが、浩二に
梁上
(
りょうじょう
)
の
君子
(
くんし
)
の
概念
(
がいねん
)
を与え、家のブル公の声価を四隣に高からしめた。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
一方では例の“
梁上
(
りょうじょう
)
ノ
君子
(
くんし
)
”
蚤
(
のみ
)
の
時遷
(
じせん
)
。あの朝、首尾よく盗みとった一物をかついで、明けがた、早くも城外の草原を低い
雁
(
がん
)
のごとく飛んでいた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僕の
恬然
(
てんぜん
)
と本名を署して文章を
公
(
おほやけ
)
にせる最初なり。細君の名は
雅子
(
まさこ
)
、
君子
(
くんし
)
の
好逑
(
かうきう
)
と称するは
斯
(
かか
)
る細君のことなるべし。
学校友だち
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
当時観る人を驚かしたのは事実、然るに惜しいかなこの無二の大作を、その後まんまと
梁上
(
りょうじょう
)
の
君子
(
くんし
)
にしてやられた話。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
子
(
し
)
の
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
の
者
(
もの
)
は
其人
(
そのひと
)
と
骨
(
ほね
)
と
皆
(
みな
)
已
(
すで
)
に
朽
(
く
)
ちたり、
獨
(
ひと
)
り
其言
(
そのげん
)
在
(
あ
)
る
耳
(
のみ
)
。
且
(
か
)
つ
君子
(
くんし
)
は、
其時
(
そのとき
)
を
得
(
う
)
れば
則
(
すなは
)
ち
(二)
駕
(
が
)
し、
其時
(
そのとき
)
を
得
(
え
)
ざれば
則
(
すなは
)
ち
(三)
蓬累
(
ほうるゐ
)
して
行
(
さ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「はい。外のほうが安全で、ピカリッ抜いたッと来りゃア一
目散
(
もくさん
)
。
古語
(
こご
)
にも申します。
君子
(
くんし
)
危きに近よらず——」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一時の
豪気
(
ごうき
)
は以て
懦夫
(
だふ
)
の
胆
(
たん
)
を
驚
(
おどろ
)
かすに足り、一場の
詭言
(
きげん
)
は以て少年輩の心を
籠絡
(
ろうらく
)
するに足るといえども、
具眼卓識
(
ぐがんたくしき
)
の
君子
(
くんし
)
は
終
(
つい
)
に
欺
(
あざむ
)
くべからず
惘
(
し
)
うべからざるなり。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その時東風の返事が面白いじゃないか、日本人は清廉の
君子
(
くんし
)
ばかりだから
到底
(
とうてい
)
駄目だと云ったんだとさ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
晩成先生
聊
(
いささ
)
かたじろいだが、元来正直な
君子
(
くんし
)
で
仁者
(
じんしゃ
)
敵なしであるから驚くこともない、平然として坐って、来意を手短に述べて、それから
此処
(
ここ
)
を教えてくれた遊歴者の噂をした。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「河合譲治君」と云えば、会社の中でも「
君子
(
くんし
)
」という評判があったくらいですから。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ベースボールいまだかつて訳語あらず、今ここに
掲
(
かか
)
げたる訳語はわれの創意に
係
(
かか
)
る。訳語
妥当
(
だとう
)
ならざるは自らこれを知るといえども
匆卒
(
そうそつ
)
の際
改竄
(
かいざん
)
するに
由
(
よし
)
なし。
君子
(
くんし
)
幸に
正
(
せい
)
を賜え。
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
雑然考えて行くと、凡そその
適材
(
てきざい
)
たる方向が少くとも科学面であることが現われてくる。
君子
(
くんし
)
器
(
うつわ
)
ならずの格言のように、今後
突然変異
(
とつぜんへんい
)
でも起さない限り、一路進行するのが幸福だろう。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
ピンを
突
(
つ
)
っ
刺
(
さ
)
してあげるから。するとあなたは、この
坊
(
ぼっ
)
ちゃんの手前
恥
(
は
)
ずかしいでしょうし、それに痛くもあるでしょう。でもね、あなたは笑って見せてちょうだい。いいこと、
君子
(
くんし
)
さん
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
あの時萩原とお嬢との様子が
訝
(
おか
)
しいから、
若
(
も
)
し
万一
(
まんいち
)
の事があって、事の
顕
(
あら
)
われた日には大変、
坊主首
(
ぼうずッくび
)
を斬られなければならん、これは
危険
(
けんのん
)
、
君子
(
くんし
)
は
危
(
あやう
)
きに近寄らずというから
行
(
ゆ
)
かぬ方がよいと
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
インチキとは、
不正手段
(
ふせいしゅだん
)
である。だから
君子
(
くんし
)
のなすべきものではない。
麻雀インチキ物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
首は千ばかり
斬
(
き
)
っておりますが、まだ新らしく
研
(
といし
)
にかけたようです。悪人を見ると鳴ってぬけます、どうも人を殺すのが近うございます。公子はどうか
君子
(
くんし
)
と親しんで、
小人
(
しょうじん
)
を遠ざけてください。
田七郎
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
「どうもきみたちのうたは下等じゃ。
君子
(
くんし
)
のきくべきものではない。」
かしわばやしの夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
世の中というものは、君達
君子
(
くんし
)
が考えている程単純ではないのさ。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そこで
君子
(
くんし
)
をお
出
(
だ
)
しになる。3040
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
君子
(
くんし
)
と称するならば
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
君子
(
くんし
)
は
庖廚
(
はうちう
)
の
事
(
こと
)
になんぞ、
關
(
くわん
)
しないで
居
(
ゐ
)
たが、
段々
(
だん/\
)
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
に
成
(
な
)
り、
座敷
(
ざしき
)
に
及
(
およ
)
んで、
棚
(
たな
)
、
小棚
(
こだな
)
を
掻
(
か
)
きまはし、
抽斗
(
ひきだし
)
をがたつかせる。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なお賢人の
曰
(
い
)
うに、「
言
(
げん
)
近くして
旨
(
むね
)
遠きものは
善言
(
ぜんげん
)
なり。守ること約にして
施
(
ほどこ
)
すこと
博
(
ひろ
)
きものは善道なり。
君子
(
くんし
)
の
言
(
げん
)
は
帯
(
おび
)
より
下
(
くだ
)
らずして
道
(
みち
)
存
(
そん
)
す」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
けれどもこの山水を
贋物
(
がんぶつ
)
だと称する諸
君子
(
くんし
)
は、
悉
(
ことごと
)
くこれを自分の
負惜
(
まけを
)
しみだと盲断した。のみならず彼等の或者は「
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
無名の天才は
安上
(
やすあが
)
りで
好
(
い
)
いよ」
鑑定
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「われと汝と、なんの
怨恨
(
えんこん
)
かある。しかるに、汝はわれを害せんとする。逃ぐるは
君子
(
くんし
)
の
訓
(
おし
)
えに従うのみ」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それではあなたも
君子
(
くんし
)
です。照彦様と存じましたが、これは照常様のおいたずらですか?」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
吾
(
われ
)
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
く、
良賈
(
りやうこ
)
は
(四)
深
(
ふか
)
く
藏
(
ざう
)
して・
虚
(
きよ
)
なるが
若
(
ごと
)
く、
君子
(
くんし
)
は
盛徳
(
せいとく
)
ありて
容貌
(
ようばう
)
愚
(
ぐ
)
なるが
若
(
ごと
)
しと。
子
(
し
)
の
(五)
驕氣
(
けうき
)
と
多欲
(
たよく
)
と
(六)
態色
(
たいしよく
)
と
(七)
淫志
(
いんし
)
とを
去
(
さ
)
れ。
是
(
こ
)
れ
皆
(
みな
)
子
(
し
)
の
身
(
み
)
に
益
(
えき
)
無
(
な
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「
金
(
かね
)
さ君。金を見ると、どんな
君子
(
くんし
)
でもすぐ悪人になるのさ」
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
法文の曲解を難ずる意であって、僕は
君子
(
くんし
)
ではないが、人の罪を
憎
(
にく
)
んで、その人を憎まないように心がける積りである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
買物
(
かひもの
)
にゆきて
買
(
か
)
ふ
方
(
はう
)
が、(こんね)で、
店
(
みせ
)
の
返事
(
へんじ
)
が(やあ/\。)
歸
(
かへ
)
る
時
(
とき
)
、
買
(
か
)
つた
方
(
はう
)
で、
有
(
あり
)
がたう
存
(
ぞん
)
じます、は
君子
(
くんし
)
なり。——ほめるのかい——いゝえ。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
だから、そんな一面だけをここで見れば、彼には“
君子
(
くんし
)
ノ
風
(
ふう
)
”があるといっても、おかしくない。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(六四)
君子
(
くんし
)
は
世
(
よ
)
を
沒
(
をは
)
りて
名
(
な
)
の
稱
(
しよう
)
せられざるを
疾
(
にく
)
む。
(六五)
賈子
(
かし
)
曰
(
いは
)
く、『
(六六)
貪夫
(
たんぷ
)
は
財
(
ざい
)
に
徇
(
じゆん
)
し、
(六七)
烈士
(
れつし
)
は
名
(
な
)
に
徇
(
じゆん
)
し、
(六八)
夸者
(
くわしや
)
は
權
(
けん
)
に
死
(
し
)
し、
衆庶
(
しうしよ
)
は
(六九)
生
(
せい
)
を
馮
(
たの
)
む』
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「
君子
(
くんし
)
も道をもってすればこれを
歎
(
あざむ
)
くを
得
(
う
)
べしとあります。ハッハハハハ」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
従つてマツチの商標は
勿論
(
もちろん
)
、油壺でも、看板でも、
乃至
(
ないし
)
古今
(
ここん
)
の名家の書画でも必死に集めてゐる諸
君子
(
くんし
)
には敬意に近いものを感じてゐる。時には多少の
嫌悪
(
けんを
)
を
交
(
まじ
)
へた
驚嘆
(
きやうたん
)
に近いものを感じてゐる。
蒐書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「おう誰かと思えば、
梁上
(
りょうじょう
)
ノ
君子
(
くんし
)
(泥棒の意味)か。なるほど、時遷ならお手の物だろう」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれども、
淡泊
(
たんぱく
)
で、
無難
(
ぶなん
)
で、
第一
(
だいいち
)
儉約
(
けんやく
)
で、
君子
(
くんし
)
の
食
(
く
)
ふものだ、
私
(
わたし
)
は
好
(
すき
)
だ。が
言
(
い
)
ふまでもなく、それどころか、
椎茸
(
しひたけ
)
も
湯皮
(
ゆば
)
もない。
金魚麩
(
きんぎよぶ
)
さへないものを、
些
(
ちつ
)
とは
増
(
まし
)
な、
車麩
(
くるまぶ
)
は
猶更
(
なほさら
)
であつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
君子
(
くんし
)
の心境をお持ちでございますなと感心していらっしゃいました」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
吾
(
われ
)
聞
(
き
)
く、
君子
(
くんし
)
は
己
(
おのれ
)
を
知
(
し
)
らざる
者
(
もの
)
に
(五二)
詘
(
くつ
)
して、
己
(
おのれ
)
を
知
(
し
)
る
者
(
もの
)
に
信
(
の
)
ぶと。
吾
(
われ
)
・
縲紲
(
るゐせつ
)
の
中
(
うち
)
に
在
(
あ
)
るに
方
(
あた
)
り、
(五三)
彼
(
かれ
)
、
我
(
われ
)
を
知
(
し
)
らず。
(五四)
夫子
(
ふうし
)
既
(
すで
)
に
(五五)
感寤
(
かんご
)
し、
我
(
われ
)
を
贖
(
あがな
)
へり、
是
(
こ
)
れ
己
(
おのれ
)
を
知
(
し
)
るなり。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
こは
啻
(
ただ
)
に予のみにあらず、
大方
(
おほかた
)
の
君子
(
くんし
)
も
亦
(
また
)
然るが如し。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こんな境遇にさすらいつつも、依然彼は彼らしい
君子
(
くんし
)
の
風
(
ふう
)
を失っていない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
梁上
(
りやうじやう
)
の
君子
(
くんし
)
梁下の踊りかな
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
“君子”の意味
《名詞》
能力、および人格・品位を兼ね備えた立派な人。
(出典:Wiktionary)
君
常用漢字
小3
部首:⼝
7画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“君子”で始まる語句
君子人
君子蘭
君子國
君子然
君子面
君子顔
君子豹変
君子人同志
君子有三楽
君子素其位而行