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各
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おの/\
ふりがな文庫
“
各
(
おの/\
)” の例文
品坐の主客は
各
(
おの/\
)
心中に昔年の事を憶ひつつも、一人としてこれを口に出さずにしまつたと云ふことも、亦想像し得られぬことは無い。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
勿論一人一人を
仔細
(
しさい
)
に観るなら
各
(
おの/\
)
の身分や趣味が
異
(
ちが
)
ふ
儘
(
まゝ
)
に優劣はあらうが、概して
瀟洒
(
あつさり
)
と
都雅
(
みやび
)
であることは
他
(
た
)
国人の及ぶ所で無からう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
元禄より享保に至るまで人
各
(
おの/\
)
、自己独創の見識を立てんことを競へり。斯の如くにして人心中に伏蔵する思想の礦脈は
悉
(
こと/″\
)
く
穿
(
うが
)
ち出されたり。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
而して時に感情に
趨
(
はし
)
らんとする、及びクロポトキンの主張の特に
道義的
(
モオラル
)
な色彩を有する、それらは皆、彼等の
各
(
おの/\
)
の屬する國民——獨逸人、佛蘭西人
所謂今度の事:林中の鳥
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
鬼怒川
(
きぬがは
)
の
西岸
(
せいがん
)
一
部
(
ぶ
)
の
地
(
ち
)
にも
恁
(
か
)
うして
春
(
はる
)
は
來
(
きた
)
り
且
(
かつ
)
推移
(
すゐい
)
した。
憂
(
うれ
)
ひあるものも
無
(
な
)
いものも
等
(
ひと
)
しく
耒耟
(
らいし
)
を
執
(
と
)
つて
各
(
おの/\
)
其
(
そ
)
の
處
(
ところ
)
に
就
(
つ
)
いた。
勘次
(
かんじ
)
も
其
(
そ
)
の
一人
(
ひとり
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
焔は忽ち
熾
(
さかり
)
なり、とみれば、また、かつがつうちしめて滅し去る、怪みて人に問へば、これ
各
(
おの/\
)
わが家の悲しき
精霊
(
しやうりやう
)
の今宵ふたたび冥々の途に就くを
愴
(
いた
)
み
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
金庫
(
きんこ
)
、
書庫
(
しよこ
)
、
土藏
(
どぞう
)
には
各
(
おの/\
)
の
大
(
おほ
)
きさに
相應
(
そうおう
)
する
器物
(
きぶつ
)
(
例
(
たと
)
へば
土藏
(
どぞう
)
ならばばけつ)に
水
(
みづ
)
を
入
(
い
)
れ
置
(
お
)
くこと。これは
内部
(
ないぶ
)
の
貴重品
(
きちようひん
)
の
蒸燒
(
むしやき
)
になるのを
防
(
ふせ
)
ぐためである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
之を綏撫して
各
(
おの/\
)
自家保全の策に從事するを得せしむるは、天下無上の美事にして人民無上の幸福と云ふ可し。
帝室論
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
禍福の二門をくゞるの
謂
(
いひ
)
に過ぎず、
但
(
たゞ
)
其謂に過ぎずと観ずれば、
遭逢
(
さうほう
)
百端
(
ひやくたん
)
千差万別、十人に十人の生活あり、百人に百人の生活あり、千百万人
亦
(
また
)
各
(
おの/\
)
千百万人の生涯を有す
人生
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
但
(
たゞ
)
街道
(
がいだう
)
郷村
(
きやうぞん
)
の
児童
(
ぢどう
)
年十五八九已上に
及
(
およ
)
ぶ
者
(
もの
)
、
各
(
おの/\
)
柳の枝を取り皮を
去
(
さ
)
り
木刀
(
ぼくたう
)
に
彫成
(
きざみ
)
なし、皮を以
復
(
また
)
外
(
ほか
)
刀上
(
たうしやう
)
に
纏
(
まと
)
ひ
用火
(
ひにて
)
焼黒
(
やきくろ
)
め皮を
去
(
さ
)
り
以
(
もつて
)
黒白の
花
(
もやう
)
を
分
(
わか
)
つ、名づけて
荷花蘭蜜
(
こばらみ
)
といふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
七八人
(
しちはちにん
)
群
(
むらがり
)
飮
(
の
)
むに、
各
(
おの/\
)
妻
(
つま
)
を
帶
(
たい
)
して
並
(
なら
)
び
坐
(
ざ
)
して
睦
(
むつま
)
じきこと
限
(
かぎり
)
なし。
更
(
かう
)
闌
(
た
)
けて
皆
(
みな
)
分
(
わか
)
れ
散
(
ち
)
る
時
(
とき
)
、
令史
(
れいし
)
が
妻
(
つま
)
も
馬
(
うま
)
に
乘
(
の
)
る。
婢
(
こしもと
)
は
又
(
また
)
其
(
その
)
甕
(
かめ
)
に
乘
(
の
)
りけるが
心着
(
こゝろづ
)
いて
叫
(
さけ
)
んで
曰
(
いは
)
く、
甕
(
かめ
)
の
中
(
なか
)
に
人
(
ひと
)
あり。と。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
危急存亡の
秋
(
とき
)
切迫すること間髪を容れず、
抑々
(
そも/\
)
昨年来一時の平和の形をなすと
雖
(
いへど
)
も、大小藩主
各
(
おの/\
)
狐疑を抱き、天下人心
恟々然
(
きよう/\ぜん
)
として、その乱れること百万の
兵戈
(
へいくわ
)
動くより恐るべし……
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
以上
(
いじやう
)
で
大體
(
だいたい
)
化物
(
ばけもの
)
の
概論
(
がいろん
)
を
述
(
の
)
べたのであるが、
之
(
これ
)
を
分類
(
ぶんるゐ
)
して
見
(
み
)
るとどうなるか。
之
(
これ
)
は
甚
(
はなは
)
だ六ヶしい
問題
(
もんだい
)
であつて、
見方
(
みかた
)
により
各
(
おの/\
)
異
(
ことな
)
る
譯
(
わけ
)
である。
先
(
ま
)
づ
差當
(
さしあた
)
り
種類
(
しゆるゐ
)
の
上
(
うへ
)
からの
分類
(
ぶんるゐ
)
を
述
(
の
)
べると
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
各
(
おの/\
)
番号の打つてある札を持つてはゐるが、遅く往つたら這入られまいかと云ふ心配をしてゐる。それは偽札が出たと云ふ噂を聞いたので、番号が重なつてゐるかも知れぬと思ふのである。
防火栓
(新字旧仮名)
/
ゲオルヒ・ヒルシュフェルド
(著)
しかしこの三つの作品にも、
各
(
おの/\
)
差
(
さ
)
がある。『海へ』はそれでも客観性がかなり多く出てゐる。単なる自己描写と言つて了ふことの出来ない処がある。作の陰に微かながらもある背景がある。
自他の融合
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
不
レ
応
二
其求
そのもとめにおうぜず
一
、
然間
(
しかるあひだ
)
糧
(
かて
)
つきて其夜供の人々うへにつかれ、横田を
各
(
おの/\
)
悪口しければ、己が過を補はんためにや有けむ、院主不
レ
届よし、さん/″\にのゝしりければ
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
各
(
おの/\
)
の道を求めて果しのない迷路へと離れ離れに進んで行くのである。
工場の窓より
(新字旧仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
榛軒詩存を検するに、「天保十四癸卯歳晩偶成」の七絶、「天保十四癸卯除夜」の七律
各
(
おの/\
)
一がある。今除夜の七律を此に抄する。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
廣
(
ひろ
)
くもない
畑
(
はたけ
)
へ
残
(
のこ
)
らずが一
度
(
ど
)
に
鍬
(
くは
)
を
入
(
い
)
れるので
各
(
おの/\
)
が
互
(
たがひ
)
に
邪魔
(
じやま
)
に
成
(
な
)
りつゝ
人數
(
にんず
)
の
半
(
なかば
)
は
始終
(
しじう
)
鍬
(
くは
)
の
柄
(
え
)
を
杖
(
つゑ
)
に
突
(
つ
)
いては
立
(
た
)
つて
遠
(
とほ
)
くへ
目
(
め
)
を
配
(
くば
)
りつゝ
笑
(
わら
)
ひさゞめく。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
戦士は
各
(
おの/\
)
二人の立会人と一人の外科医と五六の親友とを従へて到着した。武器としては双方長い剣を
択
(
えら
)
んだ。立会人等は協議の上二回迄の対戦を承認した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
但
(
たゞ
)
街道
(
がいだう
)
郷村
(
きやうぞん
)
の
児童
(
ぢどう
)
年十五八九已上に
及
(
およ
)
ぶ
者
(
もの
)
、
各
(
おの/\
)
柳の枝を取り皮を
去
(
さ
)
り
木刀
(
ぼくたう
)
に
彫成
(
きざみ
)
なし、皮を以
復
(
また
)
外
(
ほか
)
刀上
(
たうしやう
)
に
纏
(
まと
)
ひ
用火
(
ひにて
)
焼黒
(
やきくろ
)
め皮を
去
(
さ
)
り
以
(
もつて
)
黒白の
花
(
もやう
)
を
分
(
わか
)
つ、名づけて
荷花蘭蜜
(
こばらみ
)
といふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
八
人
(
にん
)
では
第
(
だい
)
一
乗溢
(
のりこぼ
)
れる。
飛
(
と
)
ぶ
輻
(
や
)
の、あの
勢
(
いきほ
)
ひで
溢
(
こぼ
)
れた
日
(
ひ
)
には、
魔夫人
(
まふじん
)
の
扇
(
あふぎ
)
を
以
(
もつ
)
て
煽
(
あふ
)
がれた
如
(
ごと
)
く、
漂々蕩々
(
へう/\とう/\
)
として、
虚空
(
こくう
)
に
漂
(
たゞよ
)
はねばなるまい。それに
各
(
おの/\
)
荷
(
に
)
が
随分
(
ずゐぶん
)
ある。
恁
(
か
)
くいふ
私
(
わたし
)
にもある。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此書は蘭軒の文稿を
綴輯
(
てつしふ
)
したもので、完書の体を成さない。命題の如きも、巻首及
小口書
(
こぐちがき
)
、題簽、巻尾、
各
(
おの/\
)
相異つてゐる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其処
(
そこ
)
へ
帝
(
みかど
)
が白い
高張
(
たかはり
)
提灯を二つ
点
(
つ
)
けた
衛士
(
ゑいじ
)
を
前駆
(
ぜんく
)
にして行幸になり、四十七士の国法を犯した罪を
赦
(
ゆる
)
し
各
(
おの/\
)
の忠義を
御褒
(
おほ
)
めに成ると云ふ筋である。(四月十五日)
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
踊子
(
をどりこ
)
は
其
(
そ
)
れを
手
(
て
)
にして
慌
(
あわたゞ
)
しく
木陰
(
こかげ
)
に
隱
(
かく
)
れる。
其處
(
そこ
)
には
必
(
かなら
)
ず
各
(
おの/\
)
の
口
(
くち
)
から
發
(
はつ
)
する
笑聲
(
わらひごゑ
)
が
聞
(
き
)
かれるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
壽阿彌の生涯は多く暗黒の
中
(
うち
)
にある。抽齋文庫には
秀鶴册子
(
しうかくさうし
)
と劇神仙話とが
各
(
おの/\
)
二部あつて、そのどれかに抽齋が此人の事を手記して置いたさうである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
密訴
(
みつそ
)
をした平山と父吉見とは
取高
(
とりだか
)
の
儘
(
まゝ
)
譜代席小普請入
(
ふだいせきこぶしんいり
)
になり、吉見英太郎、河合
八十次郎
(
やそじらう
)
は
各
(
おの/\
)
銀五十枚を
賜
(
たま
)
はつた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
どうぞ此同舟の会合を最後の
団欒
(
だんらん
)
として、
袂
(
たもと
)
を分つて
陸
(
りく
)
に
上
(
のぼ
)
り、
各
(
おの/\
)
潔
(
いさぎよ
)
く処決して
貰
(
もら
)
ひたい。自分等
父子
(
ふし
)
は
最早
(
もはや
)
思ひ置くこともないが、
跡
(
あと
)
には女小供がある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
次は大井と庄司とで
各
(
おの/\
)
小筒
(
こづゝ
)
を持つ。次に格之助が
着込野袴
(
きごみのばかま
)
で、
白木綿
(
しろもめん
)
の
鉢巻
(
はちまき
)
を
締
(
し
)
めて行く。
下辻村
(
しもつじむら
)
の
猟師
(
れふし
)
金助
(
きんすけ
)
がそれに引き添ふ。次に
大筒
(
おほづゝ
)
が二挺と
鑓
(
やり
)
を持つた
雑人
(
ざふにん
)
とが行く。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
各
常用漢字
小4
部首:⼝
6画
“各”を含む語句
各自
各々
各種
各〻
各所
各々方
各務
各國
各方面
各処
各個人
各戸
各藩
西洋各國
各病室
各人
各地
各地方
各童
各家屋
...