えん)” の例文
可笑をかしなお話をいたしましたが、策伝さくでんの話より、一そう御意ぎよいかなひ、其後そののち数度たび/\御前ごぜんされて新左衛門しんざゑもんが、種々しゆ/″\滑稽雑談こつけいざつだんえんじたといふ。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
また日本にほん小説せうせつによくあらはれる魔法遣まはふづかひが、不思議ふしぎげいえんずるのはおほくは、一はん佛教ぶつけうから一はん道教だうけう仙術せんじゆつからたものとおもはれる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
それから帰り道に金ができるかもしれないから、そのときシャヴァノンへ行って、王子さまの雌牛めうしのおとぎ芝居しばいえんじることにしよう。
午睡ひるねする人達ひとたちもあわててとびき、うえしたへの大騒おおさわぎをえんじたのも道理どうり、その来客らいきゃくもうすのは、だれあろう、ときみかどうず皇子みこ
火事くわじ見舞みまひ間際まぎはに、こまかい地圖ちづして、仔細しさい町名ちやうめい番地ばんち調しらべてゐるよりも、ずつとはなれた見當違けんたうちがひ所作しよさえんじてゐるごとかんじた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
りながら外面おもて窮乏きうばふよそほひ、嚢中なうちうかへつあたゝかなる連中れんぢうには、あたまからこの一藝いちげいえんじて、其家そこ女房にようばう娘等むすめらいろへんずるにあらざれば、けつしてむることなし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すこをおいてから、Rこく婦人ふじんが一つて、やゝなが叙事的歌詞じよじてきかしのやうなものを、多少たせうしぐさまじへてえんした。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「於是披哀公之席。持太王之杖。執舜所作之椀。行丐於市曰。那箇衣食父母。有太公九府銭。乞我一文。」これが謝在杭しやさいかうえんし成した一であるらしい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それから数日後すうじつごのこと、クリストフは自分のまわりに椅子いすをまるくならべて芝居しばいへいった時のきれぎれなおもをつなぎあわせて作った音楽劇おんがくげきえんじていた。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
文字どおり骨肉相食あいはむの惨をえんじた悪夢の一戦も、新院方(崇徳上皇)の敗北に帰して、内裏方だいりがた(御白河天皇)では乱後、戦犯の元凶を、追捕ついぶするのに急でした。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頃来このごろ書肆駸々堂主人一小冊を携えて来り、居士に一言をかんせん事を望む、受て之をけみすれば、即ち三遊亭圓朝氏のえんぜし人情談話にんじょうばなし美人びじん生埋いきうめを筆記せるものなり。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
サーカスの一は、あるときは西にしに、あるときはひがしに、ところさだめず、興行こうぎょうをつづけてあるきました。真夏まなつそらに、たかいテントをって、あぶない芸当げいとうえんじたのです。
サーカスの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「蠅の考えていること、人類にとってはなかなか深刻あります。これから私案内するところは、蠅が作り、そして蠅がえんずるテレビジョン劇であります。それをごらんにいれます」
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一番先に狂態きやうたいえんじたのは、江崎屋えざきやの清五郎でした。
かぎりもなくえんじられました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
広場であほうの役をえんじて、わらったりいたりして見せて、「ご臨席りんせき貴賓諸君きひんしょくん」のごきげんをとりむすばなければならなかった。
「あゝ、はらがへつた!」MMえんじをはるとかたへの卓子たくしうえから、ビスケツトかなにかをつまんでくちほうりこんだ。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
このてんにおいて支那しなはさすがに徹底てつていしてゐる。如何いかなる場合ばあひにも姓名せいめい轉倒てんたうするやうなえんじない。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
渠等かれら無頼ぶらいなる幾度いくたびこの擧動きよどう繰返くりかへすにはゞかものならねど、ひとそのふが隨意まゝ若干じやくかん物品ものとうじて、その惡戲あくぎえんぜざらむことをしやするをて、蛇食へびくひげい暫時ざんじ休憩きうけいつぶやきぬ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかもかれしまらない人間にんげんとして、かく漂浪へうらう雛形ひながたえんじつゝある自分じぶんこゝろかへりみて、もしこの状態じやうたいながつゞいたらうしたらからうと、ひそかに自分じぶん未來みらいあんわづらつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もしどこかで尻尾しっぽをおさえられたが最後、えらいさわぎが起るにちがいなかった。ことに隆夫は、むずかしい大芝居をえんじおおせなくてはならないのであった。それもやむを得ない。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しょう、ひちりき、和琴わごんの奏楽などのうちに、さて、いよいよ、とりと鶏との、飛毛絶叫のたたかいがえんじられるや、念人ねんじん、判者などがあって、余りには、殺気のすさまじくならないうちに
巡査じゅんさが大またに出て行くと、親方はこしをほとんど地べたにつくほどに曲げて、からかいづら敬礼けいれいしていた。そして芝居しばいつづけてえんぜられた。
けれど、鳥羽法皇の院政や、後宮美福門院をめぐって、藤原貴族政治の末期にあがいた人々のえんじた人間宿業劇しゅくごうげきは、余りにも、生々しいものでした。内裏だいり仙洞御所せんとうのごしょは、その活舞台です。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一ツは好事家かうずか随筆ずゐひつに、物凄ものすごくもまたおそろしくしるされる。あさあんずるに、随筆ずゐひつからつて講釈かうしやく仕組しくんでえんずるのであらうとおもふが、いたはうむと、うそらしいがせられて事実じゞつこえる。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
紳士しんしならびに貴女きじょがた。じまんではございませんが、本夕ほんせきはおかげさまをもちまして、番組どおりとどこおりなくえんじ終わりましたとぞんじます。
もつと上手じやうずえんずるのをいたら、はなし呼吸こきふと、こゑ調子てうしで、きやくをうまく引入ひきいれるかもれぬが、こゝでは随筆ずゐひつ文章ぶんしやういたのと、筆記本ひつきぼん言語げんごのまゝしるしたものとを比較ひかくして、おなじ言葉ことばながら
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)