“開:あ” の例文
“開:あ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花75
小川未明73
夢野久作32
吉川英治31
田中貢太郎23
“開:あ”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸40.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)12.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語12.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ふと気が着いて見ると、箪笥たんすを入た押込おしこみの襖がけっ放して、例の秘密の抽斗ひきだしが半分開いていた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ぶんぶん、わんわん云うて窓から、戸口から、開きから、いやしくも穴のいている所なら何の容赦もなく我勝ちに飛び出した。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これは大変と吃驚びっくりして袋を調べて見ると、最前さっき美留女姫が鋏で切り破った穴が、袋の底に三角にいている。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
小親はうしろむきて其方そなたを見たる、窓少しきたりしが、見たるまま閉めむともせで、また此方こなたに向きぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのまゝ押開おしあけると、ふすまいたがなんとなくたてつけに粘氣ねばりけがあるやうにおもつた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
糸のように目をいたんですから、しまった! となお思ったんです――まるで、夕顔の封じ目を、不作法に指で解いたように。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いているうちにどくになって、どうしてももんけてやらずにはいられないようながしました。
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
わずかに百日もたぬ間にこれほどに処女しょじょと商売人とは変わるものかと、いた口がしばらくじなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
草刈くさかりながに、子供こどもて、去年きよねんくれ此處こゝ大穴おほあなけたのは
するといちばん年上としうえむすめが、その金庫きんこほうあるいていって、そのとびらをけました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いさぎよく起きて本でも讀まうと、廊下のつきあたりのはゞかりへ行くと、その戸に手をかけた時、中からけて人が出て來た。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
亭主が、図に乗った口をきかけたかと思うと、うしろの荒物をならべてある店先で、何か、不意な物音がして、亭主は立った。
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉ちやんはつぺたをおとうさんの胸に押し附けて、目を半分いておとうさんを見て、すう/\と息をしてゐる。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ちいさなもんがあって、けると、二、三にん子供こども花壇かだんのところで、あそんでいました。
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
家内は皆、留守である。彼はちよいと、失望に似た感じを味つた。さうして仕方なく、玄関の隣にある書斎のふすまけた。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
と、そこにはもうおふじが、大きく硝子戸をけながら、心配そうな眼を見張って、二人の出て来るのを待ち受けていた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
良人おっとの顔付きには気も着かないほど眼を落した妻は口をだらりとけたまま一切無頓着でただ馬の跡について歩いた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
噂をすれば影とやらで、ひょっくり自分が現われたなら、升屋の老人喫驚びっくりしていた口がふさがらぬかも知れない。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
彼の唇がわざと彼の意志に反抗するように容易たやすかないところに、彼の言葉の重みもこもっていたのでしょう。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
仰向あおむけに寝ながら、偶然目をけて見ると欄間らんまに、朱塗しゅぬりのふちをとったがくがかかっている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
両人ふたりはわざと対話をやめて、しばらく耳をそばだてたが、いったん鳴きそこねた咽喉のどは容易にけぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人を案内したらしい風呂場の戸のく音が、向うの方でした。かと思うと、また津田の浴槽よくそうの入口ががらりと鳴った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昼のほとぼりで家の中にいたまらない長屋の人達は、夕飯が済むと、家をけッ放しにしたまゝ、表へ台を持ち出して涼んだ。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
おびしめまゝよこになつたおつぎは容易よういかないをこすつて井戸端ゐどばたく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ドルフは首を肩の間へ引つ込ませて、口をいて、上下うへしたの歯の間から舌の尖を見せて、さも当惑したらしい様子をした。
と青木が大きな声で返事をすると同時に、足の先の処のドアいて、看護婦の白い服がバサバサと音を立てて這入って来た。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
鏡子は白い胸をけた。六年程子の口の触れないちゝは処女のちゝのやうにちいさく盛り上つたに過ぎないのである。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
二人は何事もだ有難いと面目ないで前後不覚のようになって、重二郎の云う儘に表へ出に掛る。台所口の腰障子をけ、
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はて、当分はここはかずのだと聞いて、あらかじめ子供遊びの舞台に申し入れて置いたのに、意外に客が引いてある。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
だらりといて、したしさうにあへぎ/\――下司げす人相にんさうですよ――かみながいのが
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あは細目ほそめけて、其處そこつて、背後うしろに、つきかげさへとゞかぬ
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「なかなかきそうにもなく戸じまりがされていますし、女房もたくさんおります。そんな所へ、もったいないことだと思います」
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
しかしやはり、変わらない。二十年まえの壁の穴が少し太くなったばかりである、豊吉が棒の先でいたずらにけたところの。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
白痴のように強情なドアを低い軋り音を立てながらぐいとけた後に、諸君はテルソン銀行の中へ二段だけ下って降りる。
私は鏡の中の自分の姿を、まぶしいシャンデリヤ越しに振り返ってみた。真白く酔いれた顔が大口をいて笑っていた。
けむりを吐かぬ煙突 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
杉戸が細目に中からけられて、お湯が入用だといったときに、座員の一人は紫色の瀬戸ひきの薬罐やかんをさげていった。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
するとその刹那せつな、ぱっといて菊之丞きくのじょうの、ほそこえするどきこえた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
取附とっつきの障子をけると、洋燈ランプあかし朦朧もうろうとするばかり、食物たべものの湯気が立つ。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何所迄どこまで恰当こうとうこしらへかたはら戸棚とだなけるとたなつてあつて
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ぽかりといたら、あさかまへたやうに硝子ガラスそとからわたしのぞいてゐた。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
あれ、摺拔すりぬけようともがきますときとびらけて、醫師いしやかほしました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その時泉水に面したへや障子しょうじいて、そこから三十位に見える洋髪ようはつきれいな女の顔が見えた。
藤の瓔珞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
中の声と一緒に戸がいて、さッと明りが流れて来た。途端に、のしお頭巾の女の魔魅あやかし、すばやく姿を消している。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、窓の内で左京之介の声がした。その時、紅白の山茶花さざんかがポトリと黒土の上へこぼれて、上の障子が細目にく。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
――香象こうぞうの海をわたりて、波をけるがごとく、大軍わかれて、当る者とてなき中を、薙ぎ払いてぞ通りける……。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、新京橋の上へ来てみると牡蠣船はともの左側のへやの障子がいて客らしい男の頭が二つばかり見えていた。
牡蠣船 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
沈黙の星空のもとに、薄ぼんやりと沢山の人間が立っている様な石塔、そのまんなかに、ぽっかりと口をいた、まっ黒な穴。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
十二時になっても寝付かれんらしい寝返り打って、ときどき薄眼エきながらそうッとこっち見守って寝息うかごうてるのんが
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
やがてその姿は、例の官庫の前に立ちました。帯の間から取り出した合鍵あいかぎをもって、一心に其処をけようとする様子。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
部屋は二階の隅っこにあって、そこの一方の丸窓をけると、すぐ目の下に、湖畔亭の立派な湯殿ゆどのの屋根が見えるのです。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
余は通り過ぎて振りかへり、暫し停立たゝずんで居ると、突然間近なる一軒の障子がいて一人の男がつと現はれた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
見ると、いつも立て切ってあるKと私のへやとの仕切しきりふすまが、この間の晩と同じくらいいています。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぽかりと穴があいたように、突然そのときどうしたことか、平七のもたれかかっていた裏木戸が、ギイとひとりでにいた。
山県有朋の靴 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
不思議にも斯の思想かんがへは今度の旅行で破壊ぶちこはされてしまつて、始めて山といふものを見る目がいた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ドアいて小さな婆さんがちょこちょこと入って来た。頭髪かみの真白なうおのような光沢つやのない眼をしていた。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
代助は今読みつたばかりうすい洋書を机の上にけた儘、両ひぢいて茫乎ぼんやり考へた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
縁側えんがは硝子戸がらすど細目ほそめけたあひだからあたゝかい陽気な風が吹き込んでた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そうして眠るともなくウトウトしていると、突然に又もやドアく音がして、誰か二三人這入って来た気はいである。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
暗い待合室に這入ったが、まだ時間が早いし、切符売場の窓がいていないので、ちょっと舌打をしたまま悠々と出て行こうとした。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ときすぎ寝台ねだいを作らせてはひるとそとから戸をけられて相客が来たやうであつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
今迄静かだった校舎内がにわかに騒がしくなって、彼方此方あちこちの教室の戸が前後してあわただしくパッパッとく。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
鍵を、もし、じょうがささっていれば、扉はかない、と思ったのに、格子は押附けてはあるが、合せ目が浮いていた。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
店も何も無いのが、額を仰向あおむけにして、大口をいてしゃべる……この学生風な五ツ紋は商人あきんどではなかった。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かすかすみはうけて、……車上しやじやう美人びじんがお引摺ひきずりの蹴出褄けだしづま
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こゑけて、たゝいて、けておくれとへば、なん造作ざうさはないのだけれども、
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いき飛着とびついた、本堂ほんだうを、ちからまかせにがたひしとける、屋根やねうへ
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其処そこへ、彫像てうざうおぶつてはいつたんですが、西洋室せいやうまひらきけやうとして、
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼の顔には愛嬌のいいところがなくなったし、けっ放しの様子も少しもなくなり、寡言な、怒りっぽい、危険な人間になっていた。
すると、時々とき/″\厨房くりやいて、ダリユシカのあか寐惚顏ねぼけがほあらはれる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
流石のカアネギイもいた口がふさがらなかつた。名刺は先刻さつき自分が相手に渡したばかりのものであつた。
うへ蜘蛛くもで、目口めくちかない、可恐ひどよわつたところを、のおかた
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まだあちらのむらかないうちに、まったくくちけられないような吹雪ふぶきとなってしまいました。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「早う入りなはれな。」と、千代松はニヤ/\して言つた。さうして自分で把手に手をかけてギユツと押すと、扉が一尺ほどいた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
――何ぞ知らん、すでにその時には、橋廊下の錠口が四、五寸いて、スウと、あの世の冷たい風が先生をお迎えに来ているものを。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おおかたねむたいのだろうと思って、そっと書斎へ這入ろうとして、一歩足を動かすや否や、文鳥はまた眼をいた。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
甲野さんは句を切った。母は下を向いて答えない。あるいは理解出来ないからかと思う。甲野さんは再び口をいた。――
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
障子にさした足袋たびの影はいつしか消えて、はなった一枚の間から、靴刷毛くつはけはじが見える。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて半分いたままの勝手口まで来ると、その暗い台所の中で、何かしていた美しい嫁のマユミが、頭に冠っていた白い手拭を取って
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ためらう事なくクララは部屋を出て、父母の寝室の前の板床いたゆかに熱い接吻を残すと、戸をけてバルコンに出た。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
おつぎは大戸おほどはなしていたのであささむさが侵入しんにふしたのにがついて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのうちに背後うしろドアいた音がしたので、ハッとして振向くと、顎紐をかけた警官が二三人ドヤドヤと這入って来た。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
十二時頃にとまつた駅で錠をおろしてあつた戸が外から長い鍵でけられたひゞきを耳元で聞いて私は驚いて起き上つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
門の戸は重い音を立てゝけられた。瑞木を車夫が下へおろすのと一緒に鏡子はころぶやうにして門をくゞつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
私は荷物の始末を忘れて、雪江さんの出て行ったあとをうっかり見ていた。事に寄ると、口をいていたかも知れぬ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
或時「チンガニイ」族のおうなありて、我目の必ずく時あるべきを告げしが、その時期はいつなるべきか、絶て知るよしあらざりき。
むねけて、けば/\しう襟飾えりかざりした、でつぷり紳士しんしで、むねちひさくツて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はじめは臆病おくびやう障子しやうじけなかつたのが、いま薄氣味惡うすきみわるくなつてこまぬいて
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
奥様おくさま、』とぶのが十声とこゑばかりして、やがて、ガラ/\とかどおほきくつてく。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やるべき仕事をやってしまうと、わたしは引っ返して来ました。屋敷の門がいていました。で、わたしは走り出ました。
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けろ!』アンドレイ、エヒミチは全身ぜんしんをぶる/\とふるはして。『おれめいずるのだツ!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
然し私は一册づつき出しては見る、そしてけては見るのだが、克明にはぐつてゆく氣持は更にいて來ない。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
会つて談話はなしをしてゐると、物の二分間も経たないうちにいぬのやうにあんぐり口をいて大きな欠伸をする。
をんなは家に帰つて、いそいそ箱をけてみると、なかから転がり出したのは、薬では無くつて金貨かねであつた。
蘆花徳富健次郎が、ながい間の修道的閉居から、久しぶりに、柴のけると、いろんな訪問客が毎日ぞろぞろ詰めかけ出した。
戸はなかからけられて、襤褸ぼろきれのやうな皺くちやなばあさんが、闇のなかからうつそり顔を出した。
「はははは……」その教授は口をけて笑ひ出した。「君は知らないのかい、榊原政職つていふ男は、考古学教室の助手ぢやないか。」
職員室の窓がいて、細い釣竿が一間許り外に出てゐる。宿直の森川は、シヤツ一枚になつて、一生懸命釣道具をいぢくつてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あの木戸は、わたしが御奉公申しましてから、五年と申しますもの、おけ遊ばした事と云つては一度もなかつたのでございます。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
すると、時々ときどき厨房くりやいて、ダリュシカのあか寐惚顔ねぼけがおあらわれる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
けろ!』アンドレイ、エヒミチは全身ぜんしんをぶるぶるとふるわして。『おれめいずるのだッ!』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)