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開
>
あ
ふりがな文庫
“
開
(
あ
)” の例文
「貸家ですか。そこはJさんが雇い婆さんに一週間一ポンドずつやって、窓の
開
(
あ
)
け
閉
(
た
)
てをさせていたんですがね。もういけませんよ」
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
「
井戸辺
(
いどばた
)
に出ていたのを、女中が
屋後
(
うら
)
に干物に
往
(
い
)
ったぽっちりの
間
(
ま
)
に
盗
(
や
)
られたのだとサ。
矢張
(
やっぱり
)
木戸が少しばかし
開
(
あ
)
いていたのだとサ」
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
外
(
そと
)
で、たこのうなり
声
(
ごえ
)
がする。
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けると、あかるく
日
(
ひ
)
が
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
む。
絹糸
(
きぬいと
)
よりも
細
(
ほそ
)
いくもの
糸
(
いと
)
が、へやの
中
(
なか
)
にかかって
光
(
ひか
)
っている。
ある少年の正月の日記
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
だツて
紳士程
(
しんしほど
)
金満家
(
きんまんか
)
にもせよ、
実
(
じつ
)
は
弁天
(
べんてん
)
も
男子
(
だんし
)
に
見立
(
みたて
)
たいのさ。と
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
背後
(
うしろ
)
の
襖
(
ふすま
)
を
開
(
あ
)
けて。浅「
僕
(
ぼく
)
が
弁天
(
べんてん
)
です、
僕
(
ぼく
)
が
弁天
(
べんてん
)
さ。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
手を洗って、ガタン、トンと、
土間穿
(
どまばき
)
の庭下駄を引摺る時、閉めて出た障子が廊下からすッと
開
(
あ
)
いたので、客はもう一度ハッとした。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
それから、
跳
(
は
)
ね上がる。寝台の
鉄具
(
かなぐ
)
にぶつかる。
椅子
(
いす
)
にぶつかる。
暖炉
(
だんろ
)
にぶつかる。そこで彼は、勢いよく
焚口
(
たきぐち
)
の仕切り戸を
開
(
あ
)
ける。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
暗い待合室に這入ったが、まだ時間が早いし、切符売場の窓が
開
(
あ
)
いていないので、ちょっと舌打をしたまま悠々と出て行こうとした。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
のこのこと床から
這
(
は
)
い出した歌麿は、手近の袋戸棚を
開
(
あ
)
けると、そこから、
寛政
(
かんせい
)
六年に出版した「
北国五色墨
(
ほっこくごしきずみ
)
」の一枚を抜き出した。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼の顔には愛嬌のいいところがなくなったし、
開
(
あ
)
けっ放しの様子も少しもなくなり、寡言な、怒りっぽい、危険な人間になっていた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
彼の上着には腰のあたりに
釦
(
ボタン
)
が二つ並んでいて、胸は
開
(
あ
)
いたままであった。霜降の
羅紗
(
ラシャ
)
も硬くごわごわして、極めて
手触
(
てざわり
)
が
粗
(
あら
)
かった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
開
(
あ
)
かないから悪いのよ。ほんとなら警察へ突き出されたってそれまででしょう。それを地道に
訊
(
き
)
こうというのに、シラを切るんだもの
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仕方が無いから、今に又
機会
(
おり
)
も有ろうと、雪江さんの話は浮の空に聞いて、
只管
(
ひたすら
)
其
機会
(
おり
)
を待っていると、忽ちガラッと障子が
開
(
あ
)
いて
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
階段を
降
(
お
)
り、階下の校舍の一部を横切り、それから二つの
扉
(
ドア
)
を音を立てないやうに
巧
(
うま
)
く
開
(
あ
)
けて、また
閉
(
し
)
めて、別の階段の所まで來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
十二時にならないと店を
開
(
あ
)
けない
贅沢
(
ぜいたく
)
な料理屋も
其処此処
(
そこここ
)
にある。芝居帰りの正装で上中流の
男女
(
なんによ
)
が夜食を食べに来るのだ
相
(
さう
)
である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
トムちやんが茅葺屋根の
潜戸
(
くぐり
)
を
開
(
あ
)
けると、遥に唱歌隊がこちらに近づいて来るのが見られました。向ふでもトムちやんを見つけました。
女王
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「
俺
(
おら
)
んとこは無人で敢り次ぎが居んさかい、この圓窓が取り次ぎや。……この窓
開
(
あ
)
けて
喚
(
わめ
)
いて呉れ、
家
(
うち
)
にゐたら俺が出て來るぞ。」
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
口の
開
(
あ
)
けてある瓶は、
注
(
つ
)
いでしまふ度に
栓
(
せん
)
をして、
倒
(
さかさ
)
に閾に寄せ掛けて置くのである。八は妙な事をするものだと思つて見てゐる。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
女の強い声とともにどうしたのか洋服の男は、土間の上に
仰向
(
あおむ
)
けに倒れてしまった。と、ガラス戸が
開
(
あ
)
いて女の姿は外へ出てしまった。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
戸は細目に
開
(
あ
)
いた。音もなく大きく開く。岩はスルリと三吉のいる室内に滑りこんだ。その手にはコルトの六連発のピストルを握って。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
表門の
潜戸
(
くゞりど
)
ばかりを
開
(
あ
)
けた家中は
空屋敷
(
あきやしき
)
のやうに
寂
(
しん
)
として居る。自分は日頃から腹案して居る
歌劇
(
オペラ
)
脚本の第一頁に筆を下して見た。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「はははは……」その教授は口を
開
(
あ
)
けて笑ひ出した。「君は知らないのかい、榊原政職つていふ男は、考古学教室の助手ぢやないか。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「なかなか
開
(
あ
)
きそうにもなく戸じまりがされていますし、女房もたくさんおります。そんな所へ、もったいないことだと思います」
源氏物語:02 帚木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
格子が
開
(
あ
)
いて、玄関に、膝をついて出迎える女中たち。揃って、
小豆
(
あずき
)
っぽい
唐桟柄
(
とうざんがら
)
に、襟をかけ、
黒繻子
(
くろじゅす
)
の、粋な昼夜帯の、中年増だ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
芙蓉の死骸に頭から
蒲団
(
ふとん
)
をかぶせて置いて、ソッと階段を降り、入口の所で暫く耳をすましていたが、思い切って厚い扉を
開
(
あ
)
けた。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
リスは、戸が
開
(
あ
)
かないことがわかりますと、車から出てきました。それから、ふたりは長いあいだヒソヒソと相談をしていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
此時
(
このとき
)
家
(
いへ
)
の
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
いて、
大
(
おほ
)
きな
皿
(
さら
)
が
歩兵
(
ほへい
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
を
眞直
(
まつすぐ
)
に、それから
鼻
(
はな
)
の
尖
(
さき
)
を
掠
(
かす
)
つて、
背後
(
うしろ
)
にあつた一
本
(
ぽん
)
の
木
(
き
)
に
當
(
あた
)
つて
粉々
(
こな/″\
)
に
破
(
こわ
)
れました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
この屋敷には有り過ぎるほど室が幾間もあるので、七兵衛の座敷として、ほとんど
開
(
あ
)
かずの
間
(
ま
)
のようになっているところもあるのです。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あたりを活気づけるようなものは何ひとつ見あたらず——扉が
開
(
あ
)
け
閉
(
た
)
てされるでもなければ、何処からひとり出て来る人影もなく
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
船頭
(
せんどう
)
は
闇
(
くら
)
い
小屋
(
こや
)
の
戸
(
と
)
をがらつと
開
(
あ
)
けて
又
(
また
)
がらつと
閉
(
と
)
ぢた。おつぎは
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
てそれからそく/\と
船
(
ふね
)
を
繋
(
つな
)
いだあたりへ
下
(
お
)
りた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
未だ數彈ならざるに、
對
(
むか
)
ひの家の扉は響なくして
開
(
あ
)
き、男の姿は戸に隱れぬ。想ふに此人を待つものは、優しき接吻と囘抱となるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それから、また
暫
(
しばら
)
くの後、或る日私が仕事場で仕事をしていると、一人の百姓のような
風体
(
ふうてい
)
をした老人が
格子戸
(
こうしど
)
を
開
(
あ
)
けて
訪
(
たず
)
ねて来ました。
幕末維新懐古談:40 貿易品の型彫りをしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ふろしき包みを持ったほうの手で格子戸を開けようとするがうまく
開
(
あ
)
からない。主人はそれを見て土間に片足を落として格子戸を開けた。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
彼は
牢屋
(
ろうや
)
の後にある、大きな岩の中を、人に分らないように、そっと下から掘り
開
(
あ
)
けて、その中へ秘密の部屋をこしらえました。
デイモンとピシアス
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
幸
(
さいわい
)
怪我
(
けが
)
もなかったので
早速
(
さっそく
)
投出
(
なげだ
)
された
下駄
(
げた
)
を履いて、師匠の
家
(
うち
)
の前に来ると、雨戸が少しばかり
開
(
あ
)
いていて、店ではまだ
燈
(
あかり
)
が
点
(
つ
)
いている。
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
犍陀多はこれを見ると、驚いたのと恐しいのとで、しばらくはただ、
莫迦
(
ばか
)
のように大きな口を
開
(
あ
)
いたまま、眼ばかり動かして居りました。
蜘蛛の糸
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「だいぶ前から金具が
錆
(
さ
)
びていて、
開
(
あ
)
け
閉
(
た
)
てに歯の浮くような音を立てましたが、二三日こっち不思議にそんな音が聞えなくなりました」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ただ三個の
開
(
あ
)
き口だけを持ってる民家が百三十二万戸、一つの戸口と一つの窓との二つの開き口だけを持ってる民家が百八十一万七千戸
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それが跡形もなくなって、言語道断な不潔な場所に改変されている……ドアが
開
(
あ
)
いているから、君のところからも見えるだろう。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
この属名の Platycodon はギリシア語の広い
鐘
(
かね
)
の意で、それはその広く口を
開
(
あ
)
けた形の
花冠
(
かかん
)
に
基
(
もと
)
づいて名づけたものである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
達二のうちは、いつか野原のまん中に
建
(
た
)
っています。
急
(
いそ
)
いで
籠
(
かご
)
を
開
(
あ
)
けて、小鳥を、そっとつかみました。そして引っ
返
(
かえ
)
そうとしましたら
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
やゝありて『誰かある』と呼ぶ聲す、
那方
(
あなた
)
なる廊下の
妻戸
(
つまど
)
を
開
(
あ
)
けて徐ろに出で來りたる立烏帽子に布衣着たる侍は齋藤瀧口なり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
いさぎよく起きて本でも讀まうと、廊下のつきあたりのはゞかりへ行くと、その戸に手をかけた時、中から
開
(
あ
)
けて人が出て來た。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
積った雪は
烈
(
はげ
)
しい光を含んで、ぎらぎら輝きましたから、目も
羞明
(
まぶ
)
しく痛い位、はっきり
開
(
あ
)
いて見ることも出来ませんのでした。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お島は後向になったまま、何をするかと神経を
研
(
とぎ
)
すましていたが、今まで
懈
(
だる
)
くて為方のなかった目までが、ぽっかり
開
(
あ
)
いて来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
小山「オヤオヤよく中の物がシューっと縮まりませんね。私どもでは出来上るまで
一切
(
いっさい
)
戸を
開
(
あ
)
けないと
極
(
き
)
めておきます」お登和嬢
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
クリストフは面くらって、
詫
(
わ
)
びを言い、出かけようとした。その時廊下の奥の
扉
(
とびら
)
が
開
(
あ
)
いた。見ると、コーンが一人の婦人を送り出していた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と言出した時、入口の障子がガラリと
開
(
あ
)
いて、浅黄がゝつた縞の古袷に、羽織も着ず、足袋も穿かぬ小造りの男が、セカ/\と入つて来た。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お宮は眠った眼を眩しそうに細く可愛く
開
(
あ
)
いて見て、口の
中
(
うち
)
で何かむにゃ/\言いながら、一旦上に向けた顔を、またくるりと枕に伏せた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
と
申
(
もう
)
して、この
話
(
はなし
)
を
省
(
はぶ
)
いて
了
(
しま
)
えば
私
(
わたくし
)
の
幽界生活
(
ゆうかいせいかつ
)
の
記録
(
きろく
)
に
大
(
おお
)
きな
孔
(
あな
)
が
開
(
あ
)
くことになって
筋道
(
すじみち
)
が
立
(
た
)
たなくなるおそれがございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ときどき眼エ
開
(
あ
)
いたりしやはりますのんで、ほんまは本宅の方いお知らせせないきまへんねんけど、そしたらとうちゃん
叱
(
しか
)
られはりますし
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
開
常用漢字
小3
部首:⾨
12画
“開”を含む語句
打開
開放
展開
開口
開闢
開閉
開墾
序開
押開
開店
申開
言開
引開
半開
開山
蹴開
開化
開発
繰開
開封
...