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脇差
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わきざし
ふりがな文庫
“
脇差
(
わきざし
)” の例文
格之助
始
(
はじめ
)
、人々もこれに従つて刀を投げて、皆
脇差
(
わきざし
)
ばかりになつた。それから平八郎の黙つて歩く
跡
(
あと
)
に附いて、一同
下寺町
(
したでらまち
)
まで出た。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
古風に
揷
(
さし
)
たり
袋棚
(
ふくろだな
)
の戸二三寸明し中より
脇差
(
わきざし
)
の
鐺
(
こじり
)
の見ゆれば吉兵衞は
立寄
(
たちより
)
て見れば
鮫鞘
(
さめざや
)
の大脇差なり手に
取上
(
とりあげ
)
鞘
(
さや
)
を拂て見るに只今人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「この野郎!」そう思いながら、
脇差
(
わきざし
)
の
柄
(
つか
)
を、左の手で、グッと握りしめた。もう、一言云って見ろ、抜打ちに
斬
(
き
)
ってやろうと思った。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
この
手水鉢
(
てうづばち
)
の下の植込みと、白い砂利が血に洗はれて居ります。これは曲者が主人を斬つた後で
脇差
(
わきざし
)
の刄を洗つたのでございます。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
廊下口の杉戸の外にも、
脇差
(
わきざし
)
をかかえた一人の武士が、じいっと、室内の衣ずれをも聞きのがすまいとして、身を
硬
(
こわ
)
ばらせている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
僕は頭重うして立つ
能
(
あた
)
はず。円月堂、僕の代りに
徹宵
(
てつせう
)
警戒の任に当る。
脇差
(
わきざし
)
を横たへ、
木刀
(
ぼくたう
)
を
提
(
ひつさ
)
げたる状、彼自身
宛然
(
ゑんぜん
)
たる○○○○なり。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼はまた子供の差す位な短かい
脇差
(
わきざし
)
の所有者であった。その脇差の
目貫
(
めぬき
)
は、鼠が赤い
唐辛子
(
とうがらし
)
を引いて行く彫刻で出来上っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時私の指してる大小は、
脇差
(
わきざし
)
は
祐定
(
すけさだ
)
の丈夫な
身
(
み
)
であったが、刀は
太刀作
(
たちづく
)
りの
細身
(
ほそみ
)
でどうも役に立ちそうでなくて心細かった。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その日本一太郎が大丈夫金の
脇差
(
わきざし
)
と踏んでいるのだ。案ずるこたあねえよ。万事おいらにまかせて、おめえは、ただ、みっちり稽古を励みな
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
哥太寛
(
こたいかん
)
も
餞別
(
せんべつ
)
しました、金銀づくりの
脇差
(
わきざし
)
を、片手に、」と、
肱
(
ひじ
)
を張つたが、
撓々
(
たよたよ
)
と成つて、
紫
(
むらさき
)
の
切
(
きれ
)
も乱るゝまゝに、
弛
(
ゆる
)
き博多の
伊達巻
(
だてまき
)
へ。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
も
食
(
く
)
いつくような
黒
(
くろ
)
じゃなし、
逃
(
に
)
げてなんぞ
来
(
こ
)
ないでも、
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
金
(
かね
)
の
脇差
(
わきざし
)
だわな。——こっちへおいで。
頭
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
で
付
(
つ
)
けてあげようから。……
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
処へ参ったのは業平文治で、
姿
(
なり
)
は
黒出
(
くろで
)
の
黄八丈
(
きはちじょう
)
にお
納戸献上
(
なんどけんじょう
)
の帯をしめ
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
の
脇差
(
わきざし
)
をさし、
晒
(
さらし
)
の手拭を持って、ガラリッと障子を開けますと
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
平三郎は腰に差していた
脇差
(
わきざし
)
を抜いて
斬
(
き
)
りつけた。刀は婢のみぎの首筋に触れて血が
行燈
(
あんどん
)
にかかった。婢はそとへ逃げだした。平三郎は追っかけた。
水面に浮んだ女
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
洋服に
草鞋
(
わらじ
)
ばき、一本の
脇差
(
わきざし
)
を腰におとしたといういでたちで両腕を胸に組んでいた。彼の心は、しばらく留守にしたサッポロに向って急いでいた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
若侍は
鷹揚
(
おうよう
)
に二ツ割の青竹の筒を出した。それを開くと中から錦の袋が出た。その袋の中からは普通の
脇差
(
わきざし
)
が
一口
(
ひとふり
)
。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
ずっと昔にわしが
前
(
さき
)
の世にいた時に一人の旅の女を殺した事があったのだ。わしは山の中で
脇差
(
わきざし
)
をぬいて女に迫った。女は訴えるような声を立てて泣いた。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「
菜摘邨来由
(
なつみむららいゆ
)
」と題する巻物が一巻、義経公より拝領の
太刀
(
たち
)
脇差
(
わきざし
)
数口、
及
(
およ
)
びその目録、
鍔
(
つば
)
、
靱
(
うつぼ
)
、
陶器
(
とうき
)
の
瓶子
(
へいし
)
、それから静御前より
賜
(
たま
)
わった
初音
(
はつね
)
の
鼓
(
つづみ
)
等の品々。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その年のうちに三代将軍は、工事奉行の土井利勝に工事速成の賞として、来光包の
脇差
(
わきざし
)
を与えている。続いて大工鈴木近江、同木原杢などに賞を行なっている。
増上寺物語
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
立ち止まるかと思うとかの男は身を
飜
(
ひるがえ
)
して逃げようとするのを、竜之助は
脇差
(
わきざし
)
に手をかけて
手練
(
しゅれん
)
の抜打ち。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
叢
(
くさむら
)
の中からぬっと
迫
(
せ
)
り出して来て笠を
撥
(
は
)
ね
除
(
の
)
け、
脇差
(
わきざし
)
を抜いて見得を切るあの顔そっくり。その顔で
癇癪玉
(
かんしゃくだま
)
を破裂させるのだから、たいがいの者がぴりぴりした。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
正武隊付きを命ぜられた諏訪の百姓降蔵は片桐から
背負
(
しょ
)
って来た
具足櫃
(
ぐそくびつ
)
をそこへおろして休んでいると、いろは付けの番号札を渡され、一本の
脇差
(
わきざし
)
をも渡された。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
脇差
(
わきざし
)
さし込み、きょうは、いよいよ
大晦日
(
おおみそか
)
、借金だらけのわが家から一刻も早くのがれ出るふんべつ。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
刀
脇差
(
わきざし
)
も有用の物ともおもわずや、かざりの美、異風の
拵
(
こしらえ
)
のみを
物数寄
(
ものずき
)
無益の費に金銀を捨て、衣服も
今様
(
いまよう
)
を好み妻子にも華美風流を飾らせ、
遊山
(
ゆさん
)
、
翫水
(
がんすい
)
、芝居見に公禄を費し
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
お辰を女房にもってから奈良へでも京へでも
連立
(
つれだっ
)
て行きゃれ、おれも昔は
脇差
(
わきざし
)
に
好
(
このみ
)
をして、媼も鏡を懐中してあるいた
頃
(
ころ
)
、一世一代の
贅沢
(
ぜいたく
)
に
義仲寺
(
ぎちゅうじ
)
をかけて六条様参り
一所
(
いっしょ
)
にしたが
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その頃は所々に屋敷あとの広い草原などがあったから、そこで石を投げ合ったり、棒切れで叩き合ったりする。中には自分の家から
親父
(
おやじ
)
の
脇差
(
わきざし
)
を持ち出して来るような乱暴者もあった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
なにか異様なけはいを感じて眼をさますと、おりうが
脇差
(
わきざし
)
を抜いて私をにらんでいるんです、——いまでも覚えているが、おりうの血ばしってつりあがった眼や、灰色に硬ばった顔や
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
信長が、或る日、小姓を集めていうには、お前たちの中で、もしも余の
佩
(
は
)
いているこの
脇差
(
わきざし
)
のつかに、幾本の
紐
(
ひも
)
が巻いてあるか、その本数をあてたものには、
褒美
(
ほうび
)
として、この脇差をつかわそう。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
どうぞお許し下さい。でもわたしには、かうするより
他
(
ほか
)
なかつたのです。これは昨日まで栄蔵が身につけてゐた着物と
脇差
(
わきざし
)
です。もういらなくなりましたので、今日はこれを返しに参つたのです。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
「こう筋が通ったうえで、べつな思いつきなどあろうはずはありません。……いつぞやの堺屋騒動のときも、ちょうどこんなふうにうまく出来すぎていて、ついひっかかって
失敗
(
しくじ
)
りましたが、こんどは大丈夫、
金
(
かね
)
の
脇差
(
わきざし
)
」
顎十郎捕物帳:24 蠑螈
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
驚きながら見れば、二人共
僧形
(
そうぎやう
)
に
不似合
(
ふにあひ
)
な
脇差
(
わきざし
)
を左の手に持つてゐる。五郎兵衛はがた/\震えて、返事もせず、身動きもしない。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
致せと云ながら
直樣
(
すぐさま
)
自宅に立歸りお花が部屋に
直
(
つ
)
と
這入
(
はひれ
)
ばお花はハツト
仰天
(
ぎやうてん
)
して友次郎を
夜着
(
よぎ
)
の中に手早く
隱
(
かく
)
し
側
(
そば
)
に有し友次郎が
脇差
(
わきざし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
はて? と
眸
(
ひとみ
)
をさだめてみると、その
脾腹
(
ひばら
)
へうしろ抱きに
脇差
(
わきざし
)
をつきたてていたのは、いつのまに飛びよっていたか
武田伊那丸
(
たけだいなまる
)
であった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
哥太寛
(
こたいくわん
)
も
餞別
(
せんべつ
)
しました、
金銀
(
きんぎん
)
づくりの
脇差
(
わきざし
)
を、
片手
(
かたて
)
に、」と、
肱
(
ひぢ
)
を
張
(
は
)
つたが、
撓々
(
たよ/\
)
と
成
(
な
)
つて、
紫
(
むらさき
)
の
切
(
きれ
)
も
亂
(
みだ
)
るゝまゝに、
弛
(
ゆる
)
き
博多
(
はかた
)
の
伊達卷
(
だてまき
)
へ。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その時私は
脇差
(
わきざし
)
を一本
挟
(
さ
)
して居たから、
若
(
も
)
し
追付
(
おいつ
)
かるようになれば
後向
(
うしろむい
)
て
進
(
すすん
)
で
斬
(
き
)
るより
外
(
ほか
)
仕方
(
しかた
)
がない。
斬
(
きっ
)
ては誠に
不味
(
まず
)
い。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そうして、越中守がよろめきながら、とうとう、
四
(
し
)
の
間
(
ま
)
の縁に
仆
(
たお
)
れてしまうと、
脇差
(
わきざし
)
をそこへ捨てたなり、慌ててどこか見えなくなってしまった。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こんなわけだ、親分。お篠は
脇差
(
わきざし
)
なんか持つちや居なかつたし、どんなに太い女だつて、岡つ引を番人にして人を殺すわけはねエ。五左衞門から金を
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その代り
脇差
(
わきざし
)
程も幅のある緑の葉が、茎を押し分けて長く延びて来た。古い葉は黒ずんだまま、日に光っている。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
枕もとにあるしょんぼりとした
行燈
(
あんどん
)
のかげで、敷いて寝た道中用の
脇差
(
わきざし
)
を探って見て、また安心して
蒲団
(
ふとん
)
をかぶりながら、平田家を
訪
(
たず
)
ねた日のことなぞを考えた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
定紋
(
じょうもん
)
は
放
(
はな
)
れ
駒
(
ごま
)
、
博多
(
はかた
)
の帯を締めて、
朱微塵
(
しゅみじん
)
、
海老鞘
(
えびざや
)
の刀
脇差
(
わきざし
)
をさし、
羽織
(
はおり
)
はつけず、
脚絆草鞋
(
きゃはんわらじ
)
もつけず、この険しい道を、素足に下駄穿きでサッサッと登りつめて
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
近づいて来るものが、誰か、誰であらねばならぬか——その推察はついているくせに、故意に
怪訝
(
けげん
)
な眼をたかめ、それとなく
脇差
(
わきざし
)
をひきよせて闇を
睨
(
にら
)
んでいたのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
彼の用いた
脇差
(
わきざし
)
は、父の輝国から貰った
兼光
(
かねみつ
)
の
業物
(
わざもの
)
であったが、武器よりも手練の方が見事だった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
なに
彼
(
あ
)
の
人
(
ひと
)
はね
疝気
(
せんき
)
が
起
(
おこ
)
つていけないツてえから、
私
(
わたし
)
がアノそれは薬を飲んだつて
無益
(
むだ
)
でございます、
仰向
(
あふむ
)
けに
寐
(
ね
)
て、
脇差
(
わきざし
)
の
小柄
(
こづか
)
を
腹
(
はら
)
の上に
乗
(
のつ
)
けてお置きなさいと
云
(
い
)
つたんで。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それでは
燗鍋
(
かんなべ
)
や
盃
(
さかずき
)
などがあるかと思って行燈の下を見た。燗鍋も盃も皿もなにもなかった。彼は手にしていた
脇差
(
わきざし
)
を行燈の
燈
(
ひ
)
へ
翳
(
かざ
)
して見た。刀にはすこし異状がないでもなかった。
水面に浮んだ女
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
仔細
(
しさい
)
ありと見てか、場をはずした文次、再び帰ったときは、手に
脇差
(
わきざし
)
の
鞘
(
さや
)
を払って
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
信長は、少年の眼をさしまねいて、手ずから
備前兼定
(
びぜんかねさだ
)
の
脇差
(
わきざし
)
を与えた。また家臣に命じて、
勝栗土器
(
かちぐりかわらけ
)
をとりよせ、
酌
(
く
)
み
交
(
か
)
わして
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
待つてくれ、中ノ橋の親分。廊下には少しも血が附いちやゐないぜ、障子の
血飛沫
(
ちしぶき
)
はひどいが——多分
脇差
(
わきざし
)
を障子越しに突立てられると、主人は傷を
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
取替
(
とりかは
)
せしに
後藤
(
ごとう
)
平
(
へい
)
四郎と申名の下に
捺
(
おし
)
たる
印形
(
いんぎやう
)
は幸之進の實印に
相違
(
さうゐ
)
なく然れども
夫
(
それ
)
ばかりにて
定
(
さだ
)
め
難
(
がた
)
しと
存
(
ぞんじ
)
茶屋
(
ちやや
)
へ
參
(
まゐ
)
り
腰
(
こし
)
の物を
改
(
あらた
)
め見候に
本夫
(
をつと
)
の
脇差
(
わきざし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
唯
(
ただ
)
一片
(
いっぺん
)
の
御
(
お
)
布令だけの事であるから、俗士族は
脇差
(
わきざし
)
を一本
挟
(
さ
)
して
頬冠
(
ほほかむ
)
りをして
颯々
(
さっさつ
)
と芝居の
矢来
(
やらい
)
を
破
(
やぶっ
)
て
這入
(
はい
)
る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
夜具葛籠の前に置いてあった
脇差
(
わきざし
)
を、手探りに取ろうとする所へ、もう二の
太刀
(
たち
)
を打ち卸して来る。無意識に右の手を挙げて受ける。手首がばったり切り落された。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
障子押しあけ、飛びついた男の手には
白刃
(
しらは
)
がある。男は
脇差
(
わきざし
)
を抜いて
咽喉
(
のど
)
へ突き立てるところでした。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“脇差”の解説
脇差(わきざし、わきさし)は、主兵装(本差)が破損などにより使えない時に使用される予備の武器を指す。脇指とも表記される。現在は日本刀の打刀(うちがたな)の大小拵えの小刀(しょうとう)をいうことが多い。「小刀」と書いて「こがたな」と読む場合は、日常用の短刀のうち特に小さいもの、あるいは小型の片刃の物を言う。
(出典:Wikipedia)
脇
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
“脇差”で始まる語句
脇差等迄