なら)” の例文
新字:
さうして、このふたつながら、ならんでおこなはれてゐました。そのとなごとが、今日こんにちでも、社々やしろ/\神主かんぬしさんたちのとなへる、祝詞のりとなのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
鼻が三角で、口が三角、眉を払ったあとがまた三角なりで、おとがいの細った頬骨の出た三角をさかさまにして顔の輪廓りんかくの中に度を揃えてならんでいる。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「うむ、一しよにしてくろ」とおつたはやはらかにいつた。勘次かんじふたつを等半とうはんぜてそれからまたおほきな南瓜たうなすつばかり土間どまならべた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
博物館はくぶつかんにはみなさんのつてゐるように、種々しゆ/″\品物しなものならべてありますが、たいていはある種類しゆるいのものばかりをえらんで、陳列ちんれつしてあるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
やつと隧道トンネルたとおもふ——そのときその蕭索せうさくとした踏切ふみきりのさくむかうに、わたくしほほあかい三にんをとこが、目白押めじろおしにならんでつてゐるのをた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
くのごと對照式たいせうしき綺語きご——技巧的ぎこうてき比喩語ひゆご——をならぶることはシェークスピヤの青年期せいねんきにはイギリス文壇ぶんだん流行りうかうなりしなり。以下いかにも同例どうれいおほし。
千九百六年せんくひやくろくねんのヴェスヴィオ噴火ふんかについては、初日しよにちから八日目やうかめいたるまでに噴出ふんしゆつした火山灰かざんばひ日々ひゞ順序じゆんじよならべ、これを硝子管がらすくだにつめて發賣はつばいしてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ところが形姿かたち威儀いぎならびなき一人の男が夜中にたちまち來ました。そこで互にでて結婚して住んでいるうちに、何程もないのにその孃子おとめはらみました。
「一と坪のかべへ、これを一枚ならべに塗り込んだとしたら、何枚竝ぶだらう、——慶長小判は横一寸三分の縱二寸三分五厘だ、壁の廣さは五尺七寸四方として」
すずめのおうちはやしおくたけやぶにありました。このすずめにはとうさまもかあさまもありました。たのしいおうちまへたけばかりで、あをいまつすぐなたけ澤山たくさんならんでえてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
舞台にのぼった役者の顔だ。丁度隣に小間使の小松がならんでいるが、面白い対照だね。この方は正反対に無技巧だ。着物から頭から、無表情な顔つきまで、すっかり昔流の日本娘だ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
昨日は東關の下にくつわならべし十萬騎、今日は西海の波に漂ふ三千餘人。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
地獄ぢごくほとけあふたる心地なし世にもなさけあるおことばかなと悦び臺所だいどころへ到りて空腹くうふくの事ゆゑ急ぎ食事しよくじせんものと見ればいづれも五升も入べき飯櫃めしびつ五ツならべたりめし焚立たきたてなりければ吉兵衞は大きに不審ふしん此樣子このやうすでは大勢おほぜいの暮しと見えたれども此程の大家に男は留守るすにもせよ女の五人や三人はをるべきに夫と見えぬは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
山中さんちゆうといふだいです。山中さんちゆうみゝきこえるものをいつとほりならべて、そしてものしづかなやま樣子ようすかんがへさせようとしたのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
そのうちたけまばらになると、何本なんぼんすぎならんでゐる、——わたしは其處そこるがはやいか、いきなり相手あひてせました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
みなさんは、博物館はくぶつかんといふところたことがありますか。博物館はくぶつかんにはいろ/\のうつくしいものやめづらしい品物しなものならべてあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
蝶吉は枕をならべて、着たまま横になってすそを伸ばして、爪先つまさきくるんだが、玉のようなかいなを人形の掻巻かいまきの上へ投げ掛けて、ぴったり寄って頬を差寄せ
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おつぎとみなみ女房にようばうとはあひならんで勘次かんじたいして交互かうごおろ連枷ふるぢがどさり/\とにはつちつとこはばつた大豆だいづからはしやりゝ/\と乾燥かんさうしたかるひゞき
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
平次は一とつかみの錢と小粒をぜて馬吉の膝小僧の下にならべたのです。額は二分以上あつたでせうが、馬鹿に取つては、一貫の上は二貫でなければなりません。
たとへば現在げんざい活動中かつどうちゆう火山かざん南北なんぼくアメリカしゆうでは西にしほう太平洋沿岸たいへいようえんがんだけに一列いちれつならんでをり、中部ちゆうぶアメリカ地方ちほうでは二條にじようになつてみぎ南北線なんぼくせんにつながつてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たてならべてる、そのイナサの山の
しかし曙覽あけみうたで、さういふ種類しゆるいうたをあげすぎましたから、こゝでは、まじめなものを二三首にさんしゆならべるだけにしておきませう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
また、これはヨーロッパではありませんが、アフリカのエヂプトのカイロには、ふるいエヂプトの遺物いぶつばかりをならべてあるおほきな博物館はくぶつかんがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
成程ならべて置けばひな一対というのだが、身分には段があるね。学士とやあお前さん、大したもんでげしょう。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
毎日まいにちぜんならべると屹度きつとひがんだやうなかほをされるので、卯平うへいは一にちはやべつつてたいこゝろからさらつたかべためふたゝくらくなつた小屋こやあかるくるのが遲緩もどかしさにへぬのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
以上いじようとほり、われ/\は内外ないがい活火山かつかざんをざつと巡見じゆんけんした。そのたがひ位置いち辿たどつてみるとひとつの線上せんじようならんでゐるようにもえ、あるひがん行列ぎようれつるようなふうにならんでゐる場合ばあひ見受みうけられる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)