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授
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さず
ふりがな文庫
“
授
(
さず
)” の例文
「ああマージ様、どんな物をも煙にしてしまうというマージ様は、あなたでございましょう。どうか私にその術をお
授
(
さず
)
け下さいませ」
手品師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
まるで、天から
授
(
さず
)
かり物のような今夜の使の話なのである。
有卦
(
うけ
)
に入るというのはこんなことだろうと独りで悦に入っていたのだ。
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
爺
(
じい
)
さま、
何
(
ど
)
うぞ
私
(
わたくし
)
に
一
(
ひと
)
つの
御神鏡
(
ごしんきょう
)
を
授
(
さず
)
けて
戴
(
いただ
)
き
度
(
と
)
う
存
(
ぞん
)
じます。
私
(
わたくし
)
はそれを
御神体
(
ごしんたい
)
としてその
前
(
まえ
)
で
精神
(
せいしん
)
統一
(
とういつ
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
を
致
(
いた
)
そうと
思
(
おも
)
います。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
直
(
ただ
)
ちに特別捜査隊を編成して、それに
秘策
(
ひさく
)
を
授
(
さず
)
けて出発させた。そして彼は
勇
(
ゆう
)
を
鼓
(
こ
)
して、単身、青竜王の探偵事務所を訪ねた。——
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
実際私は下谷浅草本所深川あたりの古寺の多い
溝際
(
どぶぎわ
)
の町を通る度々、見るもの聞くものから幾多の教訓と感慨とを
授
(
さず
)
けられるか知れない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
それでは自然が人間に
授
(
さず
)
けてくれたこの両手が、今日本でどんな働きをなしつつあるのでしょうか。それを見届けたく思います。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
その一つは、男と同じ学問を
授
(
さず
)
けようとするもの、今一つは私などのように、どうかしてやや分業の
途
(
みち
)
に
出
(
い
)
でしめようとするものである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いままで
待
(
ま
)
ってももどってこないところをみると、おそらくその
落
(
お
)
とし
主
(
ぬし
)
はもどってこないだろう。そのお
金
(
かね
)
は、おまえさんに
授
(
さず
)
かったのだ。
武ちゃんと昔話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
パリからヴァルセに来るとちゅう、わたしはマチアに読書と、
初歩
(
しょほ
)
の
楽典
(
がくてん
)
を
授
(
さず
)
け始めた。この
課業
(
かぎょう
)
を今度も
続
(
つづ
)
けてした。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
小児は牛乳を以て養う可しと言い、財産家は乳母を雇うこと易しとて、母に乳あるも
態
(
わざ
)
と之を
授
(
さず
)
けずして
恰
(
あたか
)
も我子の生立を傍観する者なきにあらず。
新女大学
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そこで、ついお
隣
(
となり
)
の
和泉国
(
いずみのくに
)
の
信田
(
しのだ
)
の
森
(
もり
)
の
明神
(
みょうじん
)
のお
社
(
やしろ
)
に
月詣
(
つきまい
)
りをして、どうぞりっぱな
子供
(
こども
)
を
一人
(
ひとり
)
お
授
(
さず
)
け
下
(
くだ
)
さいましと、
熱心
(
ねっしん
)
にお
祈
(
いの
)
りをしていました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「私は小さい時に、不思議な術を
授
(
さず
)
かって、気を吐いて長生することができるのですから、結婚はのぞまないです。」
封三娘
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
話は横道にはいるようであるが、折々、我が国においても実業家に
位階
(
いかい
)
を
授
(
さず
)
けらるるとか、あるいは
叙勲
(
じょくん
)
せらるべしという議論がさかんに行われる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
猿の方では、神様から人真似の本能を
授
(
さず
)
けられている悲しさに、旅人の
仕草
(
しぐさ
)
を一々真似始めたのです、そして、とうとう、自殺をしてしまったのです。
目羅博士の不思議な犯罪
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おおせに従わない悪者どもを
説
(
と
)
き従えてまいれとおおせになって、ひいらぎの
矛
(
ほこ
)
をお
授
(
さず
)
けになり、
御鉏友耳建日子
(
みすきともみみたけひこ
)
という者をおつけ
添
(
そ
)
えになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
十歳のとき父を失ったヨハン・セバスティアンは、オールドルフのオルガン奏者なる兄クリストフの
許
(
もと
)
に引き取られて、クラヴィーアの
稽古
(
けいこ
)
を
授
(
さず
)
けられた。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
が、自分は衆の知識として、おのおのの迷いを破り、道を
授
(
さず
)
けんがために、住持人となっている。そのために呵嘖し
打擲
(
ちょうちゃく
)
する。自分はこの行を恐ろしく思う。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
愛宕山
(
あたごやま
)
の
太郎坊
(
たろうぼう
)
、夜な夜なわがもとに忍んで極意秘術を
授
(
さず
)
けるといい広め、そこで名づけたのがこの
微塵流
(
みじんりゅう
)
。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
其信心は何時から始まったか知らぬが、其夫が
激烈
(
げきれつ
)
な
脚気
(
かっけ
)
にかゝって已に
衝心
(
しょうしん
)
した時、彼女は
身命
(
しんめい
)
を
擲
(
なげう
)
って祈ったれば、神のお告に九年
余命
(
よめい
)
を
授
(
さず
)
くるとあった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
またその上に植物には
紅白紫黄
(
こうはくしおう
)
、色とりどりの花が咲き、
吾人
(
ごじん
)
の眼を楽しませることひととおりではない。だれもこの天から
授
(
さず
)
かった花を愛せぬものはあるまい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
何とか報恩の道もがなと、
千々
(
ちぢ
)
に心を
砕
(
くだ
)
きし
後
(
のち
)
、同女の次女を養い取りて
聊
(
いささ
)
か学芸を
授
(
さず
)
けやりぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
今宵
(
こよい
)
この者に、旧師が、秘伝奥義の、伝授云々のことあり、拙者へも伝授なきものを、河原者風情に、
授
(
さず
)
けられては、面目立ち難く、当方より、師弟の縁を切り、直ちに
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
武家へ生れても孤児の宗右衛門は何の
躾
(
しつけ
)
も
薫育
(
くんいく
)
も
授
(
さず
)
からず、その部落の同情で
辛
(
かろ
)
うじて八九歳までの寿命を延ばしたに過ぎない。そして江戸の或る御用商人の小僧にやられた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
むろんこっちでも恩を
仇
(
あだ
)
で返す
了簡
(
りょうけん
)
なんか毛頭無いんだが……とにもかくにも吾輩の博士製造業……往来の犬生かし事業は、こうして天狗猿の鬼目博士から
授
(
さず
)
かったものなんだ。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
尊はその時分、神仙から
授
(
さず
)
かった秘法や
禁厭
(
まじない
)
で附近の人びとの病気などを
癒
(
なお
)
していた。尊の噂が高まってくるとともにその
門人
(
もんじん
)
となる者もできた。
太美
(
ふとみ
)
の
万彦
(
よろずひこ
)
もその弟子の一人であった。
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「気ちがいのつぎが、
捨児
(
すてご
)
か……すこし、
授
(
さず
)
かりものが多すぎるようだな」
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「なに、これで善い運が
授
(
さず
)
かるとなれば、私だって、信心をするよ。日参をしたって、
参籠
(
さんろう
)
をしたって、そうとすれば、安いものだからね。つまり、神仏を相手に、一商売をするようなものさ。」
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
アンドレイ、エヒミチはハバトフが
自分
(
じぶん
)
を
散歩
(
さんぽ
)
に
誘
(
さそ
)
って
気晴
(
きばらし
)
をさせようと
云
(
い
)
うのか、
或
(
あるい
)
はまた
自分
(
じぶん
)
にそんな
仕事
(
しごと
)
を
授
(
さず
)
けようと
云
(
い
)
う
意
(
つもり
)
なのかと
考
(
かんが
)
えて、とにかく
服
(
ふく
)
を
着換
(
きか
)
えて
共
(
とも
)
に
通
(
とおり
)
に
出
(
で
)
たのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「これは好い智恵を
授
(
さず
)
かった。光子さん、何うだね? ハッハヽヽ」
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この
夫婦
(
ふうふ
)
は
大層
(
たいそう
)
仲
(
なか
)
が
好
(
よ
)
かったが、
小児
(
こども
)
がないので、どうかして
一人
(
ひとり
)
ほしいと
思
(
おも
)
い、おかみさんは、
夜
(
よる
)
も、
昼
(
ひる
)
も、一
心
(
しん
)
に、
小児
(
こども
)
の
授
(
さず
)
かりますようにと
祈
(
いの
)
っておりましたが、どうしても
出来
(
でき
)
ませんでした。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
天漢三年の秋に
匈奴
(
きょうど
)
がまたもや
雁門
(
がんもん
)
を犯した。これに
酬
(
むく
)
いるとて、翌四年、漢は
弐師
(
じし
)
将軍
李広利
(
りこうり
)
に騎六万歩七万の大軍を
授
(
さず
)
けて
朔方
(
さくほう
)
を出でしめ、歩卒一万を率いた
強弩都尉
(
きょうどとい
)
路博徳
(
ろはくとく
)
にこれを
援
(
たす
)
けしめた。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
言訳
(
いいわけ
)
に困って腹を切るのは昔のことだが、どうもお前さんは太い人だねえ、清水の旦那を殺し、又作という奴に
悪智
(
あくち
)
を
授
(
さず
)
けて、
屍骸
(
しがい
)
を旅荷に造り、佐野の在へ持って
往
(
ゆ
)
き、始末をつけようとする途中
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ところがいよいよ子爵夫人の格式をお
授
(
さず
)
けになるという
間際
(
まぎわ
)
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
神様が、妹に、立派な恋人をお
授
(
さず
)
けくださいますように!
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
少年はこの座頭からこうしてその智慧を
授
(
さず
)
かるのである。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「将監の書中によれば、なお詳しくは使いの者に仔細申し
授
(
さず
)
け置く——と相見ゆるが、将監からの伝言、余すところなくそれにて申せ」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何卒
(
なにとぞ
)
神様
(
かみさま
)
のお
力
(
ちから
)
で
子供
(
こども
)
を
一人
(
ひとり
)
お
授
(
さず
)
け
下
(
くだ
)
さいませ。それが
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
であろうと、
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
であろうと、
決
(
けっ
)
して
勝手
(
かって
)
は
申
(
もう
)
しませぬ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
しかしそもそも私が巴里の芸術を愛し得たその Passion その Enthousiasme の根本の力を私に
授
(
さず
)
けてくれたものは
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
町の子供には毎夜六時から八時頃まで、特に日曜の時には午後の二時から六時までという風に算術の稽古を
授
(
さず
)
けていた。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もし運よく向こうへ行けて どんな物でも煙にしてしまうという術を
授
(
さず
)
かったら、それこそ
素敵
(
すてき
)
だ。
世間
(
せけん
)
の者はどんなにびっくりすることだろう。
手品師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
マヨイガに行き当りたる者は、必ずその家の内の
什器
(
じゅうき
)
家畜何にてもあれ持ち出でて来べきものなり。その人に
授
(
さず
)
けんがためにかかる家をば見するなり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
だんだんわたしはおかげでいろんなことを
覚
(
おぼ
)
えた。と同時に親方の
授
(
さず
)
けてくれた
課業
(
かぎょう
)
以上
(
いじょう
)
に
有益
(
ゆうえき
)
な長い旅行をした。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
大臣
(
だいじん
)
が
剣
(
つるぎ
)
とお
袍
(
うわぎ
)
を持って、
御殿
(
ごてん
)
のきざはしの上に
立
(
た
)
って、
頼政
(
よりまさ
)
にそれを
授
(
さず
)
けようとしました。
頼政
(
よりまさ
)
はきざはしの下にひざをついてそれを
頂
(
いただ
)
こうとしました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
また小食の人も
健啖家
(
けんたんか
)
も、
肉
(
にく
)
を注文すれば同じ分量を
授
(
さず
)
けられる。ほとんど個性を無視して
男
(
おとこ
)
一
匹
(
ぴき
)
の
食物
(
しょくもつ
)
は
何合
(
なんごう
)
、衣類は
何尺
(
なんじゃく
)
と、一人前なる分量が定まっている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
不思議なことに、神通力でも
授
(
さず
)
かったように、色々なことが見えたり聞えたりして来るのです。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
妾らここに見るあり
曩日
(
さき
)
に女子工芸学校を創立して妙齢の女子を
貧窶
(
ひんる
)
の
中
(
うち
)
に救い、これに
授
(
さず
)
くるに生計の方法を以てし、
恒
(
つね
)
の
産
(
さん
)
を得て恒の心あらしめ、小にしては
一身
(
いっしん
)
の
謀
(
はかりごと
)
をなし
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
ばかなことは、よせ。ここではっきりいって置くぞ。天から
授
(
さず
)
かった神聖な躯を売却していいと思うか。それも物質的欲望のために売却するなんて、猛烈に汚いことだ。万一君がそんなことを
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
偶
(
たまた
)
ま
以
(
もっ
)
て一旧臣の
為
(
た
)
めに富貴を得せしむるの
方便
(
ほうべん
)
となりたる
姿
(
すがた
)
にては、たといその
富貴
(
ふうき
)
は
自
(
みず
)
から求めずして天外より
授
(
さず
)
けられたるにもせよ、
三河武士
(
みかわぶし
)
の末流たる徳川一類の身として考うれば
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そして、その院長が次第に社会的に
栄達
(
えいたつ
)
して、男爵を
授
(
さず
)
けられた時にも
雨夜草紙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そうして祖先たちはよい技術をこの町の人々に
授
(
さず
)
けてくれたと思います。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
授
常用漢字
小5
部首:⼿
11画
“授”を含む語句
教授
口授
授業
授受
神授
班田収授
天授
菅原伝授手習鑑
伝授
授戒
沮授
授与
傳授
授業料
授産場
授翁和尚
關谷教授
電氣學教授
授洗者
風物教授
...