私は探偵小説の筋を考える為に、方々をぶらつくことがあるが、東京を離れない場合は、大抵行先が極っている。浅草公園、花やしき、上野の博物館、同じく動物園、隅田川の乗合蒸汽、両国の国技館。(あの丸屋根が往年のパノラマ館を聯想させ、私をひきつける) …
著者 | 江戸川乱歩 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「文藝倶楽部 探偵小説と滑稽小説号」博文館、1931(昭和6)年4月増刊 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約32分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約52分(300文字/分) |