小川おがわ)” の例文
また、小川おがわれていって、ボンをみずなかれてあらってやったりして、ボンをよろこばせるのをもたのしみの一つとしているのです。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三四郎は宿帳を取り上げて、福岡県京都郡みやこぐん真崎村まさきむら小川おがわ三四郎二十三年学生と正直に書いたが、女のところへいってまったく困ってしまった。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
仕事として大きいのは比企ひき小川おがわ町の手漉紙てすきがみであります。川に沿うて点々と昔ながらの紙漉場かみすきばを見られるでしょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
僕達は小川おがわの上のややおかになった灌木かんぼくの下に足を投げ出して二人が知っている「古里」の唄をうたい始めた。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
単純な説話で置いたらまだしも、無理に場面をにぎわすためかき集めた千々石ちぢわ山木やまきの安っぽい芝居しばいがかりやら、小川おがわ某女の蛇足だそくやら、あらをいったら限りがない。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
さるが行ってしまったあとへ、そのときちょうどうら小川おがわともだちとあそびに行っていた子がにがかえってました。るとかきの木の下におやがにが甲羅こうらをくだかれてんでいます。
猿かに合戦 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
一人は、胡麻塩髯ごましおひげ胸にるゝ魁偉おおきなアイヌ、名は小川おがわヤイコク、これはあまり口がけぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これを採用するとした上で山名の読み方が問題となるが、これは「大日本地名辞書」により、そのほかには小川おがわ氏著「日本地図帳地名索引」、また「言泉」等によることにした。
火山の名について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そこの小川おがわのそばに自分のお屋敷やしきがあるんですから。そこでかえるさんはんで行きます。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
ごんは、村の小川おがわつつみまで出て来ました。あたりの、すすきの穂には、まだ雨のしずくが光っていました。川は、いつもは水がすくないのですが、三日もの雨で、水が、どっとましていました。
ごん狐 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
林檎りんごいまいっぱいのはなざかり、かぐわしい接骨木にわどこはビロードのよう芝生しばふまわりをながれる小川おがわうえにそのながみどりえだれています。なにもかも、はるはじめのみずみずしいいろできれいなながめです。
せい小川おがわへ、せいもといずみへと1200
むらはずれの、小川おがわにかかっている水車すいしゃは、あさからばんまで、うたをうたいながらまわっていました。おんな主人しゅじんも、水車すいしゃといっしょにはたらきました。
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
姓は小川おがわ名は清子きよこと呼ばれて、目黒めぐろのあたりにおおぜいの孤児女とみ、一大家族の母として路傍に遺棄せらるる幾多の霊魂を拾いてははぐくみ育つるを楽しみとしつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
うたの中にある「斑鳩いかるが」だの、「とみ小川おがわ」だのというのは、いずれも太子たいしのおまいになっていた大和やまとくに奈良ならちかところで、そのとみ小川おがわながれのえてしまうことはあろうとも
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
小川おがわさんですか」と向こうから尋ねてくれた。顔は野々宮君に似ている。娘にも似ている。しかしただ似ているというだけである。頼まれた風呂敷包ふろしきづつみを出すと、受け取って、礼を述べて
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
されど小川おがわは君が方へ流れ寄り
小川おがわも、も、はたけゆきしたにうずもれてしまって、どこがみちやら、それすら見当けんとうがつかなくなってしまったのであります。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
小川おがわと流れ
とみ小川おがわ
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
かれは、どうなるかとおもいました。みちまよって、小川おがわなかにでもんだなら、うしといっしょにこごんでしまわなければならぬとおもいました。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
野中のなかながれている小川おがわには、みずがいっぱいあふれてはしうええていましたから、どこがみちだかわかりませんでした。
酒屋のワン公 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なかにもちいさな子供こどもたちは、なかがたちまちわったようながして、はだしでして、ざぶざぶと小川おがわとなった往来おうらいをふみわけていました。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この時分じぶんから、どこか小川おがわのふちでく、かえるのこえが、たかく、しげくなりはじめて、さながら、あめおとのようになくきこえてきました。
戦争はぼくをおとなにした (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのも、いもうとは、あにのことを心配しんぱいしながらみちあるいてくると、さびしいところに小川おがわながれていて、そこに、せまはしがかかっており、一人ひとりのおばあさんが
一本の銀の針 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きたならしいふうをして、ながぐつをはいた子供こどもは、やっとのがれてむら子供こどもらのついてこない小川おがわへんまでやってきて、そこにってしばらくいていました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
小川おがわは、みんなゆきにうずまっていました。またいけにもいっぱいゆきもっていて、どこがやら、はたけやら、またながれであるやらわからなかったほどであります。
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あのひかるのは、みずかな。」と、かれは、なかながれる小川おがわそそいでいました。そのとき、がやがやとこえがして、おかしたを、学校がっこう遠足えんそくとおったのであります。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、太郎たろうは、いそいでけて、あちらの小川おがわ竹馬たけうまでやすやすとわたってしまいましたので、ぬしかわのふちまでやってきて、どうすることもできませんでした。
竹馬の太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
小川おがわみずは、さらさらとかがやいて、さびしそうなうたをうたってながれています。木々きぎは、あかくまた黄色きいろにいろどられて、遠近おちこち景色けしきるようでありました。
般若の面 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あね一人ひとり小川おがわにそうてあるいてはたたずみ、たたずんではまたあるいて、いもうとのことをおもっていました。いつか、二人ふたりは、いっしょにこのみちあるいたこともあったのだとおもいました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるのこと、二人ふたりは、小川おがわにそうて散歩さんぽをしていました。かわほとりには、しろはなや、桃色ももいろはないていました。そのとき、あねみずうつった自分じぶん姿すがたをながめて、かおあかくしながら
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それでなくてさえ、のよくないおじいさんは、どんなにこまったでしょう。いつのまにか、どこがはらだやら、小川おがわだやら、みちだやら、ただ一めんしろえてわからなくなりました。
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
なつになると、つばめがんできました。そして、そのかわいらしい姿すがた小川おがわみずおもてうつしました。またあつ日盛ひざかりごろ、旅人たびびと店頭みせさきにきてやすみました。そして、四方よもはなしなどをしました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつも、ぐるぐるとまわっている水車場すいしゃばくるままっていました。また、いつもさらさらといってながれている小川おがわみずも、まってうごきませんでした。みんなさむさのためにこおってしまったのです。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、どこからか、青々あおあおとした、うえんで、すがすがしい空気くうきに、羽音はおとをたてる一くろ水鳥みずどりがあったかとおもうと、小川おがわふちりました。それは、くちばしの黄色きいろばんだったのです。
酒屋のワン公 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はたけから、とってきたはなを、母親ははおやは、まえ小川おがわあらっていました。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あめチョコの天使てんしは、あの子供こどもらは、あめチョコをって、自分じぶんをあの小川おがわながしてくれたら、自分じぶんは みずのゆくままに、あちらのとおいかすみだった山々やまやまあいだながれてゆくものを空想くうそうしたのであります。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのかわり、はやししげっていれば、うつくしい小川おがわながれています。
おかめどんぐり (新字新仮名) / 小川未明(著)