名誉めいよ)” の例文
旧字:名譽
おうさまをはじめ諸侯しょこうが、そこにお見えになるのよ。そして、そういうすばらしい御殿のあることが、この地方の名誉めいよとなるでしょう。
王子は、サンドリヨンを、そのなかでいちばん名誉めいよ上席じょうせき案内あんないして、それからまた、つれ出して、いっしょにダンスをはじめました。
かげ名誉めいよたすかった。もう出発しゅっぱつしましょう。こんな不徳義ふとくぎきわまところに一ぷんだってとどまっていられるものか。掏摸すりども墺探おうたんども
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「できるだけねんねんれてつくります。まことにこのうえ名誉めいよはございませんしだいです。」といって、おれいもうしあげました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんとにわかったのかえ。いい着物が着られないから学校の名誉めいよがあげられないなんて、かりにも考えるようではだめですよ、光吉こうきち。」
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
そのうちに、あなたもわかってきますよ。いちばんとうと御褒美ごほうびっていうのは、名誉めいよにだけなって、べつとくにはならないような御褒美ごほうびです。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
そのとき、テクテク徒歩で戦場をかけめぐることは、武士たるものの名誉めいよにかかわる、まことに不面目な話だからである。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
こうして、こまは、また、お部屋の中にもどって、名誉めいよをとりもどしました。けれども、まりのほうは、それからどうなったか、わかりません。
富貴ふうき名誉めいよ、道徳より来たるものは、山林中の花の如く、おのずから是れ舒徐じょじょ繁衍はんえん、功業より来たるものは盆榼中ぼんこうちゅうの花の如く、便たちま遷徙せんし廃興はいこうあり。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
こうした文学上の活躍かつやくみとめられて、一九〇九年には女の人としてはじめての名誉めいよであるノーベル文学賞を受けました。
して、折角せっかくおいでになったお客さまに、もしものことがあったらどうする。学校の名誉めいよに関するよ。今日はもうお前たちみんなばっしなければならない。
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
どうして頼政よりまさがそういう名誉めいよになうようになったかともうしますと、いったいこの頼政よりまさは、あの大江山おおえやまおに退治たいじした頼光らいこうには五だいめのまごたりました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
わたしがかれらをゆかいにしえなかったとすると、かれらはきっとふところを開けてはくれないであろう。わたしはわたしが歌った名誉めいよのためではなかった。
大きな関心をよせてほめたたえ、そこへつづくことを名誉めいよとせねばならないのだ。なんのために竹一は勉強し、だれのために磯吉は商人になろうとしているのか。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
これは名誉めいよなお使番つかいばん、クロを飼いならしていらい、わしにのってお使つかいをするものは、とんぼぐみほまれとしてありますので、わたしはほんとにうれしゅうございました
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、この宮中きゅうちゅうでいちばん名誉めいよのあるくらいにつきたければ、それもかなえてやろうと約束やくそくしました。
白鹿はくろくかみなりというつたえあれば、もしきずつけて殺すことあたわずば、必ずたたりあるべしと思案しあんせしが、名誉めいよ猟人かりうどなれば世間せけんあざけりをいとい、思い切りてこれをつに
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ぼくが正しいか、ドノバンが正しいか、ジャップたるぼくが正しいとすれば、ヤンキーたるドノバンはのろわれねばならん、そうしてその国の名誉めいよもけがされねばならん
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
いや昨日はお手柄てがらで、——名誉めいよのご負傷でげすか、と送別会の時になぐった返報と心得たのか、いやにひやかしたから、余計な事を言わずに絵筆でもめていろと云ってやった。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
細君の里方さとかたでは、糟谷をえらい人と思いこみ、なお出世しゅっせする人と信じて、この結婚を名誉めいよと感じてむすめをとつがし、糟谷のほうでもただ良家りょうけの女ということがありがたくて
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
使を以て小栗に申出ずるよう江戸に浅田宗伯あさだそうはくという名医めいいありと聞く、ぜひその診察をいたしとの請求に、此方このほうにては仏公使が浅田の診察しんさつうは日本の名誉めいよなりとの考にて
しかし、天恩洪大こうだいで、かえって芸術の奥には幽眇ゆうびょう不測なものがあることをご諒知りょうち下された。正直な若崎はその後しばしば大なるご用命を蒙り、その道における名誉めいよするを得た。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
わッ! という歓声かんせいは天地をとどろかしました。日本士官は思わずもき合っておどり上がりました。しばらくはすべての人の拍手はくしゅが鳴りやまなかったのであります。この光栄、この名誉めいよ
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
出家しゆつけのいふことでも、おしへだの、いましめだの、説法せつぱふとばかりはかぎらぬ、わかいの、かつしやい、といつかたした。あとくと宗門しうもん名誉めいよ説教師せつけうしで、六明寺りくみんじ宗朝しうてうといふ大和尚だいおしやうであつたさうな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは、もともとここの生活では、だれがどんな働きをして、どんな名誉めいよになうかということは、あまりたいせつなことではないからだ。ここの生活でたいせつなのは、名でなくて実である。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「やっぱり、お前の足が早いから、名誉めいよの勝利を得たのさ。」
兎と亀 (新字新仮名) / ロード・ダンセイニ(著)
それどころか、黒ネズミをいつかはほろぼしてしまわなければ、じぶんたちの名誉めいよにかかわるんだ、と口ぐせのように言っていました。
「いや、いちばんおそくしたものにも、名誉めいよのほうびをやろう。」と、先生せんせいは、こんどは使用しようされている鉛筆えんぴつたかくさしげられました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だからいいくらしをしておいでなのだ。ほらね、あのかたあしあかいきれをゆわえつけておいでだろう。ありゃあ家鴨あひるにとっちゃあたいした名誉めいよなんだよ。
しかるにいわゆる business man 実業家なるものは、その業務の目的はかねにあるゆえに、ことさら名誉めいよをもって彼らを迎えなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「わかりました。ぼく、学校やクラスの名誉めいよきずつけないような、りっぱなあいさつをきっとしてみせます。」
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
この様な大へんな名誉めいよを得て、そのほかに、みなさんももうご存知でしょうが、フゥフィーボー博士のほかに、たれも決して喰べてならない藁のオムレツまで
いまでは自分があいし愛される母親や兄弟があるだけではない、その国で名誉めいよのある先祖せんぞ名跡みょうせきをついで、ばくだいな財産ざいさん相続そうぞくする身の上になったのである。
侯爵こうしゃくはそのとき、うやうやしく敬礼けいれいしたのち、王様の申し出された名誉めいよを、よろこんで、お受けすることにしました。そうしてその日、さっそくお姫さまと結婚しました。
田村麻呂たむらまろ自分じぶんがこれほどの名誉めいよけることになったのも、清水きよみず観音様かんのんさまにおいのりをした御利益ごりやくだとおもって、みやこかえるとさっそく清水きよみずにおまいりをして、ねんごろにおれいもうげました。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
こうした文学上の活躍かつやくみとめられて、一九〇九年には、女の人としてはじめての名誉めいよであるノーベル文学賞ぶんがくしょうを受けました。また、一九一四年にはスウェーデン学士院会員にもえらばれました。
となり村のある家などでは、四人あった息子が四人とも戦死して、四つの名誉めいよのしるしはその家の門にずらりとならんでいた。大吉たちは、どんなにか尊敬そんけいの目でそれをあおぎ見たことだろう。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
日本から招聘しょうへいせられた工学者で、この島へきてからもはや、二十年の月日はすぎた、かれは温厚おんこうのひとでかつ義侠心ぎきょうしんが強いところから、日本を代表する名誉めいよ紳士しんしとして、一般の尊敬そんけいをうけている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
『そうだ名誉めいよ大切たいせつだ。全体ぜんたいこんなまちあし踏込ふみこんだのが間違まちがいだった。』と、かれさらにドクトルにむかってうた。『じつわたしけたのです。で、どうでしょう、ぜにを五百えんしてはくださらんか?』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
学問なりその他の名誉めいよを得てほこる者を見ると、彼奴きゃつちかごろ一円もらったばっかりだな、ああいうふうにやっては明日の日の登る前に形無かたなしになるであろうと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いまも前線ぜんせんにあってたたかいつつある戦友せんゆうのことをかんがえると、自分じぶん武運ぶうんつたなくして帰還きかんしながら、なんで、これしきの戦傷せんしょう名誉めいよとしてひとほこることができようか
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
というのは、大昔から、しらはねぞくの一ばん年上のものが、この名誉めいよをになうはずになっていたのです。
特務曹長「それはけだしいかない。軍人が名誉めいよある勲章を食ってしまうという前例はない。」
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
たれもはいれない魔法まほうのお城をきりひらく名誉めいよが、自分のものになるとおもうと、もううしろからからだを押されるような気がして、さっそく、そのしごとにかかろうと決心けっしんしました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
名誉めいよの戦死など、しなさんな。生きてもどってくるのよ」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
名誉めいよ大事だいじだ。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
このひとたちは、全軍ぜんぐんのために犠牲ぎせいとなるのを名誉めいよおもって、よろこいさんですぐ仕度したくにとりかかりました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そいつは大へんだ。僕の名誉めいよにも関係します。早速さっそく犯人をつかまえます。」
毒もみのすきな署長さん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
殿とのさまのおちゃわんをつくるようにめいぜられるなんて、こんな名誉めいよのことはない。おまえがたもせいいっぱいに、これまでにない上等じょうとう品物しなものつくってくれなければならない。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
、まるで一分半でかたづけてくださいました。どうかこれからわたしの裁判所の、名誉めいよ判事になってください。これからも、葉書が行ったら、どうか来てくださいませんか。そのたびにお礼はいたします。
どんぐりと山猫 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)