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前日
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ぜんじつ
ふりがな文庫
“
前日
(
ぜんじつ
)” の例文
前日
(
ぜんじつ
)
、
子
(
ね
)
の
口
(
くち
)
の
朝
(
あさ
)
の
汀
(
みぎは
)
に
打
(
う
)
ち
群
(
む
)
るゝ
飴色
(
あめいろ
)
の
小蝦
(
こえび
)
の
下
(
した
)
を、ちよろ/\と
走
(
はし
)
つた——
真黒
(
まつくろ
)
な
蠑螈
(
ゐもり
)
に
似
(
に
)
て
双
(
ふたつ
)
ながら、こゝに
其
(
そ
)
の
丈
(
たけ
)
十
丈
(
ぢやう
)
に
余
(
あま
)
んぬる。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
指
(
ゆび
)
を
屈
(
くつ
)
して
見
(
み
)
ると、
當日
(
たうじつ
)
は
吾等
(
われら
)
が
海岸
(
かいがん
)
の
家
(
いへ
)
を
去
(
さ
)
つてから、
丁度
(
ちやうど
)
九日目
(
こゝぬかめ
)
で、
兼
(
かね
)
て
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
試運轉式
(
しうんてんしき
)
の
日
(
ひ
)
と
定
(
さだ
)
められたる
紀元節
(
きげんせつ
)
の
前日
(
ぜんじつ
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その
前日
(
ぜんじつ
)
のこと、
娘
(
むすめ
)
は、つぎには、いつくるかわからない、このなつかしい
町
(
まち
)
の
有
(
あ
)
り
様
(
さま
)
をよく
見
(
み
)
ておこうと、こうして
歩
(
ある
)
いていたのであります。
気まぐれの人形師
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此
母
(
はゝ
)
は年に一二度づつは上京して、子供の家に五六日
寐起
(
ねおき
)
する例になつてゐたんだが、其時は帰る
前日
(
ぜんじつ
)
から
熱
(
ねつ
)
が
出
(
で
)
だして、全く
動
(
うご
)
けなくなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで勇少年は、
前日
(
ぜんじつ
)
黄昏
(
たそがれ
)
の日比谷公園でみた
惨劇
(
さんげき
)
について知っていることをすべて語った。青龍王は
曲
(
まが
)
ったパイプで
刻
(
きざ
)
み
煙草
(
たばこ
)
をうまそうに吸いながらじっとそれに耳を傾けていた。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
閭
(
りよ
)
は
前日
(
ぜんじつ
)
に
下役
(
したやく
)
のものに
言
(
い
)
つて
置
(
お
)
いて、
今朝
(
けさ
)
は
早
(
はや
)
く
起
(
お
)
きて、
天台縣
(
てんだいけん
)
の
國清寺
(
こくせいじ
)
をさして
出掛
(
でか
)
けることにした。これは
長安
(
ちやうあん
)
にゐた
時
(
とき
)
から、
台州
(
たいしう
)
に
著
(
つ
)
いたら
早速
(
さつそく
)
往
(
ゆ
)
かうと
極
(
き
)
めてゐたのである。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
島本医師
(
しまもといし
)
の
意見
(
いけん
)
でも、またあとできた
市警
(
しけい
)
の
医師
(
いし
)
の
意見
(
いけん
)
でも
死
(
し
)
んだのは
前日
(
ぜんじつ
)
の
夕方
(
ゆうがた
)
からかけて九
時頃
(
じごろ
)
までの
間
(
あいだ
)
らしい。
大輪
(
たいりん
)
の
花
(
はな
)
をつけたぼたんの
鉢
(
はち
)
が、
金魚鉢
(
きんぎょばち
)
にほど
近
(
ちか
)
い
庭石
(
にわいし
)
の
上
(
うえ
)
にのせてあつた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
それはたしか
去年
(
きよねん
)
の
春頃
(
はるごろ
)
、
池谷
(
いけのや
)
信
(
しん
)
三
郎
(
らう
)
の
家
(
うち
)
でのことで、
前日
(
ぜんじつ
)
の
晝頃
(
ひるごろ
)
はじめて
翌日
(
よくじつ
)
の
夕方過
(
ゆふがたす
)
ぎまで八
圈戰
(
けんせん
)
を五
回
(
くわい
)
ぐらゐ
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
したやうに
思
(
おも
)
ふが、
終
(
をは
)
りには
頭
(
あたま
)
朦朧
(
もうろう
)
として
體
(
からだ
)
はぐたぐたになつてしまつた。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「
明日
(
あした
)
はいよいよ
御岳
(
みたけ
)
の
大講会
(
だいこうえ
)
、その
前日
(
ぜんじつ
)
には
月
(
つき
)
ノ
宮
(
みや
)
の森で、みなさまが落ち合うことになっているおやくそくだったそうですから、それで待ちどおしくッて、さっきからここに立っていたんです」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前日
(
ぜんじつ
)
風雪中
(
ふうせつのうち
)
、
故人
(
こじん
)
従此去
(
これよりさる
)
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
三千代は
此暑
(
このあつさ
)
を
冒
(
おか
)
して
前日
(
ぜんじつ
)
の
約
(
やく
)
を
履
(
ふ
)
んだ。代助は女の
声
(
こえ
)
を聞き付けた時、自分で玄関迄飛び
出
(
だ
)
した。三千代は
傘
(
かさ
)
をつぼめて、風呂敷
包
(
づゝみ
)
を抱へて、格子の
外
(
そと
)
に
立
(
た
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
は
穏
(
おだ
)
やかで、やがて
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
高
(
たか
)
く
上
(
のぼ
)
ると
波
(
なみ
)
は、いっそう
美
(
うつく
)
しく
閃
(
きらめ
)
いて、
前日
(
ぜんじつ
)
までのものすごさはどこへか
消
(
き
)
えてしまい、
帆船
(
ほぶね
)
や、
小船
(
こぶね
)
や、
汽船
(
きせん
)
は
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
に
浮
(
う
)
かんで
小さな金色の翼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
……その
前日
(
ぜんじつ
)
、おなじ
山
(
やま
)
の
温泉
(
おんせん
)
の
背戸
(
せど
)
に、
物干棹
(
ものほしざを
)
に
掛
(
か
)
けた
浴衣
(
ゆかた
)
の、
日盛
(
ひざかり
)
にひつそりとして
垂
(
た
)
れたのが、しみ
入
(
い
)
る
蝉
(
せみ
)
の
聲
(
こゑ
)
ばかり、
微風
(
かぜ
)
もないのに、
裙
(
すそ
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して、
上下
(
うへした
)
にスツ/\と
煽
(
あふ
)
つたのを
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
菖蒲
(
あやめ
)
、
杜若
(
かきつばた
)
は
此處
(
こゝ
)
ばかりではない、
前日
(
ぜんじつ
)
——
前々日
(
ぜん/\じつ
)
一見
(
いつけん
)
した、
平泉
(
ひらいづみ
)
にも、
松島
(
まつしま
)
にも、
村里
(
むらざと
)
の
小川
(
をがは
)
、
家々
(
いへ/\
)
の、
背戸
(
せど
)
、
井戸端
(
ゐどばた
)
、
野中
(
のなか
)
の
池
(
いけ
)
、
水
(
みづ
)
ある
處
(
ところ
)
には、
大方
(
おほかた
)
此
(
こ
)
のゆかりの
姿
(
すがた
)
のないのはなかつた。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は又三千代を
訪
(
たづ
)
ねた。三千代は
前日
(
ぜんじつ
)
の如く
静
(
しづか
)
に
落
(
お
)
ち
着
(
つ
)
いてゐた。
微笑
(
ほゝえみ
)
と
光輝
(
かゞやき
)
とに
満
(
み
)
ちてゐた。
春風
(
はるかぜ
)
はゆたかに
彼女
(
かのをんな
)
の
眉
(
まゆ
)
を吹いた。代助は三千代が
己
(
おのれ
)
を挙げて自分に信頼してゐる事を知つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
晩
(
ばん
)
は、
前日
(
ぜんじつ
)
よりもさらに
冷
(
つめ
)
たかったのであります。
寒い日のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
前日
(
ぜんじつ
)
みそか、
阿波
(
あは
)
の
徳島
(
とくしま
)
から
出京
(
しゆつきやう
)
した、
濱野英二
(
はまのえいじ
)
さんが
駈
(
か
)
けつけた。
英語
(
えいご
)
の
教鞭
(
けうべん
)
を
取
(
と
)
る、
神田
(
かんだ
)
三崎町
(
みさきちやう
)
の
第五中學
(
だいごちうがく
)
へ
開校式
(
かいかうしき
)
に
臨
(
のぞ
)
んだが、
小使
(
こづかひ
)
が
一人
(
ひとり
)
梁
(
はり
)
に
挫
(
ひし
)
がれたのと
摺
(
す
)
れ
違
(
ちが
)
ひに
逃出
(
にげだ
)
したと
言
(
い
)
ふのである。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
こ
)
の
暑
(
あつ
)
さは
何
(
ど
)
うです。……まだみん/\
蝉
(
ぜみ
)
も
鳴
(
な
)
きませんね、と
云
(
い
)
ふうちに、
今年
(
ことし
)
は
土用
(
どよう
)
あけの
前日
(
ぜんじつ
)
から
遠
(
とほ
)
くに
聞
(
き
)
こえた。カナ/\は
土用
(
どよう
)
あけて
二日
(
ふつか
)
の——
大雨
(
おほあめ
)
があつた——あの
前
(
まへ
)
の
日
(
ひ
)
から
鳴
(
な
)
き
出
(
だ
)
した。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“前”で始まる語句
前
前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前屈
前掛