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うみべ
ふりがな文庫
“
海辺
(
うみべ
)” の例文
曇
(
くも
)
った
日
(
ひ
)
のことです。
太郎
(
たろう
)
は
海辺
(
うみべ
)
にゆきますと、ちょうど
波打
(
なみう
)
ちぎわのところに、一
羽
(
わ
)
のやや
大
(
おお
)
きな
鳥
(
とり
)
が
落
(
お
)
ちて、もだえていました。
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたし
)
はつい四五日
前
(
まえ
)
、
西国
(
さいこく
)
の
海辺
(
うみべ
)
に上陸した、
希臘
(
ギリシャ
)
の船乗りに
遇
(
あ
)
いました。その男は神ではありません。ただの人間に過ぎないのです。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
加ふるに、この
海辺
(
うみべ
)
のホテルは家具の質素な西洋室である為、其の周囲の光景が自分にはまた特別の事件を
思起
(
おもひおこ
)
させるのであつた。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『あの
人
(
ひと
)
にはあの
人
(
ひと
)
としての
仕事
(
しごと
)
があり、めいめい
為
(
す
)
ることが
異
(
ちが
)
います。
良人
(
おっと
)
を
招
(
よ
)
ぶのは
海辺
(
うみべ
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
へ
移
(
うつ
)
ってからのことじゃ……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「去年あの経帷子を流したのは
海辺
(
うみべ
)
のどこらあたりか、お前はおぼえているだろう。今夜そっと私を連れて行ってくれないか。」
経帷子の秘密
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
そういう企画の可能なる場合は限られており、したがってまたその条件の
具
(
そな
)
わった
海辺
(
うみべ
)
を、見つけることもさまで困難ではない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼等は未来の健康のため、
一夏
(
ひとなつ
)
を
茅
(
ち
)
が
崎
(
さき
)
に過すべく、
父母
(
ふぼ
)
から命ぜられて、兄弟五人で
昨日
(
きのう
)
まで
海辺
(
うみべ
)
を
駆
(
か
)
け廻っていたのである。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
磯崎
(
いそざき
)
神社前の
海辺
(
うみべ
)
に組立てられた高さ五十尺の
櫓
(
やぐら
)
の上には、薄汚れた一枚の
座布団
(
ざぶとん
)
を敷いて、
祖父
(
そふ
)
と孫とが、抱き合っていた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
目の下に、クルクルまわる山や
峠
(
とうげ
)
や町や村をいくつも見て、およそ
小半日
(
こはんにち
)
も飛んだころ、やっと青々とした
海辺
(
うみべ
)
におりた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
●さて又
頸城郡
(
くびきごほり
)
の
海辺
(
うみべ
)
に
能生宿
(
のうしやうしゆく
)
といふは
北陸道
(
ほくろくだう
)
の
官路
(
くわんろ
)
なり、此宿より山手に入る㕝二里ばかりに
間瀬口
(
ませくち
)
といふ村あり、こゝの
農家
(
のうか
)
に地火をいだす㕝
如法寺
(
によほふじ
)
村の地火に同じとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
海辺
(
うみべ
)
の鳥は私たちの周り中で魚を
漁
(
あさ
)
って啼き叫んでいたし、永く航海をして来た後に上陸出来ることはだれだって嬉しかろうと思われるだろうが、私の心はすっかり滅入っていた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
そのうち「
憩
(
いこ
)
いの地」や「影法師」や「
海辺
(
うみべ
)
にて」は聴くに堪えないものがあるが、歌の良さもまた格別である。悲劇的な芸術の美しさとして、これに匹敵するものは決して沢山ない。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
されば必ず見よと云ひ給ひし狭き
港口
(
かうこう
)
を
出
(
い
)
づる
大船
(
おほふね
)
の運転士の手際も知らず過ごし
候
(
さふらふ
)
。南
仏蘭西
(
フランス
)
の
海辺
(
うみべ
)
に立てる木の
少
(
すくな
)
き山を船室の窓より見ながら、私はいかなる思ひをか致し
候
(
さふら
)
ひし。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
旅人は横穴にはいって、波の引くのを待っていて、狭い巌石の下の道を走り抜ける。そのときは親は子を顧みることが出来ず、子も親を顧みることが出来ない。それは
海辺
(
うみべ
)
の難所である。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
腫物の湯治に、郷里熊本から五里ばかり
有明
(
ありあけ
)
の
海辺
(
うみべ
)
の
小天
(
おあま
)
の温泉に連れられて往った時、宿が天井の無い家で、寝ながら上を見て居ると、真黒に
煤
(
すす
)
けた屋根裏の竹を縫うて何やら動いて居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
こう暑くなっては皆さん
方
(
がた
)
があるいは高い山に行かれたり、あるいは
涼
(
すず
)
しい
海辺
(
うみべ
)
に行かれたりしまして、そうしてこの悩ましい日を充実した生活の一部分として送ろうとなさるのも
御尤
(
ごもっと
)
もです。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
するうち室長は三学期の始頃、腎臓の保養のため遠い北の
海辺
(
うみべ
)
に帰つて間もなく死んでしまつた。遺族から死去の報知を受けたものは寄宿舎で私一人であつた程、それだけ私は度々見舞状を出した。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
飯
(
いひ
)
の中にまじれる
砂
(
すな
)
を
気
(
き
)
にしつつ
海辺
(
うみべ
)
の
宿
(
やど
)
に
明暮
(
あけく
)
れにけり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
朝は
海辺
(
うみべ
)
の石の
上
(
へ
)
に
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
パアドレ・オルガンティノ! 君は今君の仲間と、日本の
海辺
(
うみべ
)
を歩きながら、
金泥
(
きんでい
)
の霞に旗を挙げた、大きい南蛮船を眺めている。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし、
兄弟
(
きょうだい
)
は、じきに、
自分
(
じぶん
)
たちの
仲間
(
なかま
)
が、
海辺
(
うみべ
)
の
丘
(
おか
)
の
上
(
うえ
)
で
鳴
(
な
)
いているのを
知
(
し
)
ったので、ただちに、その
方
(
ほう
)
へ
飛
(
と
)
んでいったのであります。
兄弟のやまばと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
高輪の
海辺
(
うみべ
)
をぶらぶらあるいて行くと、摺れ違う牛の
角
(
つの
)
にも春の日がきらきらと光って、客を呼ぶ茶屋女の声もひとしお春めいてきこえた。
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
落城後
(
らくじょうご
)
私
(
わたくし
)
があの
諸磯
(
もろいそ
)
の
海辺
(
うみべ
)
に
佗住居
(
わびずまい
)
をして
居
(
い
)
た
時分
(
じぶん
)
などは、
何度
(
なんど
)
も
何度
(
なんど
)
も
訪
(
おとず
)
れて
来
(
き
)
て、
何
(
なに
)
かと
私
(
わたくし
)
に
力
(
ちから
)
をつけてくれました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
少なくとも
大和島根
(
やまとしまね
)
の方では、南北両面の
海辺
(
うみべ
)
づたいに、
久米
(
くめ
)
という氏族の次々と移住していった昔の痕跡を
留
(
とど
)
めているに対して、奄美大島にも沖縄の主島にも
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
海辺
(
うみべ
)
の
堤
(
どて
)
の上を、露八とお菊ちゃんと、まだ暗い雑草の霜をふんでとぼとぼと歩きだした。酒の
醒
(
さ
)
めたせいか、急に風の冷たさが身にこたえて、
水洟
(
みずばな
)
が出てきた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
洲崎の遊里に
留連
(
りゅうれん
)
したころ、
大門前
(
おおもんまえ
)
から堀割に沿うて東の
方
(
かた
)
へ行くとすぐに砂村の
海辺
(
うみべ
)
に出るのだという事を聞いて、漫歩したことがあったが、今日記憶に残っているのは
元八まん
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
●さて又
頸城郡
(
くびきごほり
)
の
海辺
(
うみべ
)
に
能生宿
(
のうしやうしゆく
)
といふは
北陸道
(
ほくろくだう
)
の
官路
(
くわんろ
)
なり、此宿より山手に入る㕝二里ばかりに
間瀬口
(
ませくち
)
といふ村あり、こゝの
農家
(
のうか
)
に地火をいだす㕝
如法寺
(
によほふじ
)
村の地火に同じとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
元来叔父は余り
海辺
(
うみべ
)
を好まない
性質
(
たち
)
なので、
一家
(
いっけ
)
のものは毎年軽井沢の別荘へ行くのを例にしていたのだが、その年は是非海水浴がしたいと云う娘達の希望を
容
(
い
)
れて、材木座にある
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
続いて『セレナーデ』(四五一〇八)と『
海辺
(
うみべ
)
にて』(六〇一六二)も逸してはいけない。この『海辺にて』の裏にあるシューマンの『
胡桃
(
くるみ
)
の樹』は、やはりスレザークの傑作の一つだ。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
の
昼
(
ひる
)
ごろ、
正雄
(
まさお
)
さんは、
海辺
(
うみべ
)
へいってみますと、いつのまにやら、
昨日
(
きのう
)
見
(
み
)
た
空色
(
そらいろ
)
の
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
た
子供
(
こども
)
がきていまして
海の少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
吉助「われら三年の間、諸処を経めぐった事がござる。その折さる
海辺
(
うみべ
)
にて、見知らぬ
紅毛人
(
こうもうじん
)
より伝授を受け申した。」
じゅりあの・吉助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『イヤそろそろ
修行
(
しゅぎょう
)
に一
段落
(
だんらく
)
つくところじゃ。
本人
(
ほんにん
)
が
生前
(
せいぜん
)
大
(
たい
)
へんに
気
(
き
)
に
入
(
い
)
った
海辺
(
うみべ
)
があるので、これからそこへ
落付
(
おちつ
)
かせることになって
居
(
お
)
る……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
海辺
(
うみべ
)
づたいに鈴ヶ森の縄手へ行き着いて、二人はかの睨みの松あたりに、ひと先ず立ちどまった。きょうは海の上もおだやかに光って、水鳥の白い群れが低く飛んでいた。
半七捕物帳:52 妖狐伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小止
(
おや
)
みもなく紛々として
降来
(
ふりく
)
る雪に山はその
麓
(
ふもと
)
なる
海辺
(
うみべ
)
の漁村と共に
埋
(
うずも
)
れ
天地寂然
(
てんちせきぜん
)
たる処、
日蓮上人
(
にちれんしょうにん
)
と呼べる聖僧の
吹雪
(
ふぶき
)
に身をかがめ苦し
気
(
げ
)
に
山路
(
やまじ
)
を
昇
(
のぼ
)
り行く図の如きは即ち然り。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一昨日
(
おととい
)
の晩は二人で浜を散歩しました。私たちのいる所から
海辺
(
うみべ
)
までは約三丁もあります。細い道を通って、いったん街道へ出て、またそれを横切らなければ海の色は見えないのです。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕は熱もあったから、床の中に横たわったまま、
伯母
(
おば
)
の髪を結うのを
眺
(
なが
)
めていた。そのうちにいつかひきつけたとみえ、寂しい
海辺
(
うみべ
)
を歩いていた。
追憶
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
家来
(
けらい
)
は
山
(
やま
)
を
下
(
くだ
)
って、
海辺
(
うみべ
)
へきて、
毎日
(
まいにち
)
その
海岸
(
かいがん
)
を
通
(
とお
)
る
船
(
ふね
)
を
見
(
み
)
ていたのであります。けれど、一そうも
目
(
め
)
にとまりません。
不死の薬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
誰やらの詩で読んだ——
気狂
(
きちが
)
ひになつた詩人が
夜半
(
やはん
)
の月光に海の底から現れ出る人魚の姫を
抱
(
いだ
)
き
致死
(
ちし
)
の快感に斃れてしまつたのも、思ふに
斯
(
か
)
う云ふ忘れられた美しい
海辺
(
うみべ
)
の事であらう。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
なるほど平原の尽きる
辺
(
あた
)
りを、眼を細くして、
見究
(
みきわ
)
めると、暗くなった奥の方に、一筋鈍く光るものがあるように思われる。
海辺
(
うみべ
)
かなと橋本に聞いて見た。その時日はもう暮れかかっていた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あとに
独
(
ひと
)
り
父親
(
ちちおや
)
は
残
(
のこ
)
されました。
海辺
(
うみべ
)
に
横
(
よこ
)
たわった
船
(
ふね
)
は、
古
(
ふる
)
く
朽
(
く
)
ちてしまいました。
煙突
(
えんとつ
)
から
煙
(
けむり
)
の
上
(
あ
)
がる
曇
(
くも
)
った
日
(
ひ
)
に、オルゴールが
鳴
(
な
)
っています。
汽船の中の父と子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
海辺
(
うみべ
)
には舟も見えぬ。見えるのは唯浪ばかりぢや。阿弥陀仏の生まれる国は、あの浪の向ふにあるかも知れぬ。
往生絵巻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わたくしは
葛西村
(
かさいむら
)
の
海辺
(
うみべ
)
を歩いて道に迷い、日が暮れてから燈火を目当にして漸く
船堀橋
(
ふなぼりばし
)
の所在を知り、二三度電車を乗りかえた後、洲崎の市電終点から日本橋の四辻に来たことがあった。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
路も
先刻
(
さき
)
よりは
平
(
ひら
)
たくなって、真白に草と木の間を
貫
(
つらぬ
)
いている。ある所には大きな松があった。葉の長さが日本の倍もあって色は
海辺
(
うみべ
)
のそれよりも黒い。ある所は荒れ果てた庭園の
体
(
てい
)
に見えた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
Nさんの話はこう言う
海辺
(
うみべ
)
にいかにもふさわしい喜劇だった。が、誰も笑うものはなかった。のみならず皆なぜともなしに黙って足ばかり運んでいた。
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
海辺
(
うみべ
)
までくると、
雪
(
ゆき
)
も
少
(
すく
)
なく、
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
れば、もう
入
(
い
)
り
日
(
ひ
)
の
名残
(
なごり
)
も
消
(
き
)
えてしまって、
暗
(
くら
)
いうちに
波
(
なみ
)
の
打
(
う
)
つ
音
(
おと
)
が、ド、ドー、と
鳴
(
な
)
っているばかりであった。
大きなかに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この二、三日方々から
頻
(
しきり
)
に絵葉書が来る。谷川を前にした温泉宿や松の生えた
海辺
(
うみべ
)
の写真が来る。友達は皆例の如く避暑に出かけたのだ。しかし自分はまだ何処へも行こうという心持にはならない。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
やっと、
海辺
(
うみべ
)
の
町
(
まち
)
へ
着
(
つ
)
いて、
魚問屋
(
さかなどんや
)
や、
漁師
(
りょうし
)
の
家
(
うち
)
へいって
聞
(
き
)
いてみましたけれど、だれも、
昨夜
(
ゆうべ
)
、
雪
(
ゆき
)
の
上
(
うえ
)
に
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
いていたというものを
知
(
し
)
りませんでした。
大きなかに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
僕等のいるのは何もない庭へ
葭簾
(
よしず
)
の
日除
(
ひよ
)
けを差しかけた六畳
二間
(
ふたま
)
の離れだった。庭には何もないと言っても、この
海辺
(
うみべ
)
に多い
弘法麦
(
こうぼうむぎ
)
だけは
疎
(
まば
)
らに砂の上に
穂
(
ほ
)
を垂れていた。
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若者
(
わかもの
)
は、このごろつづけて
見
(
み
)
た
夢
(
ゆめ
)
が、
深
(
ふか
)
く、
彼
(
かれ
)
の
心
(
こころ
)
をとらえて、
仕事
(
しごと
)
も
思
(
おも
)
うように
手
(
て
)
につかなく、
海辺
(
うみべ
)
へ
出
(
で
)
ては、
沖
(
おき
)
をながめながらぼんやりと
暮
(
く
)
らしていました。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
太郎
(
たろう
)
は、お
父
(
とう
)
さんにつれられて、
海辺
(
うみべ
)
の
町
(
まち
)
へいってみることになりました。
二人
(
ふたり
)
は
家
(
うち
)
から
出
(
で
)
かけました。
大きなかに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“海辺”の意味
《名詞》
海 辺(かいへん、うみべ)
海のそば。海浜。
(出典:Wiktionary)
海
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
辺
常用漢字
小4
部首:⾡
5画
“海辺”で始まる語句
海辺村
海辺町
海辺大工町
海辺漂泊者