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引張
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ひつぱ
ふりがな文庫
“
引張
(
ひつぱ
)” の例文
引掻
(
ひつか
)
きさうな
権幕
(
けんまく
)
をするから、
吃驚
(
びつくり
)
して
飛退
(
とびの
)
かうとすると、
前足
(
まへあし
)
でつかまへた、
放
(
はな
)
さないから
力
(
ちから
)
を
入
(
い
)
れて
引張
(
ひつぱ
)
り
合
(
あ
)
つた
奮
(
はづ
)
みであつた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
などゝ云ひながら、袖を
引張
(
ひつぱ
)
つたり、帽子を取つて又ポンと
冠
(
かぶ
)
せたり、ちやうさいばうにされて……ミハイロはうろ/\する。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
とげ/\しく叱りつけて、祖母はいきなりみよ子の手をぐいと
引張
(
ひつぱ
)
つた。その凄まじい権幕にのまれて、兄妹はおとなしく祖母のあとについた。
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
斯
(
か
)
ういふ
風
(
ふう
)
に、
夫
(
それ
)
から
夫
(
それ
)
へと
客
(
きやく
)
を
飽
(
あ
)
かせない
樣
(
やう
)
に
引張
(
ひつぱ
)
つて
行
(
ゆ
)
くのが、
社交
(
しやかう
)
になれた
主人
(
しゆじん
)
の
平生
(
へいぜい
)
の
調子
(
てうし
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
遊
(
あそ
)
んでツてよ。」と
周囲
(
しうゐ
)
の
人込
(
ひとごみ
)
を
憚
(
はゞか
)
り、
道子
(
みちこ
)
は
男
(
をとこ
)
の
腕
(
うで
)
をシヤツの
袖
(
そで
)
と一しよに
引張
(
ひつぱ
)
り、
欄干
(
らんかん
)
から
車道
(
しやだう
)
の
稍
(
やゝ
)
薄暗
(
うすぐら
)
い
方
(
はう
)
へと
歩
(
あゆ
)
みながら、すつかり
甘
(
あま
)
えた
調子
(
てうし
)
になり
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
▼ もっと見る
この
頃
(
ごろ
)
議員候補者や、その運動者がぴし/\
引張
(
ひつぱ
)
られてゐるが、
皆
(
みんな
)
有罪の判決を受けてゐる所を見ると、
可憎
(
あひにく
)
と腹の減つた、
家
(
うち
)
では
夫婦喧嘩
(
めをとけんくわ
)
の
絶間
(
たえま
)
が無い裁判官が多いと見える。
茶話:01 大正四(一九一五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『くだらん事だ。若しあの人がぐづ/\云ふなら、私の特別の所望だからと云つて下さい。それでも嫌だと云ふなら、どうしても云ふことを聞かなけりや、私が
引張
(
ひつぱ
)
つて行くと云つて下さい。』
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
其
(
そ
)
の
隣
(
となり
)
も
玩具
(
おもちや
)
、あゝ
玩具
(
おもちや
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて
伸
(
のば
)
して
居
(
を
)
ります。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
慌
(
あわ
)
てたの
何
(
なん
)
のではない、が、
烈
(
はげ
)
しく
引張
(
ひつぱ
)
ると
裂
(
さ
)
けさうな
處
(
ところ
)
から、
宥
(
なだ
)
めたが、すかしたが、
其
(
そ
)
の
效
(
かひ
)
さらになし、
口
(
くち
)
へ
啣
(
くは
)
へた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
墓地へ行くのだと思つたら、さうではない。体操の教師が
竹橋内
(
たけばしうち
)
へ
引張
(
ひつぱ
)
つて行つて、
路傍
(
みちばた
)
へ整列さした。我々は
其所
(
そこ
)
へ立つたなり、大臣の
柩
(
ひつぎ
)
を送る
事
(
こと
)
になつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
突然一人の役人が来て父を
引張
(
ひつぱ
)
つて行つたのである。
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
と
揉
(
もみ
)
くちやにしたので、
吃驚
(
びつくり
)
して、ぴつたり
手
(
て
)
をついて
畳
(
たゝみ
)
の
上
(
うへ
)
で、
手袋
(
てぶくろ
)
をのした。
横
(
よこ
)
に
皺
(
しは
)
が
寄
(
よ
)
つたから、
引張
(
ひつぱ
)
つて
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
縫子の方は、
黙
(
だま
)
つて
馳
(
か
)
けて
来
(
き
)
た。さうして、代助の手をぐい/\
引張
(
ひつぱ
)
つた。代助はピヤノの
傍
(
そば
)
迄
来
(
き
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なん
)
とか、
何
(
なん
)
の
袖
(
そで
)
。……たゞし
節
(
ふし
)
なし、
忘
(
わす
)
れた
處
(
ところ
)
はうろ
拔
(
ぬ
)
きで、
章句
(
もんく
)
を
口
(
くち
)
のうちで、
唯
(
たゞ
)
引張
(
ひつぱ
)
る。……
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから、「お
獅子
(
しし
)
は? みいちやん。」と
聞
(
き
)
くと、
引掛
(
ひつか
)
けて
居
(
ゐ
)
る
半纏
(
はんてん
)
の
兩袖
(
りやうそで
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて、
取
(
と
)
つてはかぶり、
取
(
と
)
つてはかぶりしたさうである。いや、お
祭
(
まつり
)
は
嬉
(
うれ
)
しいものだ。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
揚場
(
あがりば
)
の
奧方
(
おくがた
)
は、
最
(
も
)
う
小兒
(
こども
)
の
方
(
はう
)
は
安心
(
あんしん
)
なり。
待
(
まち
)
くたびれた、と
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
で、
例
(
れい
)
の
襟
(
えり
)
を
引張
(
ひつぱ
)
りながら、
白
(
しろ
)
いのを
又
(
また
)
出
(
だ
)
して、と
姿見
(
すがたみ
)
を
見
(
み
)
た
目
(
め
)
を
外
(
そ
)
らして、
傍
(
かたはら
)
に
貼
(
は
)
つた、
本郷座
(
ほんがうざ
)
の
辻番附
(
つじばんづけ
)
。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手掴
(
てづかみ
)
で
食
(
た
)
べたこともあつたさうだし、ひら/\と
青
(
あを
)
いなかから
紅
(
あか
)
い
切
(
きれ
)
のこぼれて
居
(
ゐ
)
る、うつくしい
鳥
(
とり
)
の
袂
(
たもと
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて、
遙
(
はる
)
かに
見
(
み
)
える
山
(
やま
)
を
指
(
ゆびさ
)
して
気絶
(
きぜつ
)
さしたこともあつたさうなり
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
右左
(
みぎひだり
)
にして
綱
(
つな
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つたが、
脚
(
あし
)
から
根
(
ね
)
をつけた
如
(
ごと
)
くにぬつくと
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
てびくともせぬ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女紅場
(
ぢよこうば
)
で、お
師匠
(
ししやう
)
さんをなさります、
其
(
そ
)
のお
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
を
存
(
ぞん
)
じながら、
勿體
(
もつたい
)
ない、
引張
(
ひつぱ
)
りの
地獄宿
(
ぢごくやど
)
で、
鮹
(
たこ
)
の
脚
(
あし
)
を
噛
(
かじ
)
りながら、
袖崎
(
そでさき
)
の
御新姐
(
ごしんぞ
)
が
直傳
(
ぢきでん
)
だ、と
紀伊國
(
きいのくに
)
は
音無瀬川
(
おとなせがは
)
の
狐
(
きつね
)
が
憑
(
つ
)
いた
人畜
(
にんちく
)
が
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「よく、はい、
噂
(
うはさ
)
に
聞
(
き
)
くお
客様
(
きやくさま
)
が
懸
(
かゝ
)
つたやうだね。
恁
(
か
)
う、
其
(
そ
)
の
網
(
あみ
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて、」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
などの
夜具
(
やぐ
)
は、むやみと
引張
(
ひつぱ
)
つたり、
被
(
かぶ
)
つたりだから、
胴中
(
どうなか
)
の
綿
(
わた
)
が
透切
(
すきぎ
)
れがして
寒
(
さむ
)
い、
裾
(
すそ
)
を
膝
(
ひざ
)
へ
引包
(
ひつくる
)
めて、
袖
(
そで
)
へ
頭
(
あたま
)
を
突込
(
つツこ
)
むで、こと/\
蟲
(
むし
)
の
形
(
かたち
)
に
成
(
な
)
るのに、この
女中
(
ぢよちう
)
は、また
妙
(
めう
)
な
道樂
(
だうらく
)
で
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
車麩
(
くるまぶ
)
だつてさ……
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
たよ。あの、
坊
(
ばう
)
のお
庭
(
には
)
へ。——
山
(
やま
)
のね、
山
(
やま
)
のまはりを
引張
(
ひつぱ
)
るの。……
車
(
くるま
)
の
眞似
(
まね
)
だか、あの、オートバイだか、
電車
(
でんしや
)
の
眞似
(
まね
)
だか、ガツタン、ガツタン、がう……
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
参謀本部
(
さんぼうほんぶ
)
編纂
(
へんさん
)
の
地図
(
ちづ
)
を
又
(
また
)
繰開
(
くりひら
)
いて
見
(
み
)
るでもなからう、と
思
(
おも
)
つたけれども、
余
(
あま
)
りの
道
(
みち
)
ぢやから、
手
(
て
)
を
触
(
さは
)
るさへ
暑
(
あつ
)
くるしい、
旅
(
たび
)
の
法衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
をかゝげて、
表紙
(
へうし
)
を
附
(
つ
)
けた
折本
(
をりほん
)
になつてるのを
引張
(
ひつぱ
)
り
出
(
だ
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ほゝゝゝ、
遠
(
とほ
)
い
處
(
ところ
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて
來
(
き
)
て、
草臥
(
くたび
)
れたでせう。
濟
(
す
)
みませんねえ。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
矢張
(
やツぱり
)
道
(
みち
)
は
同一
(
おんなじ
)
で
聞
(
き
)
いたにも
見
(
み
)
たのにも
変
(
かはり
)
はない、
旧道
(
きうだう
)
は
此方
(
こちら
)
に
相違
(
さうゐ
)
はないから
心遣
(
こゝろや
)
りにも
何
(
なん
)
にもならず、
固
(
もと
)
より
歴
(
れツき
)
とした
図面
(
づめん
)
といふて、
描
(
ゑが
)
いてある
道
(
みち
)
は
唯
(
たゞ
)
栗
(
くり
)
の
毯
(
いが
)
の
上
(
うへ
)
へ
赤
(
あか
)
い
筋
(
すぢ
)
が
引張
(
ひつぱ
)
つてあるばかり。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“引張”で始まる語句
引張出
引張込
引張凧
引張合
引張回