)” の例文
これはこので一番人の目に立つ雄大な二階立にかいだち白堊館はくあかん、我が懐かしき母校である。盛岡中学校である。巨人? さうだ、慥かに巨人だ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しか今日こんにちところでは病院びやうゐんは、たしか資力ちから以上いじやう贅澤ぜいたくつてゐるので、餘計よけい建物たてもの餘計よけいやくなどで隨分ずゐぶん費用ひようおほつかつてゐるのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その輕氣球けいきゝゆう飛揚ひやうして、だれか一二めい印度インドのコロンボ其他そのた大陸地方たいりくちほう都邑とゆうたつし、其處そこで、電光艇でんくわうていえうする十二しゆ藥液やくえき買整かひとゝの
所在しよざいしるすのに、日本にほんでは、くに府縣ふけんちやう番地ばんちだいよりせうるに、歐米おうべいでは、番地ばんちちやう府縣ふけんくにと、ぎやくせうよりだいる。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
の東にある先王せんわうの金婚式記念の博物館をもうたが、其処そこの日本部にはおよそ十室にわたつて歌麿、春信、広重、豊国其他そのたの浮世絵が蒐集せられて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
さらにロンドンには古代こだい繪畫かいがばかりをあつめた博物館はくぶつかんだとか、肖像畫しようぞうが專門せんもんならべた博物館はくぶつかんだとか、ロンドンかんする歴史れきし材料ざいりようあつめた博物館はくぶつかんだとか
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
歩いてみると、城内も六がいといった賑やかさだ。雑閙ざっとうかどに、茶舗ちゃほが出ている。ずっと入って、床几しょうぎから
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はら出張演習しゆつちやうえんしふは二週間程しうかんほどぎた。我我われわれ日日にちにちはげしい演習えんしふつかれきつた。そして、六ぐわつ下旬げじゆんにまたT居住地きよぢうち歸營きえいした。中根なかねはなしはもうすつかりわすれられてゐた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ところで一ばんさきに、結核けつかく療養所れうやうじよ交渉かうせふしてたが、寄留屆きりうとゞけがしてないので駄目だめだつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
しかも当時大阪事件が如何いかに世の耳目じもくきたりしかは、の子女をしてこの芝居を見ざれば、人にあらずとまでに思わしめ、場内毎日立錐りっすいの余地なき盛況をげんぜしにても知らるべし
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
あるいはそうなのかも知れませんが、おそらくその従妹に無頓着むとんじゃくであったのが、おもな源因げんいんになっているのでしょう。私は小供こどものうちからにいる叔父のうちへ始終遊びに行きました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女は歩きながら、歔欷すすりなきをしている。男は黙っている。丁度の公園の前を通っている。暗い、静かな、広い町の上へ、公園の木立の中から、接骨木にわとこの花のが、軽く悲しげに吹いて来る。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
このこと西暦せいれき千九百二年せんくひやくにねん五月八日ごがつやうかマルチニックとうプレーさん噴火ふんかついしるしたとほりであるが、サンピール二萬六千にまんろくせん人口中じんこうちゆう生存者せいぞんしや地下室ちかしつ監禁かんきんされてゐた一名いちめい囚徒しゆうとのみであるので
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
かれ少年時代しょうねんじだいは、いつしかりました。そして、ちいさなまちをはなれて、おおきなうつるころには、かれはもうりっぱにはたらきのできる若者わかものでありました。けれど、こころ芸術げいじゅつわすれなかったのです。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
のものがたりの起つた土地は、清きと、美しきと、二筋ふたすじ大川おおかわの両端を流れ、真中央まんなかに城の天守てんしゅほ高くそびえ、森黒く、ほりあおく、国境の山岳は重畳ちょうじょうとして、湖を包み、海に沿ひ、橋と、坂と
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
われ四方しほうに遊びてこころを得ず、陽狂ようきようして薬を施す成都の
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
火星くわせい首都みやこミルチス・マヂョル
しかし今日こんにちところでは病院びょういんは、たしか資力ちから以上いじょう贅沢ぜいたくっているので、余計よけい建物たてもの余計よけいやくなどで随分ずいぶん費用ひようおおつかっているのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
我等われら兩人りようにん目指めざすコロンボにも、また櫻木海軍大佐等さくらぎかいぐんたいさら再會さいくわいすべきはづ橄欖島かんらんたうにも左迄さまではとほくない印度洋インドやうちうであつたことと。
五年振でこのに来て目前まのあたり観察した種々の変遷と、それを見た自分の感想とを叙べ、又このと自分との関係から、盛岡は美しい日本の都会の一つである事、此美しい都会が
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
日本の守宮やもりと違つて人をむ恐れは無いが、飲料が好きなので飲みさした牛乳や珈琲カフエエを天井から落ちて来て吸ふ事が常にあるさうだ。守宮やもりの場末の家にも沢山たくさんつて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
だから誰よりもおまえの心に相談するのだが、おまえは、わしが所司代となっても、市尹しいんおさ〉たるわしのすることには、一切口出ししないと誓うなら、任官しようと思うが
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二日うちへ帰ると三日はの方で暮らすといったふうに、両方の間を往来ゆききして、その日その日を落ち付きのない顔で過ごしていました。そうして忙しいという言葉を口癖くちくせのように使いました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
イタリーでもつと著名ちよめい火山かざんはヴェスヴィオ(たか千二百二十三米せんにひやくにじゆうさんめーとる)であるが、これが世界的せかいてきにもまた著名ちよめいであるのは、西暦せいれき紀元七十九年きげんしちじゆうくねん大噴火だいふんかおいて、ポムペイ降灰こうはいにて埋沒まいぼつしたこと
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
火星くわせい首都みやこミルチス・マヂョル
さいはひにもネープルスちゆうで「富貴ふうきなる日本人につぽんじん。」と盛名せいめい隆々りう/\たる濱島武文はまじまたけぶみ特別とくべつなる盡力じんりよくがあつたので、吾等われらつひこの最上さいじやう船室キヤビン占領せんりやうすることになつた。
するとここにの長者で“曾家そうけの五虎”と呼ばれる五人兄弟がある。だんはそのやからに因縁をつけられて、せっかくな馬を途中でられてしまった。無念、なんとも業腹ごうはらでたまらない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
町の名にダンテ、※ンチ、ガリバルヂイ、マクマホンなどと耳慣れた偉人の名が附いて居るのでせはしく見物して廻る者の記憶に便利である。の中央にある大寺院ドオモをうた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
家は田舎いなかにありましたけれども、二ばかり隔たった、——その市には叔父が住んでいたのです、——その市から時々道具屋が懸物かけものだの、香炉こうろだのを持って、わざわざ父に見せに来ました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
西にしインドのしようアンチル群島中ぐんとうちゆうにあるマルチニックとう火山かざんプレー(たか千三百五十米せんさんびやくごじゆうめーとる)は、その西暦せいれき千九百二年せんくひやくにねん五月八日ごがつやうか噴火ふんかおいて、赤熱せきねつした噴出物ふんしゆつぶつもつ山麓さんろくにある小都會しようとかいサンピールおそ
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)