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奥深
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おくふか
ふりがな文庫
“
奥深
(
おくふか
)” の例文
旧字:
奧深
現界
(
げんかい
)
の
景色
(
けしき
)
と
比
(
くら
)
べて
別
(
べつ
)
に
格段
(
かくだん
)
の
相違
(
そうい
)
もありませぬが、ただこちらの
景色
(
けしき
)
の
方
(
ほう
)
がどことなく
浄
(
きよ
)
らかで、そして
奥深
(
おくふか
)
い
感
(
かん
)
じが
致
(
いた
)
しました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あちらには、
獰猛
(
どうもう
)
な
獣
(
けもの
)
の、
大
(
おお
)
きい
目
(
め
)
のごとく、こうこうとした
黄色
(
きいろ
)
の
燈火
(
ともしび
)
が、
無気味
(
ぶきみ
)
な
一筋
(
ひとすじ
)
の
線
(
せん
)
を
夜
(
よる
)
の
奥深
(
おくふか
)
く
描
(
えが
)
いているのです。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこには
永
(
なが
)
い年月かれが
君臨
(
くんりん
)
した広々とした領地がある。かれの部下は王を失って、いまはその谷間の
奥深
(
おくふか
)
く
逃
(
に
)
げていったことであろう。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
川
(
かわ
)
は
藪
(
やぶ
)
の
下
(
した
)
を
流
(
なが
)
れ、そこにかかっている一つの
水車
(
すいしゃ
)
をゴトンゴトンとまわして、
村
(
むら
)
の
奥深
(
おくふか
)
くはいっていきました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
狭
(
せま
)
く暗い
路地裏
(
ろぢうら
)
のいやに
奥深
(
おくふか
)
く
行先
(
ゆくさき
)
知れず
曲込
(
まがりこ
)
んでゐるのを不思議さうに
覗込
(
のぞきこ
)
むばかりであつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
非衛生的な
奥深
(
おくふか
)
い部屋に
垂
(
た
)
れ
籠
(
こ
)
めて育った娘たちの
透
(
す
)
き
徹
(
とお
)
るような白さと青さと細さとはどれほどであったか田舎者の佐助少年の眼にそれがいかばかり
妖
(
あや
)
しく
艶
(
えん
)
に映ったか。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
なるほど
此
(
こ
)
の
森
(
もり
)
も
入口
(
いりくち
)
では
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
もなかつたのに、
中
(
なか
)
へ
来
(
く
)
ると
此通
(
このとほ
)
り、もつと
奥深
(
おくふか
)
く
進
(
すゝ
)
んだら
早
(
は
)
や
不残
(
のこらず
)
立樹
(
たちき
)
の
根
(
ね
)
の
方
(
はう
)
から
朽
(
く
)
ちて
山蛭
(
やまびる
)
になつて
居
(
ゐ
)
やう、
助
(
たす
)
かるまい、
此処
(
こゝ
)
で
取殺
(
とりころ
)
される
因縁
(
いんねん
)
らしい
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夢も通はぬ
遠
(
とほ
)
つぐに、
無言
(
しじま
)
の
局
(
つぼね
)
奥深
(
おくふか
)
く
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
白日
(
ひる
)
の
灯
(
ひ
)
ともる
奥深
(
おくふか
)
さ、遠みかしこみ
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
『
矢張
(
やは
)
り
歴史
(
れきし
)
に
名高
(
なだか
)
い
御方
(
おかた
)
だけのことがある。』
私
(
わたくし
)
は
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
で
独
(
ひと
)
りそう
感心
(
かんしん
)
しながら、
誘
(
さそ
)
わるるままに
岩屋
(
いわや
)
の
奥深
(
おくふか
)
く
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
光治
(
こうじ
)
は、その
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
からたち
上
(
あ
)
がって、
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
をもっと
奥深
(
おくふか
)
く
歩
(
ある
)
いてゆきますと、ふとあちらに、ちょうど
自分
(
じぶん
)
と
同
(
おな
)
じ
年
(
とし
)
ごろの
少年
(
しょうねん
)
があちら
向
(
む
)
きになって
どこで笛吹く
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
湖
(
みづうみ
)
の
殿堂
(
でんだう
)
を
志
(
こゝろざ
)
す、
曲折
(
きよくせつ
)
算
(
かぞ
)
ふるに
暇
(
いとま
)
なき、この
長
(
なが
)
い
廊下
(
らうか
)
は、五
町
(
ちやう
)
右
(
みぎ
)
に
折
(
を
)
れ、十
町
(
ちやう
)
左
(
ひだり
)
に
曲
(
まが
)
り、二つに
岐
(
わか
)
れ、三つに
裂
(
さ
)
けて、
次第々々
(
しだい/\
)
に
奥深
(
おくふか
)
く、
早
(
はや
)
きは
瀬
(
せ
)
となり、
静
(
しづか
)
なるは
淵
(
ふち
)
となり、
奔
(
はし
)
るは
湍
(
はやせ
)
となり
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
時分
(
じぶん
)
の
鎌倉
(
かまくら
)
は
武家
(
ぶけ
)
の
住居
(
やしき
)
の
建
(
た
)
ち
並
(
なら
)
んだ、
物静
(
ものしず
)
かな、そして
何
(
なに
)
やら
無骨
(
ぶこつ
)
な
市街
(
まち
)
で、
商家
(
しょうか
)
と
言
(
い
)
っても、
品物
(
しなもの
)
は
皆
(
みな
)
奥深
(
おくふか
)
く
仕舞
(
しま
)
い
込
(
こ
)
んでありました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ちょうど、このとき、
奥深
(
おくふか
)
い
寺
(
てら
)
の
境内
(
けいだい
)
から、とぼとぼとおじいさんがつえをついて
歩
(
ある
)
いて
出
(
で
)
てきました。
赤い船のお客
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
捕
(
と
)
らえられたら、
殺
(
ころ
)
されてしまいます。そして、
晩方
(
ばんがた
)
は、
早
(
はや
)
く、
大
(
おお
)
きな
林
(
はやし
)
の
奥深
(
おくふか
)
くはいって
眠
(
ねむ
)
るのです。
小さな金色の翼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
女
(
おんな
)
の
乞食
(
こじき
)
は
門番
(
もんばん
)
が
居眠
(
いねむ
)
りをしていましたので、だれにもとがめられることがなく、
草履
(
ぞうり
)
の
音
(
おと
)
もたてずに、
若草
(
わかくさ
)
の
上
(
うえ
)
を
踏
(
ふ
)
んで、しだいしだいにお
城
(
しろ
)
の
奥深
(
おくふか
)
く
入
(
はい
)
ってきたのであります。
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は、
毎日
(
まいにち
)
毎日
(
まいにち
)
、
晩方
(
ばんがた
)
になると、
徳利
(
とくり
)
をさげて、
酒
(
さけ
)
を
買
(
か
)
いにゆきました。しかし、三
国
(
ごく
)
一の
花嫁
(
はなよめ
)
は、
家
(
いえ
)
の
奥深
(
おくふか
)
くはいっているとみえて、一
度
(
ど
)
も、その
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
ることができなかった。
赤いガラスの宮殿
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「たいへんに、
寒
(
さむ
)
くなりましたね。
嶺
(
みね
)
を
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
は
身
(
み
)
を
切
(
き
)
るようです。しかし、この
森
(
もり
)
は、
奥深
(
おくふか
)
いから、いつ
雪
(
ゆき
)
になっても、
私
(
わたし
)
たちは、
安心
(
あんしん
)
ですが……。」と、
鳥
(
とり
)
たちは、
話
(
はなし
)
をしています。
美しく生まれたばかりに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたし
)
はいっそ、
二人
(
ふたり
)
で、
山
(
やま
)
のあちらへにげていこうと
思
(
おも
)
いましたが、くまや、おおかみのいる
森
(
もり
)
や、
谷
(
たに
)
を
奥深
(
おくふか
)
くはいらなければなりませんので、
食
(
く
)
い
殺
(
ころ
)
されることなしに、ぶじいけると
思
(
おも
)
いません。
うずめられた鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いよいよ
自分
(
じぶん
)
が、
日輪
(
にちりん
)
を
目
(
め
)
がけて
空
(
そら
)
の
上
(
うえ
)
へ
飛
(
と
)
んでゆく
日
(
ひ
)
がきたとき、
自分
(
じぶん
)
は、
暗
(
くら
)
くなったら、
太陽
(
たいよう
)
がああして
谷底
(
たにそこ
)
に
沈
(
しず
)
んでしまって、
夜
(
よる
)
になって、
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
が、うす
青
(
あお
)
い
奥深
(
おくふか
)
い
空
(
そら
)
に
輝
(
かがや
)
きはじめたとき
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは、
人間
(
にんげん
)
のちょっとゆけるような
場所
(
ばしょ
)
でありません。
高山
(
こうざん
)
の、しかも
奥深
(
おくふか
)
い
嶮岨
(
けんそ
)
ながけの
岩角
(
いわかど
)
にはえて、はげしいあらしに
吹
(
ふ
)
かれていた
木
(
き
)
です。このしみは、なだれに
打
(
う
)
たれた
傷痕
(
きずあと
)
でございます。
しんぱくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かすみの
奥深
(
おくふか
)
く
消
(
き
)
え
去
(
さ
)
ってしまったのであります。
羽衣物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
城
(
しろ
)
の
奥深
(
おくふか
)
くお
姫
(
ひめ
)
さまは
住
(
す
)
んでいられました。
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
奥
常用漢字
中学
部首:⼤
12画
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
“奥”で始まる語句
奥
奥様
奥州
奥床
奥方
奥羽
奥山
奥義
奥行
奥津城