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取殺
伴「
手前は熱い汗をかいたろうが、
己ア
冷てえ汗をかいた、幽霊が裏窓から
這入って行ったから、萩原様は
取殺されて仕舞うだろうか」
ところが
所天が
死くなってからというものは、
其男の
怨霊が
如何かすると現われて、
可怖い顔をして私を
睨み、今にも私を
取殺そうとするのです。
なぜ
己れを
殺さぬ、
殺さぬか、
己れも三五
郎だ
唯死ぬものか、
幽靈になつても
取殺すぞ、
覺えて
居ろ
長吉めと
湯玉のやうな
涙をはら/\、はては
大聲にわつと
泣き
出す