みこと)” の例文
そして天児屋根命あめのこやねのみこと太玉命ふとだまのみこと天宇受女命あめのうずめのみこと石許理度売命いしこりどめのみこと玉祖命たまのおやのみことの五人を、お孫さまのみことのお供のかしらとしておつけえになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
『旧事紀』に豊磐間とよいわまどみこと櫛磐間くしいわまどみこと二神をして殿門を守らしむとあり、今の箭大臣はこの二神なるべしと『広益俗説弁』にあれど
、三このいのりをりかえしてうちに、わたくしむねには年来ねんらいみこと御情思おんなさけがこみあげて、わたくし両眼りょうがんからはなみだたきのようにあふれました。
ここに天つ神のみこと以ちて、太卜ふとまにうらへて一二のりたまひしく、「をみなの先立ち言ひしに因りてふさはず、また還りあもりて改め言へ」
さて竜伏いしずゑは其月の生気の方より右旋みぎめぐりに次第据ゑ行き五星を祭り、てうな初めの大礼には鍛冶の道をば創められしあま一箇ひとつみこと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
チョウセン半島はスサノオ(素盞嗚)のみことによって経営せられたものであるから本来日本の一部であるとするような、主張が生ずるのである。
伎佐貝比賣いさかひひめみことといふ妙齡の女神が愛する男神との間に王子を設け隱れた産家として選んだのがこの海岸の洞窟であるといひ傳へられてゐる。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そもそも五一永治えいぢの昔、をかせるつみもなきに、五二みかどみことかしこみて、三歳の五三体仁としひとゆづりし心、人慾深きといふべからず。
あるとき摂津国せっつのくに難波なにわまでおいでになりますと、見慣みなれないかみさまが、うみわたってこうからやってました。みこと
赤い玉 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
神社ノ額ハ、海軍少将大勲位依仁親王殿下ノ御染筆ニテ、高村光雲ノ作ナリ、社殿背後ノ丘上ニハ、竹田宮昌子内親王殿下ノ御染筆ニ係ハル妃ノみこと
或るハイカーの記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
さればこそみこともこゝに垂跡すゐしやくまし/\たれ。此御神の縁起えんぎあるひ灵験れいげん神宝じんはうるゐ記すべき㕝あまたあれどもしばらくこゝにはぶく
ひめさまのところへあゆつて、ものをいひにくと、いすけよりひめは、おほくめのみことのさいてあるのにがつかれて、うたをうたひかけられました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
遠く天児屋根あめのこやねみことにあり、命の二十二代は大織冠たいしょくかん藤原の鎌足かまたり公、それより十六代の後胤こういんである伊達遠江守蔵人とおとうみのかみくろうどは従五位下常陸介朝宗ひたちのすけともむねどのに出づるこの——
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
よぶ たらちねの 母のみことか ももらず 八十やそちまたに 夕占ゆふげにも うらにもぞ問ふ 死ぬべき我がゆゑ
伊勢物語など (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
六十前後の老衰した神官が拍手かしわでを打って、「下田安子のみことが千代の住家と云々」と祭詞を読んだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
韓国の牛頭山ごずさんに降臨したという伝説も、同みことが大倭の地に棲んだと察すべき斑馬ふちうま逆剥さかはぎにしたという神話も、何となくこの想像を有力ならしむるもののように解せられる。
大君おほきみみことかしこみればきていひしなはも 〔巻二十・四三五八〕 防人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
高天原たかまのはら神留かんづまります皇親すめらがむつ神漏岐かむろぎ神漏美かむろみみことをもちて、大山祇大神おほやまつみのおほんかみをあふぎまつりて、青体あをと和幣三本にきてみもと白体しろとの和幣三本を一行ひとつらに置き立て、種々くさぐさのそなへ物高成ものたかなして神祈かむほぎに祈ぎ給へば
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
人間は死ねば奈何どうなるとか、天理教を信ずるとお寺詣りが出来ないとか、天理王のみことも魚籃観音の様に、仮に人間の形に現れて蒼生ひとを済度する事があるかとか、概して教理に関する問題を
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
大綿津見おおわたつみの生ませたまう穂高見ほたかみみことが草創の土地で、みことは水を治められた御方であるから今でも水の神として祀られてます、神孫数代宮居を定められたところから「神垣内かみかきうち」と唱えるとある
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
八岐大蛇やまたのおろちの八つの首が大きな口をあけて素戔嗚命すさのおのみことに集中し、みことは赤い血溝ちみぞのついた剣を振りあげているが、その赤い血溝のある長い剣を見ながら、この男はいつか誰かに殺されるに違いないと
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
おほくの家臣かしんみことのおともをしてきながら墓場はかばうづめられました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
おお牟遅神むちかみみことは袋ひをけの命は牛かひましき
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ぐれんどうのみこと必ず暴風あらしごときたりてのゝしたまふ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
あな清明さやけ、神倭磐余彦かむやまといはれひこ、そのみこと
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
何所どこへまいるにもいつもみこと御随伴おともをした橘姫たちばなひめがそうもうされることでございますから、よもやこれに間違まちがいはあるまいとぞんじます。
それでみことはそのままひめといっしょにそこにお住まいになりました。そのうちに、いつのまにか三年という月日がたちました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
永禄二年公家藤原某作てふ『塵塚ちりづか物語』巻三に卜部兼倶うらべかねとも説として、大黒というはもと大国主おおくにぬしみことなり、大己貴おおなむちと連族にて昔天下を経営したもう神なり。
地曳じびき土取り故障なく、さて竜伏いしずえはその月の生気の方より右旋みぎめぐりに次第え行き五星を祭り、釿初ちょうなはじめの大礼には鍛冶かじの道をばはじめられしあま一箇ひとつみこと
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さればこそみこともこゝに垂跡すゐしやくまし/\たれ。此御神の縁起えんぎあるひ灵験れいげん神宝じんはうるゐ記すべき㕝あまたあれどもしばらくこゝにはぶく
と、かくまをしたまひしかば、天皇、答へ詔りたまはく、「こもいと理なり。みことの如くてし」と詔りたまひき。
たまたまここに磐戸を開こうとしてあらわれて来た手力男たぢからおみことにたとえたいような人もあった。その人の徳望と威力とは天下衆人に卓絶するものとも言われた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
スサノオのみことが半島へ渡った話があっても、武力で征討したというのではなく、そうして国つくりを助けるために海の外からスクナヒコナの命が来たというのも
げんに、このうた同樣どうように、おほくめのみこと神武天皇じんむてんのうとのかけあひにうたはれたといふうたが、それであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
大君おほきみみことかしこみいそ海原うのはらわたる父母ちちははきて 〔巻二十・四三二八〕 防人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
たのみました。みことはしばらくかんがえておいでになりましたが
赤い玉 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
神つ代の穂高見ほたかみみことの知ろし召す世界である。
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
あな清明さやけ、神倭磐余彦かむやまといはれひこ、そのみこと
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ぐれんどうのみことにもたまきぬあり。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
かかる艱苦かんく旅路たびじうちにありて、ひめこころささうるなによりのほこりは、御自分ごじぶん一人ひとりがいつもみことのおともきまってることのようでした。
みことはたいそうあわれにおぼしめして、私もおまえのことはけっしてわすれはしないという意味の、お情けのこもったお歌をお返しになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
今度はイザナギのみことがまず「ほんとうにうつくしいお孃さんですね」とおつしやつて、後にイザナミの命が「ほんとうにりつぱな青年ですね」と仰せられました。
さうすると、おほくめのみことうたも、片歌かたうた音數おんすうして、はやうたはれたものとおもふほかはありません。最初さいしよ一句いつくは、『やまとのたかさじ』の十音じゆうおんから出來できてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
一夜、鶏が誤って夜半に鳴き、みこと、周章舟を出したがを置き忘れ、よんどころなく手で水を掻いて帰る内、わにに手をまれた。因って命と姫をまつれる出雲の美保姫社辺で鶏を飼わず。
の発達が抑えられていたことを示す一面もあるが、スサノオのみことのヒノカワカミの物がたりのように、人を生かすためには宗教上の儀礼をこわしてしまうという他の一面もある。
日本歴史の特性 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
番匠の道ひらかれし手置帆負ておきほおひみこと彦狭知ひこさちの命より思兼おもひかねの命天児屋根あまつこやねの命太玉の命、木の神といふ句〻廼馳くゝのちの神まで七神祭りて、其次の清鉋の礼も首尾よく済み、東方提頭頼吒持國天王とうばうたいとらだぢごくてんわう
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ぐれんどうのみこと御言葉みことばの荒さよ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ここに天つ神もろもろみことちて伊耶那岐いざなぎの命伊耶那美いざなみの命の二柱の神にりたまひて、この漂へる國を修理をさめ固め成せと、あめ沼矛ぬぼこを賜ひて、言依ことよさしたまひき
大汝おおなむちみことなどの名の一部分の意義は、大名持おおなもちすなわち多数の名称所有者の意であって、名誉ある名「大名オホナ」を持つという意ではないようだ。事実いろいろの名を持った神である。
最古日本の女性生活の根柢 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
番匠の道ひらかれし手置帆負ておきほおいみこと彦狭知ひこさちみことより思兼おもいかねみこと天児屋根あまつこやねみこと太玉ふとだまみこと、木の神という句々廼馳くくのちかみまで七神祭りて、その次の清鉋きよがんなの礼も首尾よく済み、東方提頭頼吒持国天王とうほうたいとらだじごくてんおう
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)