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南無
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なむ
ふりがな文庫
“
南無
(
なむ
)” の例文
そこで私もとうとう我慢が出来なくなって、合掌した手をさし上げながら、眼をつぶって恐る恐る、「
南無
(
なむ
)
天上皇帝」と
称
(
とな
)
えました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
カントの
超絶
(
てうぜつ
)
哲学
(
てつがく
)
や
余姚
(
よよう
)
の
良知説
(
りやうちせつ
)
や
大
(
だい
)
は
即
(
すなは
)
ち
大
(
だい
)
なりと
雖
(
いへ
)
ども
臍栗
(
へそくり
)
銭
(
ぜに
)
を
牽摺
(
ひきず
)
り
出
(
だ
)
すの
術
(
じゆつ
)
は
遥
(
はる
)
かに
生臭
(
なまぐさ
)
坊主
(
ばうず
)
が
南無
(
なむ
)
阿弥陀仏
(
あみだぶつ
)
に
及
(
およ
)
ばず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
腫物
(
はれもの
)
一切
(
いっさい
)
にご
利益
(
りやく
)
があると近所の人に聴いた
生駒
(
いこま
)
の石切まで一代の
腰巻
(
こしまき
)
を持って行き、特等の
祈祷
(
きとう
)
をしてもらった足で、
南無
(
なむ
)
石切大明神様
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
乳母
其
(
その
)
創
(
きず
)
を
見
(
み
)
ましたが、
此眼
(
このめ
)
で
見
(
み
)
ましたが……
南無
(
なむ
)
さんぼう!……ちょうど
此
(
この
)
お
立派
(
りっぱ
)
な
胸元
(
むなもと
)
に。いた/\しい、
無慚
(
むざん
)
な、いた/\しい
死顏
(
しにがほ
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
南無
(
なむ
)
……。これで先の年、博多において、少弐、大友らのため
騙
(
たば
)
かられて無念の死をとげたわが父
寂阿殿
(
じゃくあどの
)
の
仇
(
あだ
)
を取ッた」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
と観ずる途端に
発矢
(
はっし
)
と復笞の音すれば、保胤はハラハラと涙を流して、
南無
(
なむ
)
、救わせたまえ、諸仏
菩薩
(
ぼさつ
)
、南無仏、南無仏、と念じたというのである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
やがて、今こそと、念仏百遍、高らかに唱え、
南無
(
なむ
)
と叫ぶとともに、水の中に身を躍らせたのである。重景も石童丸も、続いて後を追って入水した。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
南無
(
なむ
)
大師、
遍照金剛
(
へんじょうこんごう
)
ッ! 道の左右は人間の黒山だ。お
捻
(
ひねり
)
の雨が降る。……村の嫁女は振袖で拝みに出る。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山道をかけくだる
猪
(
いのしし
)
のような一本調子で『ヘルキュレス』めがけてまっしぐらに飛び込んで来たが、
南無
(
なむ
)
三、少々方角が違ったので、『ヘルキュレス』の尻尾のそばを通り過し
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
南無阿弥陀仏
(
なむあみだぶつ
)
、南無阿弥陀仏、
南無
(
なむ
)
……
阿弥陀
(
あみだ
)
……
南無阿弥
(
なむあみ
)
……
陀
(
だ
)
……
仏
(
ぶつ
)
、
南無
(
なむ
)
……」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
片手
(
かたて
)
わざにも
夏
(
なつ
)
より
手足
(
てあし
)
を
色
(
いろ
)
どりて、
新年着
(
はるぎ
)
の
支度
(
したく
)
もこれをば
當
(
あ
)
てぞかし、
南無
(
なむ
)
や
大鳥大明神
(
おほとりだいめうじん
)
、
買
(
か
)
ふ
人
(
ひと
)
にさへ
大福
(
だいふく
)
をあたへ
給
(
たま
)
へば
製造
(
せいぞう
)
もとの
我等
(
われら
)
萬倍
(
まんばい
)
の
利益
(
りゑき
)
をと
人
(
ひと
)
ごとに
言
(
い
)
ふめれど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「彼岸の
中日
(
ちゅうにち
)
になると真赤な夕日が斜坑の
真正面
(
まむこう
)
に沈むぞい。
南無
(
なむ
)
南無南無……」
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
仏教を愛し、敬い、これを信ずる心がなくては、とうてい、仏教をほんとうに知ることはできないのです。合掌する心持、
南無
(
なむ
)
する心、それはいずれも信心のしるしです。信仰の象徴です。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
風体
(
ふうてい
)
によりて
夫々
(
それ/″\
)
の身の上を
推測
(
おしはか
)
るに、
例
(
れい
)
の
織
(
お
)
るが
如
(
ごと
)
くなれば
心
(
こゝろ
)
甚
(
はなは
)
だ
忙
(
いそが
)
はしけれど
南無
(
なむ
)
や
大慈
(
たいじ
)
大悲
(
たいひ
)
のこれ
程
(
ほど
)
なる
消遣
(
なぐさみ
)
のありとは
覚
(
おぼ
)
えず
無縁
(
むえん
)
も
有縁
(
うえん
)
の物語を作り
得
(
え
)
て
独
(
ひと
)
り
窃
(
ひそか
)
にほゝゑまれたる事に
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
亭主
私
(
ひそか
)
に、あの犬の名は虎だから虎とさえ呼ばば懐き来る、何ぞ虎という語の入った経文を唱えたまえと
誨
(
おし
)
える。因ってその僧が
南無
(
なむ
)
きゃらたんのうとらやあ/\と唱えるや否や犬出家に
狎
(
な
)
れ近づく。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
南無
(
なむ
)
、天地、仏神、
健
(
すこや
)
かにましまし給え。
厨房日記
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
南無
(
なむ
)
や
大悲
(
だいひ
)
の
観世音
(
くわんぜおん
)
、守らせたまへ
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「死んだ者の惡口は止せよ、
南無
(
なむ
)
」
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
南無
(
なむ
)
疾翔大力
(
しっしょうたいりき
)
、南無疾翔大力。」
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「有難え、
南無
(
なむ
)
お祖師様」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
南無
(
なむ
)
大願成就
(
だいがんじょうじゅ
)
。——」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「
南無
(
なむ
)
当来の導師」
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
はじかれたように思いだして、
大鳥居
(
おおとりい
)
の上を見ると、
南無
(
なむ
)
三、そこに立っていた
矢
(
や
)
はすでにぬき取られてあるではないか。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ロレ
南無
(
なむ
)
やフランシス
上人
(
しゃうにん
)
、
護
(
まも
)
らせられい! はれ、けったいな、
今宵
(
こよひ
)
此
(
この
)
老脚
(
らうきゃく
)
が
幾
(
いく
)
たび
墓穴
(
はかあな
)
に
蹉躓
(
けつまづ
)
いたことやら!……
誰
(
た
)
れぢゃ、そこにゐるのは?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
こちや畜生になる事は
厭
(
いや
)
ぢやいの。(中略)
多聞
(
たぶん
)
悪いと畳を叩いて腹を立てる。
扨
(
さて
)
は
南無
(
なむ
)
さん姉ぢやさうな。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
隙
(
すか
)
さず
咽喉
(
のどもと
)
へ
突貫
(
つきとほ
)
さんとしけれども
手先
(
てさき
)
狂
(
くる
)
ひて
頬
(
ほゝ
)
より口まで
斬付
(
きりつけ
)
たり源八
悶
(
もだえ
)
ながら顏を見ればお
高
(
たか
)
なりしにぞ
南無
(
なむ
)
三と
蹴倒
(
けたふ
)
して
其所
(
そこ
)
を
飛出
(
とびいだ
)
し
連
(
つれ
)
の
佐
(
さ
)
七と
倶
(
とも
)
に
後
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あとに
頼
(
たの
)
むは
老人夫婦
(
らうじんふうふ
)
、
之
(
これ
)
が
又
(
また
)
、
補陀落山
(
ふだらくさん
)
から
假
(
かり
)
にこゝへ、
庵
(
いほり
)
を
結
(
むす
)
んで、
南無
(
なむ
)
大悲
(
だいひ
)
民子
(
たみこ
)
のために
觀世音
(
くわんぜおん
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
片手わざにも夏より手足を色どりて、
新年着
(
はるぎ
)
の支度もこれをば当てぞかし、
南無
(
なむ
)
や
大鳥大明神
(
おほとりだいめうじん
)
、買ふ人にさへ大福をあたへ給へば製造もとの我等万倍の利益をと人ごとに言ふめれど
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一念
(
いちねん
)
弥陀仏
(
みだぶつ
)
、
即滅
(
そくめつ
)
無量
(
むりやう
)
罪障
(
ざいしやう
)
と聞けど、わが如き極重悪人の罪を救はれざらむ事、もとより覚悟の前ぞかし。
南無
(
なむ
)
摩里阿
(
マリア
)
如来
(
によらい
)
。南無摩里阿如来と両手を合はせて打泣き/\方丈に帰り来りつ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
南無
(
なむ
)
といえば阿弥陀来にけり一つ身をわれとやいわん仏とやいわん
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
「
南無
(
なむ
)
疾翔大力
(
しっしょうたいりき
)
、南無疾翔大力。」
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
南無
(
なむ
)
——」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
子にはなんの
科
(
とが
)
もないはず、親の罪は親にこそ
酬
(
むく
)
え、
南無
(
なむ
)
かんぜおん
菩薩
(
ぼさつ
)
、城太郎のうえに大慈の
御眸
(
みひとみ
)
ありたまえ
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頼みし女中は今日は
通駕籠
(
とほしかご
)
にて
鎌倉迄
(
かまくらまで
)
行
(
ゆく
)
べき約束ゆゑ善六は朝早く龜屋へ來り亭主に
斯
(
かく
)
と言入れ
約束
(
やくそく
)
の
駕
(
かご
)
が
迎
(
むか
)
ひに參りたりと
云
(
いは
)
せたり徳右衞門は
南無
(
なむ
)
三と思ふ色を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
南無
(
なむ
)
大慈大悲の
泥烏須如来
(
デウスにょらい
)
!
私
(
わたくし
)
はリスポアを船出した時から、一命はあなたに奉って居ります。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
南無
(
なむ
)
、
身延様
(
みのぶさま
)
——三百六十三段。南無身延様、三百六十四段、南無身延様、三百六十五段……」
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
乳母
零餘
(
はした
)
が
如何
(
どう
)
あらうと、一
年
(
ねん
)
三百六十
日
(
にち
)
の
中
(
うち
)
で、
初穗節
(
はつほまつり
)
の
夜
(
よる
)
になれば、
恰
(
ちゃう
)
どお十四にならッしゃります。スーザンと
孃
(
ぢゃう
)
とは……
南無
(
なむ
)
あみだぶ……
同
(
おな
)
い
齡
(
どし
)
でござりました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
南無
(
なむ
)
南無南無南無南無南無南無」
眼を開く
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
南無
(
なむ
)
疾翔大力、南無疾翔大力。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
南無
(
なむ
)
三と心のうちでさけびながら、必死に、敵の腕くびを掴まえて、肩越しに投げ捨てようとするらしいが、所詮、彼の
技
(
わざ
)
にかかるような
脆
(
もろ
)
い相手ではない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「(喜多八)……また思切って手を合せ、
南無
(
なむ
)
や
志渡寺
(
しどじ
)
の観音
薩埵
(
さった
)
の力をあわせてたびたまえとて、大悲の利剣を額にあて、竜宮に飛び入れば、左右へはっとぞ
退
(
の
)
いたりける、」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もつて
遊興
(
いうきよう
)
なしける中平馬靱負の兩人相尋ねべき
儀
(
ぎ
)
是
(
これ
)
あるに付
所司代
(
しよしだい
)
御役宅
(
おやくたく
)
へ差出すべく旨日野殿へ
掛合
(
かけあひ
)
ありしかば
南無
(
なむ
)
三
寶
(
ばう
)
と思ひ兩人申合其の夜の中に日野家を
逐電
(
ちくでん
)
して
願山
(
ぐわんざん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あの沙門の
加持
(
かじ
)
を受けますと、見る間にその顔が
気色
(
けしき
)
を
和
(
やわら
)
げて、やがて口とも覚しい所から「
南無
(
なむ
)
」と云う声が洩れるや否や、たちまち
跡方
(
あとかた
)
もなく消え失せたと申すのでございます。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
南無
(
なむ
)
疾翔大力、南無疾翔大力。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
たった一声、
南無
(
なむ
)
とつぶやいただけで、牢獄へ
打
(
ぶ
)
ちこまれたり、河原へひきすえられて、
鞭
(
むち
)
で打ちすえられている老人などを、毎日のように目撃しているのである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青膨
(
あをぶく
)
れの、
額
(
ひたひ
)
の
抜上
(
ぬきあが
)
つたのを
視
(
み
)
ると、
南無
(
なむ
)
三
宝
(
ぱう
)
、
眉毛
(
まゆげ
)
がない、……はまだ
仔細
(
しさい
)
ない。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
南無
(
なむ
)
三——もとの主人卜斎だったかと、
仰天
(
ぎょうてん
)
した蛾次郎は、すばやく風を
食
(
く
)
らって逃げだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
南無
(
なむ
)
、南無、何かね、お前様、このお墓に所縁の方でがんすかなす。」
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
南無
(
なむ
)
三! 蛾次郎はポンと枝から
崖
(
がけ
)
へ飛びうつっていちもくさんに
天
(
てん
)
ヶ
丘
(
おか
)
へかけのぼった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
南無
(
なむ
)
」とあとは口の
裏
(
うち
)
で念じながら、左右へかたかたと
静
(
しずか
)
に開けた。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“南無”の解説
南無(なむ、なも)とは、敬意、尊敬、崇敬をあらわすサンスクリット語の間投詞「ナモ(नम namo)」を音写した漢訳仏教語であり「那謨」とも音写される。「ナモ」は、「ナマハ(नमः namaḥ)」の語末が連声(サンディ)によって変化した形であり、「ナマハ」には「曩莫・南麼(なうまく)」という音写が与えられる。また、音写ではなく意味を取って「帰命」と訳されることもある。一般に帰依の同義語として使われる。
(出典:Wikipedia)
南
常用漢字
小2
部首:⼗
9画
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“南無”で始まる語句
南無阿弥陀仏
南無三
南無三宝
南無阿弥陀
南無妙法蓮華経
南無阿彌陀佛
南無三寶
南無大師遍照金剛
南無妙
南無仏