仕樣しやう)” の例文
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A 仕樣しやうがないなア。ぢや説明せつめいしてやる。よく寄席よせ落語家らくごかがやるぢやないか。横丁よこちやう隱居いんきよくまさん八さんに發句ほつくをしへるはなしだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
で、わたくしことわると、かげまはつてさいに、にいさんはあれだからおほきな仕事しごと出來できつこないつて、威張ゐばつてゐるんです。仕樣しやうがない
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
れほどの物好ものずきなれば手出てだしを仕樣しやうぞ、邪推じやすゐ大底たいていにしていてれ、あのことならば清淨しようじよう無垢むく潔白けつぱくものだと微笑びようふくんで口髭くちひげひねらせたまふ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
言ざるに於ては仕樣しやうが有るぞとおどし付けれどもお島は努々ゆめ/\手引など致せしおぼこれなしと答ふるを聞き安間立花の兩人目をむき出しなんぢ何故なにゆゑに知れたる事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これぢやうにも仕樣しやうがねえ。とても出來できねえものなら仕方しかたはねえが、ちつと、これんばかしでも都合つがふをしねえ、急場きふばだから、おれ生死いきしにさかひふのだ。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『こんなもの、見てゐても仕樣しやうがない。』と、小池は砂だらけの階段を下りて、ひさしの下にかゝげてある繪馬ゑまたぐひを一つ/\見ながら、うしろの方へ𢌞はらうとした。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「おはり出來できなくつちや仕樣しやうねえなあ」おつぎは何時いつでも嘆息たんそくするのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かく其儘そんなりいちや仕樣しやうがない。つてつてしまはう!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
すであたまなかに、さう仕樣しやう下心したごゝろがあるから不可いけないのです」と宜道ぎだうまたつてかした。宗助そうすけいよ/\きゆうした。忽然こつぜん安井やすゐことかんがした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
A 仕樣しやうがないなア。ロシアもつくりかへつた。ドイツもつくりかへつた。いま世界中せかいぢうつくりかへるんだよ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
わたし仕樣しやうわるかつたに相違無さうゐな旦那樣だんなさまのおこゝろ何時いつとはしにぐれさせましたはわたしこゝろかたちがつたゆゑいまではつく/″\後悔こうくわいなみだがこぼれまする。
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つれ申さんにすけ十郎郷右衞門の兩人にのみほねをらかくのめ/\と我が宅に居ん事眞に云甲斐かひなしとはいひ何分病には勝難し偖々さて/\何か仕樣しやうは有まいか萬一此事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一體いつたい何處どこでございませう。方角はうがくなにわからなくなつたんだよ。仕樣しやうがないことね、ねえ、おまへさん。」
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
人車くるまがあつても、乘つて行くとこが分れへんのに、仕樣しやうがおまへんがな。』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
可笑をかしくつて仕樣しやうかつたつけぞ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
折角せつかく親爺おやぢ記念かたみだとおもつて、つてやうなものゝ、仕樣しやうがないねこれぢや、場塞ばふさげで」とこぼしたことも一二あつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
A 或程なるほどきみしかつたつて仕樣しやうがない。いまおれおほいにほか奴等やつらしかつてやるんだから、今日けふはマアきみをんなはなしでもしよう。はうならきみ專門せんもんだから。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
一人並いちにんなみをとこになりながらなん腑甲斐ふがひない車夫しやふ風情ふぜいにまで落魄おちぶれずとものことほか仕樣しやうのあらうものを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
合せて伏しをがみ氣のどく共何共申分の仕樣しやうも無しと言を六右衞門是はしたりと其手を取只此上は御心得ちがひのなき樣に久八が申通り呉々くれ/″\辛抱しんばうなされましと申時千太郎はかねて用意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くなよ、こまつたもんだ。くなつたら、いか、いたつて仕樣しやうがない。」
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
月代さかやきらせるのにあたまうごかして仕樣しやうがないとはいてゐたが、醫者いしや坊主ばうずあたま草紙さうしにして、近習きんじゆ剃刀かみそり稽古けいこをするとは面白おもしろい。大名だいみやうあたまきずけては、生命いのちがないかもれないからな。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
いゝえ、まあ、ながしたはうは、おどく娑婆しやば一人ひとり流産りうざんをしませうけれど、そんなことよりおまへさん、はしわたらないまへだと、まだうにか、仕樣しやう分別ふんべつもありましたらうけれど、氣短きみじか飛越とびこしてしまつてさ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『汽車にお乘りやすのやごわへんか。……この次ぎはキツチリ四時に出ますよつて、まだ一時間ござります。……こんな見るもんもない在所ざいしよへお越しやしとくれやして、……ほんまに仕樣しやうのないとこで、……』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
大言たいげんきしむかしこゝろはづかしさよれがこのんで牛馬ぎうばかはりに油汗あぶらあせながし塵埃ぢんあいなかめぐるものぞ仕樣しやう模樣もやうきはてたればこそはじ外聞ぐわいぶんもなひまぜにからめててたのつまり無念むねん殘念ざんねん饅頭笠まんぢうがさのうちにつゝみてまゐりませうとこゑびくすゝめるこゝろいらぬとばかりもぎだうにひとそれはまだしもなりうるさいは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
仕樣しやうがないのね、なんにもありやしないんですよ。」
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)