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つごう
ふりがな文庫
“
都合
(
つごう
)” の例文
この竹の筒のやうなものが
都合
(
つごう
)
十八あつたのを取り
更
(
か
)
へ取り更へてかけて見たが、過半は西洋の歌であるので我々にはよくわからぬ。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「そうですそうです。そんな御縁もあることだからという、福田氏の頼みなんですよ。どうです。何とか
都合
(
つごう
)
をして帰ってくれませんか」
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
仕事
(
しごと
)
の
都合
(
つごう
)
で
二電車
(
ふたでんしゃ
)
ばかりおくれた
父親
(
ちちおや
)
は、
黒
(
くろ
)
の
外套
(
がいとう
)
に、
鳥打帽
(
とりうちぼう
)
をかぶって
急
(
いそ
)
いできました。むかえに
出
(
で
)
ている
倅
(
せがれ
)
を
見
(
み
)
つけると
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
戦時だけ自分に
都合
(
つごう
)
よき主義を唱えたとても、平生の行状がこれに伴わないものは、ただ一場の言い前に過ぎずとして採用されなかった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
地に斃された人の数はこの時すでに十一を数えられて、そして残るところの新徴組は
都合
(
つごう
)
四人。この四人はみな名うての者です。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
喰
(
く
)
いつめた渡り職人、仕事にはなれた土方、
都合
(
つごう
)
次第で乞食になったり
窃盗
(
せっとう
)
になったり
強盗
(
ごうとう
)
になったり
追剥
(
おいはぎ
)
になったりする手合も
折々
(
おりおり
)
来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
て
法
(
ほう
)
を
説
(
と
)
けとやら、こんな
場合
(
ばあい
)
には
矢張
(
やは
)
り
段違
(
だんちが
)
いの
神様
(
かみさま
)
よりも、お
馴染
(
なじみ
)
みの
祖父
(
じじ
)
の
方
(
ほう
)
が、
却
(
かえ
)
って
都合
(
つごう
)
のよいこともあるものと
見
(
み
)
えます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
このユリの
特徴
(
とくちょう
)
は
葉腋
(
ようえき
)
に
珠芽
(
しゅが
)
が生ずることである。これが地に落ちれば、そこに
仔苗
(
しびょう
)
が生ずるから
繁殖
(
はんしょく
)
さすには
都合
(
つごう
)
がよい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
その士格の
売主
(
うりぬし
)
は、
小普請目見得格
(
こぶしんめみえかく
)
で
小牧甚三郎
(
こまきじんざぶろう
)
という
御家人
(
ごけにん
)
、一人娘があるから、
聟
(
むこ
)
の形式をもって継いでくれれば、
万端
(
ばんたん
)
都合
(
つごう
)
がいいという。
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
フレンチ医師が医学校を出てまもない、二十代のほやほやだったということも、彼にとっては好
都合
(
つごう
)
だったに相違ない。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
鼾
(
いびき
)
ごえや寝言など外部の
音響
(
おんきょう
)
をも
遮断
(
しゃだん
)
するに
都合
(
つごう
)
が好かったもちろん
爪弾
(
つまび
)
きで
撥
(
ばち
)
は使えなかった燈火のない
真
(
ま
)
っ
暗
(
くら
)
な所で手さぐりで弾くのである。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それがいつまでつづくかは、私の筆の
都合
(
つごう
)
と、紙面の
編輯
(
へんしゅう
)
の都合とできまるのだから、
判然
(
はっきり
)
した見当は今つきかねる。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうだ——じゃともかくも手紙をやって、向うの
都合
(
つごう
)
を問い合せて見よう。多分差支えはなかろうと思うんだが。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
インドの上をとぶことができれば、
都合
(
つごう
)
がよかったのであるが、あいにく気象状態がよくないので、この国の上へは、なるべくとばない方がよかった。
氷河期の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
僕が何かの
都合
(
つごう
)
のために、たとえばひどく
疲
(
つか
)
れているとか、
狼
(
おおかみ
)
に追われているとか、あるいはひどく神経が興奮しているとか、そんなような事情から
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
まして女人の身、いっそう
都合
(
つごう
)
が悪いのです。寺で断られるのは知れ切ったこと。しかたなく昭青年は言いました。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
蔡温はまた『独物語』の中に、国家を上中下の三段に分ち、その
各
(
おのおの
)
をまた上中下の三段に分ち、
都合
(
つごう
)
国家に九段の別があるという事をいっております。
琉球史の趨勢
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
ガンデンから十六里余あるから、二日前から出て二日の晩か三日の朝着くように大抵そういう
都合
(
つごう
)
に出て来るです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
それを
機
(
しお
)
にそこらをそろ/\片附けはじめると、三人は気の毒だがもう少し飲ませてくれと云つて、それからそれへと又二杯、
都合
(
つごう
)
七杯づつ飲みました。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
すっかり
忘
(
わす
)
れていた、とにかく
都合
(
つごう
)
がえい、それではきょうさっそく
上京
(
じょうきょう
)
して、あの人に
相談
(
そうだん
)
してみよう、
時重
(
ときしげ
)
先生が心配してくれ、きっとどうにかなる
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
地震
(
ぢしん
)
の
豫知問題
(
よちもんだい
)
が
假
(
かり
)
に
都合
(
つごう
)
よく
解決
(
かいけつ
)
されたとしても、
震災防止
(
しんさいぼうし
)
については
猶
(
なほ
)
重大
(
じゆうだい
)
な
問題
(
もんだい
)
が
多分
(
たぶん
)
に
殘
(
のこ
)
るであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「じゃ一つ、取っておくほうが、万事
都合
(
つごう
)
がいいですな。中学の証明があれば、実科を少しやればわけはありゃしないから……教授法はちっとは読みましたか」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
社会
(
しゃかい
)
が
犯罪人
(
はんざいにん
)
や、
精神病者
(
せいしんびょうしゃ
)
や、
総
(
すべ
)
て
自分等
(
じぶんら
)
に
都合
(
つごう
)
の
悪
(
わる
)
い
人間
(
にんげん
)
に
対
(
たい
)
して、
自衛
(
じえい
)
を
為
(
な
)
すのには、どうしたって
勝
(
か
)
つことは
出来
(
でき
)
ません。で、
貴方
(
あなた
)
の
為
(
な
)
すべき
所
(
ところ
)
は一つです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
次
(
つ
)
ぎに
草原
(
くさはら
)
の
濕地
(
しつち
)
は『
腐植土
(
ふしよくど
)
』といつて、
植物
(
しよくぶつ
)
が
枯
(
か
)
れて、
根
(
ね
)
や
枝
(
えだ
)
や
葉
(
は
)
が
腐
(
くさ
)
つた
肥料
(
こやし
)
になつてゐるような
土
(
つち
)
に
富
(
と
)
み、
水分
(
すいぶん
)
も
多
(
おほ
)
いので、
植物
(
しよくぶつ
)
の
生育
(
せいいく
)
には
大變
(
たいへん
)
都合
(
つごう
)
がよいため
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
それが出来ましたらベシン皿かあるいは
丼鉢
(
どんぶりばち
)
へ先ず今の御飯を少し
注
(
つ
)
いで摺り卸したチースを大匙一杯だけ振かけてまた御飯を注いでチースをかけて
都合
(
つごう
)
四段にチースを
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
入船に
都合
(
つごう
)
の
好
(
よ
)
い風をアイの風というようになって、幾らかは最初の意味がかわったかもしれぬが、とにかく海辺に住む者にとって、心のときめく風であったことは同じで
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「元気がない」と云う
方
(
ほう
)
が
都合
(
つごう
)
がよい、と思っていたのではないか、と私には思われる。
茂吉の一面
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
堅牢
(
けんらう
)
なる
鐵
(
てつ
)
の
檻
(
おり
)
をもつて
圍繞
(
かこ
)
まれ、
下床
(
ゆか
)
は
彈力性
(
だんりよくせい
)
を
有
(
いう
)
するクロー
鋼板
(
かうばん
)
で、
上部
(
じやうぶ
)
は
半面
(
はんめん
)
鐵板
(
てつぱん
)
に
蔽
(
おほ
)
はれ、
半面
(
はんめん
)
鐵檻
(
てつおり
)
をもつて
作
(
つく
)
られ、
鐵車
(
てつしや
)
は
都合
(
つごう
)
十二の
車輪
(
くるま
)
を
備
(
そな
)
へ、
其内
(
そのうち
)
六
個
(
こ
)
は
齒輪車
(
しりんしや
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しばらく故郷を離れたが正作は家政の
都合
(
つごう
)
でそういうわけにゆかず、
周旋
(
しゅうせん
)
する人があって
某
(
なにがし
)
銀行に出ることになり給料四円か五円かで
某町
(
なにがしまち
)
まで二里の
道程
(
みちのり
)
を
朝夕
(
ちょうせき
)
往復することになった。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
にんじんは、
急
(
いそ
)
いでこういう。それが一番
都合
(
つごう
)
のいい弁解だと思ったからである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
そういう
村
(
むら
)
こそ、こっちのしょうばいになるじゃないかッ。
倉
(
くら
)
があって、
子供
(
こども
)
でもねじきれそうな
錠
(
じょう
)
しかついておらんというほど、こっちのしょうばいに
都合
(
つごう
)
のよいことがあるか。まぬけめが。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
それもこれも、みんなおいらのせえだッてんじゃ、てんで
立
(
た
)
つ
瀬
(
せ
)
がありゃしねえや。どこの
殿様
(
とのさま
)
がこさえたたとえか
知
(
し
)
らねえが、
長
(
なが
)
い
物
(
もの
)
にゃ
巻
(
ま
)
かれろなんて、あんまり
向
(
むこ
)
うの
都合
(
つごう
)
が
良過
(
よす
)
ぎるぜ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
自分に
都合
(
つごう
)
のいい時だけは生死を共にするって云うような顔をして、自分に都合が悪くなって来ると、偉そうな言訳を並べたてて、……このざまだ。清原。そりゃ、俺達はまだ
青二才
(
あおにさい
)
の学生さ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
私たちの
都合
(
つごう
)
で両親の手から取ろうと申すのはあまり勝手でございます。私、お母様のお心持ちが察しられますから、そこのところを直々お目にかかって念の通じるように申し上げたいと
存
(
ぞん
)
じます
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「そうとも、そうともお前、
万事
(
ばんじ
)
都合
(
つごう
)
よくいったというものよ、久子」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「しかし、それはどうとも
都合
(
つごう
)
が出来よう。」
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
叩
(
たた
)
くに
都合
(
つごう
)
のよい
笞
(
むち
)
だ
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
一家の
都合
(
つごう
)
によって返済の
能
(
のう
)
不能
(
ふのう
)
も定まることであるから、感情的の理由も通る場合もあまたあろうが、借財が事業のために
負
(
お
)
ったものならば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
赤
(
あか
)
ちゃんは、そう
都合
(
つごう
)
よくいくのを、けっして
不思議
(
ふしぎ
)
ともなんとも
思
(
おも
)
いませんでした。そして、むしろそれがあたりまえのように
思
(
おも
)
っていました。
はてしなき世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
昨日
(
きのう
)
新田
(
にった
)
から返事が来たが、月水金の内でさえあれば、いつでも喜んで御案内すると云うんだ。だからその内で
都合
(
つごう
)
の
好
(
い
)
い日に参観して来給え。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
都合
(
つごう
)
のいいこともあれば都合の悪いこともある。しかし
今更
(
いまさら
)
このことを
喜憂
(
きゆう
)
しても始まらない。本能的なものが運命をそう招いたと思うより
仕方
(
しかた
)
がない。
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
誰だって自分の
都合
(
つごう
)
のいいように物事を考えたいものではありますがどこ迄もそれで通るものではありません。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いつぞや大菩薩峠の上で
生胴
(
いきどう
)
を
試
(
ため
)
してその
切味
(
きれあじ
)
に覚えのある武蔵太郎安国の
鍛
(
きた
)
えた
業物
(
わざもの
)
を横たえて、門弟下男ら
都合
(
つごう
)
三人を引きつれて、いざ
出立
(
しゅったつ
)
の
間際
(
まぎわ
)
へ
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
矢野は本郷
台町
(
だいまち
)
に友人のいる下宿をたずねて、幸いに友人もおって取りあえず下宿の相談をすると、この家でどうにか
都合
(
つごう
)
ができるだろう、まあ話せという。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
まだ小林に
聴
(
き
)
く事の残っている津田は、
出立前
(
しゅったつぜん
)
もう一遍彼に会っておく方が
便宜
(
べんぎ
)
であった。けれども彼とお延と落ち合う
掛念
(
けねん
)
のある病院では
都合
(
つごう
)
が悪かった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが、
都合
(
つごう
)
のいいことには、その三階に、少年探偵団のひとり、小玉君のお父さんの事務所があった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
花の底には一つの緑色の
子房
(
しぼう
)
が立っており、その
頂
(
いただき
)
に一本の長い
花柱
(
かちゅう
)
があり、その
末端
(
まったん
)
はすなわち
柱頭
(
ちゅうとう
)
で
三耳形
(
さんじけい
)
を
呈
(
てい
)
し、
粘滑
(
ねんかつ
)
で花粉を受けるに
都合
(
つごう
)
よくできている。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
急報に接して飛んで往った次郎さんの
阿爺
(
おとっさん
)
も、
間
(
ま
)
に合わなかったそうである。夜にかけて
釣台
(
つりだい
)
にのせて連れて来て、
組合中
(
くみあいじゅう
)
の
都合
(
つごう
)
で
今日
(
きょう
)
葬式
(
そうしき
)
をすると云うのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかも
拠
(
よ
)
り所のない空想ではなく、正史はもちろん、記録や古文書が申し分なく備わっているのであるから、作者はただ与えられた史実を
都合
(
つごう
)
よく配列するだけでも
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
たしかに稲となっている実例も有るというが、幸いにそうだったらむしろ私には
都合
(
つごう
)
が
好
(
よ
)
い。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“都合”の解説
都合
(出典:Wikipedia)
都
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“都合”で始まる語句
都合上
都合好
都合迄
都合次第