どほ)” の例文
わたしはそれをならふために授業じゆげふけてはゐませんでした』とつて海龜うみがめ長太息ためいきし、『わたしたゞ規則きそくどほりの課程くわていんだゝけです』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
まへばんに、ちゝ宗助そうすけんで、宗助そうすけ請求せいきうどほり、普通ふつう旅費りよひ以外いぐわいに、途中とちゆうで二三にち滯在たいざいしたうへ京都きやうといてからの當分たうぶん小遣こづかひわたして
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
申氣の如何にこるとて此手先と我と我が手に喰付くひつきしが覺悟を極め此おもむきを御番所へ自らうつたおほやけの御はふどほりに御仕置を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
合點がてんがいつたら何事なにごとむねおさめて、らぬかほ今夜こんやかへつて、いままでどほりつゝつしんでおくつてれ、おまへくちさんとてもおやさつしるおとゝさつしる
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
が、自尊心の強い馬琴には、彼の謙辞をそのままことばどほり受取られたと云ふ事が、先づ何よりも不満である。その上平吉の遠慮するやうな調子がいよいよ又気に入らない。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「たいしてむづかしいことではありません」と、いひつて平氣へいきでをります。おきな仕方しかたなしにひめ註文ちゆうもんどほりをつたへますと、みなあきれかへつていへりました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
ときでも、かれからはなれてたくおもふのでつたが、とも自分じぶんよりかれを一でもはなことはなく、なんでもかれ氣晴きばらしをするが義務ぎむと、見物けんぶつとき饒舌しやべつゞけてなぐさめやうと、附纒つきまとどほしの有樣ありさま
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
昂奮こうふんしないでおきなさいツ。ではこれから自分達じぶんたちみちが、どんなにけはしい、文字もじどほりの荊棘いばらみちだつてことが、生々なま/\しい現實げんじつとして、おぢやうさん、ほんとにあなたにわかつてゐるんですか……
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
亨一は昨夜ゆうべからいらいらしどほしで居た。深更よふけになつてからも、容易にねむれなかつた。やつとうとうとしたと思つたころには、もう夜は明け放れて居た。起き上つては見たが何だか人心地がしない。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
はたしてもなくんだので子は遺言ゆゐごんどほり石を墓中ぼちゆうをさめてはうむつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
僕等は今夜うして夜どほしでも話して居たい気持に成つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
そのままぶら/\と電車どほりへあるしました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
柳並木の河岸かしどほ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
御米およね卒然そつぜんなにともれない恐怖きようふねんおそはれたごとくにがつたが、ほとんど器械的きかいてきに、戸棚とだなから夜具蒲團やぐふとんして、をつとどほとこはじめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
下られけりれば老中方初め諸役人も今日の吟味大岡殿の明察めいさつどほりならんとかんじられたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたしはとうとうおもどほり、をとこいのちらずとも、をんなれること出來できたのです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
吾助ごすけおもひてふを、後生ごしやう姉樣ねえさま返事へんじたまはれ、けつして此後こののちわがまヽもはず惡戯いたづらもなすまじければ、吾助ごすけ田舍ゐなかかへらぬやう、いままでどほり一しよあそばれるやう返事へんじたまはれ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やがてあいちやんは整然きちん片付かたづいたちひさな部屋へやきました、まどうちには洋卓テーブルもあり、其上そのうへには(あいちやんののぞどほり)一ぽん扇子せんすと二三のちひさなしろ山羊仔皮キツド手套てぶくろとがつてゐました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
小六ころく藥取くすりとりからかへつてて、醫者いしやどほ服藥ふくやくましたのは、もう彼是かれこれ十二ちかくであつた。それから二十ぷんたないうちに、病人びやうにんはすや/\寐入ねいつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
らぬいままでどほ嫁舅よめしうとになりたしとかきいあきれるなりかんがへて人非人にんぴにん運平うんぺいむすめ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
のこらずあたま御座ございません、陛下へいかのおのぞどほり!』と兵士へいしさけんでこたへました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
申立しかば大岡殿下女げぢよとめに向はれ只今市郎左衞門が申たてどほりなりや又彦兵衞が隱居いんきよを殺し金子をうばひ取し者とは如何いかゞして知りたるやと問れしにぞ留はおそる/\顏をあげ彦兵衞事常々隱居所へ立入り金銀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ちつともかまやしません。いくらわたしが威張つたつて、貴方あなたかなひつこないのは無論ですもの。わたし貴方あなたとは今迄どほりの関係で、御互ひに満足なんだから、文句はありやしません。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)