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かひもの
其日は
二人して
町へ
買物に
出やうと
云ふので、
御米は
不斷着を
脱ぎ
更へて、
暑い
所をわざ/\
新らしい
白足袋迄穿いたものと
知れた。
その
時の
買物が
笊一つ。
而して「
三十五錢俥賃を
取られたね。」と、
女房が
言ふと、
又娘が
傍に
居て、「
違ふよ、
五十錢だよ。」と
言ふ。
ば先下に置き
懷中より一枚の紙取出し如何も少々の
買物にて氣の毒ながら此方の店は
藥種が能きゆゑ
態々と
遠方よりして參りたれば此の十一
味を
軒につり
忍艸、これは
正太が
午の
日の
買物と
見えぬ、
理由しらぬ
人は
小首やかたぶけん。
其所迄買物に
出たから、
序に
寄つたんだとか
云つて、
宗助の
薦める
通り、
茶を
飮んだり
菓子を
食べたり、
緩くり
寛ろいだ
話をして
歸つた。
買物にゆきて
買ふ
方が、(こんね)で、
店の
返事が(やあ/\。)
歸る
時、
買つた
方で、
有がたう
存じます、は
君子なり。——ほめるのかい——いゝえ。
通りまで
買物に
行つて
來まする、
歸りまで
此子の
世話をお
頼みと
仰しやつて、
唯しばらくの
事と
思ひしに、二
時になれども三
時はうてども、
音も
無くて
今まで
影の
見えられぬは
終了とお光の方に至り萬事の
相談買物なんどに
深切盡せば親子は喜び
親類代りに當日はお金も其所の
席に
臨みよろしく
頼と此者の
衣類も
帶も
拵へやりしにお金はいよ/\嬉しさ
増し
自慢たらだら此事を
「なに
帰つて仕舞つたと云ふ訳でもないんです。
一寸神楽坂に
買物があるから、それを
済まして又
来るからつて、云はれるもんですからな」
今度は
買物に
出る
時は、それに
鑑みて、
途中からでは
足許を
見られるといふので、
宿車に
乘つて
家を
飛び
出した。
その
外には
小さき
子供の二三
人寄りて
細螺はじきの
幼なげな
事して
遊ぶほどに、
美登利ふと
耳を
立てゝ、あれ
誰れか
買物に
來たのでは
無いか
溝板を
踏む
足音がするといへば、おや
左樣か
請取し時さし出したるなりと云に
聢と夫に相違
無やと申せば
然樣に御座りますと云時原田シテ其
脇差は何所から
買た其賣口は知て
居樣なと云れ治助は甚だ氣味
惡く思ひながら
其品は稻荷町の十兵衞と申者の
宿に於て
去月の
市に
買取たり然し其節は二十品ばかりの
買物にて賣主は
誰やら
聢とは
此前も
寄る
筈であつたが、つい
遅くなつたので
急いで
帰つた。
今日は其
積で
早く
宅を
出た。が、
御息み
中だつたので、又
通り迄行つて
買物を
済まして
帰り
掛けに
寄る事にした。
隣の
妻の
入來るを
見るに、
懷には
町を
抱きたり、
與四
郎胸さわぎのして、
美尾は
何處へ
參りました、
此日暮れに
燈火をつけ
放しで、
買物にでも
行きましたかと
問へば、
隣の
妻は
眉を
寄せて
お
孝が
買物に
出掛ける
道だ。
中里町から
寺町へ
行かうとする
突當の
交番に
人だかりがして
居るので
通過ぎてから
小戻をして、
立停つて、
少し
離れた
處で
振返つて
見た。
大抵は伝通院前から電車へ
乗つて本郷迄
買物に
出るんだが、
人に聞いて見ると、本郷の方は
神楽坂に
比べて、
何うしても一割か二割
物が
高いと云ふので、
此間から一二度
此方の方へ
出て
来て見た。
通りへ
買物から、
歸つて
聞くと、
女中が、
今しがたお
歸りに
成つたといふ。
矢來の
辻で
行違つた。
親と
親との
許嫁でも、
十年近く
雙方不沙汰と
成ると、
一寸樣子が
分り
兼る。
況や
叔父と
甥とで
腰掛けた
團子屋であるから、
本郷に
住んで
藤村の
買物をするやうな
譯にはゆかぬ。