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淺葱
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あさぎ
ふりがな文庫
“
淺葱
(
あさぎ
)” の例文
新字:
浅葱
彌
(
いや
)
が
上
(
うへ
)
に、
淺葱
(
あさぎ
)
の
襟
(
えり
)
を
引合
(
ひきあ
)
はせて、
恍惚
(
うつとり
)
と
成
(
な
)
つて、
其
(
そ
)
の
簾
(
すだれ
)
を
開
(
あ
)
けて、キレー
水
(
すゐ
)
のタラ/\と
光
(
ひか
)
る
君
(
きみ
)
、
顏
(
かほ
)
を
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れると、
南無三
(
なむさん
)
。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
萬筋
(
まんすぢ
)
の野暮な
袷
(
あはせ
)
を高々と端折つて、
淺葱
(
あさぎ
)
の股引に
素草鞋
(
すわらぢ
)
を
穿
(
は
)
いた喜助は、存分に不景氣な
身扮
(
みなり
)
のくせに、ちよいと好い男振りでもありました。
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
面
(
おもて
)
の平でない
玻璃
(
ガラス
)
の爲めに、水
淺葱
(
あさぎ
)
に金茶の模樣が陽炎を透かしての如くきらきらといかにも氣持よく見える。一列の布の上に、遙かに黒き、其輪郭は廣重的に正しい梅村(?)橋が横はつて居る。
京阪聞見録
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
淺葱
(
あさぎ
)
にしみゆくこの夕暮。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
淺葱
(
あさぎ
)
の
帷子
(
かたびら
)
に
裃
(
かみしも
)
、威儀を正して控へた態度は、なか/\美男と言つてよく、こんな小屋に立たせて、藝當などをさせて置くのは惜しいくらゐです。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
落葉
(
おちば
)
掃
(
は
)
く
樣子
(
やうす
)
をして、
箒
(
はうき
)
を
持
(
も
)
つて
技折戸
(
しをりど
)
から。
一寸
(
ちよつと
)
言添
(
いひそ
)
へる
事
(
こと
)
がある、
此
(
こ
)
の
節
(
せつ
)
、
千助
(
せんすけ
)
は
柔
(
やはら
)
かな
下帶
(
したおび
)
などを
心掛
(
こゝろが
)
け、
淺葱
(
あさぎ
)
の
襦袢
(
じゆばん
)
をたしなんで
薄化粧
(
うすげしやう
)
などをする。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
黄や、くれなゐや、
淺葱
(
あさぎ
)
の
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
八五郎は飛び降りるやうに
階下
(
した
)
へ行きましたが、間もなく
淺葱
(
あさぎ
)
の
股引
(
もゝひき
)
を一つ、ブラブラ、させながら戻つて來ました。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……よう
湯
(
ゆ
)
の
煙
(
けむり
)
で
溶
(
と
)
けなんだ、
白雪
(
しらゆき
)
を
撫
(
な
)
でてふつくりした、
其
(
それ
)
は、
其
(
それ
)
は、
綺麗
(
きれい
)
な
膚
(
はだ
)
を
緋
(
ひ
)
で
緊
(
し
)
めて、
淡
(
うす
)
い
淺葱
(
あさぎ
)
の
紐
(
ひも
)
で
結
(
ゆは
)
へた、
乳
(
ち
)
の
下
(
した
)
する/\
辷
(
すべ
)
るやうな
長襦袢
(
ながじゆばん
)
。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
胸をドンと叩きますが、くたびれた單衣の裾を端折ると、叔母が丹精して
繼
(
つぎ
)
を當てた、
淺葱
(
あさぎ
)
の股引がハミ出して、あまり威勢の良い恰好ではありません。
銭形平次捕物控:264 八五郎の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
青磁
(
せいじ
)
、
赤江
(
あかえ
)
、
錦手
(
にしきで
)
の
皿小鉢
(
さらこばち
)
、
角
(
かど
)
の
瀬戸
(
せと
)
もの
屋
(
や
)
がきらりとする。
横町
(
よこちやう
)
には
斜
(
なゝめ
)
に
突出
(
とつしゆつ
)
して、
芝居
(
しばゐ
)
か、
何
(
なん
)
ぞ、
興行
(
こうぎやう
)
ものの
淺葱
(
あさぎ
)
の
幟
(
のぼり
)
が
重
(
かさ
)
なつて、ひら/\と
煽
(
あふ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
淺葱
(
あさぎ
)
の
股引
(
もゝひき
)
に木綿
布子
(
ぬのこ
)
、
藁
(
わら
)
しべで髮を結つた、非凡の無頓着さで、江戸の中でこんなのを見るのは——場所が場所だけに、錢形平次にも異樣な感じです。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
傳
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
く、
唐土
(
もろこし
)
長安
(
ちやうあん
)
の
都
(
みやこ
)
に、
蒋生
(
しやうせい
)
と
云
(
い
)
ふは、
其
(
そ
)
の
土地官員
(
とちくわんゐん
)
の
好
(
い
)
い
處
(
ところ
)
。
何某
(
なにがし
)
の
男
(
だん
)
で、ぐつと
色身
(
いろみ
)
に
澄
(
すま
)
した
男
(
をとこ
)
。
今時
(
いまどき
)
本朝
(
ほんてう
)
には
斯樣
(
こんな
)
のもあるまいが、
淺葱
(
あさぎ
)
の
襟
(
えり
)
に
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
螢
(
ほたる
)
一
(
ひと
)
つ、すらりと
反對
(
はんたい
)
の
窓
(
まど
)
より
入
(
い
)
りて、
細
(
ほそ
)
き
影
(
かげ
)
を
捲
(
ま
)
くと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、
汗
(
あせ
)
埃
(
ほこり
)
の
中
(
なか
)
にして、
忽
(
たちま
)
ち
水
(
みづ
)
に
玉敷
(
たまし
)
ける、
淺葱
(
あさぎ
)
、
藍
(
あゐ
)
、
白群
(
びやくぐん
)
の
涼
(
すゞ
)
しき
草
(
くさ
)
の
影
(
かげ
)
、
床
(
ゆか
)
かけてクシヨンに
描
(
ゑが
)
かれしは
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
江戸の空は
淺葱
(
あさぎ
)
色に燻じて、
香
(
かぐ
)
はしい微風が、全く欠伸を誘ひさうな日和です。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
よい/\の、
犬
(
いぬ
)
の、
婆
(
ばゞ
)
の、
金時計
(
きんどけい
)
の、
淺葱
(
あさぎ
)
の
褌
(
ふんどし
)
の、
其上
(
そのうへ
)
に、
子抱
(
こかゝへ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
と
來
(
き
)
た
日
(
ひ
)
には、こりや
何時
(
いつ
)
までも
見
(
み
)
せられたら、
目
(
め
)
が
眩
(
くら
)
まうも
知
(
し
)
れぬぞと、あたふた
百花園
(
ひやくくわゑん
)
を
遁
(
に
)
げて
出
(
で
)
る。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「その釘に
淺葱
(
あさぎ
)
の
木綿屑
(
もめんくづ
)
が引つ掛つてゐますよ」
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
淺葱
(
あさぎ
)
の
暗
(
くら
)
い、クツシヨンも
又
(
また
)
細長
(
ほそなが
)
い。
室
(
しつ
)
は
悠々
(
いう/\
)
とすいて
居
(
ゐ
)
た。が、
何
(
なん
)
となく
落着
(
おちつ
)
かない。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
中二階
(
ちうにかい
)
の
六疊
(
ろくでふ
)
を
中
(
なか
)
にはさんで、
梯子段
(
はしごだん
)
が
分
(
わか
)
れて
二階
(
にかい
)
が
二間
(
ふたま
)
、
八疊
(
はちでふ
)
と
十疊
(
じふでふ
)
——ざつとこの
間取
(
まど
)
りで、なかんづくその
中二階
(
ちうにかい
)
の
青
(
あを
)
すだれに、
紫
(
むらさき
)
の
總
(
ふさ
)
のしつとりした
岐阜提灯
(
ぎふぢやうちん
)
が
淺葱
(
あさぎ
)
にすくのに
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
照
(
て
)
り
曇
(
くも
)
り
雨
(
あめ
)
もものかは。
辻々
(
つじ/\
)
の
祭
(
まつり
)
の
太鼓
(
たいこ
)
、わつしよい/\の
諸勢
(
もろぎほひ
)
、
山車
(
だし
)
は
宛然
(
さながら
)
藥玉
(
くすだま
)
の
纒
(
まとひ
)
を
振
(
ふ
)
る。
棧敷
(
さじき
)
の
欄干
(
らんかん
)
連
(
つらな
)
るや、
咲
(
さき
)
掛
(
かゝ
)
る
凌霄
(
のうぜん
)
の
紅
(
くれなゐ
)
は、
瀧夜叉姫
(
たきやしやひめ
)
の
襦袢
(
じゆばん
)
を
欺
(
あざむ
)
き、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
淺葱
(
あさぎ
)
は
光圀
(
みつくに
)
の
襟
(
えり
)
に
擬
(
まが
)
ふ。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
分
(
わ
)
けて
見詰
(
みつ
)
むるばかり、
現
(
うつゝ
)
に
見
(
み
)
ゆるまで
美
(
うつく
)
しきは
紫陽花
(
あぢさゐ
)
なり。
其
(
そ
)
の
淺葱
(
あさぎ
)
なる、
淺
(
あさ
)
みどりなる、
薄
(
うす
)
き
濃
(
こ
)
き
紫
(
むらさき
)
なる、
中
(
なか
)
には
紅
(
くれなゐ
)
淡
(
あは
)
き
紅
(
べに
)
つけたる、
額
(
がく
)
といふとぞ。
夏
(
なつ
)
は
然
(
さ
)
ることながら
此
(
こ
)
の
邊
(
あたり
)
分
(
わ
)
けて
多
(
おほ
)
し。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
眼
(
まなこ
)
鋭
(
するど
)
く
鼻
(
はな
)
の
上
(
うへ
)
の
皺
(
しわ
)
に
惡相
(
あくさう
)
を
刻
(
きざ
)
み
齒
(
は
)
の
揃
(
そろ
)
へる
水々
(
みづ/\
)
しきが、
小紋
(
こもん
)
縮緬
(
ちりめん
)
のりうたる
着附
(
きつけ
)
、
金時計
(
きんどけい
)
をさげて、
片手
(
かたて
)
に
裳
(
もすそ
)
をつまみ
上
(
あ
)
げ、さすがに
茶澁
(
ちやしぶ
)
の
出
(
で
)
た
脛
(
はぎ
)
に、
淺葱
(
あさぎ
)
縮緬
(
ちりめん
)
を
搦
(
から
)
ませながら、
片手
(
かたて
)
に
銀
(
ぎん
)
の
鎖
(
くさり
)
を
握
(
にぎ
)
り
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あい、」と
頤
(
おとがひ
)
を
白
(
しろ
)
く、
淺葱
(
あさぎ
)
の
麻
(
あさ
)
の
葉
(
は
)
絞
(
しぼ
)
りの
半襟
(
はんえり
)
に
俯向
(
うつむ
)
いた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
薄
(
うつす
)
りと
淺葱
(
あさぎ
)
に、
朱鷺
(
とき
)
に、
其
(
そ
)
の
草
(
くさ
)
の
花
(
はな
)
を
綾
(
あや
)
に
織
(
お
)
つた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
淺
部首:⽔
11画
葱
漢検準1級
部首:⾋
12画
“淺葱”で始まる語句
淺葱色
淺葱服
淺葱絽
淺葱縮緬