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出來事
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できごと
しかしその
電燈の
光に
照らされた
夕刊の
紙面を
見渡しても、やはり
私の
憂鬱を
慰むべく
世間は
餘りに
平凡な
出來事ばかりで
持ち
切つてゐた。
勿論、
此樣事には
何も
深い
仔細のあらう
筈はない。つまり
偶然の
出來事には
相違ないのだが、
私は
何となく
異樣に
感じたよ。
翌朝彼は
激しき
頭痛を
覺えて、
兩耳は
鳴り、
全身には
只ならぬ
惱を
感じた。
而して
昨日の
身に
受けた
出來事を
思ひ
出しても、
恥しくも
何とも
感ぜぬ。
彼は
是程偶然な
出來事を
借りて、
後から
斷りなしに
足絡を
掛けなければ、
倒す
事の
出來ない
程強いものとは、
自分ながら
任じてゐなかつたのである。
醫者は
特別の
出來事がなければ
俥には
乘らないので、いつも
朴齒の
日和下駄で
短い
體躯をぽく/\と
運んで
行く。
愛ちやんは
此れを
左程に
驚きませんでした、
種々の
不思議な
出來事には
全然慣れて
了つて。それが
居た
所を
見て
居ますと、
突然復た
其れが
現はれました。
が、この
出來事は
私の
眠氣を
瞬間に
覺ましてしまつた。
闇の
中を
見透すと、
人家の
燈灯はもう
見えなくなつてゐた。F
町は
夢中で
通り
過ぎてしまつたのだつた。
その
亞米利加人が
母親から
言はれた
言葉を
引いて、あれが
自分の『
良心の
眼ざめ』だ、
自分が一
生の
中のどんな
出來事でもあんなに
深く
長續きのして
殘つたものはない
ヴェスヴィオ
噴火によるポムペイ
全滅の
慘事に
勝るとも
劣ることなきほどの
出來事であつた。
するとその
歸るさ、
私は
路を
急いでをりますと、
此の
鼻さきに
大きな
眞黒い
山のやうなものがふいと
浮上りました。
眼がくらくらツとして
體が
搖れました。まつたく
突然の
出來事です。
此夜のピアノの
響は、
今も
猶ほ
私の
耳に
殘つて、
※去の
出來事の
中で
最も
壯快な
事の一つに
數へられて
居るのである。
狹い
京都に
飽きた
宗助は、
單調な
生活を
破る
色彩として、さう
云ふ
出來事も百
年に一
度位は
必要だらうと
迄思つた。
今日貴樣達を
此處へ
集めたのは
外でもない。この
間N
原へ
行く
途中に
起つた
一つの
出來事に
對する
己の
所感を
話して
聞かせたいのだ。それは
其處にゐる
中根二
等卒のことだ。
彼等は
只朋輩と
共に
立つて
居ることより
外に「まち」というても
別に
目的もなければ
娯樂もないのである。
其れで
彼等は
少しでも
異つた
出來事を
見逃すことを
敢てしないのである。
宗助は
昨夕から
今朝へ
掛けての
出來事を
一通り
掻い
撮んで
話した
上、
文庫の
外に
何か
取られたものがあるかないかを
尋ねて
見た。
主人は
机の
上に
置いた
金時計を
一つ
取られた
由を
答へた。
間もなく
小隊は
隊形を
復して
動き
出した。が、
兵士達の
姿にはもう
疲れの
色も
眠たさもなかつた。
彼等は
偶然の
出來事に
變てこに
興奮して、
笑つたり
呶鳴つたり、
飛び
上つたりしてはしやいでゐた。