其内そのうち)” の例文
其内そのうちに和田三造さんと大隅さんとが平岡氏夫婦を案内して馬車をりるのが見えた。自分達もレスタウランを出て皆さんと一緒に成つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「だから、無理むりをしても、もう一二ヶげつところだけあはせるから、其内そのうちうかしてくださいと、やすさんがふんだつて」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其内そのうちるともなく父鬼村博士の陰謀に気付き、夜に昼をいでなげきかなしんだため、到頭とうとうひどく身体を壊してしまった。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いとまともならば彌々いよ/\病人びやうにん伯父おぢ心配しんぱいをかけ、痩世帶やせせたいに一日の厄介やくかいどくなり、其内そのうちにはと手紙てがみばかりをりて、此處こゝこゝろならずもおくりける。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すな喰止くひとまること出來でき齒輪車はぐるまは、一尺いつしやくすゝんではズル/″\、二三じやく掻上かきあがつてはズル/″\。其内そのうち車輪しやりん次第しだい々々にすなもれて、最早もはや一寸いつすんうごかなくなつた。
三人さんにん各自てんで手分てわけをして、会員くわいゝん募集ぼしうする事につた、学校にる者、ならび其以外それいぐわいの者をも語合かたらつて、惣勢そうぜい二十五にんましたらうか、其内そのうち過半くわはん予備門よびもんの学生でした
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
べつ仔細しさいもなかつたとえて、其内そのうちしづまつたが、※弟きやうだいちさうにもせず、まことにつねとほりに、すましてたにつて、あま不思議ふしぎおもうたから、其日そのひなんなくみなといて
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
小生は少年の頃隣家に住ひ居りし故く人品を存じ居候が、翁は実に迂人うじんにて世間利口に立廻る学者の様でなく誠に貴き所有之これある人なりき。其内そのうち閑を得たらんには一筆し置度存おきたくぞんじ候。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかし礼儀としても一度参上しなければなりません。いずれ其内そのうちとよろしくお伝え下さい
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「まだかない。其内そのうち電気にするつもりださうだ。洋燈ランプくらくて不可いかんね」とこたへてゐると、急に、洋燈ランプの事は忘れたと見えて
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
る/\うちに、大陸たいりくかげ名殘なごりなく、眼界がんかいそとせてしまうと、其内そのうちかぜはだん/\はげしくなつてて、はては印度洋インドやうで、著名なだい颶風タイフンかはつてしまつた。
そして「ロダンの承諾を得て其内そのうち御招待ごせうたいを致しますから必ず今一度らつしやい」と云はれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
其内そのうちこしはさんだ、煮染にしめたやうな、なへ/\の手拭てぬぐひいて克明こくめいきざんだひたひしはあせいて、親仁おやぢこれしといふ気組きぐみふたゝまへまはつたが、きうつて貧乏動びんぼうゆるぎもしないので
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今日こんにちになつて見ると、右の会員の変遷へんせんおどろもので、其内そのうち死亡しばうしたもの行方不明ゆくへふめいもの音信不通いんしんふつうものなどが有るが、知れてぶんでは、諸機械しよきかい輸入ゆにふ商会しやうくわいもの一人ひとり地方ちはう判事はんじ一人ひとり
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其内そのうちにはまた屹度きつとことがあつてよ。さう/\わることばかりつゞくものぢやないから」とをつとなぐさめるやうことがあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
見渡みわたかぎ雲煙うんゑん渺茫べうぼうたる大空おほぞら漂蕩へうたうして、西にしも、ひがしさだめなきいま何時いつ大陸たいりくたつして、何時いつ橄欖島かんらんたうおもむべしといふ目的あてもなければ、其内そのうち豫定よていの廿五にち
さうして巴里パリイへ来た当座も自動車の上の少女をとめ、劇場で見る貴婦人、街を歩く巴里女パリイジエンヌをやつぱりそんな気分で眺めて居た。生憎あいにく其内そのうちに隠れた方の事が自分の目に見え出して来た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
其内そのうち金港堂きんこうどう云々しか/″\の計画が有るとふ事が耳につた、其前そのぜんから達筆たつぴつ山田やまだが思ふやうに原稿げんかう寄来よこさんとあやしむべき事実が有つたので、捨置すておがたしと石橋いしばしわたしとで山田やまだあひきました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すべてをいて手元てもとのこつた有金ありがねは、やく二千ゑんほどのものであつたが、宗助そうすけ其内そのうち幾分いくぶんを、小六ころく學資がくしとして、使つかはなければならないといた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其内そのうちで野々宮さんは尤も多忙に見えた。部屋の入口に顔をした三四郎を、一寸ちよつと見て、無言むげんの儘近寄ちかよつてた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二人ふたりはしばらく時候の話をした。代助はすぐ三千代の様子を聞いて見たかつた。然しそれがう云ふものか聞きにくかつた。其内そのうち通例の挨拶もんで仕舞つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其内そのうちに時は段々うつつた。代助は断えず置時計のはりを見た。又のぞく様に、のきからそとあめを見た。あめは依然として、そらから真直まつすぐつてゐた。そらまへよりも稍くらくなつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其時何かの拍子で、気がゆるんで、其十円をくづして仕舞つた。実は今夜の会費も其内そのうちからてゐる。自分のばかりではない。与次郎のもそのうちからてゐる。あとには、漸やく二三円残つてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)