感謝かんしゃ)” の例文
感謝かんしゃするぞ、ローセンブーム、よく言ってくれた。そちはりっぱな人間じゃ、ローセンブーム。だが、そこにいるのは何者じゃ?」
先生は予がこのこうともないしをふか感謝かんしゃせらるるといえども、予の先生にうところ、かえってだいにしておおいしゃせざるべからざるものあり。
愛情にいのない楽しい生活の記憶だけが、むしろ会う人ごとに感謝かんしゃしたい思いで、一つ一つ、くっきりとうかびあがってくる。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
わたしはかれらを見つけて、一度はたいへんびっくりしたが、落ち着くと、わたしはぼうしを取って、かれらの賞賛しょうさん感謝かんしゃの意をひょうした。
わかいものたちは、平常へいぜい、おじいさんが、このとしになるまではたらいているのを、感謝かんしゃしていましたから、みんなが、くちをそろえて
銅像と老人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これにつきましては、当町長さまはじめ、警察けいさつの方々さま、当町有志ゆうしの皆々さまから一方ひとかたならぬご後援こうえんをいただき、一同感謝かんしゃにたえない次第しだい
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
きみのおかげで、さむさからも空腹くうふくからものがれることができたよ。そのうえ、おちついてたばこをすうことまでできたんだ。まったく感謝かんしゃするよ。
そのうしろ姿すがたを、咲耶子はたのもしい思いで見おくった。ああして、ずに、夜なか、あかつきもこの要害ようがいを見まわっている人々の忠実さに感謝かんしゃした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思わず赤くなったが、松江たち父子おやこには、はっきりひびかなかったらしく、ただ感謝かんしゃのまなざしでうけとられた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
大富おおとみからのびとと聞いたおまさは手のものをげだしてきた。懇切こんせつに使いの人のろう感謝かんしゃしたうえに、こまごまと死者のうえについての話を聞こうとする。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
そのおりわたくしとしましては感極かんきわまりて言葉ことばでず、せきなみだはらえもあえず、竜神りゅうじんさま、氏神うじがみさま、そのほか方々かたがたこころから感謝かんしゃのまことをささげたことでございました。
むろんそのかわり大いに成功したからとて、他人に感謝かんしゃする感情もないように見受ける。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「またばんに、お前さえよかったら、一しょに神様かみさま音楽おんがくをききに行こう。もっとほかのうたも歌ってあげよう。」そしてクリストフは、感謝かんしゃ気持きもちで一ぱいになって、おやすみの挨拶あいさつをしながら
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
モコウは富士男の手をかたくにぎったが、あとは感謝かんしゃの涙にむせんだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
純粋じゅんすい感謝かんしゃの念のこもったおじぎを一つボクリとして引退ひきさがってしまった。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
王様はそれを聞いて、おもてをふせて巨男おおおとこ謝罪しゃざいし、また感謝かんしゃしました。
巨男の話 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
かれはハバトフが昨日きのうのことはおくびにもさず、かつにもけていぬような様子ようすて、心中しんちゅう一方ひとかたならず感謝かんしゃした。こんな非文明的ひぶんめいてき人間にんげんから、かかる思遣おもいやりをけようとは、まった意外いがいであったので。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
オンドリは、僕にすがりついて、感謝かんしゃのことばをのべてくれた。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かれは、いろいろのところへ旅行りょこうもしましたが、こんないいところは、はじめてでした。いいところをあのひとおしえてくれたと感謝かんしゃしました。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは課業かぎょうつづけてやるようにかれに目くばせした。かれは注意を感謝かんしゃするように微笑びしょうした。そしてまた本を読み始めた。
そして、婦人が親切しんせつに答えてくれたことを感謝かんしゃして、じぶんはこれでやっと満足しました、と言った。
そのわたくし守護霊しゅごれい約束やくそくのとおり、しばしばわたくしもとおとずれて、いろいろと有難ありがた援助たすけあたえてくださいました。わたくしこころからわたくしのやさしい守護霊しゅごれい感謝かんしゃしてるものでございます。
と泣き虫の蛾次郎、じぶんのおでこをピシャリとたたいて、神さまに感謝かんしゃしたのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またせめては先生の生前せいぜんにおいて、予がいかにこの感泣かんきゅうすべきこの感謝かんしゃすべき熱心ねっしんと、いかにこの欣戴きんたいかざる衷情ちゅうじょうとをつぶさにいもいでずして今日に至りたるは、先生これをなんとか思われんなどと
しかしひるになると、また彼をばかにすることばかり考えて、感謝かんしゃの様子などはすこしも見せなかった。その上、クリストフはまだちいさかったので、善良ぜんりょうであるということの価値かちが十分にわからなかった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「みなでこの恩人おんじん感謝かんしゃしようじゃないか」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
また三にんこころからの感謝かんしゃは、しまひとたちにとどいて、かれらがふねってわかれるときには、むすめたちは、なみだながして見送みおくっていたのであります。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしはマチアがあたえてくれた助力に、どれほど感謝かんしゃしていたであろう。かれなしには、わたしはけっしてこんな大金をためることはできなかった。
ですから、この巨人きょじんは、ブレーキンゲの人たちから大いに感謝かんしゃされ、尊敬そんけいされてもいいわけです。
わたくしいまでもあれがわたくしにとりてなにより難有ありがた修行場しゅぎょうばであったと感謝かんしゃせずにはられませぬ。
やつれた女房にょうぼうは、感謝かんしゃなみだにぬれながら、濠端ほりばたをすごすごとった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあわれな人に対する感謝かんしゃ気持きもちがこみ上げてるのだった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
子供こどもは、「これだ! つばめが、おれに、くつのちていることをらしてくれたのだ。」と、ふかこころ感謝かんしゃしました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おまえさんがまたイギリスへ帰りたいと思うときには」とそのあくる朝、わたしたちがさようならを言って、かれの骨折ほねおりを感謝かんしゃすると、こう言った。
そして、よく戦傷徽章せんしょうきしょうをつけて、たずねてくれたと、ふかこころ感謝かんしゃしながら、じっとそのひとたのであります。
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれがわたしにものを教えてくれたことに対しては、わたしはひじょうに感謝かんしゃしていた。けれどもかれとくらすのと、アーサとこうしてくらすのとではとても比較ひかくにはならなかった。
英吉えいきちは、これらのちらちらする火影ほかげを、とおくからながめました。そして、しんせつな人々ひとびとこころづくしに感謝かんしゃしました。
海の踊り (新字新仮名) / 小川未明(著)
そう言うと、かれはわたしの手をつかんで、心から感謝かんしゃのキッスをした。
両親りょうしんは、この老人ろうじんが、とくたかひとだということをっていました。そして、そのしんせつをこころから感謝かんしゃしました。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
信吉しんきちは、ただ約束やくそくまもって、なすべきことをしたまでだとおもったが、こうして感謝かんしゃされると、自分じぶんからだがいくらあめにぬれてもうれしかったのであります。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
その乞食こじきは、たいそうよろこびました。そして、いくつもあたまげて、おばあさんのしんせつを感謝かんしゃしました。
千羽鶴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねんは、こころなかで、かおつきにもこころのやさしい乞食こじきだとおもって、あばたづらおとこ感謝かんしゃしていました。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こうなったのも、おばあさんのしてくだされたことだ。」と、むらひとはおばあさんに感謝かんしゃしました。そして、くろねことからすのくすりふくろくことにしました。
おばあさんと黒ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それは、しかたのないことかもしれないが、人間にんげんはそれらの犠牲ぎせいとなったものにたいして、感謝かんしゃしているだろうか。」と、ともだちは、さながらいきどおるごとくいいました。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねんは、いしうえにのこしてあったかみきれの文字もじると、旅人たびびと少年しょうねんのいったことをけっしてうそにはおもわなかったばかりか、ふかく、こころ感謝かんしゃしていたことがわかったのです。
その日から正直になった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうちに、はるになりました。ながふゆあいだじっとしていた草木そうもくは、よみがえって、そら緑色みどりいろに、あたたかなかぜきました。おじいさんは、そらかって、だまって感謝かんしゃしました。
いいおじいさんの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、毎日まいにち、だまって仕事しごとをしている人々ひとびとに、しん感謝かんしゃねんがわいたのでありました。
窓の内と外 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こんなに、わたしたちのことをおもってくださるのか。」と、こころのうちで感謝かんしゃしたのです。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けん一は、ただ、その厚情こうじょう感謝かんしゃしました。かれ負傷ふしょうしたことを故郷こきょうおやにも、老先生ろうせんせいにもらさなかったのです。孝経こうきょうなか身体髪膚受之父母しんたいはっぷこれをふぼにうく不敢毀傷孝之始也あえてきしょうせざるはこれこうのはじめなり。と、いってあった。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、おかあさんはたすかった。」と、ふかく、ふかかみさまに感謝かんしゃしていました。
一粒の真珠 (新字新仮名) / 小川未明(著)