“かんしゃ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
感謝72.4%
檻車15.5%
官舎3.4%
檻舎1.7%
監者1.7%
看者1.7%
瞰射1.7%
緩斜1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先生は予がこのこうともないしをふか感謝かんしゃせらるるといえども、予の先生にうところ、かえってだいにしておおいしゃせざるべからざるものあり。
彼が檻車かんしゃ江戸の死獄に送られんとするや、その諸妹に与えて曰く、「心あれや人の母たる人達よかからん事は武士もののふの常」と。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
半分こげたり、びしょびしょにぬれたりした焼け残りの荷物といっしょに、ぼくたち六人は小さなはなれでくらすことになった。御飯は三度三度官舎かんしゃの人たちが作って来てくれた。
火事とポチ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
監守スル者六、七人。げんトシテ檻舎かんしゃノ如シ。家君ソノ中央ニ坐ス。左右ニ書巻数冊、夷然いぜんトシテ詩ヲ賦スルコト前日ニ異ラズ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
賄賂がゆかなかったために、焦生は罪を得て雲南軍の卒伍そつごの中へ追いやられることになった。三人の監者かんしゃが焦生を送って、鳳凰庁下ほうおうちょうかの万山という山の中まで往った。
虎媛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
古今の浮世絵にして男女相愛のさまを描きしもの枚挙まいきょいとまあらず。然れども春信の板画の如く美妙に看者かんしゃの空想をうごかすものはまれなり。春信の板画は布局ふきょく設色せっしょく相共あいともに単純を極む。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして戦士が思うままにその背後に隠れ、あるいはそこから瞰射かんしゃし、またはその頂上にも上れるよう、内部には段をなして積み重ねた舗石しきいしが四列作られていた。
右手の緩斜かんしゃから前方にかけ、広大な地峡をなしていて、そこは見渡すかぎりの荒蕪こうぶ地だったが、その辺をよく注意してみると、峠の裾寄りのところに、わずかそれと見える一条の小径こみちわかれていた。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)