“かんじゃ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カンジャ
語句割合
患者34.5%
間者30.9%
冠者9.1%
細作7.3%
宦者7.3%
観者5.5%
奸邪1.8%
姦邪1.8%
看者1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「先生、一体この患者かんじゃはいつ頃まで持つ御見込みなんでしょう? もし長く持つようでしたら、私はお暇を頂きたいんですが。」
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
親類縁者といえども信用できず、又、信用しておらず、常時八方に間者かんじゃを派し、秘密外交、術策、陰謀は日常茶飯事さはんじだ。
家康 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
石巻の宿まであずけ置いたということだったが、そうだ、何といったかな、その宿の名は——そうそう、田代の冠者かんじゃで覚えている、田代屋というのだ、その石巻の田代屋というのへ
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
細作かんじゃの名手、放火つけびの上手、笛の名人、寝首掻きの巧者、熊坂長範くまさかちょうはん磨針太郎すりはりたろう壬生みぶの小猿に上越うえこすほどの、大泥棒もおりまするじゃ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
稿をつづけていくうちに、宦者かんじゃとか閹奴えんどとかいう文字を書かなければならぬところに来ると、彼は覚えずうめき声を発した。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
まさに富田流の鉄甲摧破てっこうくだき、受ければ受けた木剣は粉となって飛びそう、あっ——と思わず観者かんじゃの声が上ずる——その時、スッと新九郎の体がかわった。自斎の木剣がブンと耳を掠った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また故無きにあらず。兵馬の権、他人の手に落ち、金穀の利、一家の有たらずして、将帥しょうすい外におごり、奸邪かんじゃあいだに私すれば、一朝事有るに際しては、都城守るあたわず、宗廟そうびょうまつられざるに至るべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
前に歌った歌詞は自分を讃美していたので、今の歌が自分をさして暗に姦邪かんじゃ乱国らんごくの臣としているのも、気づかなかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしてひそかにおもう、その立論の旨おおいに古説と同じからざるあるをもって、看者かんじゃ胸中の先入を一洗するにあらずんば、おそらくはその真意の向うところを認めざらんことを。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)