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妻子
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さいし
ふりがな文庫
“
妻子
(
さいし
)” の例文
ここをやめたからとて、
妻子
(
さいし
)
をやしなってゆくくらいにこまりもせまいが、しかたがない、どうなるものか
益
(
えき
)
のない考えはよそう。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
『はゝゝゝゝ。
君
(
きみ
)
はまだ
私
(
わたくし
)
の
妻子
(
さいし
)
を
御存
(
ごぞん
)
じなかつたのでしたね。これは
失敬
(
しつけい
)
々々。』と
急
(
いそが
)
はしく
呼鈴
(
よびりん
)
を
鳴
(
な
)
らして、
入
(
いり
)
來
(
きた
)
つた
小間使
(
こまづかひ
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼は、親には早く死にわかれ、兄弟もなければ
妻子
(
さいし
)
もなく、
天涯孤独
(
てんがいこどく
)
の身の上だった。財産だけは、
親譲
(
おやゆず
)
りで相当のものが残されていた。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは親兄弟、
妻子
(
さいし
)
、
朋友
(
ほうゆう
)
のごときはもちろん敵ではないが、彼らが我々の心に
服
(
ふく
)
さぬことがあれば、その
不服
(
ふふく
)
の範囲において敵のごときものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その
老臣
(
ろうしん
)
は、
謹
(
つつし
)
んで
天子
(
てんし
)
さまの
命
(
めい
)
を
奉
(
ほう
)
じて、
御前
(
ごぜん
)
をさがり、
妻子
(
さいし
)
・
親族
(
しんぞく
)
・
友人
(
ゆうじん
)
らに
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げて、
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
って、
東
(
ひがし
)
を
指
(
さ
)
して
旅立
(
たびだ
)
ちいたしましたのであります。
不死の薬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
成程
(
なるほど
)
、
一日
(
いちにち
)
の苦
闘
(
とう
)
に
疲
(
つか
)
れて
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
ツて來る、
其處
(
そこ
)
には
笑顏
(
ゑがほ
)
で
迎
(
むか
)
へる
妻子
(
さいし
)
がある、
終日
(
しうじつ
)
の
辛勞
(
しんらう
)
は
一杯
(
いつぱい
)
の
酒
(
さけ
)
の
爲
(
ため
)
に、
陶然
(
たうぜん
)
として
酔
(
え
)
ツて、
全
(
すべ
)
て人生の
痛苦
(
つうく
)
を
忘
(
わす
)
れて了ふ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
妾と夫婦の契約をなしたる葉石は、いうまでもなく、
妻子
(
さいし
)
眷属
(
けんぞく
)
を
国許
(
くにもと
)
に
遺
(
のこ
)
し置きたる人々さえ、様々の口実を設けては
賤妓
(
せんぎ
)
を
弄
(
もてあそ
)
ぶを
恥
(
はじ
)
とせず、
終
(
つい
)
には磯山の如き
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
客
(
きやく
)
は
結城朝之助
(
ゆふきとものすけ
)
とて、
自
(
みづか
)
ら
道樂
(
だうらく
)
ものとは
名
(
な
)
のれども
實体
(
じつてい
)
なる
處
(
ところ
)
折々
(
をり/\
)
に
見
(
み
)
えて
身
(
み
)
は
無職業
(
むしよくげふ
)
妻子
(
さいし
)
なし、
遊
(
あそ
)
ぶに
屈強
(
くつきやう
)
なる
年頃
(
としごろ
)
なればにや
是
(
こ
)
れを
初
(
はじ
)
めに一
週
(
しゆう
)
には二三
度
(
ど
)
の
通
(
かよ
)
ひ
路
(
ぢ
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
吾
(
われ
)
らは平和なる家庭の主人として、少くとも衣食の満足を、吾らと吾らの
妻子
(
さいし
)
とに与えんがために、この相撲に等しいほどの緊張に甘んじて、
日々
(
にちにち
)
自己と世間との間に
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
若
(
も
)
しミツシヨンより金を
貰
(
もら
)
ふ
事
(
こと
)
が
精神上
(
せいしんじやう
)
彼
(
かれ
)
と
彼
(
かれ
)
の
教会
(
けうくわい
)
の上に
害
(
がい
)
ありと
信
(
しん
)
ずれば
直
(
たゞち
)
に之を
絶
(
た
)
つにあり、我れ
饑
(
う
)
ゆるとも可なり、我の
妻子
(
さいし
)
にして
路頭
(
ろとう
)
に
迷
(
まよ
)
ふに至るも我は
忍
(
しの
)
ばん
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
脚に疵あるは
天譴
(
てんけん
)
を
蒙
(
かうむ
)
る
所以
(
ゆゑん
)
、或は天譴を蒙れりと思ひ得る
所以
(
ゆゑん
)
なるべし、されど我は
妻子
(
さいし
)
を殺し、彼は家すら焼かれざるを見れば、誰か又
所謂
(
いはゆる
)
天譴の不公平なるに驚かざらんや。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
獄
(
ごく
)
から
歸
(
かへ
)
つて見ると石がない、
雲飛
(
うんぴ
)
は妻を
罵
(
のゝし
)
り
子
(
こ
)
を
毆
(
う
)
ち、
怒
(
いかり
)
に
怒
(
いか
)
り、
狂
(
くる
)
ひに
狂
(
くる
)
ひ、
遂
(
つひ
)
に
自殺
(
じさつ
)
しようとして
何度
(
なんど
)
も
妻子
(
さいし
)
に
發見
(
はつけん
)
されては自殺することも
出來
(
でき
)
ず、
懊惱
(
あうなう
)
煩悶
(
はんもん
)
して居ると、一夜
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
被害者
(
ひがいしゃ
)
刈谷音吉老人
(
かりやおときちろうじん
)
は、もと
高利貸
(
こうりか
)
しでへんくつで、
昼日中
(
ひるひなか
)
でも
門
(
もん
)
に
締
(
しま
)
りをしていて、
呼
(
よび
)
りんを
押
(
お
)
さないと、
人
(
ひと
)
を
門内
(
もんない
)
へ
通
(
とお
)
さなかつたというほどに
用心
(
ようじん
)
ぶかく、それに
妻子
(
さいし
)
はなく
女中
(
じょちゅう
)
もおかず
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
そんなのは
篤
(
とく
)
と
産土神様
(
うぶすなのかみさま
)
に
伺
(
うかが
)
いまして、
差支
(
さしつかえ
)
のないものにはできる
丈
(
だけ
)
話
(
はなし
)
が
纏
(
まと
)
まるように
骨
(
ほね
)
を
折
(
お
)
ってやりますが、ひょっとすると、
妻子
(
さいし
)
のある
男
(
おとこ
)
と一
緒
(
しょ
)
になりたいとか、
又
(
また
)
人妻
(
ひとづま
)
と
添
(
そ
)
はしてくれとか
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
宜敷
御廻
(
おまは
)
り下さるべし是のみ
心懸
(
こゝろがか
)
り故
縁者
(
えんじや
)
同樣の
貴殿
(
きでん
)
なれば此事頼み置なり
又
(
また
)
妻子
(
さいし
)
のことも
宜
(
よろし
)
くお
世話下
(
せわくだ
)
されよと
遺言
(
ゆゐごん
)
なし夫より
悴
(
せがれ
)
吉三郎に向ひ利兵衞殿
娘
(
むすめ
)
お菊は
其方
(
そなた
)
と
胎内
(
たいない
)
より
云號
(
いひなづけ
)
せしに付利兵衞殿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
な
)
んと
奇妙
(
きめう
)
ではありませんか、これ
等
(
ら
)
が
天
(
てん
)
の
紹介
(
ひきあはせ
)
とでも
云
(
い
)
ふものでせう、
實
(
じつ
)
は
私
(
わたくし
)
の
妻子
(
さいし
)
も、
今夜
(
こんや
)
の
弦月丸
(
げんげつまる
)
で
日本
(
につぽん
)
へ
皈國
(
かへり
)
ますので。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
糟谷
(
かすや
)
はこう考えながら、自分には子どもがふたりあるということを
強
(
つよ
)
く感じて、心持ちよく
眠
(
ねむ
)
っている
妻子
(
さいし
)
をかえりみた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
妻子
(
さいし
)
の死を聞いた俊寛は、千鳥を船に乗せる為に、
妹尾太郎
(
せのをたらう
)
を殺してしまふ。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
伸一先生
(
しんいちせんせい
)
は
給料
(
きふれう
)
を
月
(
つき
)
十八
圓
(
ゑん
)
しか
受取
(
うけと
)
りません、それで
老母
(
らうぼ
)
と
妻子
(
さいし
)
、一
家
(
か
)
六
人
(
にん
)
の
家族
(
かぞく
)
を
養
(
やしな
)
ふて
居
(
ゐ
)
るのです。
家産
(
かさん
)
といふは
家屋敷
(
いへやしき
)
ばかり、これを
池上權藏
(
いけがみごんざう
)
の
資産
(
しさん
)
と
比
(
くら
)
べて
見
(
み
)
ると
百分一
(
ひやくぶんのいち
)
にも
當
(
あた
)
らないのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
守られよと云ひ捨て我が方へ歸り
妻子
(
さいし
)
にも此ことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
妻子
(
さいし
)
を
振
(
ふ
)
り
捨
(
す
)
てて、
奮然
(
ふんぜん
)
学問のしなおしをやってみようかしら、そんならばたしかに人をおどろかすにたるな。やってみようか、おもしろいな
奮然
(
ふんぜん
)
やってみようか。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
日本の
戯曲家
(
ぎきょくか
)
や小説家は、——殊に彼の友だちは
惨憺
(
さんたん
)
たる
窮乏
(
きゅうぼう
)
に安んじなければならぬ。
長谷正雄
(
はせまさお
)
は酒の代りに電気ブランを飲んでいる。
大友雄吉
(
おおともゆうきち
)
も
妻子
(
さいし
)
と一しょに三畳の二階を借りている。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『え、
君
(
きみ
)
の
細君
(
さいくん
)
と
御子息
(
ごしそく
)
⁈』と
私
(
わたくし
)
は
意外
(
いぐわい
)
に
※
(
さけ
)
んだ。十
年
(
ねん
)
も
相
(
あひ
)
見
(
み
)
ぬ
間
(
あひだ
)
に、
彼
(
かれ
)
に
妻子
(
さいし
)
の
出來
(
でき
)
た
事
(
こと
)
は
何
(
なに
)
も
不思議
(
ふしぎ
)
はないが、
實
(
じつ
)
は
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで
知
(
し
)
らなんだ、
况
(
いは
)
んや
其人
(
そのひと
)
が
今
(
いま
)
本國
(
ほんごく
)
へ
皈
(
かへ
)
るなどゝは
全
(
まつた
)
く
寢耳
(
ねみゝ
)
に
水
(
みづ
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
高手小手に
警
(
いまし
)
めて
妻子
(
さいし
)
の
泣
(
なく
)
をも
構
(
かま
)
はゞこそ四方を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
良平は二十六の年、
妻子
(
さいし
)
と一しょに東京へ出て来た。今では或雑誌社の二階に、校正の
朱筆
(
しゅふで
)
を握っている。が、彼はどうかすると、全然何の理由もないのに、その時の彼を思い出す事がある。
トロッコ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“妻子”で始まる語句
妻子眷族
妻子眷属
妻子珍寶及王位