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もし
ふりがな文庫
“
萬一
(
もし
)” の例文
新字:
万一
勘次
(
かんじ
)
はお
品
(
しな
)
が
病氣
(
びやうき
)
に
罹
(
かゝ
)
つたのだといふのを
聞
(
き
)
いて
萬一
(
もし
)
かといふ
懸念
(
けねん
)
がぎつくり
胸
(
むね
)
にこたへた。さうして
反覆
(
くりかへ
)
してどんな
鹽梅
(
あんばい
)
だと
聞
(
き
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見合
(
みあは
)
せ文藏樣は只一人の御子と云那程までに
御執心
(
ごしふしん
)
の事なれば彼女を
請出
(
うけいだ
)
し御
嫁
(
よめ
)
になされて然べし
欠替
(
かけがへ
)
のなき御子の事
萬一
(
もし
)
御
不了簡抔
(
ふれうけんなど
)
あらば何と
成
(
なさ
)
れ候や
爰
(
こゝ
)
の所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
素
(
もと
)
より
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
に
約束
(
やくそく
)
の
覺
(
おぼ
)
えなく
増
(
ま
)
して
操
(
みさほ
)
の
立
(
た
)
てやうもなけれど、
何處
(
どこ
)
とも
知
(
し
)
らず
染
(
そ
)
みたる
思
(
おも
)
ひは
此身
(
このみ
)
ある
限
(
かぎ
)
り
忘
(
わす
)
れ
難
(
がた
)
ければ、
萬一
(
もし
)
かの
教授
(
けうじゆ
)
さま
達
(
たつ
)
て
妻
(
つま
)
にと
仰
(
おほ
)
せのあらば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
持
(
もつ
)
て早立せし故
萬一
(
もし
)
もの事でも有りしかと立たり居たりする體は
實心
(
じつしん
)
とこそ
見
(
みえ
)
にけれ
稍
(
やゝ
)
有
(
あつ
)
て申けるは病中にて難儀には候へども
捨置
(
すておか
)
れねば
直
(
すぐ
)
に
押
(
おし
)
ても
罷
(
まか
)
り出んと
支度
(
したく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
奇麗
(
きれい
)
な
嫁
(
よめ
)
さんを
貰
(
もら
)
つて
連
(
つ
)
れて
歩
(
ある
)
くやうに
成
(
な
)
るのだがなあ、
己
(
おい
)
らは
何
(
なん
)
でも
奇麗
(
きれい
)
のが
好
(
す
)
きだから、
煎餅
(
せんべい
)
やのお
福
(
ふく
)
のやうな
痘痕
(
みつちや
)
づらや、
薪
(
まき
)
やのお
出額
(
でこ
)
のやうなのが
萬一
(
もし
)
來
(
こ
)
ようなら
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
察
(
み
)
る時は必ず其
眞僞
(
しんぎ
)
現
(
あらは
)
るゝと
宜
(
むべ
)
なる哉然れ共
萬一
(
もし
)
庸人
(
ようじん
)
の奉行となりて
強情
(
がうじやう
)
奸曲
(
かんきよく
)
の者を調べるに於てを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
宜
(
よ
)
いと
覺
(
おぼ
)
しめさばお
取極
(
とりき
)
め
下
(
くだ
)
さりませ、
此家
(
こゝ
)
は
貴郎
(
あなた
)
のお
家
(
うち
)
で
御座
(
ござ
)
りまする
物
(
もの
)
、
何
(
なん
)
となり
思
(
おぼ
)
しめしのまゝにと
安
(
やす
)
らかには
言
(
い
)
ひながら、
萬一
(
もし
)
その
子
(
こ
)
にて
有
(
あ
)
りたらばと
無情
(
つれなき
)
おもひ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此思
(
このおも
)
ひ
通
(
つう
)
じさへせば
此心
(
このこヽろ
)
安
(
やす
)
かるべしと
願
(
ねが
)
ふは
淺
(
あさ
)
し、
入立
(
いりた
)
つまヽに
欲
(
よく
)
は
増
(
ま
)
さりて、はてなき
物
(
もの
)
は
戀
(
こひ
)
なりとかや、
敏
(
さとし
)
はじめての
艷書
(
ふみ
)
に
心
(
こヽろ
)
をいためて、
萬一
(
もし
)
落
(
お
)
ち
散
(
ち
)
りもせば
罪
(
つみ
)
は
我
(
わ
)
れのみならず
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
埒
(
らち
)
もなく
万年青
(
おもと
)
の
葉
(
は
)
あらひ、さては
芝生
(
しばふ
)
を
這
(
は
)
つて
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
拾
(
ひろ
)
ふ
姿
(
すがた
)
、
我
(
われ
)
ながら
見
(
み
)
られた
体
(
てい
)
でなく、これを
萬一
(
もし
)
も
學友
(
とも
)
などに
見
(
み
)
つけられなばと、
心
(
こヽろ
)
笹原
(
さヽはら
)
をはしりて、
門外
(
もんぐわい
)
の
用事
(
ようじ
)
を
兎角
(
とかく
)
に
厭
(
いと
)
へば
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
煎餅やのお福のやうな
痘痕
(
みつちや
)
づらや、薪やのお
出額
(
でこ
)
のやうなが
萬一
(
もし
)
來ようなら、直さま追出して家へは入れて遣らないや、己らは
痘痕
(
あばた
)
と
濕
(
しつ
)
つかきは大嫌ひと力を入れるに、
主人
(
あるじ
)
の女は吹出して
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其方
(
そなた
)
に
有
(
あ
)
らば
重疊
(
ちようでう
)
の
喜
(
よろこ
)
びなれど
萬一
(
もし
)
いよ/\
出來
(
でき
)
ぬ
物
(
もの
)
ならば、
今
(
いま
)
より
貰
(
もら
)
うて
心
(
こゝろ
)
に
任
(
まか
)
せし
教育
(
きやういく
)
をしたらばと
是
(
こ
)
れを
明
(
あけ
)
くれ
心
(
こゝろ
)
がくれども、
未
(
いま
)
だに
良
(
よ
)
きも
見當
(
みあた
)
らず、
年
(
とし
)
たてば
我
(
わ
)
れも
初老
(
はつおひ
)
の四十の
坂
(
さか
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
萬一
(
もし
)
身
(
み
)
にそぐなはぬ
事
(
こと
)
ならばと
案
(
あん
)
じられまして、
此事
(
このこと
)
をおもふに
今宵
(
こよひ
)
の
淋
(
さび
)
しき
事
(
こと
)
、
居
(
い
)
ても
起
(
た
)
ちてもあられぬほどの
情
(
なさけ
)
なさより、
言
(
い
)
ふてはならぬと
存
(
ぞん
)
じましたれど、
遂
(
つ
)
ひ
此樣
(
このやう
)
に
申上
(
まうしあげ
)
て
仕舞
(
しまひ
)
ました
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さは
言
(
い
)
へど
知
(
し
)
りがたきが
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
なれば
令孃
(
ひめ
)
にも
惡
(
わろ
)
き
虫
(
むし
)
などありて、
其身
(
そのみ
)
も
行
(
ゆ
)
きたく
親
(
おや
)
も
遣
(
や
)
りたけれど
嫁入
(
よめい
)
りの
席
(
せき
)
に
落花
(
らつくわ
)
の
狼藉
(
らうぜき
)
を
萬一
(
もし
)
と
氣
(
き
)
づかへば、
娘
(
むすめ
)
の
耻
(
はぢ
)
も
我
(
わ
)
が
耻
(
はぢ
)
も
流石
(
さすが
)
に
子爵
(
ししやく
)
どの
宜
(
よ
)
く
隱
(
か
)
くして
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さることなれど
御病氣
(
ごびやうき
)
にでも
萬一
(
もし
)
ならば
取
(
とり
)
かへしのなるべきならず
主
(
ぬし
)
は
誰人
(
たれびと
)
えぞ
知
(
し
)
らねど
此戀
(
このこひ
)
なんとしても
叶
(
かな
)
へ
參
(
まゐ
)
らせたし
孃
(
ぢやう
)
さまほどの
御身
(
おんみ
)
ならば
世界
(
せかい
)
に
苦
(
く
)
もなく
憂
(
うれ
)
ひもなく
御心安
(
おこゝろやす
)
くあるべき
筈
(
はず
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
描
(
ゑが
)
かぬ
畫
(
ゑ
)
もおなじ
事
(
こと
)
御覽
(
ごらん
)
じ
知
(
し
)
る
筈
(
はず
)
もあらねば
萬一
(
もし
)
やの
頼
(
たの
)
みも
無
(
な
)
きぞかし
笑
(
わら
)
はるゝか
知
(
し
)
らねども
思
(
おも
)
ひ
初
(
そめ
)
し
最初
(
はじめ
)
より
此願
(
このねが
)
ひ
叶
(
かな
)
はずは一
生
(
しやう
)
一人
(
ひとり
)
で
過
(
す
)
ぐす
心
(
こゝろ
)
憂
(
う
)
きに
送
(
おく
)
る
月日
(
つきひ
)
のほどに
思
(
おも
)
ひこがれて
死
(
し
)
ねばよし
命
(
いのち
)
が
若
(
も
)
しも
無情
(
つれな
)
くて
如何
(
いか
)
に
美
(
う
)
るは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
便
(
たよ
)
りまつ
間
(
ま
)
の
一日
(
ひとひ
)
二日
(
ふたひ
)
嬉
(
うれ
)
しきやうな
氣
(
き
)
づかひな
八重
(
やへ
)
に
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
入
(
い
)
らぬものゝ
又
(
また
)
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
すかと
思
(
おも
)
はるゝも
恥
(
はづ
)
かしくじつと
堪
(
こら
)
ゆる
返事
(
へんじ
)
の
安否
(
あんぴ
)
もしやと
思
(
おも
)
へば
萬一
(
もし
)
やになるなり
八重
(
やへ
)
は
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
と
受合
(
うけあ
)
へど
夫
(
それ
)
は
氣
(
き
)
やすめの
詞
(
ことば
)
なるべし
彼
(
あ
)
の
文
(
ふみ
)
とても
御受取
(
おうけとり
)
になりしやならずや
其塲
(
そのば
)
で
其
(
その
)
ま〻
御突
(
おつ
)
き
戻
(
もど
)
しになりたるを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
萬
部首:⾋
12画
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
“萬”で始まる語句
萬
萬事
萬物
萬歳
萬屋
萬燈
萬端
萬筋
萬年青
萬葉集