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洗濯
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せんたく
ふりがな文庫
“
洗濯
(
せんたく
)” の例文
「上野ですか、ハイおツリでちゅ」ぐらいならよいが、家の中を飛び廻って
裁縫
(
さいほう
)
する妻、
洗濯
(
せんたく
)
している女中にも、一々聞いてまわる。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
あらまあ
(
オウ・マイ
)
と鼻の穴から発声する
亜米利加
(
アメリカ
)
女が、
肌着
(
はだぎ
)
を
洗濯
(
せんたく
)
したことのない
猶太
(
ユダヤ
)
人が、しかし、
仏蘭西
(
フランス
)
人だけは長い航海を
軽蔑
(
けいべつ
)
して
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
家の南側に、
釣瓶
(
つるべ
)
を伏せた井戸があるが、十時ころになると、天気さえよければ、細君はそこに
盥
(
たらい
)
を持ち出して、しきりに
洗濯
(
せんたく
)
をやる。
少女病
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの
洗濯
(
せんたく
)
でもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに
逢
(
あ
)
うのも精神的娯楽ですか」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「しいちやんのは鬼の留守に
洗濯
(
せんたく
)
ぢやなくて、淋しくなつてたまらないから、私のやうなものを思ひ出して來てくれたんだらう」
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
ゆい子は家事に慣れないようすで、めしの
炊
(
た
)
きかたもうまくないし、
拭
(
ふ
)
き掃除や
洗濯
(
せんたく
)
なども、時間ばかりかかってとんと片づかなかった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
子供のときから何かといえば
跣足
(
はだし
)
になりたがった。冬でも
足袋
(
たび
)
をはかず、夏はむろん、
洗濯
(
せんたく
)
などするときは
決
(
きま
)
っていそいそと下駄をぬいだ。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
ある時、故郷を流れている川の南辺へ行って、
洗濯
(
せんたく
)
をしていると、折から荷物を積んだ船が通りかかった。船の人々がこの女をからかった。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
家の前の
栗
(
くり
)
の木の列は変に青く白く見えて、それがまるで風と雨とで今
洗濯
(
せんたく
)
をするとでもいうように激しくもまれていました。
風の又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
食事や
洗濯
(
せんたく
)
の世話などしてくれる家族の隣りに住み、池を前に、違い
棚
(
だな
)
、床の間のついた部屋から、毎日宮司のつとめに
通
(
かよ
)
っているらしい。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
其
(
そ
)
れが
凉
(
すゞ
)
しい
夏
(
なつ
)
の
夜
(
よ
)
で
女
(
をんな
)
が
男
(
をとこ
)
を
待
(
ま
)
つ
時
(
とき
)
には
毎日
(
まいにち
)
汗
(
あせ
)
に
汚
(
よご
)
れ
易
(
やす
)
いさうして
其
(
そ
)
の
飾
(
かざ
)
りでなければ
成
(
な
)
らぬ
手拭
(
てぬぐひ
)
の
洗濯
(
せんたく
)
に
暇
(
ひま
)
どるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
でなくもハナァがパンを燒いたりパイを
捏
(
こ
)
ねたりお
洗濯
(
せんたく
)
をしたりアイロンをかけたりしてゐる時に自分達で御飯の支度をするつてこともね。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
受し者なればお里のお豐は
洗濯
(
せんたく
)
をし又惣内の甚兵衞は
日傭
(
ひよう
)
に
駈歩行
(
かけあるき
)
手紙使
(
てがみづかひ
)
や
土
(
つち
)
こね
草履
(
ざうり
)
取又は
荷物
(
にもつ
)
を
擔
(
かつ
)
ぎ何事に依ず
追取稼
(
おつとりかせぎ
)
を爲し漸々其日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それまで或病院の薬剤師だつたのですが、おとうさんが出征されると、おかあさんがその病院の
洗濯
(
せんたく
)
や、掃除の仕事で働くやうになりました。
母子ホームの子供たち
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
その間、衣類のことなんかには
構
(
かま
)
っていられないだろう。そう考えて私は、せっせと
洗濯
(
せんたく
)
をしたり、縫い直しものをしたりして、時を待った。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
眼
(
め
)
の楽しみ命の
洗濯
(
せんたく
)
、息のあるうちに見ていかつしやれ。天気はよし、風はなし、あれ/\シャボン玉が飛ぶわ、飛ぶわ。
シャボン玉
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
与吉の家内はいつも勝手の手伝いに来るので、
張物
(
はりもの
)
や
洗濯
(
せんたく
)
も上手にします。人の
噂
(
うわさ
)
では、商売をしていたとかいいました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
ごめんどうですがね、あす定期検閲な所が今度は室内の
整頓
(
せいとん
)
なんです。ところが
僕
(
ぼく
)
は
整頓風呂敷
(
せいとんぶろしき
)
を
洗濯
(
せんたく
)
しておくのをすっかり忘れてしまってね。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「そうさ、さっきいた
松
(
まつ
)
の木の
枝
(
えだ
)
に
引
(
ひ
)
っかけて
干
(
ほ
)
してあるのさ。
何
(
なに
)
しろ
生
(
い
)
き
肝
(
ぎも
)
というやつは
時々
(
ときどき
)
出
(
だ
)
して、
洗濯
(
せんたく
)
しないと、よごれるものだからね。」
くらげのお使い
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
娘
(
むすめ
)
の花子さんは十五
歳
(
さい
)
でしたか、
豊頬黒瞳
(
ほうきょうこくとう
)
、まめまめしく、ぼく達の
汚
(
よご
)
れ物の
洗濯
(
せんたく
)
などしてくれる、
可愛
(
かわい
)
らしさでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
畑の仕事や
洗濯
(
せんたく
)
や車曳きなどもいたします。昨夜はバケツを携げてお豆腐を買いに十町もある店まで行きました。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
家の中のことはすべて一人でやった、寝所をこしらえ、
室
(
へや
)
を片付け、
洗濯
(
せんたく
)
をし、料理をし、雨の日も天気の日も、何でも手当たりしだいにやってのけた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そういう恐ろしい状態のうちに彼はじっとしていた、一世紀ほども長く思われた間——とついに扉が開いて、手に
洗濯
(
せんたく
)
物の
籠
(
かご
)
を持ったルイザがはいって来た。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
魔法つかひの爺さんは古い
洗濯
(
せんたく
)
だらひと六粒のお豆とを、火の竜にひかせた車にすることができるのです。
虹猫の大女退治
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
私
(
わたし
)
は
下
(
した
)
へ
下
(
お
)
りた。——
家内
(
かない
)
は
髮
(
かみ
)
を
結
(
ゆ
)
ひに
出掛
(
でか
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
女中
(
ぢよちう
)
は
久
(
ひさ
)
しぶりのお
天氣
(
てんき
)
で
湯殿口
(
ゆどのぐち
)
に
洗濯
(
せんたく
)
をする。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
母
(
かあ
)
さんは、お
勝手
(
かって
)
や、
洗濯
(
せんたく
)
をなさるときには、
細
(
こま
)
かいこうしじまのエプロンを
着
(
き
)
ていなさいました。
はてしなき世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
春琴居常
潔癖
(
けっぺき
)
にしていささかにても
垢
(
あか
)
着きたる物を
纏
(
まと
)
わず、
肌着
(
はだぎ
)
類は毎日
取換
(
とりか
)
えて
洗濯
(
せんたく
)
を命じたりき。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのこちらが軍用の船着広場で、中央に中世紀の塔に似た放水塔があり、それに群れて水をくんだり
洗濯
(
せんたく
)
したりしている兵たちの姿が見えた。そして油を流したような海。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
それから眼を黒い管につたわらせて下方におろして行くと、ゴム管のさきが
洗濯
(
せんたく
)
バサミではさんである。洗濯物を
乾
(
ほ
)
すときに使う、あのバネのついた木製の洗濯バサミである。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
下着の破れを大あぐら
掻
(
か
)
いて繕い、また
井戸端
(
いどばた
)
にしゃがんでふんどしの
洗濯
(
せんたく
)
などは、御不浄の仕末以上にもの悲しく、殊勝らしくお経をあげてみても、このお経というものも
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
わずかにデッキの上でバタバタと、その切れっ
端
(
ぱじ
)
が
洗濯
(
せんたく
)
したおしめのように振れていた。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
母
(
はゝ
)
さんと
言
(
い
)
ふは
目
(
め
)
の
惡
(
わ
)
るい
人
(
ひと
)
だから
心配
(
しんぱい
)
をさせないやうに
早
(
はや
)
く
締
(
しま
)
つてくれゝば
宜
(
い
)
いが、
私
(
わたし
)
はこれでも
彼
(
あ
)
の
人
(
ひと
)
の
半纒
(
はんてん
)
をば
洗濯
(
せんたく
)
して、
股引
(
もゝひき
)
のほころびでも
縫
(
ぬ
)
つて
見
(
み
)
たいと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
るに
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
爺さんは山へ薪かりに、媼さんは川へ
洗濯
(
せんたく
)
に行きました。……媼さんがじゃぶじゃぶ洗濯をしていますと、川上の方から大きな桃が二つ、どんぶらこ、どんぶらこと流れて来ました。
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
私は
蛙
(
かえる
)
のように自由に臓腑を取り出す事が出来たら如何に便利な事かと思う、そして水道の水で
洗濯
(
せんたく
)
してちょっとした破れは
妻君
(
さいくん
)
に縫わせて、もとへ収め込むという風にしたいものだ。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
芸者の昼の時間もそう
閑
(
ひま
)
ではなく、主人の居間から自分たちの寝る処の拭き掃除に、
洗濯
(
せんたく
)
もしなければならず、お稽古も時には
長唄
(
ながうた
)
に
常磐津
(
ときわず
)
、小唄といったふうに、二軒くらいは行き
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
木綿及び麻織物
洗濯
(
せんたく
)
。ハンケチ、前掛、
足袋
(
たび
)
、
食卓
(
テエブル
)
掛、ナプキン、レエス、……
たね子の憂鬱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
命
(
いのち
)
の
洗濯
(
せんたく
)
」「
命
(
いのち
)
の
鍛錬
(
たんれん
)
」「旅行日記」「目ざまし草」「関牧場創業記事」「
斗満
(
とまむ
)
漫吟
(
まんぎん
)
」をまとめて一
冊
(
さつ
)
とした「命の洗濯」は、明治四十五年の三月中旬東京
警醒社書店
(
けいせいしゃしょてん
)
から発行された。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と君子さんが
血相
(
けっそう
)
を変えて
注進
(
ちゅうしん
)
した。お風呂場で
洗濯
(
せんたく
)
をしていたお母さんは
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
歌子は裁縫や
洗濯
(
せんたく
)
を彼女の家に頼んで、
割
(
わり
)
のよい価を支払らっていた。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
貴
(
たつと
)
き事もあり、
哀
(
あは
)
れなる事もあり、少しは
空物語
(
そらものがたり
)
もあり、
利口
(
りこう
)
なる事もありと
前文
(
ぜんぶん
)
に
記
(
しる
)
し
置
(
お
)
かれたり、
竹取物語
(
たけとりものがたり
)
、
宇津保物語
(
うつぼものがたり
)
は
噺
(
はなし
)
の
父母
(
ちゝはゝ
)
にして、
夫
(
それ
)
より
下
(
しも
)
つ
方
(
かた
)
に
至
(
いた
)
りては、
爺
(
ぢゞ
)
は山へ、
婆
(
ばゞ
)
は川へ
洗濯
(
せんたく
)
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その食卓掛けのよく
洗濯
(
せんたく
)
してあるけれど色がひどく
剥
(
は
)
げちょろになっているのや、アルミニウムの
珈琲沸
(
コオフィイわか
)
しの古くて立派だけれどその手がとれかかっていると見えて不細工に針金でまいてあるのや
恢復期
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「あの、お
竹
(
たけ
)
どんは裏で
洗濯
(
せんたく
)
をしているのでございます」
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
媼
(
ばゞ
)
は
洗濯
(
せんたく
)
の
河
(
かは
)
にて、
拾
(
ひろ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
下女は
先刻
(
さっき
)
洗濯
(
せんたく
)
石鹸
(
シャボン
)
を買いに出た。細君は
憚
(
はばか
)
りである。すると取次に出べきものは吾輩だけになる。吾輩だって出るのはいやだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのうちに、
雀
(
すずめ
)
の
好
(
す
)
きなお
家
(
うち
)
の
前
(
まへ
)
には
竹
(
たけ
)
の
子
(
こ
)
が
生
(
は
)
えて
來
(
き
)
ました。
母
(
かあ
)
さまのお
洗濯
(
せんたく
)
する
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ますと、そこにも
竹
(
たけ
)
の
子
(
こ
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
てゐました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ガラツ八の八五郎、横つ飛びに路地を突つきつて、庭口から
洗濯
(
せんたく
)
物をかきわけながら、バアと縁側へ顏を出しました。
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
おばあさんが川でぼちゃぼちゃ
洗濯
(
せんたく
)
をしていますと、
向
(
む
)
こうから大きな
瓜
(
うり
)
が一つ、ぽっかり、ぽっかり、
流
(
なが
)
れて
来
(
き
)
ました。おばあさんはそれを
見
(
み
)
て
瓜子姫子
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
させても役に立ける此感應院は兼てよりお
三婆
(
さんばゝ
)
とは
懇意
(
こんい
)
にしけるが或時寶澤を
呼
(
よび
)
て申けるは
其方
(
そち
)
の
行衣
(
ぎやうえ
)
其外とも
垢
(
あか
)
付
(
つき
)
し物を
持
(
もち
)
お三婆の方へ參り
洗濯
(
せんたく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ときにはあねさまかぶりに
襷
(
たすき
)
をかけ、
裾
(
すそ
)
を
端折
(
はしょ
)
ったままで、——たぶん
洗濯
(
せんたく
)
かなんかしていたのだろうが、——あたふたと土堤へ駆けだして来たりする。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「かめへんわい。放りこんだら着物よごれて、母ちゃんが
洗濯
(
せんたく
)
せんならんだけや。そないなったら困るやろ」
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
“洗濯”の意味
《名詞》
洗 濯 (せんたく, せんだく)
衣類などの汚れを落とすこと。
(出典:Wiktionary)
“洗濯”の解説
洗濯(せんたく、en: laundry)とは、衣類などについた汚れを洗い落とすこと。機械的作用と化学的作用を利用して衣類などの布地を洗うこと。
(出典:Wikipedia)
洗
常用漢字
小6
部首:⽔
9画
濯
常用漢字
中学
部首:⽔
17画
“洗濯”で始まる語句
洗濯物
洗濯台
洗濯女
洗濯屋
洗濯婆
洗濯盥
洗濯代
洗濯婦
洗濯板
洗濯桶