方面はうめん)” の例文
斯樣かやうに、墮落だらく方面はうめんをとくに誇張こちやうした冒險者アドヹンチユアラーあたまなかこしらあげ宗助そうすけは、その責任せきにん自身じしん一人ひとりまつたはなければならないやうがした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
勘次かんじ毎朝まいあさ方面はうめんことなつてるにもかゝはらず、同時どうじつてくのをなければこゝろまないのであつた。毎朝まいあささうするので
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ある日、私はつまと二人で郊外かうぐわいへ家を見付みつけに出て行つた。おな見付みつけるからには、まだ一も行つたことのない方面はうめんが良いといふ相談さうだんになつた。
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
その心持こころもちは今、私をだん/\と宗教的しうけうてき方面はうめんみちびかうとし、反動はんどうのやうに起つて來た道徳的だうとくてきな心は、日光につくわうとなつて私の胸に平和へいわの芽をそだてます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
しからば北歐羅巴きたようろつぱ方面はうめんはどうかと見遣みやるに、この方面はうめんついてはわたしあまおほらぬが、えうするに幼稚えうちきはまるものであつて、規模きぼきはめてちいさいやうである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
便利べんりあり、利益りえきある方面はうめんむかつて脱出ぬけだしたあとには、こののかゝるおもかげが、空蝉うつせみになり脱殼ぬけがらになつてしまふのである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
箱根はこね伊豆いづ方面はうめん旅行りよかうするもの國府津こふづまでると最早もはや目的地もくてきちそばまでゐたがしてこゝろいさむのがつねであるが、自分等じぶんら二人ふたり全然まるでそんな樣子やうすもなかつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
最初さいしよ余等よら發掘はつくつした方面はうめんあたつて、ひとすう男女だんぢよがつして十二三にん大發掘だいはつくつをつゞけてるのを發見はつけんした。
その航路かうろりて支那海シナかい印度洋インドやう方面はうめんすゝみしにあらずやとのうたがひあり、もとより今回こんくわい企圖くわだて秘中ひちう秘事ひじにして、到底たうてい測知そくちきにあらざれども
豪雨がううだ……そのすさまじき豪雨の音、さうして有所あらゆる方面はうめんに落ちたぎつ水の音、只管ひたすら事なかれと祈る人の心を、有る限りの音聲を以て脅すかの如く、豪雨は夜を徹して鳴り通した。
水害雑録 (旧字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)
処へ案内もなく障子をガラリと開けて、方面はうめん無髯むぜん毬栗いがぐり頭がぬうッと顔を出した。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
かう方面はうめん趣味しゆみのない宗助そうすけは、もとより菜根譚さいこんたん何物なにものなるかをらなかつた。あるひとくるま腰掛こしかけひざならべてつたとき、それはなんだといてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
玉川向たまかはむかふ、すなは神奈川縣下かながはけんかぞくする方面はうめんには、あま有望いうぼう貝塚かひづかい。いや貝塚かひづかとしては面積めんせきひろく、貝層かひそうふかいのがいでもいが、土器どき出方でかたはなはわるい。
めたといふよりもかれ果敢はかないひがんだこゝろにはさう判斷はんだんするよりほかなにもなかつたのである。かれこゝろ只管ひたすら自分じぶん悲慘みじめ方面はうめん解釋かいしやくしてればそれでんでるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
にもかくにも非凡ひぼん智能ちのう遠大えんだい目的もくてきとをいうすることなれば、何時いつ意外いぐわい方面はうめんより意外いぐわい大功績だいこうせきもたらしてふたゝ吾人ごじん眼前がんぜんあらはれきたるやもからず、刮目くわつもくしてきなり。
で、宿やど了見れうけんばかりで電報でんぱうつた、とえて其処そこ出逢であつた一群いちぐんうちには、おうら親類しんるゐ二人ふたりまざつた、……なかない巡査じゆんさなどは、おな目的もくてきで、べつ方面はうめんむかつてるらしい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけはさういふ方面はうめんまる經驗けいけんのないをとこではなかつたので、ひて興味きようみよそほ必要ひつえうもなく、たゞ尋常じんじやう挨拶あいさつをするところが、かへつて主人しゆじんるらしかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
發掘はつくつはじめ(其他そのた方面はうめんおい角力すまふつた)てからは、身體しんたい健康けんかう非常ひじやう良好りやうかうで、普通ふつう土方どかたとしても一にんまへ業務げふむれるやうつてると、益々ます/\おほおほきく遺跡ゐせきやうになり