子孫しそん)” の例文
これは、むかし、かごからげていなくなったとり子孫しそんらであります。しかし、めくらぼしは、永久えいきゅうもりなかちかづくことができません。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くわしいことはあと追々おいおいはなすとして、かく人間にんげん竜神りゅうじん子孫しそんそちとてももとさかのぼれば、矢張やはりさるとうと竜神様りゅうじんさま御末裔みすえなのじゃ。
と。鮑叔はうしゆくすで管仲くわんちうすすめ、もつこれくだる。((鮑叔ノ))子孫しそんよよせい祿ろくせられ、封邑ほういふたももの餘世よせいつね名大夫めいたいふたり。
毎年二度三疋四疋ずつ子を生む。ピンの子孫しそんが近村に蕃殖した。近頃畜犬税がやかましいので、子供を縁づけるに骨が折れる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
このヘザールの子孫しそんというのがこのおれ、即ち四馬剣尺様だ。それからオクタンの子孫というのが、あの戸倉八十丸とぐらやそまるじゃ。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのほか、むかしいたシカの子孫しそんも、まだ生きのこっています。その上、春や夏のおわりごろには、ここは、いく千という渡り鳥の休み場所になります。
丁度ちやうどそれは子孫しそん繁殖はんしよく自己じこ防禦ばうぎよとの必要ひつえうまつたわすれさせられたなし接木つぎきが、おほきなとげみきにもえだにもたなくつたやうに、恐怖おそれ彼等かれらつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なんでもねこ天竺てんじくとら子孫しそんで、人間にんげんのために世界中せかいじゅうわるけもの退治たいじするんだといばっていたそうだ。」
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
う?多分たぶんわがまゝな駈落かけおちものの、……わたし子孫しそんだ、とおもふんだがね。……御覽ごらんとほりだからね、」
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
草でも木でも最も勇敢ゆうかんに自分の子孫しそんぎ、自分の種属をやさぬことに全力をそそいでいる。だからいつまでも植物が地上に生活し、けっして絶滅ぜつめつすることがない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
孝景こうけい皇帝は漢の高帝の孫也、七国の王は皆景帝の同宗どうそう父兄弟ふけいてい子孫しそんなり。然るに当時一たび其地を削れば則ち兵を構えて西に向えり。晋の諸王は、皆武帝の親子孫しんしそんなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その物吝ものをしみがいか損失そんしつ折角せっかくうつくしさも、その偏屈へんくつゆゑに餓死うゑじにをして、そのうつくしさを子孫しそんにはつたへぬ。
榮花えいぐわにしたしむすめにも綺羅きらかざらせてれも安心あんしん樂隱居らくいんきよねがはくは家運長久かうんちやうきうなれ子孫しそん繁昌はんじやうなれ兎角とかくうへ凶事きようじあらせじとの親心おやごゝろひきかへしねがひもさかさまながら今日けふ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふでさきにてたがやたる收入しふにふきはめて僅少きんせうにして、みづかひ、みづかるにいまらざれども、らざるうちにもそれをたくはへて、もつ子孫しそんつたへるといふ、其子そのこいまいのである。
あの水穂国みずほのくには、私たちの子孫しそんが治めるはずの国であるのに、今あすこには、悪強い神たちが勢い鋭く荒れまわっている。あの神たちを、おとなしくこちらの言うとおりにさせるには、いったいだれを
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
「ワシントンの子孫しそんのかたは、いまどうしていますか。」
そののちおとこはすっかりこころれかえ、村人むらびとからもうらやまるるほど夫婦仲ふうふなかくなりました。現在げんざいでもその子孫しそんはたしか彼地かのちさかえてはずでございます……。
そのわけは、もと、このまちおんなが、みなみから、きたから、またひがしから、世界せかい方々ほうぼうから、さらわれてきた、種族しゅぞくのちがった、うつくしいおんなたちの子孫しそんであるからです。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おなことです、大名だいみやう子孫しそん華族くわぞくなら、名家めいか御子孫ごしそん先生せんせいです。とくわたくしまをさなければりません。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仲麻呂なかまろんでからは、日本にっぽんのこった子孫しそん代々だいだい田舎いなかにうずもれて、田舎侍いなかざむらいになってしまいました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
植物にはなにゆえに種子が必要か、それは言わずと知れた子孫しそんぐ根源であるからである。この根源があればこそ、植物の種属はえることがなく地球の存する限り続くであろう。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
黄金メダルの半ペラをゆずられた、オクタン、ヘザールの二人の子孫しそんというのが、この戸倉と、四馬剣尺のふたりだが、この四馬剣尺というのは、まことに疑問の人物で、わしの聞いているところでは
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
せいがあればこそあんなにもせいたのしみ、あんなにもうつくしい姿態すがたつくりて、かぎりなく子孫しそんつたえてくのじゃ。
けれど、たくさんにあたました子孫しそんが、みんな幸福こうふくであろうはずがなかったのです。
親木と若木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
てよ、うまで、こゝろかるゝのは、よも尋常たゞごとではるまい。つたぬまなかへは古城こじやう天守てんしゆさかさま宿やどる……祖先そせんじゆつために、あやしき最後さいごげたをんなが、子孫しそんまつは因縁事いんねんごとか。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それとはちがって、ねこはもと天竺てんじくとら子孫しそんでございますが、日本にほんは、小さなやさしい国柄くにがらですから、このくにみつくといっしょに、このとおり小さなやさしいけものになったのでございます。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
天子てんしさまも阿倍あべ仲麻呂なかまろ子孫しそんだということをおきになって、およろこびになり、保名親子やすなおやこねがいをおとどけになりました。そこで童子どうじはからすにいたとおりうらないをててもうげました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
山吹やまぶきは、子孫しそんのしげることをほこりとしていました。
親木と若木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうです。わたくしどもはおに子孫しそんです。」
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)