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長柄
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ながえ
ふりがな文庫
“
長柄
(
ながえ
)” の例文
二十名も来たろうか、稀れな
大鉞
(
おおまさかり
)
を
提
(
さ
)
げたのや、
錆
(
さ
)
びた
長柄
(
ながえ
)
をかかえ込んだのが、赤い火光をうしろに背負い、黒々と立ち
淀
(
よど
)
んで
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうかしたら
匕首
(
あいくち
)
かも知れない。とにかく、二階の
手摺
(
てすり
)
に居たんだから、下の往来から突き上げたとすると、三間半もある
長柄
(
ながえ
)
か、物干竿だ。
銭形平次捕物控:019 永楽銭の謎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ここは五条松原で、六波羅探題の大屋敷が、
篝火
(
かがりび
)
、
幔幕
(
まんまく
)
、槍、
長柄
(
ながえ
)
、弓矢によって
厳
(
いか
)
めしく、さも物々しく
装
(
よそお
)
われていた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何しろ江戸一の大祭なので、当日は往来を止めて
猥
(
みだ
)
りに通行を許さず、
傍小路
(
わきこうじ
)
には
矢来
(
やらい
)
を結い、辻々には、
大小名
(
だいしょうみょう
)
が
長柄
(
ながえ
)
や槍を出して厳重に警固する。
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
紫の紐をつけた
長柄
(
ながえ
)
の
駕籠
(
かご
)
に乗り、随喜の涙に
咽
(
むせ
)
ぶ群集の
善男善女
(
ぜんなんぜんにょ
)
と幾多の僧侶の行列に送られて、あの門の下を
潜
(
くぐ
)
って行った目覚しい光景に接した事があった。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
左右
(
ひだりみぎ
)
に
土下座
(
どげざ
)
して、手を
支
(
つ
)
いていた中に
馬士
(
まご
)
もいた。一人が背中に私を
負
(
おぶ
)
うと、娘は駕籠から出て見送ったが、顔に
袖
(
そで
)
を当てて、
長柄
(
ながえ
)
にはッと
泣伏
(
なきふ
)
しました。それッきり。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紬
(
つむぎ
)
のほかに長井は、その
帚
(
ほうき
)
でも名を成してよいでありましょう。手帚も
長柄
(
ながえ
)
のも共に作りますが、形に特色がある上に、紺糸で綺麗に草を編むので、
品
(
ひん
)
のある
品
(
しな
)
であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
金
(
きん
)
の
杯
(
さかずき
)
に
金
(
きん
)
のたちばな、
錦
(
にしき
)
十
反
(
たん
)
に
絹
(
きぬ
)
五十
疋
(
ぴき
)
、これはおとうさんへの
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
でした。それから
銀
(
ぎん
)
の
長柄
(
ながえ
)
に
銀
(
ぎん
)
のなし、
綾織物
(
あやおりもの
)
の
小
(
こ
)
そでが三十
重
(
かさ
)
ね、これはおかあさんへの
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
でした。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
屋根に
蒲鉾形
(
かまぼこがた
)
の丸味を取った
棺
(
かん
)
のようなもののなかに、髪を油で
練固
(
ねりかた
)
めた女が坐っている。
長柄
(
ながえ
)
は短いが、車の輪は厚く丈夫なものであった。云うまでもなく
騾馬
(
らば
)
に引かしている。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
守らせ
沖
(
おき
)
の方は
船手
(
ふなて
)
へ申付深川
新地
(
しんち
)
より品川
沖
(
おき
)
迄御
船手
(
ふなて
)
にて取切御
備
(
そなへ
)
の御船は
沖中
(
おきなか
)
へ押出し其外
鯨船
(
げいせん
)
數艘
(
すそう
)
を用意し
嚴重
(
げんぢう
)
に
社
(
こそ
)
備
(
そなへ
)
ける然ば次右衞門は
桐棒
(
きりぼう
)
の
駕籠
(
かご
)
に打乘
若徒
(
わかたう
)
兩人
長柄
(
ながえ
)
草履
(
ざうり
)
取を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
衆
(
おお
)
き釣師、見物人の外に、一種異りたる者の奔走するを見る。
長柄
(
ながえ
)
の
玉網
(
たま
)
を手にし、釣り上ぐる者を見る
毎
(
ごと
)
に、即ち馳せて其の人に近寄り、
抄
(
すく
)
ひて手伝ふを仕事とする、
奇特者
(
きとくしゃ
)
? なり。
東京市騒擾中の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
蹄鉄、
長柄
(
ながえ
)
の鎌、フオク、斧、
鉈
(
なた
)
の類がその土間には放り出されてあった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
蚊を取ります袋の付きました竹の棒がある「本所に蚊が無くなれば
師走
(
しわす
)
かな」と云う川柳の通り、
長柄
(
ながえ
)
に袋を付けて蚊を取りますが、
仲間衆
(
ちゅうげんしゅう
)
が忘れでもしたか、そこに置いてありましたから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あるものはまた、一行と共に動いて行く金の
葵紋
(
あおいもん
)
の箱、
長柄
(
ながえ
)
の
傘
(
かさ
)
、御紋付きの長持から、長棒の
駕籠
(
かご
)
の
類
(
たぐい
)
まであるのを意外として、まるで三、四十万石の大名が通行の騒ぎだと言うものもある。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
だんだら染めの六尺帯を背に結んだ下男に
長柄
(
ながえ
)
の傘を後ろから差しかけさせて、悠々として練って来ましたから七兵衛は、こちらの遊女屋の
軒下
(
のきした
)
に立ってその道中の有様を物珍らしと見ていますと
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は酔ったような心持で、その
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
の流れて来る方をそっと窺うと、
日本
(
にっぽん
)
の
長柄
(
ながえ
)
の
唐傘
(
からかさ
)
に似て、その
縁
(
へり
)
へ青や白の涼しげな
瓔珞
(
ようらく
)
を長く垂れたものを、四人の痩せた男がめいめいに高くささげて来た。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
なるほど、見てあれば、河原立ちしていた供人の同勢は、弓、
長柄
(
ながえ
)
などを
燦々
(
さんさん
)
とゆるぎ出して、もうそこの舟橋を彼方へ渡りかけている。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次は
潔
(
いさぎよ
)
く
兜
(
かぶと
)
を脱ぎました。二間半
長柄
(
ながえ
)
の大槍で、三寸の狭い隙間から、少なくとも二間以上離れている人間を突けるわけはなかったのです。
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
つくり物らしい槍や
長柄
(
ながえ
)
や、
大鉞
(
おおまさかり
)
などをひっさげて、それらを時々宙で舞わし、踊りらしい所作などをした。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その
間々
(
あいだあいだ
)
なる
椅子
(
いす
)
には
裲襠
(
しかけ
)
着たる遊女同じく
長柄
(
ながえ
)
のコップを持ち、三絃
弾
(
ひ
)
きゐる芸者と
打語
(
うちかた
)
れり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
金屏風
(
きんびょうぶ
)
を
引繞
(
ひきめぐ
)
らした、
四海
(
しかい
)
波
(
なみ
)
静
(
しずか
)
に青畳の八畳で、お珊自分に、
雌蝶雄蝶
(
めちょうおちょう
)
の
長柄
(
ながえ
)
を取って、
橘
(
たちばな
)
活
(
い
)
けた床の間の正面に、美少年の多一と、さて、名はお美津と云う、逢阪の辻、餅屋の娘を
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
落
(
お
)
ちた
鉢
(
はち
)
の中からは、
金
(
きん
)
と
漆
(
うるし
)
をぬった
箱
(
はこ
)
が二つ出て、その中には
金
(
きん
)
の
杯
(
さかずき
)
に
銀
(
ぎん
)
の
長柄
(
ながえ
)
、
砂金
(
さきん
)
で
作
(
つく
)
ったたちばなの
実
(
み
)
と、
銀
(
ぎん
)
で
作
(
つく
)
ったなしの
実
(
み
)
、目の
覚
(
さ
)
めるような十二
単
(
ひとえ
)
の
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
の
緋
(
ひ
)
のはかま
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
と言って、
長柄
(
ながえ
)
の銚子を投げ出して畳へつっぷしてしまう。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
榑挽
(
くれひき
)
は
反
(
そ
)
るとかがむと手もゆたに
大鋸
(
おが
)
の
長柄
(
ながえ
)
を
対
(
むか
)
ひ揺り挽く
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
相屆
(
あひとゞ
)
ける頃は
享保
(
きやうほ
)
十一午年九月廿日天一坊が京都出立の
行列
(
ぎやうれつ
)
は
先供
(
さきども
)
は例の如く赤川大膳と藤井左京の
兩人
(
りやうにん
)
一日代りの積りにて其供方には
徒士
(
かち
)
若黨
(
わかたう
)
四人づつ
長棒
(
ながぼう
)
の
駕籠
(
かご
)
に
陸尺
(
ろくしやく
)
八人
跡箱
(
あとばこ
)
二人
鎗
(
やり
)
長柄
(
ながえ
)
傘杖草履取兩掛合羽籠等なり其跡は天一坊の同勢にて
眞先
(
まつさき
)
なる
白木
(
しらき
)
の長持には
葵
(
あふひ
)
の
御紋
(
ごもん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼がこの号令を発したときは、彼自身も、一頭の
黒鹿毛
(
くろかげ
)
にまたがっていた。そして弥四郎の手から受け取った
長柄
(
ながえ
)
を持つと
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手に手に持っている獲物といえば、
鉞
(
まさかり
)
、斧、
長柄
(
ながえ
)
、弓、熊手、槍、棒などであった。先へ立った数人が
松明
(
たいまつ
)
を持ち、中央にいる二人の小男が、
蛇味線
(
じゃみせん
)
を
撥
(
ばち
)
で弾いていた。
弓道中祖伝
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それが済むと、寺の小坊主、年の頃十二三ばかりのが、墨染めの
腰衣
(
こしごろも
)
を着け、手に
長柄
(
ながえ
)
の
錐
(
きり
)
を持って現われ、世話人の手で、厳重に目隠しをされ、札箱の後ろへ立たされました。
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
唯
(
ただ
)
台所で音のする、
煎豆
(
いりまめ
)
の
香
(
か
)
に小鼻を
怒
(
いか
)
らせ、
牡丹
(
ぼたん
)
の
有平糖
(
あるへいとう
)
を
狙
(
ねら
)
う事、毒のある
胡蝶
(
こちょう
)
に似たりで、
立姿
(
たちすがた
)
の
官女
(
かんじょ
)
が
捧
(
ささ
)
げた
長柄
(
ながえ
)
を抜いては
叱
(
しか
)
られる、お
囃子
(
はやし
)
の
侍烏帽子
(
さむらいえぼうし
)
をコツンと突いて、また叱られる。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白妙のころもゆたけき
韓人
(
からびと
)
がのうのうと挽く
長柄
(
ながえ
)
大鋸
(
おほのこ
)
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
掛し
長持
(
ながもち
)
二棹
露拂
(
つゆばらひ
)
二人宰領二人づつなり
引續
(
ひきつゞ
)
きて
徒士
(
かち
)
二人長棒の乘物にて
駕籠脇
(
かごわき
)
四人
鎗
(
やり
)
挾箱
(
はさみばこ
)
草履取
(
ざうりとり
)
長柄
(
ながえ
)
持
合羽籠
(
かつぱかご
)
兩掛
(
りやうがけ
)
都合十五人の一列は赤川大膳にて是は
先供
(
さきとも
)
御長持
預
(
あづか
)
りの役なり次に天一坊の行列は先徒士九人
網代
(
あじろ
)
の乘物駕籠脇の
侍
(
さむら
)
ひは南部權兵衞本多源右衞門遠藤森右衞門
諏訪
(
すは
)
右門遠藤彌次六藤代
要人
(
かなめ
)
等なり先箱二ツは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
人々は、手に手に
松明
(
たいまつ
)
をかざしていた。また、太刀だの、
長柄
(
ながえ
)
だの、弓だのを
携
(
たずさ
)
えていた。そして
此方
(
こなた
)
の牛車を見かけると
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次に考えられることは、錐に磁石を仕掛け、当り札に鉄片を付けておくことですが、これも、その札が深く隠れている時は無効で、その上、見たところ、
長柄
(
ながえ
)
の錐にはどんな仕掛もありません。
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ある一軒では武士の群れが、
長柄
(
ながえ
)
の血のりを拭ったり鎧の千切れをつくろったり、
鏃
(
やじり
)
の錆びを落としたりしながら、碗で酒をあおりあおり、今日の赤坂の戦いについて、批評や噂をやっていた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
槍隊、鉄砲隊、
長柄
(
ながえ
)
隊など、およそ部将格以上の者が、それぞれの隊首を離れて、一令の下に、光秀の馬前に集まった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寺にはかねて武具まで持ち込んであったと見え、たちまち駆け
集
(
つど
)
って来た人々はみんな小具足に身を固め、
槍
(
やり
)
長柄
(
ながえ
)
など、思い思いの
打物
(
うちもの
)
をかかえていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
席から立った信長の姿を人々が見ると、
長柄
(
ながえ
)
の太刀
脇差
(
わきざし
)
に、
七五三縄
(
しめなわ
)
を巻いていた。
袴
(
はかま
)
もはいていないのである。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五十騎、或いは百騎を従え、ときには子ども(小姓)も連れ、
長柄
(
ながえ
)
の大傘を
翳
(
かざ
)
させ、
燦々
(
さんさん
)
と、
馬印
(
うまじるし
)
を立てて練り歩く彼の「御通過」を仰ぐと、味方の兵は
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神社から槍や
長柄
(
ながえ
)
を持ち出して、酒をくらい、戦って死ぬと吠えておりましたが、
遽
(
にわ
)
かに、家々へ火を
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これなら担う者も軽々と進退できるし、乗っている官兵衛も坐ったままで、
長柄
(
ながえ
)
でも刀でも使い得る。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当然、矢は用をなさないので、
長柄
(
ながえ
)
、なぎなた、太刀、槍の白兵戦となろうが、いつまでも、或る至近距離から内へは敵もすすまず、こっちも出てゆく風はなかった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半刻
(
はんとき
)
ほど
経
(
た
)
つ。再び喇叭が鳴る。そして
薩艦
(
さつかん
)
春日丸から下船した
青漆塗
(
せいしつぬ
)
り
長柄
(
ながえ
)
の
駕
(
かご
)
が五挺、燃えさかる篝火と雪明りの中を、埠頭の方から、ものものしく歩いて来る。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、
濠
(
ほり
)
を前にしているので、一見難なく見えるそこの
築土
(
ついじ
)
へも、たやすくは取り付かれなかった。槍、
旗竿
(
はたざお
)
、鉄砲、
長柄
(
ながえ
)
などの林が
犇
(
ひし
)
めき動いているに過ぎなかった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
艤装
(
ぎそう
)
いかめしく、大鉄砲の銃座もすえてあるし、
長柄
(
ながえ
)
や、
鈎槍
(
かぎやり
)
なども、
舷
(
ふなべり
)
に立てならべてあった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見れば、
薙刀
(
なぎなた
)
、
槍
(
やり
)
、
長柄
(
ながえ
)
などの光が、
閃々
(
せんせん
)
と、坪向うの
廂
(
ひさし
)
の下を表のほうへ駈け急いでいた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
といっても、
長柄
(
ながえ
)
を以て手馴れの打物とし、太刀は使っても、まだ剣法の技も工夫されず精神もなく、ただ兇器の役だけをしていた時代だ。太刀を持っての殺し合いだとも、いえばいえよう。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ごっちゃに
交
(
ま
)
じって——槍も
長柄
(
ながえ
)
も弓持も、秩序なく前後になって——
熱田街道
(
あつたかいどう
)
から
稲葉地
(
いなばじ
)
の野づらを横ぎり、
庄内川
(
しょうないがわ
)
の
堤
(
どて
)
の上へと、今、一騎一騎、背のびするように登りかけたところだった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『おうっ——』と、
応
(
こた
)
えた幾人かがある。『おもしろい』と、
長柄
(
ながえ
)
を押っとる
喧嘩
(
けんか
)
ずきもいた。わらわらと、外へ出そろった。いうところの、為義方の感情は、実は、こっちにもある感情なのだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
書
(
ほん
)
が好く読めた時と、
長柄
(
ながえ
)
の刀で、樹がよく斬れた時だ」
剣の四君子:03 林崎甚助
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
槍を、太刀を、
長柄
(
ながえ
)
を——思い思い引っ提げて
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“長柄”で始まる語句
長柄刀
長柄川
長柄町
長柄付
長柄杵
長柄槍
長柄組
長柄踊
長柄門
長柄中瀬