トップ
>
遺憾
>
ゐかん
ふりがな文庫
“
遺憾
(
ゐかん
)” の例文
彼等の言ひ分は重々
尤
(
もつと
)
もであると思ふが、また
我輩
(
わがはい
)
善蔵君としても、震災以来のナンについてはやはり
遺憾
(
ゐかん
)
に思つてゐるんだ。
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
我々
(
われ/\
)
の
町
(
まち
)
に
話
(
はなし
)
の
面白
(
おもしろ
)
い、
知識
(
ちしき
)
のある
人間
(
にんげん
)
の
皆無
(
かいむ
)
なのは、
實
(
じつ
)
に
遺憾
(
ゐかん
)
なことぢや
有
(
あ
)
りませんか。
是
(
これ
)
は
我々
(
われ/\
)
に
取
(
と
)
つて
大
(
おほい
)
なる
不幸
(
ふかう
)
です。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
今日
(
こんにち
)
不図
(
ふと
)
鉄道馬車
(
てつだうばしや
)
の窓より
浅草
(
あさくさ
)
なる
松田
(
まつだ
)
の絵
看板
(
かんばん
)
を
瞥見致候
(
べつけんいたしそろ
)
。ドーダ五十
銭
(
せん
)
でこんなに腹が張つた
云々
(
うん/\
)
野性
(
やせい
)
は
遺憾
(
ゐかん
)
なく
暴露
(
ばうろ
)
せられたる事に
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
もし「我々の日本画風」が、かう云ふものであるとすれば、それは
遺憾
(
ゐかん
)
ながら僕なぞには、余り結構なものとは思はれない。
西洋画のやうな日本画
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かの橋柱は
後
(
のち
)
に
御領主
(
ごりやうしゆ
)
の
御蔵
(
ごぞう
)
となりしとぞ。
椎谷
(
しひや
)
は
余
(
よ
)
が
同国
(
どうこく
)
なれども幾里を
隔
(
へだて
)
たれば其
真物
(
しんぶつ
)
を
不見
(
みず
)
、今に
遺憾
(
ゐかん
)
とす。
姑
(
しばらく
)
伝写
(
でんしや
)
の
図
(
づ
)
を以てこゝに
載
(
のせ
)
つ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
然
(
しか
)
らば
第
(
だい
)
一
案
(
あん
)
の
外國
(
ぐわいこく
)
で
日本
(
にほん
)
は
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
りることが
出來
(
でき
)
るかと
云
(
い
)
ふと、
遺憾
(
ゐかん
)
ながら
外國
(
ぐわいこく
)
では
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
りることが
出來
(
でき
)
ない。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
余
(
よ
)
は
此
(
この
)
攝養法
(
せつやうはふ
)
の
廣
(
ひろ
)
く
行
(
おこな
)
はれ、
戰後
(
せんご
)
てふ
大任
(
たいにん
)
を
負
(
お
)
へる
我
(
わが
)
國民
(
こくみん
)
の
體力
(
たいりよく
)
を
一層
(
いつそう
)
強固
(
きやうこ
)
ならしめ、
各自
(
かくじ
)
の
職責
(
しよくせき
)
を
遺憾
(
ゐかん
)
なく
遂行
(
すゐかう
)
せられんことを
深
(
ふか
)
く
希望
(
きばう
)
する
處
(
ところ
)
なり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
その祖父は
曾
(
かつ
)
て孫を此上なく
寵愛
(
ちようあい
)
して、
凡
(
およ
)
そ祖父の孫に対する愛は、
遺憾
(
ゐかん
)
なく尽して居つたにも
拘
(
かゝは
)
らず、その死の床には
侍
(
はべ
)
つて居るものが一人も無いとは!
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「閣下、其れを御信用下だされましては、
遺憾
(
ゐかん
)
千万に御座りまする、全く松島様の誤解で御座りますから——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
年齡
(
ねんれい
)
も十六七
以上
(
いじやう
)
、一
通
(
とほ
)
り
學問
(
がくもん
)
をして
其
(
そ
)
の
學問
(
がくもん
)
を
家政
(
かせい
)
なり、
何
(
なに
)
なり
日常
(
にちじやう
)
處世
(
しよせい
)
の
上
(
うへ
)
に
應用
(
おうよう
)
がして
行
(
ゆ
)
ける
筈
(
はづ
)
でありますが、
實際
(
じつさい
)
に
就
(
つき
)
て
見
(
み
)
ますると
種々
(
しゆ/″\
)
遺憾
(
ゐかん
)
の
點
(
てん
)
があるやうです。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
此
(
こ
)
の
景勝
(
けいしよう
)
愉樂
(
ゆらく
)
の
郷
(
きやう
)
にして、
内湯
(
うちゆ
)
のないのを
遺憾
(
ゐかん
)
とす、と
云
(
い
)
ふ、
贅澤
(
ぜいたく
)
なのもあるけれども、
何
(
なに
)
、
青天井
(
あをてんじやう
)
、いや、
滴
(
したゝ
)
る
青葉
(
あをば
)
の
雫
(
しづく
)
の
中
(
なか
)
なる
廊下
(
らうか
)
續
(
つゞ
)
きだと
思
(
おも
)
へば、
渡
(
わた
)
つて
通
(
とほ
)
る
橋
(
はし
)
にも、
川
(
かは
)
にも
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さうとはまつたく
遺憾
(
ゐかん
)
ですな、少しこの子と話し合つてみなければなりますまい。」で、彼は直立の姿勢だつたのを、少し屈めながら、リード夫人と差向ひの
安樂椅子
(
ソフア
)
に腰かけた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
を
東京
(
とうきやう
)
へ
呼
(
よ
)
んで
呉
(
く
)
れた
杉原
(
すぎはら
)
が、
今
(
いま
)
も
猶
(
なほ
)
課長
(
くわちやう
)
として
本省
(
ほんしやう
)
にゐないのを
遺憾
(
ゐかん
)
とした。
彼
(
かれ
)
は
東京
(
とうきやう
)
へ
移
(
うつ
)
つてから
不思議
(
ふしぎ
)
とまだ
病氣
(
びやうき
)
をした
事
(
こと
)
がなかつた。
從
(
したが
)
つてまだ
缺勤屆
(
けつきんとゞけ
)
を
出
(
だ
)
した
事
(
こと
)
がなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで予は
遺憾
(
ゐかん
)
ながら、当局並びに同僚たる文武教官各位の愛顧に
反
(
そむ
)
いて、とうとう大阪毎日新聞へ入社する事になつた。
入社の辞
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かの橋柱は
後
(
のち
)
に
御領主
(
ごりやうしゆ
)
の
御蔵
(
ごぞう
)
となりしとぞ。
椎谷
(
しひや
)
は
余
(
よ
)
が
同国
(
どうこく
)
なれども幾里を
隔
(
へだて
)
たれば其
真物
(
しんぶつ
)
を
不見
(
みず
)
、今に
遺憾
(
ゐかん
)
とす。
姑
(
しばらく
)
伝写
(
でんしや
)
の
図
(
づ
)
を以てこゝに
載
(
のせ
)
つ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
騰貴
(
とうき
)
にも
拘
(
かゝは
)
らず
糸價
(
しか
)
却
(
かへつ
)
て
騰貴
(
とうき
)
し
賣行
(
うれゆき
)
又
(
また
)
良好
(
りやうかう
)
なりしに
米國證劵市場
(
べいこくしようけんしぢやう
)
の
不安定
(
ふあんてい
)
の
爲
(
た
)
め
糸價
(
しか
)
下落
(
げらく
)
したるは
我國
(
わがくに
)
生糸貿易
(
きいとぼうえき
)
の
爲
(
た
)
め
非常
(
ひじやう
)
に
遺憾
(
ゐかん
)
とする
處
(
ところ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
豈
(
あ
)
に離別の旧妻に対して多少の
眷恋
(
けんれん
)
を
催
(
もよ
)
ほすなからんやと、誠に然り、余が弁護士の職務を
抛
(
なげう
)
つてより
既
(
すで
)
に八星霜、
居常
(
きよじやう
)
法律を学びしことに
向
(
むかつ
)
て
遺憾
(
ゐかん
)
の念なきに非ざりしなり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
然
(
しか
)
し
折角
(
せつかく
)
此所
(
こゝ
)
迄
(
まで
)
來
(
き
)
ながら、
此所
(
こゝ
)
で
君
(
きみ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ないのは
遺憾
(
ゐかん
)
だから、
此
(
この
)
手紙
(
てがみ
)
が
着
(
つ
)
き
次第
(
しだい
)
、
一寸
(
ちよつと
)
で
可
(
い
)
いから
來
(
こ
)
いといふ
端書
(
はがき
)
が
來
(
き
)
た。
無事
(
ぶじ
)
と
退屈
(
たいくつ
)
を
忌
(
い
)
む
宗助
(
そうすけ
)
を
動
(
うご
)
かすには、この十
數言
(
すうげん
)
で
充分
(
じゆうぶん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
孫引
(
まごひき
)
のもの
知
(
し
)
り
顔
(
がほ
)
の
出来
(
でき
)
なかつたのを
遺憾
(
ゐかん
)
とする。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯、さう云ふ画が二三点
既
(
すで
)
に
売約済
(
ばいやくずみ
)
になつてゐたのは、誰よりも先づ
描
(
か
)
いた人自身が
遺憾
(
ゐかん
)
だつたのに違ひない。
俳画展覧会を観て
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
文墨
(
ぶんぼく
)
の
雅人
(
がじん
)
も多しときゝしが、
旅中
(
りよちゆう
)
年
(
とし
)
の
凶
(
きやう
)
するに
遭
(
あひ
)
、
皈家
(
きか
)
を
急
(
いそぎ
)
しゆゑ剌
し
を入れざりしは今に
遺憾
(
ゐかん
)
とす。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
記録は、大体ここまでしか、悪魔の消息を語つてゐない。唯、明治以後、
再
(
ふたたび
)
、渡来した彼の動静を知る事が出来ないのは、返へす返へすも、
遺憾
(
ゐかん
)
である。……
煙草と悪魔
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
文墨
(
ぶんぼく
)
の
雅人
(
がじん
)
も多しときゝしが、
旅中
(
りよちゆう
)
年
(
とし
)
の
凶
(
きやう
)
するに
遭
(
あひ
)
、
皈家
(
きか
)
を
急
(
いそぎ
)
しゆゑ剌
し
を入れざりしは今に
遺憾
(
ゐかん
)
とす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
唯
姉弟
(
してい
)
の家を焼かれ、数人の知友を死せしめしが故に、
已
(
や
)
み難き
遺憾
(
ゐかん
)
を感ずるのみ。我等は皆
歎
(
なげ
)
くべし、歎きたりと
雖
(
いへど
)
も絶望すべからず。絶望は死と暗黒とへの門なり。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
心
(
こゝろ
)
帰家
(
かへりたき
)
にありて
風雅
(
ふうが
)
をうしなひ、
古跡
(
こせき
)
をも
空
(
むな
)
しく
過
(
よぎ
)
り、
惟
(
たゞ
)
平々
(
なみ/\
)
たる
旅人
(
りよじん
)
となりて、きゝおよびたる
文雅
(
ぶんが
)
の人をも
剌問
(
たづね
)
ざりしは今に
遺憾
(
ゐかん
)
なり。
嗟乎
(
あゝ
)
年
(
とし
)
の
倹
(
けん
)
せしをいかんせん。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼等が百代の
後
(
のち
)
よく砂と
金
(
きん
)
とを辨じ得るかどうか、私は
遺憾
(
ゐかん
)
ながら疑ひなきを得ないのである。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
心
(
こゝろ
)
帰家
(
かへりたき
)
にありて
風雅
(
ふうが
)
をうしなひ、
古跡
(
こせき
)
をも
空
(
むな
)
しく
過
(
よぎ
)
り、
惟
(
たゞ
)
平々
(
なみ/\
)
たる
旅人
(
りよじん
)
となりて、きゝおよびたる
文雅
(
ぶんが
)
の人をも
剌問
(
たづね
)
ざりしは今に
遺憾
(
ゐかん
)
なり。
嗟乎
(
あゝ
)
年
(
とし
)
の
倹
(
けん
)
せしをいかんせん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
時間と能力との関係によつてこの集に収めることの出来なかつたのは甚だ
遺憾
(
ゐかん
)
である
日本小説の支那訳
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、
遺憾
(
ゐかん
)
ながら伊香保へは、高等学校時代に友だちと
二人
(
ふたり
)
で、
赤城山
(
あかぎさん
)
と
妙義山
(
めうぎさん
)
へ登つた
序
(
ついで
)
に、ちよいと一晩泊つた事があるだけなんだから、
麗々
(
れいれい
)
しく書いて
御眼
(
おめ
)
にかける程の事は何もない。
忘れられぬ印象
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僕の為に感激して
曰
(
いはく
)
、「君もシエリングの如く除名処分を受けしか」と! シエリングも
亦
(
また
)
僕の如く三十円の金を出し
渋
(
しぶ
)
りしや否や、僕は
未
(
いま
)
だ
寡聞
(
くわぶん
)
にしてこれを知らざるを
遺憾
(
ゐかん
)
とするものなり。
その頃の赤門生活
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、一つの茶席もない、更に好い時に来なかつたのは、返す返すも
遺憾
(
ゐかん
)
に違ひない。——自分は依然として
仏頂面
(
ぶつちやうづら
)
をしながら、小林君と一しよに竹藪の
後
(
うしろ
)
に立つてゐる寂しい光悦寺の門を出た。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と云ふのは勿論両氏の作品に非難を加へようと云ふのではない。寛大な西洋人に迎へられたことを両氏の為に
欣幸
(
きんかう
)
とし、
偏狭
(
へんけふ
)
な日本人に
却
(
しりぞ
)
けられたことをクロオデル大使の為に
遺憾
(
ゐかん
)
とするのである。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
開化の日本の少女の美を
遺憾
(
ゐかん
)
なく具へてゐたのであつた。
舞踏会
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“遺憾”の解説
遺憾(いかん)とは、一般には、期待通りではなく「不満だ」という意味で、期待したようにならずに、心残りに思うこと。
(出典:Wikipedia)
遺
常用漢字
小6
部首:⾡
15画
憾
常用漢字
中学
部首:⼼
16画
“遺憾”で始まる語句
遺憾千万
遺憾至極
遺憾無