トップ
>
迅速
>
じんそく
ふりがな文庫
“
迅速
(
じんそく
)” の例文
落葉
(
おちば
)
には
灰際
(
はひぎは
)
から
其
(
そ
)
の
外側
(
そとがは
)
を
傳
(
つた
)
ひて
火
(
ひ
)
がべろ/\と
渡
(
わた
)
つた。
卯平
(
うへい
)
は
不自由
(
ふじいう
)
な
手
(
て
)
の
火箸
(
ひばし
)
で
落葉
(
おちば
)
を
透
(
すか
)
した。
火
(
ひ
)
は
迅速
(
じんそく
)
に
其
(
そ
)
の
生命
(
せいめい
)
を
恢復
(
くわいふく
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
(よろしい。お味方へ加わろう。秀吉公へ、よしなに取り次いでもらいたい。そして、
迅速
(
じんそく
)
に、大軍をこの方面へ、お向けあれ)
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼に対する態度をまだよく定めていない自分には、彼の来かたがむしろ早すぎるくらい、現われようが今度は
迅速
(
じんそく
)
であった。
手紙
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一つ一つの
迅速
(
じんそく
)
な熱情の精が、いかなる時でも、それ自身の明瞭な像をその顔の鏡に映さなかった、というのではない。
しめしあわせ
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
石を投るもの、竹竿で叩き落そうとするもの、みんなが
狡猾
(
こうかつ
)
な顔つきをして、緊張した手足を
迅速
(
じんそく
)
に動かしていた。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
それはあらゆる障害物を踏み
潰
(
つぶ
)
し、押し流し、打ち
毀
(
こわ
)
しつつ、緩慢のようでありながら極めて
迅速
(
じんそく
)
に、計り知れない力をもって襲いかかるようであった。
榎物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
今
(
いま
)
、
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
は一
時間
(
じかん
)
に十二三
海里
(
ノツト
)
の
速力
(
そくりよく
)
をもつて
進航
(
しんかう
)
して
居
(
を
)
るのに、
其
(
その
)
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ふて
斯
(
か
)
くも
迅速
(
じんそく
)
に
接近
(
せつきん
)
して
來
(
く
)
るとは、
實
(
じつ
)
に
非常
(
ひじやう
)
の
速力
(
そくりよく
)
でなければならぬ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
の
書見
(
しよけん
)
は、イワン、デミトリチのやうに
神經的
(
しんけいてき
)
に、
迅速
(
じんそく
)
に
讀
(
よ
)
むのではなく、
徐
(
しづか
)
に
眼
(
め
)
を
通
(
とほ
)
して、
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
つた
所
(
ところ
)
、
了解
(
れうかい
)
し
得
(
え
)
ぬ
所
(
ところ
)
は、
留
(
とゞま
)
り/\しながら
讀
(
よ
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
見るまに駈け出した五つの駕籠、早くも朝寒の雨にのまれて、通り魔の行列のように、いずくともなく消えてしまったが、それは実に驚くべき
迅速
(
じんそく
)
な訓練であった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
地下三メートルの所にある舗石の面に足をおろすこと、それだけのことを彼は、あたかも狂乱のうちになすかのように、巨人の力と
鷲
(
わし
)
の
迅速
(
じんそく
)
さとをもってなし遂げた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
獣
(
けもの
)
を見ても分かる、
虎
(
とら
)
、
獅子
(
しし
)
、
熊
(
くま
)
などのごとき猛獣は年々その数が減じつつある。もし統計を取ることが出来れば、彼らの減少率のはなはだ
迅速
(
じんそく
)
なることを示すであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「私は、先生が、御依頼した事件につき、非常に
迅速
(
じんそく
)
に、しかも結論を簡単
明瞭
(
めいりょう
)
に、探しだして下さるという評判を承って、大いに喜んで参ったような次第なのですが……」
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
然し私の生長は、お前が思う程
迅速
(
じんそく
)
なものではない。私はお前のように頭だけ大きくしたり、
手脚
(
てあし
)
だけ延ばしたりしただけでは満足せず、その全体に於て動き進まねばならぬからだ。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
……
鷹揚
(
おうやう
)
に、
然
(
しか
)
も
手馴
(
てな
)
れて、
迅速
(
じんそく
)
に
結束
(
けつそく
)
し
果
(
は
)
てた
紳士
(
しんし
)
は、
其
(
そ
)
の
爲
(
ため
)
に
空
(
むな
)
しく
待構
(
まちかま
)
へて
居
(
ゐ
)
たらしい
兩手
(
りやうて
)
にづかりと
左右
(
ひだりみぎ
)
、
其
(
そ
)
の
二人
(
ふたり
)
の
女
(
をんな
)
の、
頸上
(
えりがみ
)
と
思
(
おも
)
ふあたりを
無手
(
むず
)
と
掴
(
つか
)
んで
引立
(
ひつた
)
てる、と
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
迅速
(
じんそく
)
勇敢な決意を要する意外な場合にぶつかると、彼らはもうなす
術
(
すべ
)
を知らない。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
炎々
(
えんえん
)
たる火光と黒煙のあいだに父は非常な
迅速
(
じんそく
)
さをもって帳簿箱に油を注いでいる、石油の
臭
(
にお
)
いは
窒息
(
ちっそく
)
するばかりにはげしく鼻をつく、そうしてすさまじい勢いをもって煙を一ぱいにみなぎらす
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
しそうなのが、ここに二人いる。
迅速
(
じんそく
)
に持って
来酒
(
きさけ
)
まッせ
顎十郎捕物帳:17 初春狸合戦
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
大坂表からは、秀吉直筆の
迅速
(
じんそく
)
な
飛札
(
ひさつ
)
が、すでに越後にとどいていた。上杉景勝としても、これを地方の一紛争と軽く見てはいられない。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この拍子に応じて三十人の抜き身がぴかぴかと光るのだが、これはまたすこぶる
迅速
(
じんそく
)
なお手際で、拝見していても
冷々
(
ひやひや
)
する。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
火
(
ひ
)
は
乾燥
(
かんさう
)
した
藁束
(
わらたば
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
舐
(
ねぶ
)
つて、
更
(
さら
)
に
其
(
その
)
焔
(
ほのほ
)
が
薄闇
(
うすぐら
)
い
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
から
遁
(
のが
)
れようとして
屋根裏
(
やねうら
)
を
偃
(
は
)
うた。それが
迅速
(
じんそく
)
な
火
(
ひ
)
の
力
(
ちから
)
の
瞬間
(
しゆんかん
)
の
活動
(
くわつどう
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
(
かれ
)
の
書見
(
しょけん
)
は、イワン、デミトリチのように
神経的
(
しんけいてき
)
に、
迅速
(
じんそく
)
に
読
(
よ
)
むのではなく、
徐
(
しずか
)
に
眼
(
め
)
を
通
(
とお
)
して、
気
(
き
)
に
入
(
い
)
った
所
(
ところ
)
、
了解
(
りょうかい
)
し
得
(
え
)
ぬ
所
(
ところ
)
は、
留
(
とどま
)
り
留
(
とどま
)
りしながら
読
(
よ
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
より
迅速
(
じんそく
)
ではあるが——イスラエルの女は、全ヨーロッパを通じて、住んでる国土の肉体的および精神的の風潮を、しばしば
大袈裟
(
おおげさ
)
に採用するが——それでもなお、民族固有の面影を
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
勿論
(
もちろん
)
かゝる
構造
(
かうざう
)
で、
極
(
きわ
)
めて
重量
(
じゆうりよう
)
のある
鐵車
(
てつしや
)
の
事
(
こと
)
だから、
速力
(
そくりよく
)
の
點
(
てん
)
に
於
(
おい
)
ては
餘
(
あま
)
り
迅速
(
じんそく
)
には
行
(
ゆ
)
かぬ、
平野
(
へいや
)
ならば、
一時間
(
いちじかん
)
平均
(
へいきん
)
五
哩
(
マイル
)
以上
(
いじやう
)
進行
(
しんかう
)
する
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るであらうが、
極
(
ご
)
く
勾配
(
かうばい
)
の
激
(
はげ
)
しい
坂道
(
さかみち
)
では
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いろいろな別働隊が組織され、各隊は
迅速
(
じんそく
)
に、行動に移った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
司馬懿
(
しばい
)
仲達軍のこのときの行軍は、二日行程の道のりを一日に進んで行ったというから、何にしても非常に
迅速
(
じんそく
)
なものだったにちがいない。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
(
そ
)
の
驚
(
おどろ
)
くべき
迅速
(
じんそく
)
な
脚
(
あし
)
が
空間
(
くうかん
)
を一
直線
(
ちよくせん
)
に、さうして
僅
(
わづか
)
な
障害物
(
しやうがいぶつ
)
であるべき
梢
(
こずゑ
)
の
凡
(
すべ
)
てを
壓
(
お
)
しつけ
壓
(
お
)
しつけ
林
(
はやし
)
を
越
(
こ
)
えて
疾驅
(
しつく
)
して
來
(
く
)
るのは
今
(
いま
)
もう
直
(
すぐ
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あなたは前後八ヶ月の
日子
(
につし
)
を
費
(
つひ
)
やして思ひ立つた翻譯を
成就
(
じやうじゆ
)
したと
云
(
い
)
つて
寧
(
むし
)
ろ
其
(
その
)
長きに驚ろかれるやうだが、私は
却
(
かへ
)
つて
其
(
その
)
迅速
(
じんそく
)
なのに感服したいのです。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
は
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
らない
海賊島
(
かいぞくたう
)
といふのがある
相
(
さう
)
だ、
無論
(
むろん
)
世界地圖
(
せかいちづ
)
には
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
ぬ
孤島
(
こたう
)
であるが、
其處
(
そこ
)
には
獰猛
(
どうまう
)
鬼神
(
きじん
)
を
欺
(
あざむ
)
く
數百
(
すうひやく
)
の
海賊
(
かいぞく
)
が
一團體
(
いちだんたい
)
をなして、
迅速
(
じんそく
)
堅固
(
けんご
)
なる七
艘
(
さう
)
の
海賊船
(
かいぞくせん
)
を
浮
(
うか
)
べて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
この軍勢も、その武者幽霊の影ではないか、いかにも、まぼろしの
魔軍
(
まぐん
)
のごとく、
天颷
(
てんぴょう
)
のごとく、
迅速
(
じんそく
)
な足なみだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の胸には云うべき事がまだ残っているのに、彼の頭は自分の思わく通り
迅速
(
じんそく
)
に働らいてくれなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「だけど案外、その達者があてにならない例は、世間でよく見ることだからね。だから坊さんがいうじゃないか。無常
迅速
(
じんそく
)
、人の命は露みたいなもンだって」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一つは物の大小形状及びその色合などについて知覚が
明暸
(
めいりょう
)
になりますのと、この明暸になったものを、精細に写し出す事が巧者にかつ
迅速
(
じんそく
)
にできる事だと信じます。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ずいぶん
迅速
(
じんそく
)
といわねばならない。光秀の司令も行動も、決して戦機を
外
(
はず
)
してはいなかったのである。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ここで、できるだけ
迅速
(
じんそく
)
に、かつ機密に、毛利との
和睦
(
わぼく
)
を取りきめねばならぬが。……彦右衛門、御辺はきょうも、
恵瓊
(
えけい
)
と会っていたろうが、どうだな、先の
肚
(
はら
)
は」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その時の
迅速
(
じんそく
)
な
陣替
(
じんがえ
)
ばかりでなく、総じて甲州勢の大兵が、信玄の指揮ひとつで、実にあざやかに動くのを見て、家康はあとで、敵ながら実に見事であったと嘆賞して
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
初めのうち、光秀はまだ、そう左右の者へいっていたほど、そのことについて、味方の物見が
頻々
(
ひんぴん
)
と報じて来るような秀吉の
迅速
(
じんそく
)
な行動は、頭から信じきれないような
容子
(
ようす
)
だった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
迅速
(
じんそく
)
を欠いたのは、信忠の罪ではなく、ここに却って六百余という兵数があったための遅れである。六十人の兵が
狼狽
(
ろうばい
)
するよりは六百の兵が一度にあわてる混雑のほうが大きい。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
迅速
(
じんそく
)
こそ、この場合、唯一の大事ということを、一兵卒にいたるまで知っていた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玄蕃允
(
げんばのじょう
)
が会わぬというのを
強
(
た
)
って会って、
縷々
(
るる
)
、お旨を伝えて来ましたが——結局、大垣にある秀吉がこの方面へ駈け向って来るには、ぜひとも、一両日は要し、また
迅速
(
じんそく
)
に来たところで
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の
迅速
(
じんそく
)
な手配を求めている重要な書簡を襟に縫いこんでいたのである。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それも
迅速
(
じんそく
)
極まるもので、日頃の訓練にも
勝
(
まさ
)
るこの一斉な外面だけを眺めては士卒個々の心のなかに、前にいったような、
遅疑
(
ちぎ
)
、不安、
驚愕
(
きょうがく
)
などが
譟
(
さわ
)
いでいるとは一見思われない程ですらある。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、城方の侍大将、
今福
(
いまふく
)
又右衛門は、頃を計って、城中へ
迅速
(
じんそく
)
に退いた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いやもう実に
迅速
(
じんそく
)
も迅速、われら凡人どもには、一代でも到底成し
能
(
あた
)
うまいと思われることを、ここわずかな
年月
(
としつき
)
によくもやり通して来られたものと、われら家臣どもも
驚嘆
(
きょうたん
)
しているほどなのだ。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、恐れうろたえた民心をつかんで、信長は、
迅速
(
じんそく
)
に
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ほとんど目にもとまらないほど
迅速
(
じんそく
)
になってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
迅
常用漢字
中学
部首:⾡
6画
速
常用漢字
小3
部首:⾡
10画
“迅”で始まる語句
迅
迅雷
迅足
迅風耳
迅業
迅風
迅兵
迅烈
迅衝隊
迅来