こころ)” の例文
(七)舜禹しゆんうあひだ(八)岳牧がくぼくみなすすむ。すなはこれ(九)くらゐこころみ、しよくつかさどらしむることすうねん(一〇)功用こうようすでおこり、しかのちまつりごとさづく。
ソレが喫べられなければ私の喫べ掛けを半分喫べなさい、毒はないじゃないかと云うようなことでこころみた所が、ソコでくい出した。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
これは兵法へいほうでいう八もん遁甲とんこう諸葛孔明しょかつこうめい司馬仲達しばちゅうたつをおとし入れたじゅつでもある。秀吉、それをこころみて、滝川一益たきがわかずますをなぶったのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それよりも今一段と子どもらしい方法、したがって今では子どもしかこころみないたわむれに、鉤引かぎひきというものがあることは知っている人が多かろう。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
こうすれば、頭脳は普通の人間の二十倍もの働きをすることになるそうで、博士はその研究を自らの肉体にこころみられたのです
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
父の友人のヴァイオリンを弾きこころみて、「おじさんのヴァイオリンは、僕のより八分の一音だけ低くなっていますよ」
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
○彼女はじっとしてられなくなった。何かこころがっている。自分をためして見度みたがっている。自分の市場価値を。
現代若き女性気質集 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
一、初心の人古句に己の言はんと欲する者あるを見て、古人すでに俳句を言ひ尽せりやと疑ふ。これ平等を見て差別を見ざるのみ。こころみに今一歩を進めよ。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
こころみに思え、封建社会において、およそ明主と称し賢君と唱えらるるもの、がいしてみな養子ならざるはなきを。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
予が辞去じきょの後、先生例の散歩さんぽこころみられ、黄昏こうこん帰邸きてい初夜しょやしんつかれんとする際発病はつびょうついたれず。哀哉かなしいかな
国王は笑われましたが、王子があまり何度も申されますので、おしまいにはこころみにその用心をされました。
お月様の唄 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
エチエネットとわたしがリーズの手をった。わたしたちはもっと早くかの女を引っ張ろうとこころみたが、かの女はわたしたちと歩調を合わせることは困難こんなんであった。
りかけたふねとやら、これも現世げんせ通信つうしんこころみるものまぬががた運命うんめい——ごうかもれませぬ……。
もとより明言めいげんするを得るかぎりには非ざれどこころみに想像そうぞうを畫きて他日精査を爲すの端緒たんちよとせん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
あるいは商人のごときは兵乱へいらんのために兵器へいき売付うりつくるの道を得てひそかによろこびたるものありしならんといえども、そのすきじょうじて政治的干渉かんしょうこころみるなどくわだてたるものはあるべからず。
今や兇暴なる平和の攪乱者は天人の共怒きょうどを受けて亡びてしまったから、これよりして人道の光輝は愈々いよいよ燦然さんぜんたるべきであるが、果してしかるを得るか如何いかん。これをこころみに支那に徴せよ。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
右に古歌こかといったが、その古歌とはどんな歌か、今こころみに数首すうしゅを次にげてみよう。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ともしびにすかす指のなかのくれないなるは、人の血のみたる色にはあらず、いぶかしくこころむるたなそこのその血汐にはぬれもこそせね、こころづきて見定むれば、かいやりし夜のものあらはになりて
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ややに安んぜんとするを、造化はなお生意気なまいきなりと思いしか、たまたさらに予をこころみんとてか、今回は趣向を変えて、極めて陰険なる手段を用いジリジリ静かに攻め来りたり、そは他にあら
こころみに
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
闔廬かふろいはく、『こころみに婦人ふじんもつてすきか』と。いはく、『なり』と。ここおいこれゆるす。宮中きうちう美女びぢよいだし、百八十にんたり。
ソコで江戸にまいってからも、本藩の様子を見れば種々しゅじゅな事をこころみて居る。兵制で申せば西洋流の操練を採用したことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
これはいつも、そういう話の出たときに、私の言う話であるが、こころみに諸君は身体の調子のよいときに、ポケットの懐中時計をソッとのうちに握って
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして、これは何か、人智をこころむ山の精のいたずらに出会っているのではないかという錯覚さっかくさえ起こしました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれはジョリクールに二さじ三さじ飲ませようとこころみたけれど、小ざるはを食いしばっていた。
幽明ゆうめい交通こうつうこころみらるる人達ひとたちつねにこのこと念頭ねんとういていただきとうぞんじます。
 これは実景を知らぬ人はそのあじわいを解しがたし。こころみに京都に行きてつくづくと東山を見るべし。低き山の近くにありてしかもいただきの少しづつ高低ある処、あたかも人が蒲団をかぶりて寝たるに似たり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
手許てもとたけのびた影のある、土筆つくしの根をこころ
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今は只上着のみに付きて記述きじゆつこころむべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
一大投機私が商売に不案内とは申しながら、生涯の中で大きな投機のようなことをこころみて、首尾く出来た事があります。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
晏嬰あんえいすなは田穰苴でんじやうしよすすめていはく、『穰苴じやうしよ田氏でんし(四)庶孽しよげつなりといへども、しかれども其人そのひとぶんしうけ、てきおどす。ねがはくはきみこれこころみよ』
まずこう威嚇をこころみてみますと、その声が鋭かったので、次郎の方も、打って響きの答えるように
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
博士は、蒼白そうはくな顔に、ねっとりと脂汗あぶらあせをうかばせて、しきりに機械人間の制御をこころみている様子。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こころみに俳句的の和歌を挙げなば
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
榎本氏のきょ所謂いわゆる武士の意気地いきじすなわち瘠我慢やせがまんにして、その方寸ほうすんの中にはひそかに必敗を期しながらも、武士道のめにあえて一戦をこころみたることなれば
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ここおいて、孫子そんし使つかひをしてわうはうぜしめていはく、『へいすで整齊せいせいす、わうこころみにくだりてこれし。わうこれもちひんとほつするところ水火すゐくわおもむくといへど可也かなり
「船長、こころみにあの船をってみてはどうでしょうか。ここに一挺いっちょう小銃を持ってきています」
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さてはよこにひく車戸くるまどかと、諸手もろてをかけてこころみたが、ぎしッといっただけで一すんひらかばこそ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三の強藩に敵するの勇気なく、勝敗をもこころみずして降参こうさんしたるものなれば、三河武士みかわぶしの精神にそむくのみならず、我日本国民に固有こゆうする瘠我慢やせがまんの大主義をやぶ
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
孫子武そんしぶ齊人也せいひとなり兵法へいはふもつ呉王闔廬ごわうかふろまみゆ。闔廬かふろいはく、(一)の十三ぺんわれことごとこれる。(二)もつすこしくこころみにへいろくきか』と。こたへていはく、『なり』と。
ここに注意すべきは、このルナ・アミーバーとも名付くべき生物は、地球の人類に先んじて月と地球との横断をこころみたい意志のあることである。おそらく、それは成功することであろう。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
玉太郎は、それから急いでいろいろな方法によって通信をこころみた。その結果、やっぱりラツール氏だと分った。そのときのうれしさは何にたとえようもない。地獄じごくほとけとはこのことであろう。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
以上の立言りつげん我輩わがはいが勝、榎本の二氏にむかって攻撃をこころみたるにあらず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そこでまた、相手方の攻撃点に対して、猛烈な反駁はんばくこころみた。
鬼仏洞事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)