まをし)” の例文
昨日きのふあさ千葉ちばわたしびまして、奧樣おくさまこの四五にちすぐれやう見上みあげられる、うぞあそばしてかと如何いかにも心配しんぱいらしくまをしますので
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
罷出まかりいで候はゞ、奇特御座候とも、余命無御座候ござなくさふらふ。まして我等てい之者罷出、何之奇特も御座有間敷候得あるまじくさふらへは、罷出無詮義せんなきぎと存候。当世は有様ありやう正直をまをして、用に立申儀たちまをすぎにて無御座候。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とき方國沴氏はうこくてんし眞四角まつしかく先生せんせいにて、すなはち明州みんしう刺史ししたり。たちまそうとらへてなじつていはく、なんぢなんせいぞ。おそる/\こたへいはく、竺阿彌ちくあみまをしますと。方國はうこくそうをせめていはく、なんぢ職分しよくぶんとしてひとまよひみちびくべし。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
物言ふは用事のある時慳貪けんどんまをしつけられるばかり、朝起まして機嫌をきけば不図ふとわきを向ひて庭の草花をわざとらしきことば
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まげ度程まげ申せは、それには光さし申世にて候間、中々我等躰之者罷出まかりいで、世に逢申儀にて無御座候、世にあわせまをしても、はや無余候間、今日/\と存、死をまつばかりにて御座候。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
物言ものいふは用事ようじのあるとき慳貪けんどんまをしつけられるばかり、朝起あさおきまして機嫌きげんをきけば不圖ふとわきひてには草花くさばなわざとらしきことば
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
串談じようだんはぬきにして結城さん貴君に隠くしたとて仕方がないからまをしますが町内で少しははばもあつた蒲団やの源七といふ人
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
串談じようだんはぬきにして結城ゆふきさん貴君あなたくしたとて仕方しかたがないからまをしますが町内ちやうないすこしははゞもあつた蒲團ふとんやのげん七といふひと
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ともあれあの子も両親の手で育てられまするに、つまらぬ事を思ひよりまして、貴君にまでやな事を御聞かせまをしました
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もあれ兩親れうしんそだてられまするに、つまらぬことおもよりまして、貴君あなたにまでやなこと御聞おきかせまをしました
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手紙をお書き今に三河やの御用聞きが來るだろうから彼の子僧に使ひやさんを爲せるが宜い、何の人お孃樣ではあるまいし御遠慮ばかりまをしてなる物かな
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手紙てがみをおいまに三かわやの御用聞ごようききがるだろうから子僧こぞう使つかひやさんをせるがい、なんひと孃樣ぢようさまではあるまいし御遠慮計ごゑんりよばかりまをしてなるものかな
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手紙をお書き今に三河やの御用聞きが来るだろうからあの子僧に使ひやさんをせるがい、なんの人お嬢様ではあるまいし御遠慮ばかりまをしてなる物かな
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いのさ、これはお前にこれは姉さんに、大きいので帳場の払ひを取つて残りは一同みんなにやつても宜いと仰しやる、お礼をまをして頂いてお出でと蒔散まきちらせば
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何處どこいともまをしがたけれど華魁衆おいらんしゆとて此處こゝにてのうやまひ、たちはなれてはるによしなし、かゝるなかにて朝夕あさゆふごせば、きぬ白地しらぢべにこと無理むりならず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れいまをしいたゞいておでと蒔散まきちらせば、これを此娘このこの十八ばんれたることとてのみは遠慮ゑんりよもいふてはず、旦那だんなよろしいのでございますかと駄目だめして
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まことまをしかねましたがわたしはこれで御免ごめんねがひます、だいりませぬからおりなすつてと突然だしぬけにいはれて、おもひもかけぬことなれば阿關おせきむねをどつきりとさせて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
るくするととりかへしのかぬことになるとまをしまして、れで其時そのときまをしました、わたし郷里きやうりおさ友達ともだちれ/\つて、かんもちの、はつきりとして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
無器用ぶきようなお前樣まへさま此子このこいぢくるわけにもくまじ、おかへりにるまでわたしちゝげませうと、ありさまをかねて、となりつまいてくに、何分なにぶんたのまをしますとひながら
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さりとは陽氣ようきまちみたるひとまをしき、三島神社みしまじんじやかどをまがりてよりれぞとゆる大厦いゑもなく、かたぶく軒端のきばの十けん長屋ながや二十けん長屋ながやあきなひはかつふつかぬところとてなかばさしたる雨戸あまどそと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いまねんのちたしとくるわがへりの若者わかものまをしき、大黒屋だいこくや美登利みどりとて生國せいこく紀州きしう言葉ことばのいさゝかなまれるも可愛かわゆく、だい一ははなれよき氣象きしやうよろこばぬひとなし、子供こども似合にあは銀貨ぎんくわれのおもきも道理だうり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
亥之はあの通り口の重いたちだしいづれお目に懸つてもあつけない御挨拶ごあいさつよりほか出来まいと思はれるから、何分ともお前が中に立つて私どもの心が通じるやう、亥之が行末をもお頼みまをして置ておくれ
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)