トップ
>
度
>
た
ふりがな文庫
“
度
(
た
)” の例文
国木田独歩は「驚き
度
(
た
)
い」と言い続けながら、あんなにも運命の偶然性、(前に独歩の小説運命論者を兄は妹に言って聞かせていた)
兄妹
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
筆なる者は罪もなく殊に孝心な者故助け
度
(
た
)
いとて訴え出でたる幸十郎は
最
(
い
)
と神妙の至りで有る、筆
儀
(
ぎ
)
は
咎
(
とがめ
)
も申し付けべき処なれども
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
... 企て候
輩
(
ともがら
)
これあるに於ては、たとへ有司の人たりとも、
聊
(
いささか
)
用捨なく譴責仕り
度
(
た
)
き一統の
赤心
(
せきしん
)
に御座候」(朝廷への「浪士組」建白書)。
新撰組
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
一人のみすぼらしい旅人が、甲州
谷村
(
やむら
)
在
宝村
(
たからむら
)
の
大旗
(
おおはた
)
尋常高等小学校へ、深夜こっそり訪れて来た。校長に逢い
度
(
た
)
いと云うのである。
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
実を云えばここまでは、この物語の前提に過ぎないので、作者が是非、諸君に読んで貰い
度
(
た
)
いと思うのは、これから後なのである。
心理試験
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
というのは、彼はボーシス婆さんが彼に小声で話して聞かせた不思議なことが、一体本当なのかどうか知り
度
(
た
)
くなったからでした。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
理窟
(
りくつ
)
を申していると際限もありません、が、私が
此処
(
ここ
)
で
申上
(
もうしあ
)
げ
度
(
た
)
いのは、夢は従来の心理学者が発表したような、簡単な睡眠中の
刺戟
(
しげき
)
や
奇談クラブ〔戦後版〕:14 第四次元の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いい着物を着て、
美味
(
うま
)
い物を食べて、立派な家に住み
度
(
た
)
いと思わぬ事は無いが、
只
(
ただ
)
それが出来ぬから、こんな処で甘んじて居る。
文士の生活:夏目漱石氏-収入-衣食住-娯楽-趣味-愛憎-日常生活-執筆の前後
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
講道館の嘉納治五郎氏は、書画を
娯
(
たのし
)
み
度
(
た
)
いが、
正真物
(
しやうしんもの
)
の書画は値段が張つて
迚
(
とて
)
も買へないからといつて、書画代用の妙案を実行してゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それで是非とも
其
(
その
)
時の案内人夫を伴い
度
(
た
)
く思ったのであるが、
生憎
(
あいにく
)
一人も都合がつかなかったので、別人を雇う外はなかった。
鹿の印象
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
と、いやあな顔をして云ったのが、今でもお君の眼先にチラツイて、それを思い出す
度
(
た
)
んびに、何とも云えない気持になって涙がこぼれた。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
『なかった? ふむ。ないものをあると言うからには、何か知られ
度
(
た
)
くない事情があったんだな。お
内儀
(
かみ
)
さん、心当りは御座居ませんか?』
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
自分は上野の戦争の絵を見る
度
(
た
)
びに、官軍の
冠
(
かむ
)
った紅白の
毛甲
(
けかぶと
)
を美しいものだと思い、そしてナポレオン帝政当時の軽騎兵の甲を連想する。
銀座界隈
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
老叟
(
らうそう
)
は
笑
(
わら
)
つて『さう言はるゝには
何
(
なに
)
か
證據
(
しようこ
)
でも
有
(
ある
)
のかね、
貴君
(
あなた
)
の
物
(
もの
)
といふ
歴
(
れき
)
とした
證據
(
しやうこ
)
が有るなら
承
(
うけたま
)
はり
度
(
た
)
いものですなア』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「しかし、誰か一人や二人、この近所に居ないものかな。俺は
直
(
す
)
ぐ前線へ帰らなけりゃならないんだが、その前に是非会い
度
(
た
)
い人があるんだ」
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
「いや……警視庁の田名網です……早川氏の殺害の犯人が、まだあがらないのであなたにもご協力願い
度
(
た
)
いと思いましてね」
雪
(新字新仮名)
/
楠田匡介
(著)
世間の奴等に万歳を叫ばし
度
(
た
)
いのか、大きな嘘吐きとして嘲笑されたいのか、元気を出せ、貴様は選ばれた男だぞ、忘れるな、いいか、起て
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「だが、何だってお前たちは、この女を
素裸
(
すっぱだか
)
でこんな所に転がしとくんだい。それに又何だって見世物になんぞするんだい」と云い
度
(
た
)
かった。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
「不和、不穏の
基
(
もとい
)
に相成るから、
不憫
(
ふびん
)
であっても、厳重に処置する方策をもって臨んでもらい
度
(
た
)
い——と、いう相談じゃ」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
殊に私は左伝が得意で、大概の書生は左伝十五巻の内三、四巻で
仕舞
(
しま
)
うのを、私は全部通読、
凡
(
およ
)
そ十一
度
(
た
)
び読返して、面白い処は暗記して居た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
恍惚? どうも
度
(
た
)
び
度
(
た
)
び「恍惚」と云う字を使うようだが、実際音楽から受ける快感は、「恍惚」の二字を用うるより外に、適当な形容詞がない。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
嘲笑うは人の勝手である、私自身も、登山を別に賢いことと賞めて貰い
度
(
た
)
くはない、えらいこととは思って居らん、が、心よいことと信じておる。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
即ち、何とかして、赤血球の一粒一粒を取り出して、それを秤にかけてその目方をはかり
度
(
た
)
いと思ったのであります。
新案探偵法
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
『
私
(
わたくし
)
は
小櫻
(
こざくら
)
と
申
(
もう
)
すものでございますが、こちらの
奥方
(
おくがた
)
にお
目通
(
めどお
)
りをいたし
度
(
た
)
く、わざわざお
訪
(
たず
)
ねいたしました……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
御返答承り
度
(
た
)
しと言葉
爽
(
さわ
)
やかに
笑
(
えみ
)
を含めば、一同
呆
(
あき
)
るゝ事
稍久
(
ややしばし
)
焉。
忽
(
たちま
)
ちにして雲井喜三郎は満面に朱を注ぎつ。おのれ口の横さまに裂けたる
雑言哉
(
ぞうごんかな
)
。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「誰でも罪な、けがれた事をしてゐる時は神聖なものの事を口にしたり、思ひ出したりし
度
(
た
)
くないものですわ。でなくちや呑気に楽しめませんものね。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
若草の伸び揃うた頃にもう一度この野の中を歩いて見
度
(
た
)
いとその時思ったのであったが、昨年は病気がちで果さず、今年もその春の頃をば空しく過ごして
みなかみ紀行
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
そして、お寺から、その女を尾行して行って、
住処
(
じゅうしょ
)
を突き留めます。それからは、毎日女の家を見張っていて、女が外出する
度
(
た
)
びに、尾行を続けるのです。
踊る地平線:10 長靴の春
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
第二は今日植物学者は極めて
寡
(
すくな
)
いから一人でもそれを排斥すれば学界が損をし植物学の進歩を弱める事、第三はやはり相変らず書物標本を見せて貰い
度
(
た
)
き事
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
ちっとも
速
(
はや
)
く
返事
(
へんじ
)
が
聞
(
き
)
き
度
(
た
)
くて、
帳場格子
(
ちょうばこうし
)
と二
階
(
かい
)
の
間
(
あいだ
)
を、九十九
度
(
ど
)
も
通
(
かよ
)
った
挙句
(
あげく
)
、とうとう
辛抱
(
しんぼう
)
が
出来
(
でき
)
なくなったばっかりに、ここまで
出向
(
でむ
)
いて
来
(
き
)
た
始末
(
しまつ
)
さ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
まだかまだかと
塀
(
へい
)
の
廻
(
まわ
)
りを七
度
(
た
)
び
廻
(
まわ
)
り、
欠伸
(
あくび
)
の
數
(
かず
)
も
盡
(
つ
)
きて、
拂
(
はら
)
ふとすれど
名物
(
めいぶつ
)
の
蚊
(
か
)
に
首筋
(
くびすぢ
)
額
(
ひたい
)
ぎわしたゝか
螫
(
さゝ
)
れ、三五
郎
(
らう
)
弱
(
よわ
)
りきる
時
(
とき
)
、
美登利
(
みどり
)
立出
(
たちい
)
でゝいざと
言
(
い
)
ふに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あら、私としたことが、申し遅れまして、あの私は○○雑誌社の者ですが、今日のお話を訪問記事に致しまして、来月号の○○誌に掲載させて
戴
(
いただ
)
き
度
(
た
)
く思います。
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
もうその年も十二月下旬であったが、萬朝報の三行広告に「パン店譲り受け
度
(
た
)
し」と出して見ると、その日のうちに数ヶ所から、買ってくれという申し込があった。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
閣下に直接知って戴いた上其の罪に服し
度
(
た
)
いとの希望を以て
此度
(
このたび
)
斯
(
こ
)
うして筆を取った次第であります。
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
私は残り少くなった休暇をせめて一日でも有効に使い
度
(
た
)
いと思って珍らしくも、私の先輩にあたる
須永
(
すなが
)
助教授を、
染井
(
そめい
)
の家に訪うために、少し遅い
朝飯
(
あさはん
)
をしまうと
三角形の恐怖
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
仮初
(
かりそめ
)
ながら
知合
(
しりあい
)
となった
爺
(
じい
)
の耳へもあなたの
良
(
よい
)
評判を聞せて
貰
(
もら
)
い
度
(
た
)
い、然し何もあなたを
追立
(
おいたて
)
る訳ではないが、昨日もチラリト窓から
覗
(
のぞ
)
けば像も見事に出来た様子
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
でも、
僕
(
ぼく
)
の
方
(
はう
)
からはさう
手輕
(
てが
)
るには——
君
(
きみ
)
がやつたやうに
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つては
君
(
きみ
)
のところへ
出
(
で
)
かけられない。だから
君
(
きみ
)
から一
度
(
ど
)
來
(
き
)
てもらひ
度
(
た
)
いと
思
(
おも
)
ふ——
夢
(
ゆめ
)
にでも
現
(
うつつ
)
にでも。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「ね、そうして呉れ給え。その方が僕としても都合がいいんだ、是非、頼み
度
(
た
)
いこともあるし——」
自殺を買う話
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
(ヤヤ、
難有
(
ありがた
)
い、仏壇の中に
美婦
(
たぼ
)
が見えるわ、
簀
(
す
)
の子の天井から落ち
度
(
た
)
い。)などと、膝栗毛の書抜きを遣らっしゃるで魔が
魅
(
さ
)
すのじゃ、屋台は古いわ、造りも広大。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「この期日の間違いには、銀行として応じるわけには
不可
(
いか
)
ないそうでありますが、あなたは日本の方ですから、特にこの
度
(
た
)
びは、規則を破ってお払いすると、云いました」
罌粟の中
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
傍観は
如何
(
いか
)
にも不親切だが、しかし不真面目に
空
(
か
)
ら
騒
(
さわ
)
ぎをする連中よりは、一
度
(
た
)
び出たらやると言う修養をして傍観している方、ソノ方が健全な精神的状態ではなかろうか。
人格を認知せざる国民
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
我れと我が心に分らぬほど余は老人の死骸に
近
(
ちかづ
)
き
度
(
た
)
き望みを起し自ら制せんとして制し得ず
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
その土地の内に
産
(
さん
)
する
生糸
(
きいと
)
は一切
他
(
た
)
に
出
(
いだ
)
さずして政府の手より仏国人に
売渡
(
うりわた
)
さるるよう
致
(
いた
)
し
度
(
た
)
し、
御承知
(
ごしょうち
)
にてもあらんが仏国は世界第一の
織物国
(
おりものこく
)
にして生糸の
需用
(
じゅよう
)
甚
(
はなは
)
だ
盛
(
さかん
)
なれば
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
もう、これ以上、書かないけれども、太宰治様。僕は、あなたの処へ飛んで行って暗いところで話し
度
(
た
)
い。改造にあなたが書けば改造を買い、中公にあなたが書けば中公を買う。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
でありますから
或
(
ある
)
いは仕事に少しのつらいことがあるとしても、我々も又戦争で敵の
弾
(
たま
)
を浴びながら闘っている兵隊さんと同じ気持と覚悟をもってやっていたゞき
度
(
た
)
いと思うのです。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
ドクトルも
其
(
そ
)
れからは
行
(
ゆ
)
くのを
見合
(
みあ
)
はせてはゐるものゝ、
猶且
(
やはり
)
行
(
ゆ
)
き
度
(
た
)
く
思
(
おも
)
ふてゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
切たとやら云ふ樣に
少共
(
ちつとも
)
御出の有らぬのは何した事かと思ふ故御茶屋へ
度
(
た
)
び/\
文
(
ふみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何卒
(
なにとぞ
)
これまでの思出には、たとひ命ある内こそ
如何
(
いか
)
やうの
御恨
(
おんうらみ
)
は受け候とも、今はの
際
(
きは
)
には
御前様
(
おんまへさま
)
の
御膝
(
おんひざ
)
の上にて心安く
息引取
(
いきひきと
)
り
度
(
た
)
くと存候へども、それは
愜
(
かな
)
はぬ罪深き身に候上は
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
イ警第三二五六号 聴取の要有之本日午後三時本警察署人事係まで出頭致され
度
(
た
)
し
ポラーノの広場
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
次の版に於ては必ず御訂正あり
度
(
た
)
し 失礼を顧みず申上ぐる次第に御座候 敬具
随筆難
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“度”を含む語句
態度
目出度
度々
芽出度
今度
二度
程度
毎度
百度
屹度
法度
再度
見度
一度
幾度
恰度
仕度
度胸
度外
数度
...