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『兄妹』
ふりがな文庫
『
兄妹
(
きょうだい
)
』
——二十余年前の春 兄は第一高等学校の制帽をかぶっていた。上質の久留米絣の羽織と着物がきちんと揃っていた。妹は紫矢絣の着物に、藤紫の被布を着ていた。 三月の末、雲雀が野の彼処に声を落し、太陽が赫く森の向うに残紅をとどめていた。森の樹々は、ま …
著者
岡本かの子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「令女界」1936(昭和11)年3月号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約5分(500文字/分)
朗読目安時間
約7分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
憧憬
(
しょうけい
)
懐
(
なつか
)
度
(
た
)
赫
(
あか
)
烟
(
けむ
)
睨
(
にら
)
雲雀
(
ひばり
)
裾
(
すそ
)
袴
(
はかま
)
被布
(
ひふ
)
袂
(
たもと
)
耽
(
ふけ
)
稚
(
おさな
)
凜
(
りん
)
此処
(
ここ
)
樵夫
(
きこり
)
刹那
(
せつな
)