宝石ほうせき)” の例文
旧字:寶石
お日さまは何べんも雲にかくされてぎんかがみのように白く光ったり、またかがやいて大きな宝石ほうせきのようにあおぞらのふちにかかったりしました。
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのうちに、皇子おうじのほうからは、たびたび催促さいそくがあって、そのうえに、たくさんの金銀きんぎん宝石ほうせきるいくるまんで、おひめさまにおくられました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれどマタンは、おどろくほど熱心ねっしんでした。仕事をしてるとき、その小さな目は、青い宝石ほうせきのようにかがやいていました。
名なし指物語 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「あたしの着物きものだって、真珠しんじゅだって、宝石ほうせきだって。それから、あたしのかぶっているきんのかんむりだって、あげてよ。」
この果物は、ほんとうはダイヤモンドや、ルビーや、エメラルドや、サファイヤなどという宝石ほうせきだったのですが、アラジンには気がつきませんでした。
みなとにとまっている汽船きせんに、あかりがつき、きらきらと宝石ほうせきのようにきらめいているのが、とりわけ美しく思われた。
それはほんものにみまがうこしらえものの、さよなきどりでしたが、ダイヤモンドだの、ルビイだの、サファイヤだのの宝石ほうせきが、ちりばめてありました。
屋根やねは、お日さまの光をうけて、キラキラと輝き、窓ガラスは、宝石ほうせきのように、きらめいていました。
こうかなしそうにいって、乙姫さまは、おくからきれいな宝石ほうせきでかざったはこを持っておいでになって
浦島太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
これは宝石ほうせき箱のかぎだ。これはへやのこらずの合いかぎだ。さて、ここにもうひとつ、ちいさなかぎがあるが、これは地下室ちかしつの大ろうかの、いちばんおくにある、小べやをあけるかぎだ。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
「もう一きたくにへゆこう。そして、宝石ほうせきさがしてこよう。」と、かれおもいました。それよりほかにいい方法ほうほうがなかったからであります。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
日様ひさまはもえる宝石ほうせきのようにひがしそらにかかり、あらんかぎりのかがやきをかなしむ母親ははおやたびにでたどもらとにげておやりなさいました。
いちょうの実 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「おまえのほしいものなら、なんでもあげてよ。あたしのきているきものでも、光るしんじゅでも、きれいな宝石ほうせきでも、それから金のかんむりでも。」
けれども、その着物を持っている人は、灰色の布のほうに、たくさんの真珠しんじゅ宝石ほうせきをかざりつけて、金のビロードのほうよりも、美しくりっぱに見せていたという話でした。
妖女はそこで、ほんのわずか、つえの先で、サンドリヨンのからだにさわったとおもうと、みるみる、つぎはぎだらけの着物は、宝石ほうせきをちりばめた金と銀の着物にかわってしまいました。
やがて、水晶すいしょうかべに、いろいろの宝石ほうせきをちりばめた大広間おおひろまにとおりますと
浦島太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
。小さいうつくしい金のことりよ。うたってくれ。まあうたってくれ。おまえには、こがねもやった。宝石ほうせきもあたえた。わたしのうわぐつすら、くびのまわりに、かけてやったではないか。さあ、うたってくれ。うたってくれ。
また、その宝石ほうせきかねにしなくても、むすめのくびかざりとしたら、どんなにうつくしくかがやいてむすめこころよろこばせるであろうとおもいました。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
雨のこうにはお日さまが、うすい緑色みどりいろのくまをって、まっ白に光っていましたが、そのこちらで宝石ほうせきの雨はあらゆる小さなにじをあげました。
そして漁師りょうしのおかみさんは、金とダイヤモンドでできている高い玉座ぎょくざにすわり、大きな金のかんむりをかぶって、金と宝石ほうせきのしゃくをもっていました。
この二つの町をくらべてみますと、それはちょうど、人が、ある日には、むらさきの着物きもの宝石ほうせきとで身をかざり、また、ある日には、ぼろにくるまっているのを見るのと、おなじようなものです。
するとその拍子ひょうしあたまはちがぽっくりちて、それといっしょに、ばらばらと金銀きんぎん宝石ほうせきがこぼれちました。宰相さいしょうはこのときはじめてつきひかりはちかつぎのきれいなかおて、びっくりしてしまいました。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そうして、はこなかから、さんごや、真珠しんじゅや、めのうや、水晶すいしょうや、その、いろいろと高価こうかな、うつくしい宝石ほうせきして、薬売くすりうりにしめしておりました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
さて、おとうさんは、ふたりのままむすめのおみやげに、きれいな着物きものと、それに、真珠しんじゅ宝石ほうせきとを買いました。
はちすずめのあとをって二つぶの宝石ほうせきがスッと光って二人の青い帽子ぼうしにおち、それから花の間にちました。
指輪ゆびわについている宝石ほうせきからは、あおひかりや、金色きんいろひかりが、おんなたちのからだをうごかし、をふるたびにひらめいたのでした。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかも、きん宝石ほうせきにひかりかがやく、にも美しいおとめの絵姿えすがたを見たとたんに、王さまは気をうしなって、ばったりとそのにたおれてしまったのです。
「ね、おい。ぼくのもってるルビーのつぼやなんかより、もっといい宝石ほうせきは、どっちへ行ったらあるだろうね」
よくると、それは、みんなほしではなく、金貨きんかに、銀貨ぎんかに、宝石ほうせきや、宝物ほうもつなか自分じぶんはすわっているのである。もう、こんなうれしいことはない。
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、真珠しんじゅ宝石ほうせきが、おへやじゅうころがりだしました。こんどは、ヘンゼルが、かくしに片手をつっこんで、なんどもなんどもつかみだしては、そこにばらまきました。
時計屋とけいやの店には明るくネオンとうがついて、一びょうごとに石でこさえたふくろうの赤いが、くるっくるっとうごいたり、いろいろな宝石ほうせきが海のような色をしたあつ硝子ガラスばんって
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
すると、宝石商ほうせきしょうは、いまさら、うしなったあかあおみどりむらさき宝石ほうせきしくてしかたがなかったのです。よるそとって、そのことばかりかんがえていました。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いちばんおしまいにやってきたところには、美しいりっぱないすがたくさんあって、そのまんなかには、ぴかぴかかがやく宝石ほうせきをちりばめた、きん安楽あんらくいすがおいてありました。
ヴェーッサンタラ大王は檀波羅蜜だんばらみつぎょうと云ってほしいと云われるものは何でもやった。宝石ほうせきでも着物きものでもべ物でもそのほか家でもけらいでも何でもみんなわれるままにほどこされた。
そのみせには、ガラス内側うちがわに、宝石ほうせきはいった指輪ゆびわや、金時計きんどけいや、ぎん細工さいくをしたえりかざりや、寒暖計かんだんけいや、いろいろなものがならべてありましたが、なかにも
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのゆびわは宝石ほうせきで、きらきらひかっています。なんともいえない うつくしさです。
春子はるこさんは、宝石ほうせきよりうつくしいものは、ほかにはない。どうしても、ちょうであるとしかかんがえられませんでした。
玉虫のおばさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
グレーテルがまえかけをふるいますと、真珠しんじゅ宝石ほうせきがへやじゅうにころがりでました。
それは金銀きんぎん宝石ほうせきんだ幽霊船ゆうれいぶねが、あるみなといたときに、そのおかね宝石ほうせきがほしいばかりに、幽霊ゆうれい自分じぶんうちにつれてきてめた、欲深者よくふかものはなしでありました。
善いことをした喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふたりは、魔法使まほうつかいのうちのなかにずんずんはいっていきました。うちのなかには、真珠しんじゅ宝石ほうせきのいっぱいつまったはこが、あっちのすみにも、こっちのすみにも、ごろごろしていました。
いったい、宝石ほうせきばかりは、のあかるいひとでなければ、真物ほんものか、偽物にせものか、容易ようい見分みわけのつくものでありません。また、しょうのいいわるいについてもおなじことです。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
(いったいぜんたい、なんだろうな。あのふくろには、きっと宝石ほうせきばかり、ぎっしりつまっているんだろう。こいつもちょうだいしなくちゃなるまい。いいものは、なんでも三つそろうっていうからな。)
そのとき、きさき大事だいじにされた、数々かずかず宝石ほうせきをごらんになって、このあお宝石ほうせきくだいて、てつといっしょにかして、かたちをなくしてしまおうとおかんがえなされたのです。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あたしは真珠しんじゅ宝石ほうせき。」
性質せいしつというものは、そう容易よういわらないものじゃ、けれどおじょうさんは、金持かねもちのいえまれながら、衣服いふくや、宝石ほうせきなどよりも、そらほしあいされるところをみると
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あさましいかんがえをこしたのだろう、もし、正直しょうじきだったら、そして、自分じぶんほねをおって、あの宝石ほうせきたかってやったら、あのおとこは、おもいがけないもうけによろこんで
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まち郊外こうがいには、おかうえに、はたけなかに、オレンジが、うつくしく、西日にしびかがやいていました。青黒あおぐろい、あつみのあるあいだから、黄色きいろ宝石ほうせきつくられたたまのようにられました。
気まぐれの人形師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひとり、おうさまや、きさきが、あいされたばかりでなく、国々くにぐに金持かねもちは、あおたまあつめるようになりましたから、たちまち、あお宝石ほうせきあたいは、かぎりなくがったのです。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
宝石ほうせき見分みわける名人めいじんが、募集ぼしゅうされることになりました。そして、いろいろのひとたちがあつまってきましたけれど、結局けっきょく名人めいじんというのは、最後さいごのこされた一人ひとりぎません。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、このとき、うつくしい花嫁はなよめせた自動車じどうしゃとおりました。花嫁はなよめは、金銀きんぎん宝石ほうせきで、あたまや、むねかざっていました。そして、はなやかな空想くうそうにふけっていました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)