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乞
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こ
ふりがな文庫
“
乞
(
こ
)” の例文
ある時ヘルンから万葉集の歌を質問され、答えることができなかったので、泣いてその無学を詫び、良人に不実の罪の許しを
乞
(
こ
)
うた。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
此書
(
このしよ
)
全部
(
ぜんぶ
)
六巻、
牧之老人
(
ぼくしらうじん
)
が
眠
(
ねふり
)
を
駆
(
かる
)
の
漫筆
(
まんひつ
)
、
梓
(
あづさ
)
を
俟
(
また
)
ざるの
稿本
(
かうほん
)
なり。
故
(
ゆゑ
)
に
走墨乱写
(
そうぼくらんしや
)
し、
図
(
づ
)
も
亦
(
また
)
艸画
(
さうぐわ
)
なり。
老人
(
らうじん
)
余
(
よ
)
に
示
(
しめ
)
して
校訂
(
かうてい
)
を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
信頼できる支那学者であることをきいており、亜細亜研究所にこの詩人がつとめているときいたので、訪ねて行って教えを
乞
(
こ
)
うた。
魔の退屈
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
これを先生に
乞
(
こ
)
うて時事新報の紙上に
掲載
(
けいさい
)
することとなし、なお先生がこの文を勝、榎本二氏に与えたる後、明治二十五年の二月
瘠我慢の説:01 序
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
先方と直接お逢いになってお話をする必要もあると思われるから、明日、とにかく銀座の私の事務所までおいでを
乞
(
こ
)
う、という文面で
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
もし、この侍の頼みを
拒
(
こば
)
めば、この侍は自分たちをただで
措
(
お
)
くはずはないし、その
乞
(
こ
)
いを容れれば、関所で当然見つかるであろうし——
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
体温計を与へて見ると微熱がある。顔いろもわるい。夫人はその場で電話器を取り上げて、聖心会病院の院長の診断を
乞
(
こ
)
うたのである。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
家に帰るべきわが
運
(
うん
)
ならば、強ひて
止
(
とど
)
まらむと
乞
(
こ
)
ひたりとて何かせん、さるべきいはれあればこそ、と
大人
(
おとな
)
しう、ものもいはでぞ
行
(
ゆ
)
く。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
かくて一方には
大厦
(
たいか
)
高楼
(
こうろう
)
にあって黄金の杯に
葡萄
(
ぶどう
)
の美酒を盛る者あるに、他方には
襤褸
(
らんる
)
をまとうて門前に食を
乞
(
こ
)
う者あるがごとき
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
家を移し、姉上の上京を
乞
(
こ
)
い、比較的に安全な位置に彼女を置いて来たというのも、それは皆彼女のために計ったことであると書いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
此書
(
このしよ
)
全部
(
ぜんぶ
)
六巻、
牧之老人
(
ぼくしらうじん
)
が
眠
(
ねふり
)
を
駆
(
かる
)
の
漫筆
(
まんひつ
)
、
梓
(
あづさ
)
を
俟
(
また
)
ざるの
稿本
(
かうほん
)
なり。
故
(
ゆゑ
)
に
走墨乱写
(
そうぼくらんしや
)
し、
図
(
づ
)
も
亦
(
また
)
艸画
(
さうぐわ
)
なり。
老人
(
らうじん
)
余
(
よ
)
に
示
(
しめ
)
して
校訂
(
かうてい
)
を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
もう
忍耐
(
にんたい
)
が
出來
(
でき
)
ない、
萬年
(
まんねん
)
ペンをとつて
振
(
ふ
)
りあげた、その
恐
(
おそ
)
ろしい
笞
(
しもと
)
の
下
(
した
)
で
憐
(
あわれ
)
みを
乞
(
こ
)
ふかのように
鳴
(
な
)
いてゐる、それが
毆
(
たゝ
)
けるか。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
ソヴィエト政権転覆のため、武力援助を日本側代表に
乞
(
こ
)
い、敗戦後、
独逸
(
ドイツ
)
にはウクライナ、日本には沿海州を与えることを約束しました。
地底獣国
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
美青年は応接室のアーム・チェアに腰を浮かすようにして、物に
憑
(
つ
)
かれた眼で明智を見つめながら、真剣な調子で名探偵の判断を
乞
(
こ
)
うた。
暗黒星
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼れは
懐
(
なつ
)
かしさの余り、その香水を所有したいと云ふ欲望にかられ、ほんの一二滴をシャンダーラム夫人へ
乞
(
こ
)
うた訳なのである。
アリア人の孤独
(新字旧仮名)
/
松永延造
(著)
一度単于は李陵を呼んで軍略上の示教を
乞
(
こ
)
うたことがある。それは
東胡
(
とうこ
)
に対しての戦いだったので、陵は快く
己
(
おの
)
が意見を述べた。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
俊寛 (あわれみを
乞
(
こ
)
うごとく)康頼殿、あなただけはわしを見捨ててくださるな。あなたは成経殿の例にならってくださるな。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
なんだかこの会話をしている時、マリイの顔に、人の
憐
(
あわれ
)
みを
乞
(
こ
)
うような、自覚したる忍耐の表情が見えたように、病人は感じた。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
戒問樹
(
かいもんじゅ
)
という木の下に、地蔵菩薩が待っていて、お地蔵さんは子供の神様で情け深い方ですから、こどもたちのために哀れみを
乞
(
こ
)
います。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
浜田は口をもぐもぐやらせて、何か云いそうにしましたけれど、矢張黙って、私の前に
憐
(
あわ
)
れみを
乞
(
こ
)
うかの
如
(
ごと
)
く、
項
(
うなじ
)
を垂れてしまいました。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
高野山の弘法大師などが、猟人の手から霊山の地を
乞
(
こ
)
い受けたなどという昔話は、恐らくはこの事情を反映するものであろうと考えます。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その一言は、「まあわしの許しを
乞
(
こ
)
え、わしの首に飛びついてこい!」という心の底のやさしい言葉を言い換えたものであった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
乞
(
こ
)
うて其上に山田と計て死骸をば
泣々
(
なき/\
)
寺へ
葬
(
はうむ
)
りけり
不題
(
こゝにまた
)
其頃の北町奉行は大岡越前守
忠相
(
たゞすけ
)
というて
英敏
(
えいびん
)
活斷
(
くわつだん
)
他人
(
ひと
)
に
勝
(
まさ
)
り善惡
邪正
(
じやせい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
昨年の春より今年の春まで
一年
(
ひととせ
)
と
三月
(
みつき
)
の間、われは
貴嬢
(
きみ
)
が
乞
(
こ
)
わるるままにわが友宮本二郎が上を
誌
(
しる
)
せし手紙十二通を送りたり
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
江戸
開城
(
かいじょう
)
の後、予は
骸骨
(
がいこつ
)
を
乞
(
こ
)
い、しばらく先生と
袂
(
たもと
)
を
分
(
わか
)
ち、
跡
(
あと
)
を
武州
(
ぶしゅう
)
府中
(
ふちゅう
)
の辺に
屏
(
さ
)
け居るに、先生は
間断
(
かんだん
)
なく
慰問
(
いもん
)
せられたり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
君が東京にどうしてもいると言うなら、芳子を国に帰すか、この関係を父母に打明けて許可を
乞
(
こ
)
うか、二つの中一つを選ばんければならん。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ある時も、彼女はパリへ立つ友人を見送る子供と三四人の同窓と、外国航路の船を見いかたがた横浜へ行こうとして、庸三の許しを
乞
(
こ
)
うた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
夫人の整った美しい顔に
憐
(
あわ
)
れみを
乞
(
こ
)
うような
縋
(
すが
)
りつき
度
(
た
)
いような功利的な表情が浮んで、夫人の顔にはじめて生気を帯ばした。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そのほか君の前に書画帖を置いて画を
乞
(
こ
)
ふ者あれば君は直に筆を
揮
(
ふる
)
ふて
咄嗟
(
とっさ
)
画を成す。
為山
(
いざん
)
氏の深思熟考する者と全く異なり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
理詰
(
りづめ
)
で判断はできるが、自分はだいたいの
見地
(
けんち
)
よりこの問題を見る力なく、
取捨
(
しゅしゃ
)
去就
(
きょしゅう
)
に迷うゆえ、いわゆる先輩の判断を
乞
(
こ
)
うというならば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
中
(
なか
)
へ
入
(
はい
)
って
助
(
たす
)
けを
乞
(
こ
)
いますと、
小舎
(
こや
)
の
中
(
なか
)
には、おばあさんと
娘
(
むすめ
)
が
二人
(
ふたり
)
きりで、いろりに
火
(
ひ
)
をたいて、そのそばで
仕事
(
しごと
)
をしていたのであります。
宝石商
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
臨終
(
いまわ
)
の
際
(
きわ
)
に、兼てより
懇意
(
こころやすく
)
せし、裏の
牧場
(
まきば
)
に飼はれたる、
牡丹
(
ぼたん
)
といふ
牝牛
(
めうし
)
をば、わが枕
辺
(
べ
)
に
乞
(
こ
)
ひよせ。苦しき息を
喘
(
ほっ
)
ト
吻
(
つ
)
き
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
たとえば、五穀の
豊饒
(
ほうじょう
)
を祈り、風水害の免除をいのり、疫病の流行のすみやかに
消熄
(
しょうそく
)
することを
乞
(
こ
)
いのみまつったのである。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
自分の彼女に対する不信は、後でどんなにでも、許しを
乞
(
こ
)
えばいゝ。今は妻を、美しい夫人の圧迫から救ってやるのが第一の急務だと思った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
今度は声を出して案内を
乞
(
こ
)
うて見た。依然、何の反響もない。留守なのかしら
空家
(
あきや
)
なのかしらと考えているうちに私は多少不気味になって来た。
西班牙犬の家:(夢見心地になることの好きな人々の為めの短篇)
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
ベルを押して案内を
乞
(
こ
)
うと、エデスが玄関に出て来た。四人の警官は、ガス会社の定期検査人に
化
(
ば
)
けていたので、わけなく家内へはいり込んだ。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
主題の提出を
乞
(
こ
)
い受けて、即座に豪壮
絢爛
(
けんらん
)
極
(
きわ
)
まる変奏曲をつけ、弾き終ると、驚き呆れるモーツァルトを
尻目
(
しりめ
)
に、
闥
(
たつ
)
を
鎖
(
とざ
)
して外へ出てしまった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
いちばん明るい窓の下で、
毛脛
(
けずね
)
を撫でているところへ、例によって案内も
乞
(
こ
)
わず、友人の
鳴海三郎
(
なるみさぶろう
)
がぬっと入ってきた。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小山「ウム、そうし給え。では僕が大原君をここへ呼ぼう。ちょいと紙と筆を貸し給え、僕が今手紙を書くから」と紙筆を
乞
(
こ
)
いて
換舌
(
かんぜつ
)
の
牘
(
とく
)
を
認
(
したた
)
め
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
案内を
乞
(
こ
)
うと、顔見知りの内門弟があらわれて、仰天しながら奥へ知らせる、すぐに稽古着のままで甲子雄が出てきた。
初午試合討ち
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
まだ店の窓にはすっかり白い幕が下げてあって、
扉
(
とびら
)
の片っぽだけ白い布があげてあった。朝のことゆえ遠慮なく戸口を
開
(
あ
)
けてはいり案内を
乞
(
こ
)
うた。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
この
憐
(
あわ
)
れむべき学生、この
空
(
から
)
威張りの坊や、脚の曲った髯の男が、エルザのベッドの前にひざまずき、手を合わせて許しを
乞
(
こ
)
うている情景だった。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
すっかり父にうち明けて、その許しを
乞
(
こ
)
いたかった。メルキオルはそこにいなかった。クリストフは眠りもしないで、真夜中まで彼を待っていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
紅玉島の無線電信局が、東京に向って、『休戦』を
乞
(
こ
)
うて来た。ぐずぐずしていると、『富士』に攻めほろぼされると思って、おびえたのだろう。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
い
切
(
き
)
ってそう
案内
(
あんない
)
を
乞
(
こ
)
いました。すると、
年
(
とし
)
の
頃
(
ころ
)
十五
位
(
くらい
)
に
見
(
み
)
える、
一人
(
ひとり
)
の
可愛
(
かわい
)
らしい
小娘
(
こむすめ
)
がそこへ
現
(
あら
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ものして
婦女童幼
(
ふじょどうよう
)
に
媚
(
こび
)
んとする世の
浅劣
(
せんれつ
)
なる
操觚者流
(
そうこしゃりゅう
)
は此の灯籠の文を
読
(
よみ
)
て圓朝
叟
(
おじ
)
に
耻
(
はじ
)
ざらめやは
聊
(
いさゝか
)
感ぜし所をのべて序を
乞
(
こ
)
わるゝまゝ記して与えつ
怪談牡丹灯籠:01 序
(新字新仮名)
/
坪内逍遥
(著)
また貴族の中の音楽の大家たちにも教えを
乞
(
こ
)
うたものですが、特に尊敬すべき芸を持った人と思われるのはなかった。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
踵
(
かかと
)
のまがった靴を
履
(
は
)
いて、紫色の
袴
(
はかま
)
を引きずって、髪を
算盤珠
(
そろばんだま
)
のようにふくらまして勝手口から案内も
乞
(
こ
)
わずに
上
(
あが
)
って来た。これは主人の
姪
(
めい
)
である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いろいろと私はその始末に
就
(
つ
)
いて思案したが、結局
龍巻
(
たつまき
)
村の藤屋氏の
許
(
もと
)
に運んで保存を
乞
(
こ
)
うより他は道はなかった。
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
星岡窯のAの発見と出資によって掘り下げていった
洞窟
(
どうくつ
)
の陶土、……それは容易に翁の使者の命ずるまま
乞
(
こ
)
うままには諾するところがなかったらしい。
素人製陶本窯を築くべからず:――製陶上についてかつて前山久吉さんを激怒せしめた私のあやまち――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
乞
常用漢字
中学
部首:⼄
3画
“乞”を含む語句
乞食
乞丐
物乞
暇乞
乞食女
雨乞
命乞
袖乞
乞児
御暇乞
雨乞踊
乞食坊主
女乞食
乞食者
乞巧奠
乞索児
強乞
乞食者詠
行乞
乞胸
...