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蛇
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じや
ふりがな文庫
“
蛇
(
じや
)” の例文
なくてはならざる匂袋、これを忘れてなるものか。
頭巾
(
づきん
)
を
冠
(
かぶ
)
つて肩掛を懸ける、雨の降る日は
道行合羽
(
みちゆきがつぱ
)
、
蛇
(
じや
)
の目の
傘
(
からかさ
)
をさすなるべし。
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そいつは氣の毒だ。岡つ引だつて鬼や
蛇
(
じや
)
ぢやねえ、早くさういつて來さへすれば、何とかお前一人の身の振方位考へてやつたのに——」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蛇
(
じや
)
の道は
蛇
(
へび
)
だ。弁護士は直に其を言つた。丑松は豊野の
停車場
(
ステーション
)
で落合つたことから、今この同じ列車に乗込んで居るといふことを話した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
脊戸
(
せど
)
に
干
(
ほ
)
した
雨傘
(
あまがさ
)
に、
小犬
(
こいぬ
)
がじやれ
掛
(
か
)
ゝつて、
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
の
色
(
いろ
)
がきら/\する
所
(
ところ
)
に
陽炎
(
かげろふ
)
が
燃
(
も
)
える
如
(
ごと
)
く
長閑
(
のどか
)
に
思
(
おも
)
はれる
日
(
ひ
)
もあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
實に情なき者にて其の心の恐ろしき事
鬼
(
おに
)
とも
蛇
(
じや
)
とも
譬
(
たと
)
へ
難
(
がた
)
き大惡人に御座候
往昔
(
むかし
)
より
惡逆
(
あくぎやく
)
非道
(
ひだう
)
の者の
咄
(
はな
)
しも
承
(
うけた
)
まはり候へども此平左衞門殿程の大惡非道の人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
千条の
蛇
(
じや
)
も等しく眠つて頭から肩に懸つて居る。中央に顔を空に向けて眠つて居るのがメヂューサである。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
雪が
散
(
ち
)
ら/\降つて來ましてなア、お供のお鶴どんが家へ傘を借りに來ましたんで、家内が嫁入りの時に持つて來た柄の長い
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
を袋から出してお貸し申すと
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
けれども私は高利貸だ。世間から鬼か
蛇
(
じや
)
のやうに
謂
(
いは
)
れて、この上も無く
擯斥
(
ひんせき
)
されてゐる高利貸だ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
左舷
(
さげん
)
の
當番
(
たうばん
)
水夫
(
すゐふ
)
は
鬼
(
おに
)
か
蛇
(
じや
)
か、
知
(
し
)
つて
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
の
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
は
分
(
わか
)
らぬが、
今
(
いま
)
は
瞬間
(
しゆんかん
)
も
躊躇
(
ちうちよ
)
すべき
塲合
(
ばあい
)
でないと
考
(
かんが
)
へたので、
私
(
わたくし
)
は
一散
(
いつさん
)
に
走
(
はし
)
つて、
船橋
(
せんけう
)
の
下部
(
した
)
なる
船長室
(
せんちやうしつ
)
の
扉
(
ドーア
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
唄声を
背後
(
うしろ
)
に、やがて守人は
宵闇
(
よいやみ
)
の中へさまよい出た。ひやりと
横鬢
(
よこびん
)
をかすめる水気に、ぱっと
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
を差し掛けて、刀の柄を袖でかばった篁守人、水たまりを避けて歩き出した。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
エデンに
嘘吐
(
うそつ
)
きの
蛇
(
じや
)
と、
騙
(
だま
)
され
易
(
やす
)
い女とが居るやうに、日本にもこの二つがざらに居るから、この意味で
楽園
(
エデン
)
だといふのに異議は無いが、景色はさう/\自慢する程のものではない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
治兵衛梅川などわが老畸人の得意の節おもしろく間拍子とるに
歩行
(
かち
)
も苦しからず、
蛇
(
じや
)
の滝をも一見せばやと思しが、そこへも
下
(
おり
)
ず巌角に
憩
(
いこひ
)
て、清々冷々の
玄風
(
げんぷう
)
を迎へ、
体
(
たい
)
静
(
しづか
)
に心
閑
(
のどか
)
にして
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
日高川
(
ひだかがは
)
の
清姫
(
きよひめ
)
などは、
生
(
い
)
きながら
蛇
(
じや
)
になつたといふから、
之
(
これ
)
も
此
(
この
)
部類
(
ぶるゐ
)
に
入
(
い
)
れても
宜
(
よ
)
い。
死靈
(
しれう
)
は、
死後
(
しご
)
に
魂
(
たましひ
)
が
異形
(
いげう
)
の
姿
(
すがた
)
を
現
(
あら
)
はすもので、
例
(
れい
)
が
非常
(
ひぜう
)
に
多
(
おほ
)
い。
其
(
その
)
現
(
あら
)
はれ
方
(
かた
)
は
皆
(
みな
)
目的
(
もくてき
)
に
依
(
よ
)
つて
異
(
こと
)
なる。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
恨
(
うら
)
まれるは
覺悟
(
かくご
)
の
前
(
まへ
)
、
鬼
(
おに
)
だとも
蛇
(
じや
)
だとも
思
(
おも
)
ふがようござりますとて、
撥
(
ばち
)
を
疊
(
たゝみ
)
に
少
(
すこ
)
し
延
(
の
)
びあがりて
表
(
おもて
)
を
見
(
み
)
おろせば、
何
(
なん
)
と
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えるかと
嬲
(
なぶ
)
る、あゝ
最
(
も
)
う
歸
(
かへ
)
つたと
見
(
み
)
えますとて
茫然
(
ぼん
)
として
居
(
ゐ
)
るに
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのかみは
蛇
(
じや
)
は壺をいだき死せるかな青き蛇紋のうかびあるなり
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
谷路
(
たにぢ
)
の
底
(
そこ
)
に
蛇
(
じや
)
を
斬
(
き
)
りつ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
蛇
(
じや
)
にもなる
おさんだいしよさま
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
が、
名
(
な
)
ではない。ばさりと
称
(
とな
)
へたは
其
(
そ
)
の
音
(
おと
)
で、
正体
(
しやうたい
)
は
二本
(
にほん
)
の
番傘
(
ばんがさ
)
、ト
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
に
開
(
ひら
)
いたは
可
(
いゝ
)
が、
古御所
(
ふるごしよ
)
の
簾
(
すだれ
)
めいて、ばら/\に
裂
(
さ
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
直接毒蛇に関した話ではないが、
蛇
(
じや
)
に縁故があり
且
(
か
)
つ西洋の文学書に
度々
(
たび/\
)
引用せらるゝゴーゴンの伝説は、希臘神話中最も興味多き部分であるから、茲に少しく書いて置かうと思ふ。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
の唐傘だつたら書生は自分のにする事を知つてゐたが、編笠では
使途
(
つかひみち
)
に困つた。で、
兎
(
と
)
にかく奥へ入つて居士に訳を話してみると、居士は狼のやうな顔に、にやりと薄笑ひを浮べた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
熟々
(
つく/″\
)
見るに其
結構
(
けつこう
)
なる
拵
(
こしら
)
へは
紛
(
まが
)
ふ方なき高貴の御品次に御
墨付
(
すみつき
)
おし
披
(
ひら
)
き
拜見
(
はいけん
)
するに
如樣
(
いかさま
)
徳太郎君の
御直筆
(
おぢきひつ
)
とは見えける
諺
(
ことわざ
)
に云へる事あり
蛇
(
じや
)
は一寸にして人を
噛
(
かむ
)
の氣あり
虎
(
とら
)
は生れながらにして
牛
(
うし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其癖
(
そのくせ
)
、
學校
(
がくかう
)
で、おの/\を
覗
(
のぞ
)
きつくらをする
時
(
とき
)
は「
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
の
紋
(
もん
)
だい、
清正
(
きよまさ
)
だ。」と
言
(
い
)
つて、
負
(
まけ
)
をしみに
威張
(
ゐば
)
つた、
勿論
(
もちろん
)
、
結構
(
けつこう
)
なものではない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蛇
(
じや
)
の目の傘に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
餘所
(
よそ
)
に見るとは何云心の人なるぞ殊には自分の
身勝手
(
みがつて
)
のみ
云散
(
いひちら
)
すは鬼か
蛇
(
じや
)
か思へば/\
情
(
なさけ
)
なやと愚痴の出るも道理なり偖裏口より入んと思ふに
灯
(
あかり
)
は
萬燈
(
まんどう
)
の如く大勢なる他人の居る中へ
斯
(
かく
)
窶然
(
みすぼらし
)
き姿にて
這入
(
はひら
)
ん事此家の手前も有ば
如何
(
いかゞ
)
せんと
少間
(
しばし
)
彳
(
たゝず
)
み居たりしに
傍
(
かたへ
)
に寢て居し一疋の犬
怪
(
あや
)
しく思ひてや齒を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ちやうど
今
(
いま
)
雨
(
あめ
)
が
晴
(
は
)
れたんだけれど、
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
の
傘
(
かさ
)
を
半開
(
はんびらき
)
にして、うつくしい
顏
(
かほ
)
をかくして
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
の
傘
(
からかさ
)
脊筋
(
せすぢ
)
さがりに
引
(
ひつ
)
かつぎたるほどこそよけれ、たかひくの
路
(
みち
)
の、ともすれば、ぬかるみの
撥
(
はね
)
ひやりとして、
然
(
さ
)
らぬだに
我
(
わ
)
が
心
(
こゝろ
)
覺束
(
おぼつか
)
なきを、やがて
追分
(
おひわけ
)
の
方
(
かた
)
に
出
(
いで
)
んとして
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
化
(
ば
)
けたなら
化
(
ば
)
けたで
可
(
よし
)
、
今夜
(
こんや
)
は
蛇
(
じや
)
に
成
(
な
)
らうも
知
(
し
)
んねえが、
最
(
も
)
う
一晩
(
ひとばん
)
出懸
(
でか
)
けて
見
(
み
)
べい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“蛇”の意味
《名詞》
へび。爬虫類有鱗目ヘビ亜目に属する動物の総称。脚を持たず、細長い身体をしている。
(出典:Wiktionary)
“蛇(ヘビ)”の解説
ヘビ(蛇、en: snake)は、爬虫綱有鱗目ヘビ亜目(Serpentes)に分類される爬虫類の総称。トカゲとは類縁関係にあり共に有鱗目を構成している。体が細長く、四肢は退化しているのが特徴。ただし、同様の形の動物は他群にも存在。
(出典:Wikipedia)
蛇
常用漢字
中学
部首:⾍
11画
“蛇”を含む語句
大蛇
毒蛇
蛇目傘
蛇蝎
白蛇
蛇矛
軒蛇腹
蛇紋岩
黒蛇
水蛇
蛇形
火蛇
響尾蛇
蚺蛇
蛇足
蛇籠
蟒蛇
蛇腹
海蛇
小蛇
...