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糞
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ふん
ふりがな文庫
“
糞
(
ふん
)” の例文
八の
字
(
じ
)
を
深
(
ふか
)
くしながら、
寄
(
よ
)
せた
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
眼先
(
めさき
)
を、ちらとかすめたのは、
鶯
(
うぐいす
)
の
糞
(
ふん
)
をいれて
使
(
つか
)
うという、
近頃
(
ちかごろ
)
はやりの
紅色
(
べにいろ
)
の
糠袋
(
ぬかぶくろ
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それにまた早くその辺へ野宿と極め込んでまずヤクの
糞
(
ふん
)
とキャンという野馬の糞を拾う必要がある。それを
薪
(
まき
)
にするのでござります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
... その代り玉子は人工
孵卵器
(
ふらんき
)
で孵化させなければなりません」老紳士「鶏小屋の掃除はどうします」中川「毎日一度ずつ中を
掃
(
は
)
いて
糞
(
ふん
)
を ...
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「
糞
(
ふん
)
づまりでさ」と事も無げに云った。彼は、自分の無分別のために飛んだ気の毒な事をしてしまったものだと、心から悲しく思った。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
落葉や鶏の
糞
(
ふん
)
で汚れた小庭へ下りて久しぶりで築山へも登ったが、昔の庭下駄は歩きつけない足にも重くって、じきに息苦しくなった。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
▼ もっと見る
天王寺公園の市立動物園へ象の
糞
(
ふん
)
をもらいに行く男があれば、獅子の尿を四合
壜
(
びん
)
を提げて取りに行く女もある。ずいぶんときたない話。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
我等すなはちこゝにいたりて
見下
(
みおろ
)
せるに、濠の中には民ありて
糞
(
ふん
)
に
浸
(
ひた
)
れり、こは人の厠より流れしものゝごとくなりき 一一二—一一四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
泥坊に這入るには、
糞
(
ふん
)
をして置いて這入るものだといふことを聞いたことがある。そこで
序
(
ついで
)
にして見ようかと思つたが、したくなかつた。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この木の幹はところどころ虫の食い入った穴があって、穴の口には細かい木くずが虫の
糞
(
ふん
)
と共にこぼれかかって一種の臭気が鼻を襲うた。
花物語
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
悪太郎の父は、ませていたその頃の
小若衆
(
こわかしゅ
)
、井坂の浜さんが文字春さんのところへくる夜、格子の敷居に犬の
糞
(
ふん
)
をぬっておいた。
旧聞日本橋:06 古屋島七兵衛
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
頷
(
うなず
)
きながら、文覚は、てくてくと後からついてゆく。牛の
糞
(
ふん
)
と、白い土が、ぽくぽくと乾いて、足の裏を
焦
(
や
)
くような、京の大路であった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
綺麗
(
きれい
)
な飲み水のなかでは水浴びをし、水浴びをする器で水を飲む。そして、その時の都合に任せて、その両方のどちらにでも
糞
(
ふん
)
をたれる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
どこやらで鳩の声がしきりにする。
棟
(
むね
)
の下にでも住んでいるらしい。気のせいか、
廂
(
ひさし
)
のあたりに白いものが、点々見える。
糞
(
ふん
)
かも知れぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんな風にせられていた日には、いつかはわたしというものが無くなって、黒い
糞
(
ふん
)
と林檎の皮とだけが跡に残るに違いないわ。
一人舞台
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
御車
(
みくるま
)
の
前
(
まへ
)
に
糞
(
ふん
)
をするといかんといふので、
黒胡麻
(
くろごま
)
を食べさせて
糞
(
ふん
)
の出ないやうにするといふ、牛も骨の折れる事でございます。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
羅州盤の
継目
(
つぎめ
)
の漆に
糞
(
ふん
)
を混ぜるという話を想い合わせて、色々と考えさせられる。よい羅州盤は継目が決して壊れないという。
全羅紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
さきにも
鳥渡
(
ちょっと
)
言って置いたように金魚の
糞
(
ふん
)
のような無意志の生活をしていたのであって、金魚が泳げば私もふらふらついて行くというような
ダス・ゲマイネ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
正義の宮殿にも往々にして鳥や鼠の
糞
(
ふん
)
が落ちていると同じく、悪徳の谷底には美しい人情の花と
香
(
かんば
)
しい涙の果実が
却
(
かえっ
)
て沢山に摘み集められる。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これをつり上げるのが
億劫
(
おっくう
)
さに、夕方一度便所に水を通すことを怠けると、パイプに一杯の
糞
(
ふん
)
が凍りついてしまうのだった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
朋友
(
ともだち
)
に
信
(
まこと
)
ある事人も
恥
(
はづ
)
べき事也、しかるを心なき
徒
(
ともがら
)
かの
糞
(
ふん
)
をたづねありき、
代見立
(
しろみたて
)
の
糞
(
ふん
)
あればかならず
種々
(
しゆ/″\
)
の
術
(
じゆつ
)
を
尽
(
つく
)
して雁のくるをまちて
捕
(
とら
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その石もまた、他の石と同じく、長い年月の傷害や苔や
黴
(
かび
)
や鳥の
糞
(
ふん
)
などを免れてはいない。水のために緑となり、空気のために黒くなっている。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それが表紙を食い破られ、角々を
噛
(
か
)
じられ、鼠の
糞
(
ふん
)
埃
(
ほこり
)
まみれになって出て来たのだから、刑事はフウムと小首を傾けた。
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
真黒い天井からブラ下がった十
燭
(
しょく
)
の電球は
蠅
(
はえ
)
の
糞
(
ふん
)
で
白茶気
(
しらちゃけ
)
ていた。その下の畳はブクブクに膨れて、何ともいえない
噎
(
む
)
せっぽい悪臭を放っていた。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
楢
(
なら
)
、
櫟
(
くぬぎ
)
の若葉が、風に裏がへるころになれば、そこに
山蚕
(
やまこ
)
が生れて、道の上に黒く小さい
糞
(
ふん
)
を沢山おとすのであつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「いや、松平君が持っている。蛇だの蛙のつぶれたんだの犬の
糞
(
ふん
)
だの。蛇はおもしろいぞ。お
母
(
かあ
)
さんのお部屋へおこうものなら目をおまわしになる」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
こゝも用無き部屋なれば、掃除せしこともあらずと見えて、
塵埃
(
ちりほこり
)
床を埋め、
鼠
(
ねずみ
)
の
糞
(
ふん
)
梁
(
うつばり
)
に
堆
(
うづたか
)
く、障子
襖
(
ふすま
)
も
煤果
(
すゝけは
)
てたり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
じめじめした
苔
(
こけ
)
の間に
鷺草
(
さぎぐさ
)
のような小さな紫の花がさいていたのは知っている。
熊笹
(
くまざさ
)
の折りかさなった中に
兎
(
うさぎ
)
の
糞
(
ふん
)
の白くころがっていたのは知っている。
槍が岳に登った記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そは
糞
(
ふん
)
づまりなるべしといふもあれば尻に卵のつまりたるならんなどいふもあり。余は戯れに
祈祷
(
きとう
)
の句をものす。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
一尺立方くらいな箱に
抽斗
(
ひきだし
)
をつけて網を張り、その網の間からおしっこや
糞
(
ふん
)
が抽斗の中へ洩れて何時も清潔な処に動物がいるように考案した鳥籠風な小舎。
モルモット
(新字新仮名)
/
細井和喜蔵
(著)
牡
(
を
)
牛をも大切にする風があつて、
其
(
その
)
角を絵具で染め又は金属で
被
(
おほ
)
うて居るのを見受けた。又
牝
(
め
)
牛の
糞
(
ふん
)
を幸福の
呪
(
まじなひ
)
に額へ塗つて居るヒンヅ人にも
沢山
(
たくさん
)
出会つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
今日は此方のお
神楽
(
かぐら
)
で、
平生
(
ふだん
)
は真白な鳥の
糞
(
ふん
)
だらけの鎮守の宮も
真黒
(
まっくろ
)
になる程人が寄って、安小間物屋、駄菓子屋、
鮨屋
(
すしや
)
、おでん屋、水菓子屋などの店が立つ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それが人造人間であることを看破し、その後は案山子の上に
糞
(
ふん
)
をしかけるという
仇討
(
あだうち
)
まで、やらかした。
人造物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
岩の陰も木の上も砂の上も、ただ一面の鳥、鳥、鳥、それから鳥の卵と鳥の
糞
(
ふん
)
とである。そうして、それら無数の鳥どもは我々が近寄っても逃げようとはしない。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「天然香料には、植物性と動物性とがあるんですが、普通知られてゐないもので、なかなか研究すると面白いものがあるんですよ。これは、南洋産の猫の
糞
(
ふん
)
です」
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
されど峯の方へ走り行くを見て始めて
安堵
(
あんど
)
の思ひを
為
(
な
)
し、案内と共にかの処に来りて其跡を
閲
(
けみ
)
するに、怪獣の
糞
(
ふん
)
樹下にうづたかく、その多きこと
一箕
(
いっき
)
ばかりあり
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
肺病は馬の
糞
(
ふん
)
を
煮〆
(
にしめ
)
た汁がいいと誰かに聞いた事がある。このひとの気性の荒さは、肺病のせいなのだと思うとぞっとして来る。多摩川で一度血を吐いた事がある。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
常に
鶯
(
うぐいす
)
を飼っていて
糞
(
ふん
)
を
糠
(
ぬか
)
に
交
(
ま
)
ぜて使いまた
糸瓜
(
へちま
)
の水を
珍重
(
ちんちょう
)
し顔や手足がつるつる
滑
(
すべ
)
るようでなければ気持を悪がり地肌の
荒
(
あ
)
れるのを最も
忌
(
い
)
んだ
総
(
す
)
べて絃楽器を弾く者は絃を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ほんとうにしかたのない
犬
(
いぬ
)
だ。こんなところに
糞
(
ふん
)
をして、あんな
犬
(
いぬ
)
ってありゃしない。」
少年の日の悲哀
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
特務曹長「なるほど。」(嚥下す。)「少し馬の
糞
(
ふん
)
はついて居りますが結構であります。」
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
天床も柱も、襖も、障子の桟も、みな
煤
(
すす
)
けて古び、
蠅
(
はえ
)
の
糞
(
ふん
)
がいちめんにこびり付いている。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
土間
(
どま
)
の
壁際
(
かべぎは
)
に
吊
(
つ
)
つた
竹籃
(
たけかご
)
の
塒
(
とや
)
には
鷄
(
にはとり
)
の
糞
(
ふん
)
が一
杯
(
ぱい
)
に
溜
(
たま
)
つたと
見
(
み
)
えて
異臭
(
いしう
)
が
鼻
(
はな
)
を
衝
(
つ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
前に
怪
(
あや
)
しい病気に
罹
(
かか
)
り、そのとき蝶子は「なんちう人やろ」と
怒
(
おこ
)
りながらも、まじないに、
屋根瓦
(
やねがわら
)
にへばりついている
猫
(
ねこ
)
の
糞
(
ふん
)
と
明礬
(
みょうばん
)
を
煎
(
せん
)
じてこっそり飲ませたところ
効目
(
ききめ
)
があったので
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
その
言
(
ことば
)
の如く暫し待てども
出
(
い
)
で
来
(
こ
)
ざれば、又
巻莨
(
まきたばこ
)
を
取出
(
とりいだ
)
しけるに、
手炉
(
てあぶり
)
の炭は
狼
(
おほかみ
)
の
糞
(
ふん
)
のやうになりて、いつか火の気の絶えたるに、
檀座
(
たんざ
)
に毛糸の敷物したる
石笠
(
いしがさ
)
のラムプの
燄
(
ほのほ
)
を仮りて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
わざと自分の不作法を見せつけるように、枝の上から白い
糞
(
ふん
)
を飛ばしました。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この犬には毎日
小豆
(
あづき
)
を五合づゝよく煮て
喰
(
た
)
べさせてお置きなさい。さうすると夜中に
糞
(
ふん
)
の代りに五合だけの
黄金
(
きん
)
をします。だけれど五合以上は決して喰べさせてはなりませんから。そこはよく気を
竜宮の犬
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
小さなガラスを透して来る宝石のような
心
(
ここ
)
ちのする色の輝きです、宝石なども小さいから貴く好ましいのですが、石炭のように、ごろごろ
道端
(
みちばた
)
に
転
(
ころ
)
がっていれば鳥の
糞
(
ふん
)
と大した変りはないでしょう。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
中は天井もなく、
蜘蛛
(
くも
)
の巣だらけの太い
梁
(
はり
)
が
斜
(
ななめ
)
に低く這っている。
迚
(
とて
)
も立っては歩けない。それに床も、
鋸目
(
のこぎりめ
)
の立った
貫板
(
ぬきいた
)
が打ちつけてあるばかりで、
其上
(
そのうえ
)
に鼠の
糞
(
ふん
)
とほこりがうず高くたまっている。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
天辺
(
てッぺん
)
に
二処三処
(
ふたとこみとこ
)
ベットリと白い鳥の
糞
(
ふん
)
が附ている。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
おお方ハルピイアイが
糞
(
ふん
)
の中で育てた子だろう。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
ああ、ねずみの
糞
(
ふん
)
さへ むしばんでゆく
秋の瞳
(新字旧仮名)
/
八木重吉
(著)
“糞”の意味
《名詞》
(フン)動物の大便。
(くそ)くそを参照のこと。
(出典:Wiktionary)
“糞”の解説
糞(くそ、ふん。※「くそ」の別表記:屎)とは、動物の消化管から排出される固体状の排泄物(屎尿)。
(出典:Wikipedia)
糞
漢検準1級
部首:⽶
17画
“糞”を含む語句
糞壺
馬糞
牛糞
糞尿
糞色
胸糞
糞汁
糞堆
土糞
袂糞
馬糞茸
糞垂
糞爺
金糞
糞桶
下手糞
鼻糞
糞力
何糞
糞度胸
...