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御代
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みよ
ふりがな文庫
“
御代
(
みよ
)” の例文
さて、明治の
御代
(
みよ
)
もいや栄えて、あの時分はおもしろかったなどと、学校時代の事を語り合う事のできる紳士がたくさんできました。
あの時分
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
式場用の物の
覆
(
おおい
)
、敷き物、
褥
(
しとね
)
などの端を付けさせるものなどに、故院の
御代
(
みよ
)
の初めに朝鮮人が
献
(
ささ
)
げた
綾
(
あや
)
とか、
緋金錦
(
ひごんき
)
とかいう織物で
源氏物語:32 梅が枝
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
明治の
御代
(
みよ
)
のなかごろに、
大和田建樹
(
おおわだたてき
)
さんという国文の先生が、日本全国の手毬歌を集めて、大きな本にして出されたことがある。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
きっと見上げる上から兄は分ったかとやはり
見下
(
みおろ
)
している。何事とも知らず「
埃及
(
エジプト
)
の
御代
(
みよ
)
しろし召す人の最後ぞ、かくありてこそ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その風采から眺めますと、平和な
御代
(
みよ
)
に
流行
(
はや
)
らない軍学者の
廃
(
すた
)
りものみたいな男ですが、それにしても、ことばが少し下卑ている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
今のところ昔の
伏波
(
ふくは
)
将軍の如く極めて健康で若い時と余り変りはありません、いつか「眼もよい歯もよい足腰達者うんと働ここの
御代
(
みよ
)
に」
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
この天皇の
御代
(
みよ
)
には、
新羅
(
しらぎ
)
の国の人がどっさり
渡
(
わた
)
って来ました。
武内宿禰
(
たけのうちのすくね
)
はその人々を使って、方々に田へ水を取る池などを
掘
(
ほ
)
りました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
僅かに
馬士歌
(
まごうた
)
の哀れを止むるのみなるも改まる
御代
(
みよ
)
に余命つなぎ得し白髪の
媼
(
おうな
)
が
囲炉裏
(
いろり
)
のそばに
水洟
(
みずばな
)
すゝりながら孫
玄孫
(
やしゃご
)
への語り草なるべし。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
三十三代推古帝の
御代
(
みよ
)
というから、西暦五九二年。今からざっと千三百三十三年前、摂州西の宮の生まれで三郎というから三男であったろう。
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
もしあの本居宣長のような人がこの明治の
御代
(
みよ
)
を歩まれるとしたら、かつてシナインドの思想をその
砥石
(
といし
)
とせられたように
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
………太平の
御代
(
みよ
)
の有り難さと云おうか、
桃源
(
とうげん
)
の国と云おうか、久しぶりに浮世を離れたのんびりとした心持になって
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
此故
(
このゆゑ
)
に
腥
(
なまぐさ
)
き
血
(
ち
)
の
臭
(
にほひ
)
失
(
う
)
せて
白粉
(
おしろい
)
の
香
(
かをり
)
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
く
太平
(
たいへい
)
の
御代
(
みよ
)
にては
小説家
(
せうせつか
)
即ち
文学者
(
ぶんがくしや
)
の
数
(
かず
)
次第々々
(
しだい/\
)
に
増加
(
ぞうか
)
し、
鯛
(
たひ
)
は
花
(
はな
)
は
見
(
み
)
ぬ
里
(
さと
)
もあれど、
鯡
(
にしん
)
寄
(
よ
)
る
北海
(
ほつかい
)
の
浜辺
(
はまべ
)
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
おもふに
余
(
よ
)
がごとき
賤農
(
せんのう
)
もかゝるめでたき
御代
(
みよ
)
に生れたればこそ
安居
(
あんきよ
)
してかゝる筆も
採
(
とる
)
なれ。されば千年の
昌平
(
しやうへい
)
をいのりて鶴の
話
(
はなし
)
に筆をとゞめつ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
えらむべきの第一也三代
將軍
(
しやうぐん
)
の
御代
(
みよ
)
より
大猷公
(
たいいうこう
)
嚴有公
(
げんいうこう
)
の兩君にまたがりて
板倉
(
いたくら
)
伊賀守同
周防守
(
すはうのかみ
)
同
内膳正
(
ないぜんしやう
)
は
誠
(
まこと
)
に
知仁
(
ちじん
)
の
奉行
(
ぶぎやう
)
なりと
萬民
(
ばんみん
)
こぞつて今に
其徳
(
そのとく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「忍術は知らぬ他国の敵の陣中へも忍び込む術を教えるのだ。泰平の
御代
(
みよ
)
の大名屋敷へ入るなどは物の数でもない」
銭形平次捕物控:096 忍術指南
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
○
僅
(
わづか
)
に
三十一
(
みそひと
)
文字を以てすら、目に見えぬ
鬼神
(
おにがみ
)
を感ぜしむる国柄なり。
況
(
いは
)
んや識者をや。目に見えぬものに驚くが如き、野暮なる今日の
御代
(
みよ
)
にはあらず。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
四十五年の
御代
(
みよ
)
長く、事
稠
(
しげ
)
き代の
御安息
(
みやす
)
無く、
六十路
(
むそぢ
)
あまり
一年
(
ひととせ
)
の
御顔
(
みかお
)
に寄する年の波、
御魂
(
みたま
)
は
慕
(
した
)
ふ西の京、吾事終へつと
嘘
(
うそむ
)
きて、君
逝
(
ゆ
)
きましぬ東京に。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
玉だすき
畝火
(
うねび
)
の山の
橿原
(
かしはら
)
の
日知
(
ひじ
)
りの
御代
(
みよ
)
ゆ あれましし 神のことごと
樛
(
つが
)
の木の いやつぎつぎに
天
(
あめ
)
の下 知ろしめししを そらみつ やまとを
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
農は粗服を用い粗食を
喰
(
くら
)
い汗を流し耕作を
掙
(
かせ
)
ぎ、工はその職を骨折り、商人は御
静謐
(
せいひつ
)
の
御代
(
みよ
)
どもに正路の働きにて、
辱
(
かたじけな
)
くも御国恩を忘れざるよう致すべきの処
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
揺るぎ無い
御代
(
みよ
)
は枝を吹く風の
音
(
ね
)
も静かに明け暮れて、徳川の深い流れに根をひたした江戸文明の巨木には、豪華
艶美
(
えんび
)
を極めた
花房
(
はなぶさ
)
が、今をさかりに咲き盛かり
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
芝田
(
しばた
)
さんは、このおさまった
御代
(
みよ
)
に、おいはぎなどが、やたらにいるものではないことをきかせました。
和太郎さんと牛
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
宮廷におかせられては、
御代
(
みよ
)
御代の尊い御方に、近侍した
舎人
(
とねり
)
たちが、その
御宇
(
ぎょう
)
御宇の聖蹟を伝え、その御代御代の御威力を現実に示す信仰を、諸方に
伝播
(
でんぱ
)
した。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「これを見れば
延喜
(
えんぎ
)
の
御代
(
みよ
)
に住む心地する」といって、
明暮
(
あけくれ
)
に源氏を見ていたというが、きまりきった源氏を六十年もそのように見ていて
倦
(
う
)
まなかったところは
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
仁明の
御皇
(
みかど
)
の
御代
(
みよ
)
でありましたが、羽田玄喜という医師がありまして、この里に
住居
(
すまい
)
して居りました。
真間の手古奈
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
昔英国はジョージ三世の
御代
(
みよ
)
にサンドウイッチ伯爵という貴族があって、毎日
博奕
(
ばくち
)
ばかり打っていた。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「イヤ。太平の
御代
(
みよ
)
とは申せ、お互いも油断なりませぬでの。つまるところは、お家安泰のためじゃ」
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
桓武天皇
(
かんむてんのう
)
の
御代
(
みよ
)
、
巍石鬼
(
ぎせっき
)
という鬼が有明山に登って、その山腹なる
中房山
(
なかぶさやま
)
に温泉の湧くのを発見し、ここぞ
究竟
(
くっきょう
)
のすみかと、多くの手下を集めて、自ら八面大王と称し
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
アヽ
予
(
よ
)
は
華族
(
くわぞく
)
の
家
(
いへ
)
に
生
(
うま
)
れたが、
如何
(
いか
)
に
太平
(
たいへい
)
の
御代
(
みよ
)
とは
申
(
まう
)
せども、手を
袖
(
そで
)
にして遊んで
居
(
を
)
つては
済
(
す
)
まぬ、え
我
(
わが
)
先祖
(
せんぞ
)
は
千軍萬馬
(
せんぐんばんば
)
の
中
(
なか
)
を
往来
(
わうらい
)
いたし、
君
(
きみ
)
の
御馬前
(
ごばぜん
)
にて
血烟
(
ちけむり
)
を
揚
(
あ
)
げ
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寛永十八年妙解院殿存じ寄らざる御病気にて、御父上に
先立
(
さきだち
)
、御卒去遊ばされ、当代
肥後守殿光尚
(
ひごのかみどのみつひさ
)
公の
御代
(
みよ
)
と相成り候。同年九月二日には父弥五右衛門景一死去いたし候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
いかに質素が三河以来の御家風とは申しながら、いず方の屋敷にもそれ相当の格式がある。殊にかような太平の
御代
(
みよ
)
となっては、いつもいつも陣中のような暮しもなるまい。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
道中の
胡麻
(
ごま
)
の灰などは
難有
(
ありがた
)
い
御代
(
みよ
)
の事、それでなくっても、見込まれるような
金子
(
かね
)
も持たずさ、足も達者で一日に八里や十里の道は、団子を
噛
(
かじ
)
って野々宮
高砂
(
たかさご
)
というのだから
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はっ、近年はまた殊のほかの御繁昌にて、それもみな上様の
御代
(
みよ
)
御泰平のみしるし、恐れながら土州めも、わがことのように喜ばしゅう存じあげておりまする儀にござります。
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
推古天皇の
御代
(
みよ
)
、
上宮太子
(
じょうぐうたいし
)
が
摂政
(
せっしょう
)
として世を治めておられた飛鳥の頃は、私にとって最も
懐
(
なつか
)
しい歴史の思い出である。私ははじめ史書によってこの時代を学んだのではなかった。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
天皇
(
すめろぎ
)
の
御代
(
みよ
)
栄
(
さか
)
えむと
東
(
あづま
)
なるみちのく
山
(
やま
)
に
金花
(
くがねはな
)
咲
(
さ
)
く 〔巻十八・四〇九七〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
そうしてこれを歴史的に見ますと、平安朝に入るとその例外がますます多くなって来て、そうして
醍醐
(
だいご
)
、
村上
(
むらかみ
)
の
御代
(
みよ
)
になりますと、かような区別のあった痕迹も見えないのであります。
古代国語の音韻に就いて
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
まして九つより『
栄華
(
えいが
)
』や『
源氏
(
げんじ
)
』手にのみ致し候少女は、大きく成りてもます/\王朝の
御代
(
みよ
)
なつかしく、
下様
(
しもざま
)
の
下司
(
げす
)
ばり候ことのみ
綴
(
つづ
)
り候
今時
(
いまどき
)
の読物をあさましと思ひ候ほどなれば
ひらきぶみ
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
むかし
後深草天皇
(
ごふかくさてんのう
)
の
御代
(
みよ
)
に、
玄翁和尚
(
げんのうおしょう
)
という
徳
(
とく
)
の
高
(
たか
)
い
坊
(
ぼう
)
さんがありました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
『
然
(
さ
)
るにても幾千代重ねん殿が
御代
(
みよ
)
なるに、など然ることの候はんや』。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
現に
延喜
(
えんぎ
)
の
御門
(
みかど
)
の
御代
(
みよ
)
には、五条あたりの柿の梢に、
七日
(
なのか
)
の間天狗が
御仏
(
みほとけ
)
の形となって、
白毫光
(
びゃくごうこう
)
を放ったとある。また
仏眼寺
(
ぶつげんじ
)
の
仁照阿闍梨
(
にんしょうあざり
)
を日毎に
凌
(
りょう
)
じに参ったのも、姿は女と見えたが実は天狗じゃ。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
御代
(
みよ
)
の栄えを 讃へゆく
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
欽明天皇の
御代
(
みよ
)
でも差支ない気がする。応神天皇や称武天皇では決してないと思ふ。三四郎はたゞ
入鹿
(
いるか
)
じみた
心持
(
こゝろもち
)
を持つてゐる丈である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
また院の
御代
(
みよ
)
の最後の桜花の宴の日の父帝、
艶
(
えん
)
な東宮時代の御兄陛下のお姿が思われ、源氏の詩をお吟じになったことも恋しく思い出された。
源氏物語:12 須磨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
さて、明治の
御代
(
みよ
)
となってみますと、栗本先生たちが新しい日本のためにいろいろしたくをしておいたことが、あとになってわかってきました。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
おもふに
余
(
よ
)
がごとき
賤農
(
せんのう
)
もかゝるめでたき
御代
(
みよ
)
に生れたればこそ
安居
(
あんきよ
)
してかゝる筆も
採
(
とる
)
なれ。されば千年の
昌平
(
しやうへい
)
をいのりて鶴の
話
(
はなし
)
に筆をとゞめつ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それはかならずしも明治の
御代
(
みよ
)
のおわりに近く、政府の手で行なわれた
神社合祀
(
じんじゃごうし
)
によって、始まったことではない。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この天皇の
御代
(
みよ
)
には、はやり
病
(
やまい
)
がひどくはびこって、人民という人民はほとんど死に絶えそうになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
殿様も、長直公の
御代
(
みよ
)
の
半
(
なかば
)
までは、
常陸
(
ひたち
)
の笠間城にいらっしゃいました。私たちの祖父
良欽
(
よしかね
)
、曾祖父の良勝、みんな常陸から移って来たお方だと聞いています。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは
御存
(
ごぞん
)
じの
醍醐天皇
(
だいごてんのう
)
の
御代
(
みよ
)
に
出來
(
でき
)
たもので、
普通
(
ふつう
)
、
天子
(
てんし
)
の
仰
(
おほ
)
せでつくつた
歌集
(
かしゆう
)
の
第一番
(
だいゝちばん
)
のものだといふことになつてゐます。かうした
歌集
(
かしゆう
)
を
敕撰集
(
ちよくせんしゆう
)
といひます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
後伏見院の
御代
(
みよ
)
だということだから、十年や二十年の昔ではあるまい、まさかお前さんが、重清入道や、朝霧官女の身よりの者という次第でもなかろう、世が世ならば当然
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
徳若
(
とくわか
)
に
御万歳
(
ごまんざい
)
と、
御代
(
みよ
)
も栄えまします、ツンテントン、
愛敬
(
あいきょう
)
ありける
新玉
(
あらたま
)
の、………」
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
代
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
“御代”で始まる語句
御代田
御代官
御代替
御代々々
御代々
御代参
御代始
御代雀
御代前後
御代御代