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重荷
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おもに
ふりがな文庫
“
重荷
(
おもに
)” の例文
わしはきょうまで
隠
(
かく
)
していたことを話してしまおう。わしはひとりでこの
重荷
(
おもに
)
を心に負うているのにもはや
堪
(
た
)
えきれなくなった。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
あゝ願はくは正義と慈悲速かに汝等の
重荷
(
おもに
)
を取去り、汝等翼を動かして己が好むがまゝに身を上ぐるをえんことを 三七—三九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
かかる人を父とした者は真に
不憫
(
ふびん
)
なものであり、また父たるその人もゆるりと
寛
(
くつろ
)
ぐ場所も時間もなく、さなきだに
重荷
(
おもに
)
を
荷
(
にな
)
う人生において
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
一桶の重量十六貫とすれば、六桶も挽けば百貫からの
重荷
(
おもに
)
だ。あまり重荷を挽くので、若者の内には眼を悪くする者もある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
がお
父
(
とう
)
さんお
母
(
かあ
)
さんの
年
(
とし
)
ごろになると、
家
(
いへ
)
の
生活
(
せいかつ
)
が、よくてもあしくても、なんだか
社會的
(
しやかいてき
)
の
暮
(
くら
)
しといふものが、
重荷
(
おもに
)
に
感
(
かん
)
じられて
來
(
く
)
るものです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
それゆゑに
重荷
(
おもに
)
など持たるは、たとへ武家たりとも
一足
(
ひとあし
)
踏退
(
ふみのき
)
て(ふみのくべきあとはあり)道を
譲
(
ゆづ
)
るが雪国の
習
(
なら
)
ひ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
四人のうちで、比較的やさしげな、銀縁眼鏡の黒江氏が、
重荷
(
おもに
)
そうな口調でだいたいのところをうちあけてくれた。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「文一も駄目だ駄目だと言いますから、
重荷
(
おもに
)
に小づけですが、この間から土曜講習へ入れましたよ。あなたは?」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
我
(
わ
)
が
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
に一
錢
(
せん
)
の
融通
(
ゆうづう
)
も
叶
(
かな
)
ふまじく、いはゞ
寳
(
たから
)
の
藏
(
くら
)
の
番人
(
ばんにん
)
にて
終
(
おは
)
るべき
身
(
み
)
の、
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬ
妻
(
つま
)
までとは
彌〻
(
いよ/\
)
の
重荷
(
おもに
)
なり、うき
世
(
よ
)
に
義理
(
ぎり
)
といふ
柵
(
しがら
)
みのなくば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私は、やっと
重荷
(
おもに
)
をおろして、せいせいしました。そして、にこにこしながら、海べの方へ歩いて行きました。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ふたりは道すがら話もせずに、
腹
(
はら
)
のうちでねりにねってきたのである。どうやら
見苦
(
みぐる
)
しくもなくあいさつがすんだので、ふたりは
重荷
(
おもに
)
をおろしたようである。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
と
私
(
わたくし
)
とは、
實
(
じつ
)
に
双肩
(
さうけん
)
の
重荷
(
おもに
)
を
降
(
おろ
)
した
樣
(
やう
)
な
心地
(
こゝち
)
がしたのである。
實
(
じつ
)
に、
憘
(
うれ
)
しい、
憘
(
うれ
)
しい、
憘
(
うれ
)
しい。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
マーキュ
何
(
なん
)
ぢゃ、
壓伏
(
おしつ
)
ける? あの
戀
(
こひ
)
に
重荷
(
おもに
)
を? さりとは
温柔
(
やさ
)
しい
者
(
もの
)
を
慘酷
(
むごたら
)
しう
扱
(
あつか
)
うたものぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
、充分得ますよ、ジエィン。しかし、神かけて、役にも立たぬ
重荷
(
おもに
)
は求めないで下さい。毒を欲しがらないで——私のところで、イヴその儘の女にならないで下さい——
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
第三の
惨劇
(
さんげき
)
もコックの春吉の手で行われたが、それは鈴江への脅迫材料になると共に、又自分の
重荷
(
おもに
)
にもなってしまった。二人はお
互
(
たがい
)
の行動について極度の注意を払った。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
...
直々
(
ぢき/\
)
御訴訟
(
ごそしよう
)
は
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
り
候
(
さふらふ
)
が、
此儀
(
このぎ
)
は
平
(
ひら
)
に
御免
(
ごめん
)
下
(
くだ
)
さるべく
候
(
さふらふ
)
」と
辭退
(
じたい
)
すれば、
老公
(
らうこう
)
、「
謙讓
(
けんじやう
)
もものにぞよる、
君
(
きみ
)
より
命
(
めい
)
ぜられたる
重荷
(
おもに
)
をば、
辭
(
じ
)
して
荷
(
にな
)
はじとするは
忠
(
ちう
)
にあらず、 ...
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
これで
初
(
はじ
)
めて
重荷
(
おもに
)
が
降
(
お
)
りたように
感
(
かん
)
じ、
自分
(
じぶん
)
に
戻
(
もど
)
って
寛
(
くつろ
)
ぎますが、ただ
現世
(
げんせ
)
と
異
(
ちが
)
うのは、それから
床
(
とこ
)
を
敷
(
し
)
いて
寝
(
ね
)
るでもなく、たったひとりで
懐
(
なつ
)
かしい
昔
(
むかし
)
の
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
に
耽
(
ふけ
)
って
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
渡河
瀕死
(
ひんし
)
の難、雪峰凍死の難、
重荷
(
おもに
)
負戴
(
ふたい
)
の難、
漠野
(
ばくや
)
独行の難、
身疲
(
しんぴ
)
足疵
(
そくし
)
の難等の種々の
苦艱
(
くげん
)
もすっぱりとこの霊水に洗い去られて清々として自分を忘れたような境涯に達したです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「おとうさん、だいぶくらしもくるしくなってきましたね。わたしはおとうさんの
重荷
(
おもに
)
になるばかりです。いっそ、家をでて、じぶんでなんとかしてパンをかせぐようにしたいと思います。」
三枚のヘビの葉
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
重荷
(
おもに
)
に
小附
(
こづけ
)
、——
葉
(
は
)
がくれに
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
今
憂
(
うれい
)
の
重荷
(
おもに
)
を
負
(
お
)
うて
直下
(
すぐした
)
に働いて居る彼爺さん達、
彼処
(
あち
)
此処
(
こち
)
に鳶色に
焦
(
こが
)
れた
欅
(
けやき
)
の下
樫
(
かし
)
の木蔭に平和を夢みて居る
幾個
(
いくつ
)
の
茅舎
(
ぼうしゃ
)
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
わしらの間にはもう
平和
(
へいわ
)
は失われた。いっしょに暮らすことは互いの
重荷
(
おもに
)
になった。もはや何の
慰
(
なぐさ
)
めも
励
(
はげ
)
ましも互いに期待することはできないのか。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
かの田中の者一人の武士にゆきあひ
重荷
(
おもに
)
ながらもこなたより一足ふみのきたるに、武士は
声
(
こゑ
)
をあらゝげ
脇
(
わき
)
よれといふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
なんらかの
事由
(
じゆう
)
のために各自の
重荷
(
おもに
)
は十貫目を
超
(
こ
)
えてはならぬ規定のある場合には、十一貫目以上を
荷
(
にな
)
えとは
勧
(
すす
)
めぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そは我にともなふこの者、アダモの肉の
衣
(
ころも
)
の
重荷
(
おもに
)
あるによりて、心いそげど登ることおそければなり。 四三—四五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
さしも
危
(
あや
)
ふく
思
(
おも
)
ひし
事
(
こと
)
の
左
(
さ
)
りとは
事
(
こと
)
なしに
終
(
おは
)
りしかと
重荷
(
おもに
)
の
下
(
お
)
りたるやうにも
覺
(
おぼ
)
ゆれば、
産婦
(
さんぷ
)
の
樣子
(
やうす
)
いかにやと
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
るに、
高枕
(
たかまくら
)
にかゝりて
鉢卷
(
はちまき
)
にみだれ
髮
(
がみ
)
の
姿
(
すがた
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あたかも人質に取られた形——
可哀
(
かわい
)
や、お
主
(
しゅう
)
の身がわりに、恋の
重荷
(
おもに
)
でへし折れよう。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、私は改革することが出來る——私にはまだその力がある——もし——だがそんなことを考へたつて何になるんだ、
足械
(
あしかせ
)
をはめられ、
重荷
(
おもに
)
を負はされ、呪はれた私のやうなものに。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ロミオ
彼奴
(
あいつ
)
の
箭先
(
やさき
)
かゝってゐるゆゑ、
翼
(
はね
)
を
借
(
か
)
りたとても
翔
(
かけ
)
られぬわい、
鳶
(
とび
)
や
鴉
(
からす
)
のやうにも
飛
(
と
)
べず、
悲
(
かな
)
しい
思
(
おも
)
ひに
繋
(
つな
)
がれてゐるゆゑ、
鷹
(
たか
)
のやうに
高
(
たか
)
うも
飛
(
と
)
べぬ。
戀
(
こひ
)
の
重荷
(
おもに
)
に
壓伏
(
おしつ
)
けらるゝばかりぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
斯く己と我等のために
幸
(
さち
)
多き旅を祈りつゝ、これらの魂は、人のをりふし夢に負ふごとき
重荷
(
おもに
)
を負ひ 二五—二七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
藏
(
くら
)
を
持
(
もち
)
ぬしに
返
(
かへ
)
し
長途
(
ちやうと
)
の
重荷
(
おもに
)
を
人
(
ひと
)
にゆづりて、
我
(
わ
)
れは
此東京
(
このとうけう
)
を十
年
(
ねん
)
も二十
年
(
ねん
)
も
今
(
いま
)
すこしも
離
(
はな
)
れがたき
思
(
おも
)
ひ、そは
何故
(
なにゆえ
)
と
問
(
と
)
ふ
人
(
ひと
)
のあらば
切
(
き
)
りぬけ
立派
(
りつぱ
)
に
言
(
い
)
ひわけの
口上
(
こうじよう
)
もあらんなれど
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もっとも平和な時でさえも、わしはあまり陰気だったから。あなたがたには、長い
歳月
(
としつき
)
の間さぞわしが
堪
(
た
)
え
難
(
がた
)
い
重荷
(
おもに
)
だったろう。でもわしをきらってくださるな。わしはあまりにさびしい。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
むろんこれがために
迷惑
(
めいわく
)
を受け、他人より多く笑われ、他人より一層多く非難されることもある。しかし常に心に
戸閉
(
とじ
)
まりし、つねに
隠
(
かく
)
さんとする
重荷
(
おもに
)
がないだけ気軽で、大なる利益がある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
と
取留
(
とりと
)
めもなく
笑
(
わら
)
つた
拍子
(
ひやうし
)
に、
草
(
くさ
)
を
踏
(
ふ
)
んだ
爪先下
(
つまさきさが
)
りの
足許
(
あしもと
)
に
力
(
ちから
)
が
抜
(
ぬ
)
けたか、
婦
(
をんな
)
を
肩
(
かた
)
に、
恋
(
こひ
)
の
重荷
(
おもに
)
の
懸
(
かゝ
)
つた
方
(
はう
)
の
片膝
(
かたひざ
)
をはたと
支
(
つ
)
く、トはつと
手
(
て
)
を
離
(
はな
)
すと
同時
(
どうじ
)
に、
婦
(
をんな
)
の
黒髪
(
くろかみ
)
は
頬摺
(
ほゝず
)
れにづるりと
落
(
お
)
ちて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引手
(
ひきて
)
も
馬方
(
うまかた
)
もない
畜生
(
ちくしやう
)
が、あの
大地震
(
おほぢしん
)
にも
縮
(
ちゞ
)
まない、
長
(
なが
)
い
面
(
つら
)
して、のそり/\と、
大八車
(
だいはちぐるま
)
のしたゝかな
奴
(
やつ
)
を、たそがれの
塀
(
へい
)
の
片暗夜
(
かたやみ
)
に、
人
(
ひと
)
もなげに
曳
(
ひ
)
いて
伸
(
の
)
して
來
(
く
)
る。
重荷
(
おもに
)
に
小
(
こ
)
づけとはこの
事
(
こと
)
だ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“重荷”の意味
《名詞》
重い荷物や負担。
(出典:Wiktionary)
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
荷
常用漢字
小3
部首:⾋
10画
“重荷”で始まる語句
重荷悪尉