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縮
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ちぢ
ふりがな文庫
“
縮
(
ちぢ
)” の例文
それでどんな
荒
(
あら
)
えびすでも、
虎狼
(
とらおおかみ
)
のような
猛獣
(
もうじゅう
)
でも、
田村麻呂
(
たむらまろ
)
に
一目
(
ひとめ
)
にらまれると、たちまち
一縮
(
ひとちぢ
)
みに
縮
(
ちぢ
)
みあがるというほどでした。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
いや、飛び越えようとしたばかりではない。彼は足を
縮
(
ちぢ
)
めながら、
明礬色
(
みょうばんいろ
)
の水の上へ踊り上ったと思う内に、難なくそこを飛び越えた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それにしても風船はただ
縮
(
ちぢ
)
まるだけである。不幸にして余の皮は血液のほかに大きな長い骨をたくさんに包んでいた。その骨が——
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と思うと、今度はどんどん
縮
(
ちぢ
)
みはじめて、あれよあれよといううちに、元のゴム毬位の大きさになり、やがてぱっと消えてしまいました。
新学期行進曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『猿沢佐介の背中には、きっと一つの
痣
(
あざ
)
がある。しかもそいつのまんなかに、
縮
(
ちぢ
)
れて黒い毛が三つ、生えているのに相違ない』
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
神経性の
痙攣
(
けいれん
)
が下唇の端をぴくぴくと引っ
攣
(
つ
)
らせ、くしゃくしゃになった
縮
(
ちぢ
)
れ
髪
(
げ
)
が、まるで
鬣
(
たてがみ
)
のように
額
(
ひたい
)
に垂れかかっている。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
茶店の前を過ぎて水族館の裏手の
藤棚
(
ふじだな
)
の処まで往くと、傍を通っている人もないので、山西は距離を
縮
(
ちぢ
)
めて往って声をかけた。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
墨屋敷——あの焼けた自分の
邸
(
やしき
)
を、どうしてこの人間が知っているのであろうか? お千絵はいよいよ身が
縮
(
ちぢ
)
むようになって
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誰かに彼を紹介すると、彼は顔をそむけ、手を
後
(
うし
)
ろから差し伸べ、だんだん
縮
(
ちぢ
)
こまり、
脚
(
あし
)
をくねらせ、そして、壁をひっかく。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
首のない屍骸は、切り口のまっ赤な肉が
縮
(
ちぢ
)
れ、白い脂肪を見せて、ドクドク血を吹いている。二、三度、
四肢
(
てあし
)
が
痙攣
(
けいれん
)
した。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
爺さんの寿命を
日々
(
にちにち
)
夜々
(
やや
)
に
縮
(
ちぢ
)
めつゝあるものは、斯展望台である。余は爺さんに目礼して、展望台の立つ隣の畑に往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「ところが旦那、あっしはね、何の因果か熱湯好きで、五体が
縮
(
ちぢ
)
み上るような湯から出ると、そそりの一節も、唄わねえじゃいられねえんで——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
青年歴史家が帰ってからしばらくして、ふと、ナブ・アヘ・エリバは、薄くなった
縮
(
ちぢ
)
れっ毛の頭を
抑
(
おさ
)
えて考え
込
(
こ
)
んだ。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
おお寒い寒い! 皆さん手に息を吹っかけて、家ん中へはいってオンドルの上に
縮
(
ちぢ
)
こまる。へへん、笑いごっちゃあねえ。蛇だって寒いから、
穴籠
(
あなごも
)
りだ。
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
蓄音器
(
ちくおんき
)
は新内、
端唄
(
はうた
)
など粋向きなのを掛け、女給はすべて日本髪か地味なハイカラの
娘
(
こ
)
ばかりで、
下手
(
へた
)
に洋装した女や髪の
縮
(
ちぢ
)
れた女などは置かなかった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
イワン、デミトリチは
昨日
(
きのう
)
と
同
(
おな
)
じ
位置
(
いち
)
に、
両手
(
りょうて
)
で
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かか
)
えて、
両足
(
りょうあし
)
を
縮
(
ちぢ
)
めたまま、
横
(
よこ
)
に
為
(
な
)
っていて、
顔
(
かお
)
は
見
(
み
)
えぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この病人の兄は例の
縮
(
ちぢ
)
かまったような手を
揉
(
も
)
んで、「遠方から御苦労様」という眼付をして、弟の妻に
挨拶
(
あいさつ
)
した。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
からからに乾いて巻き
縮
(
ちぢ
)
れた、
欅
(
けやき
)
の落葉や
榎
(
えのき
)
の落葉や杉の枯葉も交った、ごみくたの類が、家のめぐり庭の隅々の、ここにもかしこにも一団ずつ
屯
(
たむろ
)
をなしている。
新万葉物語
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
相手の人にお
世辞
(
せじ
)
を述べるか、あるいは
妄
(
みだ
)
りに自分を
卑下
(
ひげ
)
して、なさずともよいお
辞儀
(
じぎ
)
をなし、みずから五
尺
(
しゃく
)
四
寸
(
すん
)
の
体躯
(
からだ
)
を四尺三尺に
縮
(
ちぢ
)
め、それでも不足すれば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
あわただしい、始終追いつめられて、
縮
(
ちぢ
)
こまった生活ばかりして来たという感じが道子を不満にした。
快走
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
尚
(
なお
)
、参考のために書き添えておくが、現在の東京で中年以下の婦人の断髪は時々見かける。しかし前髪を切って
縮
(
ちぢ
)
らした式は、在京中、只一人しか見受けなかった。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
たとえ
私
(
わたくし
)
の
生命
(
いのち
)
を
縮
(
ちぢ
)
めましても
若様
(
わかさま
)
を
生
(
い
)
かしていただきます。
小供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
から
信心
(
しんじん
)
して
居
(
お
)
る
私
(
わたくし
)
でございます、
今度
(
こんど
)
ばかりは
是非
(
ぜひ
)
私
(
わたくし
)
の
願
(
ねが
)
いをお
聴
(
き
)
き
入
(
い
)
れ
下
(
くだ
)
さいませ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
身体
(
からだ
)
は
漆
(
うるし
)
のように黒く、眼ばかり光って、唇が
拵
(
こしら
)
えたように厚く、唇の色が塗ったように
朱
(
あか
)
い、頭の毛は
散切
(
ざんぎり
)
で
縮
(
ちぢ
)
れている、腰の
周囲
(
まわり
)
には
更紗
(
さらさ
)
のような
巾
(
きれ
)
を巻いている
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
赤い毛布のかげを立つてゆく芝居の死人などに一種の奇妙な恐怖を懷いた三四歳の頃から私の異國趣味乃至異常な氣分に憧がるる心は蕨の花のやうに特殊な
縮
(
ちぢ
)
れ方をした。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
光一は微笑している、師範学校側では
野淵
(
のぶち
)
という上級生と矢島というのが人々に肩をつかれていた。
黙々塾
(
もくもくじゅく
)
ではみながチビ公をめざした。チビ公は頭を
縮
(
ちぢ
)
めてひっこんだ。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
心配は
廃
(
よ
)
しゃアナ。心配てえものは
智慧袋
(
ちえぶくろ
)
の
縮
(
ちぢ
)
み目の
皺
(
しわ
)
だとヨ、何にもなりゃあしねえわ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そしてちらっと大きなとうもろこしの木を見ました。その
葉
(
は
)
はぐるぐるに
縮
(
ちぢ
)
れ
葉
(
は
)
の下にはもう美しい
緑
(
みどり
)
いろの大きな
苞
(
ほう
)
が赤い毛を
吐
(
は
)
いて
真珠
(
しんじゅ
)
のような
実
(
み
)
もちらっと見えたのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ペンペは
少
(
すこ
)
し
首
(
くび
)
を
縮
(
ちぢ
)
めた。二千メートルの
雲
(
くも
)
の
中
(
なか
)
だ。ペンペは
息
(
いき
)
をはづませてゐる。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
唯
(
ただ
)
さへ狭くなつたところへ、こゝで又、奥行を一間二尺も切り
縮
(
ちぢ
)
められちやあ
仕様
(
しよう
)
がないが、それもまあ世間
一統
(
いっとう
)
のことですから、わたしの
家
(
うち
)
ばかりが苦情を云つても始まらないと
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
夜の冷気は
犇々
(
ひしひし
)
と身に迫って来た。お婆さんは、両足を
縮
(
ちぢ
)
めて、小さくなって見たが、やはりぞくぞくするばかりであった。だが、寝床の中で震えながらも三十分間ばかり我慢して見た。
蜜柑
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
風早學士は、覺えず首を
縮
(
ちぢ
)
めて、我に返ツた。慌てて後へ引返さうとして、勢込むで
踵
(
きびす
)
を
囘
(
かへ
)
す……かと思ふと、何物かに
嚇
(
おどか
)
されたやうに、
些
(
ちよツ
)
と飛上ツて、慌てて傍へ
飛退
(
とびの
)
き、そして振返ツた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
その
後
(
あと
)
で、この
二人
(
ふたり
)
のものは、どんなに
悲
(
かな
)
しみ、なげいたでありましょう。
自分
(
じぶん
)
たちの
命
(
いのち
)
を
縮
(
ちぢ
)
めても、どうか
子供
(
こども
)
を
助
(
たす
)
けたいと、
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
で
神
(
かみ
)
に
念
(
ねん
)
じたのも、いまは、なんの
役
(
やく
)
にもたちませんでした。
星の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
にわかに体が
縮
(
ちぢ
)
まったのは、根元へうずくまったからであろう。しばらくの間は身動きもしない。何かを思い詰めているらしい。ただ肩ばかりが顫えている。いぜんとして泣いているからであろう。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
縮
(
ちぢ
)
れたばかりなら
好
(
い
)
いが、乾いて、茶色になって、燃えるわ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
頭髪までも赤く
縮
(
ちぢ
)
らしたいと願ったほどの心酔ぶりだった。
亡び行く江戸趣味
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
遠いせいか写真のように
縮
(
ちぢ
)
まっているのを眺めた。
ヒッポドロム
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「明日中にせいぜい
縮
(
ちぢ
)
めるそうです」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
蝉取りの妙味はじっと忍んで行っておしい
君
(
くん
)
が一生懸命に
尻尾
(
しっぽ
)
を延ばしたり
縮
(
ちぢ
)
ましたりしているところを、わっと前足で
抑
(
おさ
)
える時にある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ
鮨屋
(
すしや
)
に
鰻屋
(
うなぎや
)
を兼ねた「お」の字亭のお
上
(
かみ
)
の話によれば、色の浅黒い、髪の毛の
縮
(
ちぢ
)
れた、小がらな女だったと言うことです。
温泉だより
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あの化物の身体は、自由に
伸
(
の
)
び
縮
(
ちぢ
)
みをするということ、そして透明だということ、——これがあの化物の皮膚の一部なのです
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
旭川平原をずっと
縮
(
ちぢ
)
めた様な天塩川の
盆地
(
ぼんち
)
に、
一握
(
ひとにぎ
)
りの人家を落した新開町。停車場前から、大通りを
鍵
(
かぎ
)
の手に折れて、木羽葺が何百か並んで居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
尺蠖
(
しゃっかく
)
の
縮
(
ちぢ
)
むは伸びんがため。いまようやく軍もととのいましたゆえ、六度征旗をすすめて中原へ出ようと思います。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに
続
(
つづ
)
いては
小体
(
こがら
)
な、
元気
(
げんき
)
な、
頤鬚
(
あごひげ
)
の
尖
(
とが
)
った、
髪
(
かみ
)
の
黒
(
くろ
)
いネグル
人
(
じん
)
のように
縮
(
ちぢ
)
れた、すこしも
落着
(
おちつ
)
かぬ
老人
(
ろうじん
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
瀕死
(
ひんし
)
の猫は、脚で、狂おしく
虚空
(
こくう
)
を掻き、丸く
縮
(
ちぢ
)
まるかと思うと、長々と
反
(
そ
)
り返り、しかも、声は立てない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
その背中のまんなかあたりに、小さな茶色の
痣
(
あざ
)
がある。直径は一センチメートル位かしら。そこに
縮
(
ちぢ
)
れた毛が三本生えている。抱くと私の指がそれに触れる。その感触。
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
教師が教場に出ても
志
(
こころざし
)
を遠きに
着
(
つ
)
け、役人が執務するに、俗務のために
没却
(
ぼっきゃく
)
されない、すなわち一
言
(
ごん
)
に
縮
(
ちぢ
)
めると、
吾人
(
ごじん
)
が人格としてまったく世を
隔
(
はな
)
れた思想をいだくと同時に
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
足が砂へつくや
否
(
いな
)
や、まるで雪の
融
(
と
)
けるように、
縮
(
ちぢ
)
まって
扁
(
ひら
)
べったくなって、間もなく
熔鉱炉
(
ようこうろ
)
から出た銅の
汁
(
しる
)
のように、砂や
砂利
(
じゃり
)
の上にひろがり、しばらくは鳥の形が、砂についているのでしたが
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そら、あの髪の綺麗に
縮
(
ちぢ
)
れた人ね。あれと来ると云ったわ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
その
度
(
たび
)
に
羽
(
はね
)
を
縮
(
ちぢ
)
めて
残念
(
ざんねん
)
さうに
顔
(
かほ
)
をしかめるのだつた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
愚かや乗れるその
車輪
(
しやりん
)
慄
(
ふる
)
へつつ
縮
(
ちぢ
)
まりてゆく。
緑の種子
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“縮”の解説
縮(ちぢみ)とは中世日本において枡の大小差から発生する計量上の減少分のこと。
(出典:Wikipedia)
縮
常用漢字
小6
部首:⽷
17画
“縮”を含む語句
萎縮
縮尻
畏縮
唐縮緬
一縮
恐縮
伸縮
縮毛
緋縮緬
黒縮緬
居縮
絹縮
縮緬
大縮尻
紫縮緬
縞縮緬
友禅縮緬
縮図
緊縮
收縮
...