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策
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さく
ふりがな文庫
“
策
(
さく
)” の例文
「せっかく、
人穴城
(
ひとあなじょう
)
の根もとまで押しよせたに、煙攻めの
策
(
さく
)
にかかって引ッ返すとは無念千
万
(
ばん
)
……ああまたまっ黒に包んできおった」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然
(
しか
)
るも
我國
(
わがくに
)
の
財源
(
ざいげん
)
には
限
(
かぎり
)
あり、
兵船
(
へいせん
)
の
増加
(
ぞうか
)
にも
限度
(
げんど
)
あり、
國
(
くに
)
を
思
(
おも
)
ふの
士
(
し
)
は
日夜
(
にちや
)
此事
(
このこと
)
に
憂慮
(
ゆうりよ
)
し、
絶
(
た
)
えず
此點
(
このてん
)
に
向
(
むか
)
つて
策
(
さく
)
を
講
(
こう
)
じて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
人間の冷静な理知に訴えるだけの力のない人が、
窮余
(
きゅうよ
)
の
策
(
さく
)
として用いる手段だからね。それに誇りを感ずるなんて考えてみると滑稽だよ。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
ドノバンはしいて反対をしてみたものの、心のなかではそれよりほかに
策
(
さく
)
がないことを知っていたので、
沈黙
(
ちんもく
)
してしまった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「矢島君のおっしゃるとおり、さしあたりはご自由におまかせ申しあげて、新年からおたがいに努力する方が
策
(
さく
)
の得たものかと私も存じます」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
この時の事勢においてこれを
抑制
(
よくせい
)
すること
能
(
あた
)
わず、ついに
姑息
(
こそく
)
の
策
(
さく
)
に
出
(
い
)
で、その執政を
黜
(
しりぞ
)
けて一時の人心を
慰
(
なぐさ
)
めたり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
見定め
變
(
へん
)
に
應
(
おう
)
じて事を
計
(
はか
)
らはんこそ十全の
策
(
さく
)
と云べしと
理
(
り
)
を
盡
(
つく
)
して申ければ皆一同に此議に同ず
道理
(
もつとも
)
の事とて評議は此に決定したり
然
(
さら
)
ば
急
(
いそ
)
ぎ大坂へ
旅館
(
りよくわん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
このさいいたずらにあわてまわるのは、
策
(
さく
)
の得たものではないと、信ずるところあるもののごとく、玄心斎はそう言って、やっとみなをおさえているのだ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「これはお前のまやかしでもなければ、お前の妖術でもない。自然の
爲
(
し
)
たことだ。自然が目覺めてたゞその最上の
策
(
さく
)
を——
奇蹟
(
きせき
)
ではない——
行
(
おこな
)
つたのだ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
私たちの良心が苦しくてたまらないときは、その良心を苦しめるもののみえないところへいってしまうのが、最上の
策
(
さく
)
だということを私たちはよく知っている。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
小栗上野介
(
おぐりこうずけのすけ
)
が
全盛
(
ぜんせい
)
の当時、常に政府に
近
(
ちか
)
づきたるは仏国公使レオン・ロセツにして、小栗及び
栗本鋤雲
(
くりもとじょうん
)
等とも
親
(
した
)
しく
交際
(
こうさい
)
し政府のために種々の
策
(
さく
)
を建てたる中にも
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
努力奮闘を
標榜
(
ひょうぼう
)
する者も
静坐
(
せいざ
)
黙想
(
もくそう
)
をすることは
潜勢力
(
せんせいりょく
)
を増加するのもっとも得たる
策
(
さく
)
だと思う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
に
若
(
も
)
し
數秒間
(
すうびようかん
)
で
廣場
(
ひろば
)
へ
出
(
だ
)
られる
見込
(
みこ
)
みがあらば、
最
(
もつと
)
も
機敏
(
きびん
)
にさうする
方
(
ほう
)
が
個人
(
こじん
)
として
最上
(
さいじよう
)
の
策
(
さく
)
たるに
相違
(
そうい
)
ない。
唯一
(
たゞひと
)
つ
茲
(
こゝ
)
に
考慮
(
こうりよ
)
すべきは
火
(
ひ
)
の
用心
(
ようじん
)
に
關
(
かん
)
する
問題
(
もんだい
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
飯田町
(
いひだまち
)
の
格子戸
(
かうしど
)
は
音
(
おと
)
にも
知
(
し
)
らじと
思召
(
おぼしめし
)
、
是
(
こ
)
れが
備
(
そな
)
へは
立
(
た
)
てもせず、
防禦
(
ぼうぎよ
)
の
策
(
さく
)
は
取
(
と
)
らざりき。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
秦の士に
古物
(
こぶつ
)
を好むものがあつた。魯の哀公の
席
(
むしろ
)
を買はむがために田を売り、太王
邠
(
ふん
)
を去る時の
策
(
さく
)
を買はむがために家資を傾け、舜の作る所の椀を買はむがために宅を売つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
道庵の駕籠を跟ければもつと簡單に曲者の
策
(
さく
)
が解る筈ですが、駕籠に付添つて來た一人の武士は、
下手
(
へた
)
に駕籠を跟ける者があれば、一刀の下に道庵を刺す積りらしく、鯉口を切つて
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鹽原巡査人夫の
荷物
(
にもつ
)
を
分
(
わか
)
ち取り自ら之を
負
(
お
)
ふて
登
(
のぼ
)
る、他の者亦之に同じくす、人夫等
遂
(
つひ
)
に巳を得ず之に
従
(
したが
)
ふ、此に於て相互
救護
(
きうご
)
の
策
(
さく
)
を取り、一行三十余名
列
(
れつ
)
を
正
(
ただ
)
して千仭の
崖上
(
がいじやう
)
匍匐
(
ほふく
)
して相登る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
箇
(
つ
)
の
髑髏
(
どくろ
)
を
與
(
あた
)
へ、いでや
出陣
(
しゆつぢん
)
と
立上
(
たちあが
)
れば、
毒龍
(
どくりよう
)
再
(
ふたゝ
)
び
策
(
さく
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
だが、こういう事業にたいしては、人一
倍
(
ばい
)
の熱をもつ蛾次郎である。たちまち一
策
(
さく
)
をあんじだして、蕎麦まんじゅうの
曲取
(
きょくど
)
りをやりはじめた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
イバンスはゴルドン、富士男、ドノバン、バクスターの四名に一
策
(
さく
)
をあたえて、ただちに物置きのなかにかくれた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
人物は、正直そうに見えて
策
(
さく
)
があり、それに神経質なところもあって、気にくわないことがあると、いつまでも
陰気
(
いんき
)
に押しだまっているといったふうであった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
私
(
わたくし
)
はつく/″\と
考
(
かんが
)
へたが、
今度
(
こんど
)
といふ
今度
(
こんど
)
こそは、とても
免
(
のが
)
れぬ
天
(
てん
)
の
禍
(
わざはひ
)
であらう。
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
言
(
げん
)
の
如
(
ごと
)
く、
無謀
(
むぼう
)
に
本島
(
ほんたう
)
を
離
(
はな
)
るゝ
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ぬものとすれば、
他
(
ほか
)
に
何
(
なん
)
の
策
(
さく
)
も
無
(
な
)
い。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そのわずかな
宿賃
(
やどちん
)
も、はらうことができませんので、マタンは一
策
(
さく
)
を案じ出して、
宿屋
(
やどや
)
の主人からノミとツチを借り、木ぐつをつくって、金のかわりに、それではらうことにしました。
名なし指物語
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
この一
家
(
け
)
に
令孃
(
ひめ
)
ありと
見
(
み
)
て
心
(
こヽろ
)
を
盡
(
つ
)
くす
者
(
もの
)
なく、
有
(
あ
)
るは
甚之助殿
(
じんのすけどの
)
と
我
(
わ
)
れ
計
(
ばかり
)
なる
不憫
(
いぢら
)
しさよ、いざや
此心
(
このこヽろ
)
筆
(
ふで
)
に
言
(
い
)
はして、
時機
(
あは
)
よくは
何處
(
いづこ
)
へなりとも
暫時
(
しばし
)
伴
(
とも
)
なひ、
其上
(
そのうへ
)
にての
策
(
さく
)
は
又
(
また
)
如何樣
(
いかやう
)
にもあるべく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「十三人扶持、吉田洞谷、四十二、」
理安
(
りあん
)
は「八人扶持、准、村上理庵、四十三、」
策
(
さく
)
は「九人扶持、御足三人扶持、准、市岡策、四十二、」恒三は「九人扶持、桑田恒庵改恒介、六十、」若くは其子
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ウム……では、ひとまずめいめいかってに落ちのびて、またの時節をうかがい、京都へあつまって、
人穴城
(
ひとあなじょう
)
の
栄華
(
えいが
)
にまさる出世の
策
(
さく
)
を立てるとしよう
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
怜悧
(
れいり
)
なる手塚はすぐ一
策
(
さく
)
を案じて阪井をたずねた、阪井は
竹刀
(
しない
)
をさげて友達のもとへいくところであった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
イヤ、イヤ、
稻妻
(
いなづま
)
は
尋常一樣
(
じんじやういちやう
)
の
犬
(
いぬ
)
でないから、
屹度
(
きつと
)
無事
(
ぶじ
)
に
海岸
(
かいがん
)
へは
達
(
たつ
)
したらうが、
然
(
しか
)
し、
吾等
(
われら
)
の
災難
(
さいなん
)
は
非常
(
ひじやう
)
な
事
(
こと
)
だから、
大佐閣下
(
たいさかくか
)
でも
容易
(
ようゐ
)
には
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
す
策
(
さく
)
がなくつて、
考慮
(
かんがへ
)
て
居
(
ゐ
)
なさるのだらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
營
(
いとな
)
むが
上
(
うへ
)
に
彼
(
か
)
れは
本家
(
ほんけ
)
とて
世
(
よ
)
の
用
(
もち
)
ひも
重
(
おも
)
かるべく
我
(
われ
)
とて
信用
(
しんよう
)
薄
(
うす
)
きならねど
彼方
(
かなた
)
に
七分
(
しちぶ
)
の
益
(
えき
)
ある
時
(
とき
)
こゝには
僅
(
わづ
)
かに
三分
(
さんぶ
)
の
利
(
り
)
のみ
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
繁榮
(
はんえい
)
長久
(
ちやうきう
)
の
策
(
さく
)
は
彼
(
か
)
れ
松澤
(
まつざは
)
の
無
(
な
)
きにしかず
且
(
か
)
つは
娘
(
むすめ
)
の
容色
(
きりやう
)
世
(
よ
)
に
勝
(
すぐ
)
れたれば
是
(
これ
)
とても
又
(
また
)
一
(
ひと
)
つの
金庫
(
かねぐら
)
芳之助
(
よしのすけ
)
とのえにし
絶
(
た
)
えなば
通
(
とほ
)
り
町
(
ちやう
)
の
角
(
かど
)
地面
(
ぢめん
)
持參
(
ぢさん
)
の
聟
(
むこ
)
もなきにはあらじ
一擧兩得
(
いつきよりやうとく
)
とはこれなんめりと
思
(
おも
)
ふ
心
(
こゝろ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
このごろ手塚は裏切り者として
何人
(
なんぴと
)
にもきらわれた、でかれは光一にもたれるより
策
(
さく
)
がなかった。かれはなにかさぐるように
狡猾
(
こうかつ
)
な目を光一に向けて微笑した。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「そなたも聞いたでしょう。
策
(
さく
)
が
于道士
(
うどうし
)
を捕えて獄に下したということを」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌日富士男は、おもむろに
持久
(
じきゅう
)
の
策
(
さく
)
をこうじた、まず第一に必要なのは、食料品である。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
“策”の意味
《名詞》
(サク) はかりごと。計画。
(むち) 人をしかったり激励したりするための言葉や行為、道具。
(出典:Wiktionary)
策
常用漢字
小6
部首:⽵
12画
“策”を含む語句
失策
計策
大失策
策略
散策
一策
術策
良策
奸策
画策
上策
方策
警策
権謀術策
策謀
妙策
悪策
彌縫策
道策
施策
...